鬼と闇夜の再会
名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ずっと見上げていた空が白んできた事で、夜が明けたことを感じる
来てしまった、今日が
月の無い闇夜の訪れる今日が
沖田は寝ていないせいか、それとも心労のせいか、気怠げに立ち上がる
「あいつはまだ呑気に寝てるんだろうねィ」
ゆったりとした足取りで時雨の部屋に向かい、中に声をかける事なく戸を引く
「……時雨……?」
しかし、部屋の中に時雨の姿は無く、部屋の中には布団すら敷かれていなかった
沖田は時雨の名前を叫びながら屯所中を駆け回る
その声に反応してまだ眠っていた隊士達が何事かと起きてくる
「いない、時雨が……」
沖田が呆然と立ち尽くしていると、屯所の玄関から間延びした声が響く
「来たぞー大串くん」
突然やって来た万事屋の面々に焦っている沖田を他所に、土方は落ち着いた様子でタバコに火をつける
というのも、土方は今時雨がどこにいるのかを知っていた
時雨は月光鬼になってしまうまで山奥の神社にいる
そして土方は夜までに銀時、沖田、そして鬼の子孫であるヒノトという月光鬼にとってのエサを真選組に集めることになっていた
もちろん、銀時もその事は知っており、複雑な気持ちで真選組へとやって来た
「どういうことでィ土方さん」
「あ?」
「時雨がいなくなったんですぜ!?なんでそんなに落ち着いてんでさァ!?旦那まで呼んで、まるでこうなるのが分かってたみたいな……」
そこまで口にして、沖田はハッとしたようにタバコをふかす土方を見る
「まさか、時雨が……?
でもあいつは月光鬼の事を知らないはずじゃ……」
沖田の言葉に、銀時が土方にチラリと目配せし、土方が了承したようなそぶりを見せると、銀時が口を開いた
「知ってんだよ。全部」
「全部……?」
「ちょ、銀ちゃん!」
話し始めた銀時を、神楽が止めようとするが、銀時は聞かずに話を続ける
「この前、屯所から出てった時雨を、神楽が追っかけていった時があっただろ?
その時、追いかけてった先で白姫に会ったんだよ」
「な、そんな事一言も……白姫はあの時死んだんじゃなかったんですかィ!?」
「わたしが、言うなって言ったアル
時雨が最後まで知らないフリをしていたいって言ったから
白姫は時雨に月光鬼の事を全部言ってから砂になって死んだアル」
「俺やお前を殺しちまう事も、お前に殺されるしか方法が無いことも全部な」
銀時と神楽の言葉に、沖田は力が抜けたようにその場に座り込む
「んだよ、あいつが、時雨が、全部知ってたって?」
「あぁ」
「それを知らなかったのは、俺、だけ……?」
「そうだ」
「っ……!!!」
土方がそう淡々と告げると、沖田はバッと立ち上がり、時雨の部屋に向かった
、