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カルデア・アラカルト

「これを見よ、黄金の」
瞳に笑みを浮かべながらオジマンディアスが見せつけたのはその赤い舌だった。ただ一点常人と異なるのはその真ん中に銀色のピアスが通されていたことだ。
「ボディピアスだ。名をセンタータン。なあ黄金の、痛みと引き換えに快楽を手に入れられると聞いたらお前はどうする? 余は迷わず快楽をとる。生前なら余の統治に支障をきたしかねないことは諦めていただろう。王たるもの、第一に考えるべきは民のことゆえ。だが今は違う。この身はサーヴァント、民はカルデアによって救われ、余のエジプトは王を変え姿を変えた。よって余は現在からいつか来る退去の日を、余が王の責務より放たれた刹那の時間というものを、楽しんでみようと思ったのだ。そこで目をつけたのがこれだ。古来より耳にピアスを開けることはあったが舌にはそもそもとして開けるだけの技術が存在しなかったゆえな。まあ技術があったところで余が舌を割ろうものならネフェルタリが黙っていなかっただろうが。ともかく、聞くところによるとこのピアスをしたまま接吻だなんだをすると独特の快楽を得られるらしい。さあどうだ黄金の、余とともに至上の悦楽に浸る気はないか?」
にやりとギルガメッシュは笑う。得意げな表情とともに見せた赤の真ん中には銀色の月が一つ浮かんでいた。
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