傷(あーりんver.)
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私はれにちゃんと何度か体を重ねてきた。
仕掛けたのは私。
去年あたりから私たちはホテルが同室になることが多くなり、それがきっかけで前よりも仲良くなり次第にそれが恋心に変わった。
だけど私には告白する勇気がなかった。
―――――――――――――――――
お互いお風呂あがりでまだ少し髪が濡れている。
「…。」
「…。」
先程まで中身のない会話で笑いあってたのとは打って変わりひとつのベットに無言で見つめ合う。
さっきとは様子の違う雰囲気に少し怯えているれにちゃん。
そんな顔も愛おしく感じてしまう。
少しずつ近づいていきキスをする。
れにちゃんは優しいから拒否しないだろうという考えはあった。
そこを利用する私はずるい。だけどどんな手を使ってでもれにちゃんを私のものにしたかった。
その夜、初めて一線を越えた。
それからは体を重ねることが増えてきた。
れにちゃんは同情からしてくれているのは分かるけどゆっくりこの関係が変化していけばいいと思っていた。
そんなある日れにちゃんの口から信じられない言葉を耳にした。
「あーりん、私ね夏菜子ちゃんと付き合うことになった。」
少し顔を赤くして嬉しそうに報告をされた。
「え?好きだったの?」
「うん♪夏菜子ちゃんが告白してきてくれたの!」
「そうだったんだ…良かったね、おめでとう。」
「ありがとう♪」
全然知らなかった。れにちゃんは私のものだって勝手に思って…バカじゃん私。
「でね、あーりん。私たちさ、」
言いづらそうな顔を見ればこの先なにを言ってくるのか容易に想像がつく。
でもこの関係がなくなってしまったら私とれにちゃんの繋がりがなくなってしまう。それだけは避けたかった。
「なに?あ、私川上さんに聞きたいことがあったんだ!ちょっとごめんね、また今度でいい?」
「あ、うん。」
足早にその場を後にしてうやむやにする。
何度かこの話題を切り出そうとしてくるれにちゃんをうまく交わしてきた。
その間も私が誘えばれにちゃんは拒否することはなかった。この関係にお互い慣れてしまっていた。
同じ罪を背負っている、それだけでも嬉しかったのだ。
12月になるとリハーサルや特番が目白押しでなかなか家に帰れず、ホテルに泊まることが多くなった。
そんな今日も夏菜子ちゃんの新幹線の時間に間に合わず、どうせならと皆とホテルに泊まることになった。
各自自分達の部屋へ入っていく。
「じゃあ明日ねー。おやすみ。」
「おやすみー。」
私とれにちゃんはいつものごとく相部屋。
「早く開けろよーw」
「焦らせないでよ!」
れにちゃんが部屋の鍵を開けるのに難航していると夏菜子ちゃんが呼ぶ声が聞こえた。
「れに!ちょっと待って。」
「ん?何?」
私は無視かい!wと思いながら見れば目の前で夏菜子ちゃんがれにちゃんにキスをした。
「えっ、いきなり何!?あーりんに見られたよ!!」
「…。ひゅーひゅー、熱いねー。」
「別に。おやすみ♪」
何事もなかったように部屋に戻っていく夏菜子ちゃん。
嫌な予感がする。
「ねぇあーりん、開かないよー!」
無事中に入ることが出来、バックを下ろす。
「さっきの何だったんだろ。」
「私への牽制?w」
「まさかw」
冗談交じりに聞いてみるが、れにちゃんは特に気にする様子もなかった。
「さーてと、あーりん先お風呂入る?」
「うん!ありがと、先行ってくるね。」
「どうぞー。」
髪を流しながらさっきの光景がフラッシュバックする。
気付かれているのかもしれない。
牽制のつもりでやっているのだとしたら私達の終わりは本当に近づいてきてる。
今日で最後にしよう。
お風呂を出てれにちゃんとバトンタッチする。
「ふー気持ち良かった!」
「本当出てくるの早いよねw」
「ありがと♪」
「褒めてはないけど。」
いつものようにTVを見たりブログ用の写メを撮って笑い転げていると不意に近くなる顔。
覚悟がつかずしばらく無言で見つめ合うとどちらともなく顔を近づけてキスをする。
終盤、私はれにちゃんの背中に手を伸ばすがその手をれにちゃんに掴まれる。
「ごめんね、シーツ握ってて。手繋ごうか?」
「うん。」
自分のものだっていう印が欲しかった。
それが傷だった。
だけど最後の最後まで叶うことはなかった。
せめてもの悪あがきとしてれにちゃんの手の甲に爪をたてた。
翌朝私達は寝坊をした。
話を聞けば夏菜子ちゃんが部屋にきたらしい。
「あははは、押してるし行こっか!」
これで私達の細くて脆い糸は切れた。
なぜか私の心は落ち着いていた。
見渡せばれにちゃんは夏菜子ちゃんの様子が気になって気が気ではないみたい。
今日は比較的お仕事が早く終わった。
帰り支度をしていると遠くでれにちゃんと夏菜子ちゃんの話している声が聞こえてきた。
「れに。最終の新幹線で帰るからさ、それまでどっか行こうよ。イルミネーション見に行きたいな♪」
「う、うん!」
一人二人と楽屋を後にして車へ向かう。気付けば部屋には私だけだったため急いで支度を終え部屋を出ようと振り返ると夏菜子ちゃんが立っていた。
言わなきゃ
私は逃げてばっかだ。れにちゃんの性格を利用して…。最後ぐらい
「夏菜子ちゃん、ごめんなさい。」
今までの私とれにちゃんの関係を話した。
「…そっかー…。当たっちゃったかー。」
「れにちゃんは悪くないの!」
しばらく二人の間に沈黙が流れる。
「…言ってくれてありがとう。」
「え?」
「薄々というか気付いてはいたんだけど、このまま私ピエロになるのは辛いなって思ってて…別れたほうが良いかなって…。」
「…。」
「でもさ、やっぱ無理だった。まだ好きなんだもん。ごめん、高城は譲れない。」
「ううん、私が全部悪いの。ごめんなさい。」
「もう、やめにしない?この話。皆待ってるし行こ♪」
「うん。」
夏菜子ちゃんは勇気を出してれにちゃんに自分の気持ちを伝えた。
私も勇気を出していれば何か変わってたかな?
先を歩く夏菜子ちゃんの背中を見ながら思う。
れにちゃんの手の甲の傷がなくなるころ私の心の傷はなくなっているのかな。
仕掛けたのは私。
去年あたりから私たちはホテルが同室になることが多くなり、それがきっかけで前よりも仲良くなり次第にそれが恋心に変わった。
だけど私には告白する勇気がなかった。
―――――――――――――――――
お互いお風呂あがりでまだ少し髪が濡れている。
「…。」
「…。」
先程まで中身のない会話で笑いあってたのとは打って変わりひとつのベットに無言で見つめ合う。
さっきとは様子の違う雰囲気に少し怯えているれにちゃん。
そんな顔も愛おしく感じてしまう。
少しずつ近づいていきキスをする。
れにちゃんは優しいから拒否しないだろうという考えはあった。
そこを利用する私はずるい。だけどどんな手を使ってでもれにちゃんを私のものにしたかった。
その夜、初めて一線を越えた。
それからは体を重ねることが増えてきた。
れにちゃんは同情からしてくれているのは分かるけどゆっくりこの関係が変化していけばいいと思っていた。
そんなある日れにちゃんの口から信じられない言葉を耳にした。
「あーりん、私ね夏菜子ちゃんと付き合うことになった。」
少し顔を赤くして嬉しそうに報告をされた。
「え?好きだったの?」
「うん♪夏菜子ちゃんが告白してきてくれたの!」
「そうだったんだ…良かったね、おめでとう。」
「ありがとう♪」
全然知らなかった。れにちゃんは私のものだって勝手に思って…バカじゃん私。
「でね、あーりん。私たちさ、」
言いづらそうな顔を見ればこの先なにを言ってくるのか容易に想像がつく。
でもこの関係がなくなってしまったら私とれにちゃんの繋がりがなくなってしまう。それだけは避けたかった。
「なに?あ、私川上さんに聞きたいことがあったんだ!ちょっとごめんね、また今度でいい?」
「あ、うん。」
足早にその場を後にしてうやむやにする。
何度かこの話題を切り出そうとしてくるれにちゃんをうまく交わしてきた。
その間も私が誘えばれにちゃんは拒否することはなかった。この関係にお互い慣れてしまっていた。
同じ罪を背負っている、それだけでも嬉しかったのだ。
12月になるとリハーサルや特番が目白押しでなかなか家に帰れず、ホテルに泊まることが多くなった。
そんな今日も夏菜子ちゃんの新幹線の時間に間に合わず、どうせならと皆とホテルに泊まることになった。
各自自分達の部屋へ入っていく。
「じゃあ明日ねー。おやすみ。」
「おやすみー。」
私とれにちゃんはいつものごとく相部屋。
「早く開けろよーw」
「焦らせないでよ!」
れにちゃんが部屋の鍵を開けるのに難航していると夏菜子ちゃんが呼ぶ声が聞こえた。
「れに!ちょっと待って。」
「ん?何?」
私は無視かい!wと思いながら見れば目の前で夏菜子ちゃんがれにちゃんにキスをした。
「えっ、いきなり何!?あーりんに見られたよ!!」
「…。ひゅーひゅー、熱いねー。」
「別に。おやすみ♪」
何事もなかったように部屋に戻っていく夏菜子ちゃん。
嫌な予感がする。
「ねぇあーりん、開かないよー!」
無事中に入ることが出来、バックを下ろす。
「さっきの何だったんだろ。」
「私への牽制?w」
「まさかw」
冗談交じりに聞いてみるが、れにちゃんは特に気にする様子もなかった。
「さーてと、あーりん先お風呂入る?」
「うん!ありがと、先行ってくるね。」
「どうぞー。」
髪を流しながらさっきの光景がフラッシュバックする。
気付かれているのかもしれない。
牽制のつもりでやっているのだとしたら私達の終わりは本当に近づいてきてる。
今日で最後にしよう。
お風呂を出てれにちゃんとバトンタッチする。
「ふー気持ち良かった!」
「本当出てくるの早いよねw」
「ありがと♪」
「褒めてはないけど。」
いつものようにTVを見たりブログ用の写メを撮って笑い転げていると不意に近くなる顔。
覚悟がつかずしばらく無言で見つめ合うとどちらともなく顔を近づけてキスをする。
終盤、私はれにちゃんの背中に手を伸ばすがその手をれにちゃんに掴まれる。
「ごめんね、シーツ握ってて。手繋ごうか?」
「うん。」
自分のものだっていう印が欲しかった。
それが傷だった。
だけど最後の最後まで叶うことはなかった。
せめてもの悪あがきとしてれにちゃんの手の甲に爪をたてた。
翌朝私達は寝坊をした。
話を聞けば夏菜子ちゃんが部屋にきたらしい。
「あははは、押してるし行こっか!」
これで私達の細くて脆い糸は切れた。
なぜか私の心は落ち着いていた。
見渡せばれにちゃんは夏菜子ちゃんの様子が気になって気が気ではないみたい。
今日は比較的お仕事が早く終わった。
帰り支度をしていると遠くでれにちゃんと夏菜子ちゃんの話している声が聞こえてきた。
「れに。最終の新幹線で帰るからさ、それまでどっか行こうよ。イルミネーション見に行きたいな♪」
「う、うん!」
一人二人と楽屋を後にして車へ向かう。気付けば部屋には私だけだったため急いで支度を終え部屋を出ようと振り返ると夏菜子ちゃんが立っていた。
言わなきゃ
私は逃げてばっかだ。れにちゃんの性格を利用して…。最後ぐらい
「夏菜子ちゃん、ごめんなさい。」
今までの私とれにちゃんの関係を話した。
「…そっかー…。当たっちゃったかー。」
「れにちゃんは悪くないの!」
しばらく二人の間に沈黙が流れる。
「…言ってくれてありがとう。」
「え?」
「薄々というか気付いてはいたんだけど、このまま私ピエロになるのは辛いなって思ってて…別れたほうが良いかなって…。」
「…。」
「でもさ、やっぱ無理だった。まだ好きなんだもん。ごめん、高城は譲れない。」
「ううん、私が全部悪いの。ごめんなさい。」
「もう、やめにしない?この話。皆待ってるし行こ♪」
「うん。」
夏菜子ちゃんは勇気を出してれにちゃんに自分の気持ちを伝えた。
私も勇気を出していれば何か変わってたかな?
先を歩く夏菜子ちゃんの背中を見ながら思う。
れにちゃんの手の甲の傷がなくなるころ私の心の傷はなくなっているのかな。