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メソポタミア組短編集

「この緑色はね、森の植物たちから譲り受けたものなんだ」
ある晴れた日、窓から注ぐ陽の光に自らの髪を透かしながら友はそう言った。
「ほう、面白い。その緑、我によく見せるがよい」
すると友はふむ、と小さく声を漏らし
「ならギル、杯を一つもらえるかい?」
と尋ねた。的外れな答えに意図が読めなかったが神官を呼びつけ杯を一つ持って来させ友に手渡した。友はその長い髪をひと束掴み魔力を込めた。
はい、と渡された杯には森を思わせる緑色をした粘り気のある液体がなみなみと注がれていた。
「君が見たいっていうから少し取り出してみたよ、あげる。……僕が死んだらこの肉体は土に還るだろうけど森からもらったこの緑は残るだろうから。」
友ははにかんだような、少し悲しそうな笑みを浮かべた。髪が心なし短くなったようにみえる。
馬鹿め。いくら呪いを受けたとてお前のことだ、死ぬにはまだ千年早かろうよ。
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