鬼と守るべき相手
名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
時雨を、殺したくなんかない
それはつまり、時雨を守るのではなく、自分を守るという事
闇夜に浮かぶ金の瞳は、見慣れているはずなのに妖しく輝いている
時雨はジャケットを羽織っていない隊服姿で屯所の塀の上に立ち、ただ静かにこちらを見下ろしている
その目はいつか見たことのある冷たい瞳だった
近藤さん、土方さん、ザキ、万事屋の面々以外は時雨の放つ静かな、けれども鋭すぎる殺気に当てられたのか腰を抜かしている
正直、すぐさま攻撃してくると思っていた俺はふっと力を抜く
「………時雨……?」
喉がカラカラで時雨の名前を一文字一文字発するごとに口の中に舌が張り付くような感覚に襲われる
時雨は俺の声に応えることなく、まるでこちらが動くのをまっているかのように塀の上からピクリとも動かない
「時雨!目を覚ませ!」
広間にいる銀時が立ち上がり、時雨に声をかける
時雨は目線だけを銀時の方へ移した後、ぐるりと首を銀時の方へ向けた
と、次の瞬間時雨は塀の上から銀時の元へ瞬時に移動した
「旦那!!」
銀時は咄嗟に木刀を構えるが、時雨に吹っ飛ばされて広間の壁に激突する
「……っ、」
壁の下でうずくまっている銀時に、さらに追い討ちをかけようとする時雨を、沖田は鞘に入ったままの刀で受け止める
「っ、時雨!」
時雨の瞳は沖田が見えているのかいないのか、立ち上がった銀時の頭から滴る血が広間の畳の上にポタポタと落ちるのを食い入るように見つめている
「時雨、目を覚ましなせェ!
俺は、お前を!!」
時雨の力を抑えながら、沖田が必死に問いかけると、時雨の視線が銀時の血からゆっくりと沖田の方へと向く
「時雨!」
「………」
「嫌っなんでィ、お前を殺す、なんて!」
今にも泣きそうな顔でそう言う沖田を時雨は冷ややかに見つめる
「頼む、目を、覚ましてくれ」
でないと、俺はーーーーー
、