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部屋にインターフォンの音が鳴り響き、急いで玄関へ行き扉を開くと満面の笑みのれにがそこにいた。
「おかえり。」
『ただいま~』
「解散してそのまま来たの?」
キャリーバックを預かりながら背を向けて中へ進もうとすると後ろから抱きすくめられた。
『久しぶりの再会なんだからもうちょっと嬉しそうにしてほしいんですけど。』
首に顔を埋められてかかる息がくすぐったい。
「嬉しいよ。」
お腹に回された腕に自分の手を重ねて頭を撫でながらちゃんと気持ちが伝わるように言ったつもりなんだけど。
「、ちょっと。」
ぎゅっと腕に力がこもったと思えば首にちりっと痛みを感じる。
一般人だからって軽率にキスマーク付けていいわけじゃないんだからね。
ストールをしても違和感のない季節に感謝しながら先週クローゼットの中を衣替えした自分を心の中で褒めた。
玄関にも関わらず相変わらずマーキングをしようとするこの甘い雰囲気に流されそうになるのをグッと堪える。
「晩御飯、れにの好きなメニュー用意してあげたよ。」
『本当に?やった、お腹空いてたんです。早く行きましょ。』
あっという間に今までの空気が弾けて私を抱きしめたままぐいぐいと部屋の奥へと押される。
私ばっかがその気になってたのかと思うと悔しい。
『あー良い匂い!名前さんが作る料理全部美味しいから楽しみ♪』
「ハードル上げないで。ほら手洗って着替えてきなよ、準備してるから。」
『はーい。』
✭
『いただきます。―ん、やっぱ美味しい~幸せ。』
「良かった。」
毎回大げさなくらい褒めてくれるからこっちも幸せな気分になる。
『そうだ。』
おもむろに席を立ってキャリーバックを開けてガサゴソ「どこ閉まったっけー」とか言いながら何か探してる。
『あった。』
「何それ?」
『お土産。佃煮なんですけど、楽屋に差し入れで置いてあってめっちゃ美味しかったから名前さんにも食べてほしくて買ってきました。』
「渋いね。」
お土産のチョイスがなんとも堅実的で笑ってしまった。
「どれどれ頂戴。」
手を差し出して受け取ろうとすると『はい、あーん。』と言いながら瓶から少量分すくってそのまま私に差し出してきた。
さすがアイドル。なんの躊躇いもなくこういうことを!
れにがいる世界だったらよくある光景で、可愛いなぁなんて思いながらTVを眺めてるけど私には無理。年下からあーんなんて恥ずかしいにも程がある。
「いやいや、瓶の方頂戴よ。」
『嫌です。早くー、落ちちゃいます。』
言いだしたら退かないれにの性格も知ってるから仕方なく言う通りに口を開く。
しかし、れにから言ってきたくせに一向に佃煮が入る様子がない。
『ふっ、可愛い。』
私の口を開けたマヌケな顔を見られたんだと思うと一気に顔に熱が集まる。
「さいあく。」
『ごめんなさい。本当に美味しいですよ。』
からかうように笑って今度は瓶の方を渡してくれたけど。あれ、私さっきから手のひらで転がされるような…。年上の威厳がまるで発揮出来ていない自分に呆れる。
✭
『ご馳走さまでした。』
「お粗末さま。」
『洗いものは私しますね。』
「いいよ、ライブで疲れたでしょ。私やるからお風呂入ってきな。」
『でも…。』
「でもじゃない。ちゃんと身体を癒すのもプロの仕事。」
『じゃあお言葉に甘えて。』
「うん。」
『名前さんも一緒に、』
「入りません。」
『ですよね。』
「はい、いってらっしゃい。」
あんなに明るいところでスタイル抜群なれにの裸を見たら自分が惨めになるからまだ一緒に入ったことがない。
裸なんていつも見てるのにって言われるけどそれとこれとは違うのだ、全然。
お風呂に入ってる間に洗い物を済ませ、ソファに腰掛けて携帯を弄ってるとしばらくして戻ってきたれに。
「早いよね。ちゃんと湯船に浸かったの?」
『もちろん。じゃあ髪乾かしてください。』
なにがじゃあなのか分からないけれどドライヤーを手渡されて、すっと脚の間に座るまだタオルドライされただけの髪に指を通す。
久しぶりの感触にいつもよりドライヤーの時間が長くなった。
本当気持ち良いなぁ、今度同じ美容院行ってみようかな。
「よし、こんなもんかな。」
『ありがとうございます。』
「さて、私も入ってくるね。ちょっとどいて。」
脚の間にいるれにの背中を押すと素直に立ちあがってどいてくれたから私も立ちあがろうとしたら肩をトンっと押されてまたソファに身体が沈む。
上から見下ろされると部屋の照明のせいで逆光になって見える顔は暗いけど、それはそれは満面の笑みで不覚にも可愛いなって思っていたら、れには私の膝の上に跨って肩口に頭を乗せてきた。
やっと年下らしい可愛い行動にキュンとしながら赤ちゃんをあやすように背中を撫でてあげる。
指はさっき付いたであろうキスマークを撫でていて冷めたはずの熱が再び上がるのを感じていた。
『そういえば香水変えましたね。』
「うん、秋っぽくね。どう?」
『好きです。』
「良かった。」
『浮気じゃないですよね?』
「いやいや、私だって今仕事忙しいんだから。遊ぶ暇あったら帰って寝たい。」
『ちゃんと友達と遊ばないといつか居なくなっちゃいますよ。』
なんかすごく矛盾してるような…。
「じゃあ明日同期と呑みに行こうかな~。」
『駄目です。』
「友達いなくなっちゃう。」
『私がいます。』
「れには友達だったのか。」
『ねぇー!意地悪しないでください。』
私の言葉に素直に反応してくれるのが楽しい。でも実際本当にれにがいれば別に友達いなくてもいいかなぁなんて思っちゃってるあたり私の方が好きの度合いは高いと思う。
「そうだ、今度忘年会あるんだった。」
『いつですか?』
「いつだっけ?再来週の金曜日とかだった気が。」
『―私その日オフなのに。』
「ありゃ、ごめんね。」
『どこで呑むんですか?』
「まだ分かんないよ。」
『迎えに行きます。』
「え、いいよ。バレたらまずいし。」
『バレてもいいです。妹ですっていう。』
「それは無理ある。」
気持ちだけで充分嬉しいからぎゅうっと首に抱きついてきたれにの肩に一つキスを落とす。
『名前さんは酔うとどうなっちゃうんですか?』
「一緒に飲んだことあるじゃん。」
『べろんべろんになってるとこ見たことないです。』
「酒は飲んでも飲まれるな。」
『酒豪だ。』
「学生時代酷かったから。今は自分の限界を知ったってだけ。」
あの頃はお酒に飲まれまくってたなーと思い出して苦笑いしてしまう。でもたまに昔のように何も考えずに飲みたいだけ飲んで、全てを開放していた頃に戻りたくなる時がある。
『…。』
「眠い?ベット行く?」
『―私の知らない名前さんがたくさんいて悔しいです。』
昔を懐かしんでる間にれには私の過去に嫉妬してたのか。
「今度私が学生時代過ごした街に行こっか。案内してあげる。」
『行きたいです!』
「いろいろあったなぁ。」
『あの頃に戻りたいですか?』
余程嬉しそうな顔をしてたのか、れには身体を起こして不満気に私の頬を摘まんできた。
「まぁ一番楽しかったからねー。」
いたずらっぽく微笑みながら返すと分かりやすく落ち込んだ眸。
『今は?』
「今は、」
摘まんでくる両手を捕まえて再び抱き寄せて近付いた耳元に
「一番幸せ。」
そう言えば頭をグリグりと押しつけてきた。
「可愛いなぁ。」
『名前さんはズルイです。上手く手のひらで転がされてる気がします。』
さっき考えていたことをれにも同じように思っていたなんて。
お互い転がし合っているのを想像したら思わず吹き出してしまった。
「バカップルってことかな。」
『え?』
「ううん、こっちの話。」
『隠し事はなしです。』
「、痛っ」
また一つ増えたであろうキスマーク。
それから片手で器用にブラウスのボタンを一つずつ外していく手つきを眺める。
さっきよりも熱い息と舌に私の体温も確実に上がった。
『お風呂。』
「あとで一緒に入りましょうね。」
十分エンジンの温まった車はシフトレバーをドライブに変えれば簡単に走りだす。
fin.
「おかえり。」
『ただいま~』
「解散してそのまま来たの?」
キャリーバックを預かりながら背を向けて中へ進もうとすると後ろから抱きすくめられた。
『久しぶりの再会なんだからもうちょっと嬉しそうにしてほしいんですけど。』
首に顔を埋められてかかる息がくすぐったい。
「嬉しいよ。」
お腹に回された腕に自分の手を重ねて頭を撫でながらちゃんと気持ちが伝わるように言ったつもりなんだけど。
「、ちょっと。」
ぎゅっと腕に力がこもったと思えば首にちりっと痛みを感じる。
一般人だからって軽率にキスマーク付けていいわけじゃないんだからね。
ストールをしても違和感のない季節に感謝しながら先週クローゼットの中を衣替えした自分を心の中で褒めた。
玄関にも関わらず相変わらずマーキングをしようとするこの甘い雰囲気に流されそうになるのをグッと堪える。
「晩御飯、れにの好きなメニュー用意してあげたよ。」
『本当に?やった、お腹空いてたんです。早く行きましょ。』
あっという間に今までの空気が弾けて私を抱きしめたままぐいぐいと部屋の奥へと押される。
私ばっかがその気になってたのかと思うと悔しい。
『あー良い匂い!名前さんが作る料理全部美味しいから楽しみ♪』
「ハードル上げないで。ほら手洗って着替えてきなよ、準備してるから。」
『はーい。』
✭
『いただきます。―ん、やっぱ美味しい~幸せ。』
「良かった。」
毎回大げさなくらい褒めてくれるからこっちも幸せな気分になる。
『そうだ。』
おもむろに席を立ってキャリーバックを開けてガサゴソ「どこ閉まったっけー」とか言いながら何か探してる。
『あった。』
「何それ?」
『お土産。佃煮なんですけど、楽屋に差し入れで置いてあってめっちゃ美味しかったから名前さんにも食べてほしくて買ってきました。』
「渋いね。」
お土産のチョイスがなんとも堅実的で笑ってしまった。
「どれどれ頂戴。」
手を差し出して受け取ろうとすると『はい、あーん。』と言いながら瓶から少量分すくってそのまま私に差し出してきた。
さすがアイドル。なんの躊躇いもなくこういうことを!
れにがいる世界だったらよくある光景で、可愛いなぁなんて思いながらTVを眺めてるけど私には無理。年下からあーんなんて恥ずかしいにも程がある。
「いやいや、瓶の方頂戴よ。」
『嫌です。早くー、落ちちゃいます。』
言いだしたら退かないれにの性格も知ってるから仕方なく言う通りに口を開く。
しかし、れにから言ってきたくせに一向に佃煮が入る様子がない。
『ふっ、可愛い。』
私の口を開けたマヌケな顔を見られたんだと思うと一気に顔に熱が集まる。
「さいあく。」
『ごめんなさい。本当に美味しいですよ。』
からかうように笑って今度は瓶の方を渡してくれたけど。あれ、私さっきから手のひらで転がされるような…。年上の威厳がまるで発揮出来ていない自分に呆れる。
✭
『ご馳走さまでした。』
「お粗末さま。」
『洗いものは私しますね。』
「いいよ、ライブで疲れたでしょ。私やるからお風呂入ってきな。」
『でも…。』
「でもじゃない。ちゃんと身体を癒すのもプロの仕事。」
『じゃあお言葉に甘えて。』
「うん。」
『名前さんも一緒に、』
「入りません。」
『ですよね。』
「はい、いってらっしゃい。」
あんなに明るいところでスタイル抜群なれにの裸を見たら自分が惨めになるからまだ一緒に入ったことがない。
裸なんていつも見てるのにって言われるけどそれとこれとは違うのだ、全然。
お風呂に入ってる間に洗い物を済ませ、ソファに腰掛けて携帯を弄ってるとしばらくして戻ってきたれに。
「早いよね。ちゃんと湯船に浸かったの?」
『もちろん。じゃあ髪乾かしてください。』
なにがじゃあなのか分からないけれどドライヤーを手渡されて、すっと脚の間に座るまだタオルドライされただけの髪に指を通す。
久しぶりの感触にいつもよりドライヤーの時間が長くなった。
本当気持ち良いなぁ、今度同じ美容院行ってみようかな。
「よし、こんなもんかな。」
『ありがとうございます。』
「さて、私も入ってくるね。ちょっとどいて。」
脚の間にいるれにの背中を押すと素直に立ちあがってどいてくれたから私も立ちあがろうとしたら肩をトンっと押されてまたソファに身体が沈む。
上から見下ろされると部屋の照明のせいで逆光になって見える顔は暗いけど、それはそれは満面の笑みで不覚にも可愛いなって思っていたら、れには私の膝の上に跨って肩口に頭を乗せてきた。
やっと年下らしい可愛い行動にキュンとしながら赤ちゃんをあやすように背中を撫でてあげる。
指はさっき付いたであろうキスマークを撫でていて冷めたはずの熱が再び上がるのを感じていた。
『そういえば香水変えましたね。』
「うん、秋っぽくね。どう?」
『好きです。』
「良かった。」
『浮気じゃないですよね?』
「いやいや、私だって今仕事忙しいんだから。遊ぶ暇あったら帰って寝たい。」
『ちゃんと友達と遊ばないといつか居なくなっちゃいますよ。』
なんかすごく矛盾してるような…。
「じゃあ明日同期と呑みに行こうかな~。」
『駄目です。』
「友達いなくなっちゃう。」
『私がいます。』
「れには友達だったのか。」
『ねぇー!意地悪しないでください。』
私の言葉に素直に反応してくれるのが楽しい。でも実際本当にれにがいれば別に友達いなくてもいいかなぁなんて思っちゃってるあたり私の方が好きの度合いは高いと思う。
「そうだ、今度忘年会あるんだった。」
『いつですか?』
「いつだっけ?再来週の金曜日とかだった気が。」
『―私その日オフなのに。』
「ありゃ、ごめんね。」
『どこで呑むんですか?』
「まだ分かんないよ。」
『迎えに行きます。』
「え、いいよ。バレたらまずいし。」
『バレてもいいです。妹ですっていう。』
「それは無理ある。」
気持ちだけで充分嬉しいからぎゅうっと首に抱きついてきたれにの肩に一つキスを落とす。
『名前さんは酔うとどうなっちゃうんですか?』
「一緒に飲んだことあるじゃん。」
『べろんべろんになってるとこ見たことないです。』
「酒は飲んでも飲まれるな。」
『酒豪だ。』
「学生時代酷かったから。今は自分の限界を知ったってだけ。」
あの頃はお酒に飲まれまくってたなーと思い出して苦笑いしてしまう。でもたまに昔のように何も考えずに飲みたいだけ飲んで、全てを開放していた頃に戻りたくなる時がある。
『…。』
「眠い?ベット行く?」
『―私の知らない名前さんがたくさんいて悔しいです。』
昔を懐かしんでる間にれには私の過去に嫉妬してたのか。
「今度私が学生時代過ごした街に行こっか。案内してあげる。」
『行きたいです!』
「いろいろあったなぁ。」
『あの頃に戻りたいですか?』
余程嬉しそうな顔をしてたのか、れには身体を起こして不満気に私の頬を摘まんできた。
「まぁ一番楽しかったからねー。」
いたずらっぽく微笑みながら返すと分かりやすく落ち込んだ眸。
『今は?』
「今は、」
摘まんでくる両手を捕まえて再び抱き寄せて近付いた耳元に
「一番幸せ。」
そう言えば頭をグリグりと押しつけてきた。
「可愛いなぁ。」
『名前さんはズルイです。上手く手のひらで転がされてる気がします。』
さっき考えていたことをれにも同じように思っていたなんて。
お互い転がし合っているのを想像したら思わず吹き出してしまった。
「バカップルってことかな。」
『え?』
「ううん、こっちの話。」
『隠し事はなしです。』
「、痛っ」
また一つ増えたであろうキスマーク。
それから片手で器用にブラウスのボタンを一つずつ外していく手つきを眺める。
さっきよりも熱い息と舌に私の体温も確実に上がった。
『お風呂。』
「あとで一緒に入りましょうね。」
十分エンジンの温まった車はシフトレバーをドライブに変えれば簡単に走りだす。
fin.