｢ちょっとー！｣

｢なんでー！｣

いきなり楽屋に響き渡るれにちゃんの声。何事かと振り向いてみればいつもなられにちゃんが夏菜子にやられてる首を掴まれ引き剥がされるそれを今れにちゃんがあーりんにやっていた。

｢え、何してんの？｣

｢あーりんが私の携帯覗いてくるの！｣

｢いやいやさすがにそれは駄目でしょ、あーりん。｣

｢なんで？何かやましいことでもしてるの？｣

｢してないよ！してないけど携帯はプライバシーの侵害だよ！｣

｢いいじゃん、ケチ！｣

｢ケチでもいいからこれから私の携帯覗かないでよ？｣

｢えっちぃもの見てるんだー。｣

｢っちが！｣

｢ふんっもういいよ！｣

｢なんで私が怒られるの？おかしくない？玉さん！｣

｢まぁ、あーりんだからw｣

｢助けてくんないのぉ？｣

｢ちょっとめんどくさいかなw｣

｢そんなーー(泣｣

｢まぁもう見ないっぽいから大丈夫じゃない？で、どんなエロ画像見てたんだようw｣

｢だから違うって!!!｣


―――――


｢ったく、あの二人の頭ん中は思春期男子かよ。｣

危ないところだった。
あーりんへのサプライズで誕生日プレゼントを決めていたら、いきなり後ろから一番見られたくない人に携帯を覗かれた。
バレたかと思ったけど、あの反応ならたぶん気付かれてないと思う。でも思わずキツイ言い方をしちゃって誕生日目前で険悪なムードになってしまった。

｢まずいなぁ。しかもまだプレゼント決まってないよ。｣



後日

｢何がいいかなー。｣

相変わらず携帯と睨めっこをする日々が続いている私。その近くであーりんが睨んでたことなんて気付きもしなかった。

｢あぁもう駄目だ！休憩しよ！何か飲み物取ってくるけどあーりんなんか飲む？｣

｢ううん大丈夫。｣

｢OKー。｣

｢高城ー！私お茶♪｣

｢夏菜子ちゃんには聞いてないんだけどwはいはい。｣

｢ありがと♪｣


―――――


れにちゃんが去ったのをしっかり確認する。

｢よし。｣

机に置きっぱなしになっているれにちゃんの携帯。
サッとスライドさせる。

｢え、なにしてんの？あーりん。｣

｢ちょっとね。｣

｢いやいやこの前も言ったけど他人の携帯覗くのは駄目だよ！しかもいない隙を見計うなんて一番やっちゃいけないでしょ！｣

｢れにちゃんのものは私のもの♪｣

｢恐ろしい子！あれ？でも、もう見ないって言ってなかったっけ？｣

｢そんなこと言ってないよ。もういい！って言っただけ♪｣

｢恐ろしい子!!携帯覗くなんて絶対いいことないからね！｣

そう言うと呆れたようにこの場を去っていく。

｢やましいことがないかちゃんと調べないと！｣

とスライドさせたはいいものの案の定ロックがかかっていた。

｢だよね。まぁ手始めに私の誕生日。｣
｢あれ違う。まさかの自分の誕生日？｣
｢これも違う。｣
｢じゃあ付き合った日？｣
｢えーこれも違う！｣

｢何してんの？｣

顔を上げれば不適な笑みでこっちを見ているれにちゃん。

｢なんにも♪｣

｢あーりんには絶対分からないよ。しかもこの前もやめてって言ったのにまた見るんだ。｣

そういうと携帯を奪われ夏菜子ちゃんにお茶を渡しに行ってしまった。

｢怒らせちゃった。｣

ここまで来るとさすがの私でもやりすぎだと気付く。でも気付くの遅すぎ！

｢大人しくして時間に解決してもらお。｣

すぐ謝りに行こうかとも思ったけど、普段なかなか怒らないれにちゃんだから余計に怖い。そして近づくなオーラが凄くてどう接したらいいのか分からなかった。



あーりん誕生日

なんだかんだであの日喧嘩っぽくなってからちゃんと話していない。あーりんから話しかけてくることもなかったし私もプレゼント選びが難航して気付けば誕生日当日。

今日はあーりん一日ソロのお仕事だから本来なら会う予定はない。
だからメールで夜に会う約束をした。

｢そういえば二人で会って話すの久しぶりだ。｣

ふとそんなことを思い出しちょっと緊張した。

約束の時間。仕事終わりのあーりんが待ち合わせ場所に来る。

｢お疲れ様。足大丈夫？｣

｢お疲れさま。うんちょっとづつ慣れていかなきゃね♪｣

｢だね。｣

あーりんの足の負担も考えてすぐ近くの喫茶店に入った。

｢なんかこうやって二人で話すの久しぶりすぎてちょっと緊張したよーw｣

｢メンバーいないと私も緊張するw｣

お互いこの間の諍いは忘れてすぐいつもの空気に戻った。


―――――


｢明日も仕事あるしそろそろ帰ろっか。｣

｢うん。｣

お店を出ていつもよりゆっくりとしたテンポで歩く。

｢ちょっとここで休憩する？｣

近くにあるベンチにあーりんを連れて行く。
しばらく二人で無言で前を通る人を観察する。

｢…この前勝手に携帯覗こうとしてごめんね？｣

｢ん？あぁもういいよ。でももうしないでね。｣

｢うん。｣

｢じゃあそのご褒美ってわけじゃないけど…これ！｣

バックの中から可愛く包装された包みを渡す。

｢誕生日おめでとう。｣

｢え、いいの？｣

｢もちろん！受け取って。｣

｢ありがとう！｣

その場で包みを開けると中はネックレスだった。

｢可愛い！｣

｢いつでも身に付けられるものがいいなって。気に入ってくれた？｣

｢うん♪｣

早速付けてみる。

｢良かったー似合ってるよ。｣

｢ありがとうー。皆に自慢しよ♪｣

｢恥ずかしいからいいよぉ。｣

いろいろあったけどいつものいちゃいちゃカップルに元通り

おわり

桃(ねぇねぇ高のパスワードなんだと思う？)
黄(懲りないやつだなぁ)
桃(気になるじゃあん)
紫(ちょっと！)
桃・黄(！)