[夢]How was your day?
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帰宅ラッシュの電車の中は一日の仕事を終えた人の疲労感や休日を楽しんでいる人のエネルギーがせめぎあう
わたしはといえば、もちろん前者で「あぁまだ水曜日だぁ」と心の中でうなだれながら手すりに寄り掛かる
通常業務に加え明後日の会議用資料を作るため連日残業をしてるからかいつもより疲れのピークが早い
「名前さん、今日帰ったほうが良いですよ。なんか顔色悪いです」
「いやいや~大丈夫だよぉ」
「何言ってるんですか、頑張りすぎですよ。私たちもいるんですから頼ってください。頼りないかもしれないですけど…ワンチームでしょ?」
「っぶ!!まさかここでその言葉聞くとは思わなかった」
「名前さんは私たちのリー〇・マイケルです!」
「………っえそれ喜んでいいの?」
「当たり前です。リー〇・マイケルは最高のリーダー像なんですから」
「そ、そっか。ありがとね」
と、少し変わった後輩ちゃんに促され定時に無理矢理帰ることになった
頼りないリー〇・マイケルでごめんよぉと思いながら無事会議を乗り切ったら私のおごりで皆で飲めや歌えやの決起集会をやろう!と車内から見える夕日に誓った
会社のPCから転送されてくるメールをチェックしとこうと携帯を取り出し確認していると画面の上部に恋人からのLINEが。
高城(今日もう終わって家にいるから)
その文面とともに私のソファで寛いでいる写真が送られてきた。
合鍵を渡してから…というかほぼ奪われてからというものちょくちょく私の部屋に勝手に上がり込むようになっている。
主(good timing!実は今日もう帰ってます!!)
高城(すごい!)
主(でしょーーもっと褒めてーー)
後輩ちゃんが帰してくれたということは内緒にしておこう。
主(帰りに買い物して帰るね。何食べたい?)
久しぶりに手料理でもふるまってあげようと聞くも既読になったまましばらく返信が来ない。
そんなに悩んでんの?
考えてる姿を想像して笑みがこぼれる。
少し待ってみたが、なかなか返信が来ないから他のSNSを見ることにした。
たまにTLに流れてくる恋人のアイドル全開の姿が眩しい
当たり前だけど家じゃこんな姿見られないからなぁ、と家にいるときのリラックスムード全開の姿を思い浮かべる
今度家で全力アイドルやってもらおうかな-想像してニヤついてしまうのをマスクで隠した。
返信が来ないまま最寄り駅に着いてしまう。
んー別に自分が食べたいものでもいいんだけど、久しぶりに一緒にご飯食べれるなられにの食べたいものも作ってあげたいしなー
ホームの階段を上りながら携帯を取り出し、れにに電話することにした。
「もしもし?メールの返事が全然こないから電話しちゃった。今駅についてこれからスーパー行くけど食べたいものない?」
『んー?』
「んー?じゃなくてさ。あれ?もしかして今外?」
電話口の向こうが少し騒がしい
『うーん』
「もう、私が食べたいものにしちゃうからね」
『あれ。今どこ?』
「どこって駅だよ。ちょっと待ってて」
改札を抜けるため、携帯カバーに挟んであるICカードを取りだそうと携帯を耳から離し、せっせとカードを抜き取り読み込ませ再び携帯口に耳を押し当てながら前を向くと
『あ、いた』
満面の笑みで出迎えてくれたれに
「ぇ、どういうこと?」
『おかえり』
「あ、ただいま」
『迎えに来たんだよ』
「ありがとう。でも、なんでそんな恰好?」
緩めのジーンズに紺のパーカー。
キャップを目深に被り長い髪はパーカーの中に締まっている。
極めつけに黒縁の伊達メガネ。
『帰ろっか』
ふわっと笑いながら右を差しだされる
「そういうこと」
れにの真意が分かり思わず笑ってしまう
『そういうこと』
「日が伸びたね~」
差し出された手に自分の左手を重ねれば、
二人繋がれた影が目の前に伸びた。
しばらく繋いだ手を噛みしめるように無言で歩いた。
「かっこいいね」
『ふふ、でしょ。我ながら男装もイケるなって思った』
「自画自賛w」
『―実はさ、』
「なに?」
『週刊誌に撮られた』
「え!なにを⁉」
思わず立ち止まり二人の距離が少し広くなる。
繋いでいる手を放そうとするけどれにはそれを拒むようにさっき以上に強く握ってくる。
言いようのない不安に駆られ、れにを見つめるけど相変わらず優しい眸で見つめられ歩こうと手を引かれる
「ねぇ、れにここにいちゃだめだよ」
『なんで?』
私の必死さとは裏腹に呑気な返事にイラっとしてしまった
「なんでって…」
『その週刊誌の内容なんだけどね』
聞くのが怖かった。私たちの関係が終わるんじゃないかって。
「――うん」
『テレビ局から車に乗り込むとき、お弁当を持ち帰ってるところを撮られた』
「…ん?どういう…」
『私たちもなんでか分からないんだけどね。売れても謙虚だーみたいな?』
今度は拍子抜けで立ち止まってしまい、振り向いたれにはいたずらっ子のように笑う。
「…なにそれ」
『なにそれだよねー』
「私はてっきり」
『いやぁ勘違いしてる時の名前の顔、可愛かったよ。不安そうに目ウルウルさせて』
「っさいあく!」
ほっとしたやら遊ばれたことの苛立ちやらで感情がごちゃごちゃだ。
繋いだままの手をぐいぐい引っ張ってスーパーを目指す
空はマジックアワーへと変わっていた。
『あ、今日ロールキャベツ食べたいな~』
「うるさい。私の食べたいもの作る!」
『えぇー』
背中から聞こえる声はどこか楽しそうだった。
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