鬼と、白鬼と、つとめ
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俺と時雨が初めて会ったのは親父に白鬼のつとめについて聞いた次の日だった
「緑鬼の時雨といいまする
今日から白鬼様の護衛となりました」
綺麗に指先を揃え、頭を下げていた少女がすっと顔をあげる
見たこともない金の瞳に感動したのを今でも覚えてるけど、その時は美しいと思っただけじゃなかった
(この子が月光鬼)
俺は初めのうちは時雨の事をとても警戒してたんだよ
だって時雨は十にもならないような子供でも、小ちゃくても、可愛くても、月光鬼だったから
でもいつだったかな、そう、俺の12の誕生日のお祭りで、白鬼の分家が謀反を起こしたことがあってさ、分家の雇った刺客が俺に襲いかかってきたんだ
「白鬼様!!」
時雨が叫ぶ声が聞こえた途端、目の前に迫っていた刺客が時雨に取り押さえられていた
自分より二つ年下の時雨は月光鬼だからなのか、同じ年頃の鬼の娘とは比べものにならないほど強く、親父の護衛だった赤鬼の男ともほぼ互角の実力だった
「お怪我はありませんか白鬼様」
刺客を取り押さえながらそう言った時雨に、あぁこの子は俺を守ってくれる鬼なんだってそう思ったんだ
それから四年、俺が時雨を女として好きになるのには充分すぎる時間だった
お前なら分かるだろ?
16になった俺の元には集落の中にいる白鬼一族の娘との見合い話が頻繁に来るようになってた
もちろん、俺は時雨が好きだったからそんなの全部断ったけど、時雨には気持ちを伝えられなかったから辛かったな
は?なんでってそりゃあいつの立場が悪くなるからに決まってんだろ時雨が月光鬼だから俺の側にいるんだって知ってたのは白鬼の一族だけで、他の鬼たちは最下級身分の緑鬼だと思ってたんだからさ
なのにお前はいいよな沖田
時雨に好きだって言って、手を繋いで、抱きしめて、口付けて……
悪い、話が逸れた
そうやって見合いを断り続けて2年が経ったんだけど、その頃から豊臣の軍勢が度々鬼の集落を攻めるようになってきてな
その時は鬼が人間に負けるのが不思議だったけど、実際は白姫があいつらに血をやっていたから戦いの経験のない鬼はどうしようもなかったんだ
で、それが原因で俺の結婚を急ぐようになって、親父が決めたのが白姫との結婚だったわけ
まぁまんまと白姫の策略に嵌められたわけだよ
それでも、時雨を好きな俺が、結婚を拒んだから時雨の両親は殺され、時雨も刀に封印されて、俺も殺されたんだけどね
……そう睨むなよ
お前だって嫌だろ好きでもない女と結婚するなんて
まぁ、時雨が刀に封印されていたおかげで、俺の頃から今まで月光鬼が出なかったんだけど
なに?あぁ……つとめのことね
………
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