鬼と歩む道
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ふわふわとハッキリとしない意識のまま僕は真っ暗な闇の中を漂っていた
上も下も右も左も何も見えないのに、ただただ、ゆっくりと落ちていく感覚だけが身体中に伝わる
総悟は僕を殺してくれたのだろうか
うん、大丈夫、きっと僕を殺してくれた
その事に安堵しながら、僕はゆっくりと目を閉じる
僕はこれからどうなるのだろう?
月光鬼は生まれ変わらないと聞く
なら、ずっとここでふわふわと落ちていくのだろうか
底のありそうにない暗闇にふるりと身震いする
と、上の方が淡く白い光を放ち始めた
その光の中央にあるものを僕はよく知っている
「………月……?」
突然現れた月の光は次第に強さを増しその光の中央から人影が落ちてきた
「………総悟?」
落ちてきたのは総悟だった
目を閉じ、まるで眠っているように見える総悟の手を掴む
「総悟!!」
時雨が叫ぶと沖田がゆっくりと目を開く
「あれ、時雨じゃねェですかィ」
間の抜けた声でそういう沖田に、時雨はすぐさまこの状況を理解する
なぜ、沖田がここにいるのか
「殺して、くれなかったのか……!?」
信じられないというような顔をする時雨に、沖田も申し訳なさげに微笑む
「わりィ
俺には出来やせんでした
お前にも白鬼にも言われたってのに出来やせんでした」
「な、んで、なんでそんな事を……
総悟がいない世界で僕に生きていけっていうのか!?」
「あ、それ俺も思いやした
時雨こそ、俺を1人にして生きてけってんですかィ?」
もう何もかも納得したように落ち着いて飄々とした様子の沖田に時雨は怒りか、悲しみからか震えている
「そんな顔しないでくだせェ
って、言いたいところですがそれはあんまりにも酷ですねィ」
この暗闇の中は重力がないのか、時雨の目から溢れた涙の雫が2人の周りを漂う
沖田は時雨に掴まれた腕を引き寄せ、時雨を抱き締める
「そうやって、一生俺を恨んでいなせェ
お前を殺さなかった奴だって
お前を助けなかった奴だって
お前を不幸にした奴だって
一生、俺のことを恨み続けなせェ」
沖田はそういうとニヤッと笑い、時雨にゆっくりと口付けると、自分が落ちてきた光の方へ時雨を放り投げた
「っ!?総悟!!!」
、