鬼と日常
名前変更
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「あ、時雨ちゃんおはよう
隣座ってもいい?」
「おはよう山崎殿、もちろんだ」
入隊してから1週間が経ち、食堂で朝食を取っていた時雨に声をかけたのは、監察の山崎だった
”えぇぇっ!!?
副長!なんで屯所に女の子がいるんですか!!”
3日前、張り込みから帰ってきた山崎は時雨を見るなりそう叫んだ
叫んだ瞬間、土方に殴られ、その後、山崎も時雨が女であることを知る1人となった
山崎も真選組の1人であり、決して弱いわけではないのだが、なぜか人間の匂いが極端に薄いらしく、時雨とはすぐに仲良くなることが出来た
「匂いが薄いのが地味だからって理由なら、今まで地味地味言われてきたのも悪くないかもね
時雨ちゃんとも仲良くなれグハッ!!」
「時雨、隣いいですかィ
ん?なんでィ変な顔して……あ、ザキいたんですかィ」
時雨の隣で楽しそうに喋る山崎がまるでいないかのように後からやってきた沖田が山崎を押しのけて時雨の隣へ座る
「いたんですかィじゃないですよ沖田隊長!!
俺、時雨ちゃんの隣に座ってたじゃないですか!」
「見えなかったんでィ地味で」
山崎は泣く泣く沖田に席を譲り、時雨の隣に座った沖田を見た
沖田はかなり時雨に懐いているように見える
今は別の部屋で寝ているらしいが、数日前まで同じ布団で寝ていたと聞いたものだから驚きだ
「なんでィ人の顔ジロジロ見て
気持ち悪いですぜザキ」
「あ、沖田、ご飯粒が付いてるからじゃないか?ほらここんとこ」
ご飯粒を見ていた訳じゃないのだが……と思いつつ、時雨が次にとった行動に驚く
時雨は沖田の口元に付いたご飯粒を取り、そのまま自分の口へ放り込んだ
(わぁぁぁあ!!?
やばいって時雨ちゃん!
プライドの高い沖田隊長にそんなことしたら!!)
「あぁ、すいやせん」
(あれ?)
素直に礼を言う沖田になんとも不思議な感じがする
初めてこの2人を見たときは時雨が一方的に沖田に懐いているように見えたが、沖田がこんなことを許す相手はミツバや近藤以外に見たことがなかった
「ご馳走様
今日は沖田と僕で見廻りだったな?」
「そうですねィ」
「じゃあ今日は団子の日だな!」
2人とも朝食を食べ終わり、副長に聞かれたら間違いなくゲンコツを喰らうであろう会話をしながら食堂を出て行った
(サボりの共犯だから仲がいいのかな)
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