その席は誰のもの 紫×
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楽屋の長テーブル、詩織と向かい合ってしゃべっていたら左隣の椅子が引かれ少し乱暴に夏菜子が座ってきた
紫「おはよ」
黄「おはよー」
赤「はよ」
話しかけてもそっけないし今日は不機嫌なのか?と私と詩織はアイコンタクトをしてそっとしておくことにした
そのあとも会話に入ってくることもなく一人携帯をいじっている夏菜子に私たちはかまうことはしなかった。
黄「あ~お腹空いちゃったぁ。なんか物色しに行こう♪」
紫「え~私お腹空いてなーい」
黄「行こ―よー」
そう言って私の手を取りぶんぶん左右に振る
紫「痛い痛いwわかったよぉ」
黄「やった」
勢いよく立ち上がる詩織に続いて私も立とうとしたら服の左袖を引っ張られ夏菜子に寄り掛かってしまった。
紫「おぉととと、ごめん」
夏菜子を見ると相も変わらず携帯をいじっている。
紫「夏菜も行く?――それか何か持ってきてあげようか?」
無言を貫く表情だけでは何もわからない、
これは困った。
先に行っているしおりんが「早くー」と呼び掛けてくる
紫「今行くーー!」
行きたいんだけど…見下ろせば私のジャケットのポケットに手を突っ込んでいた
どうしたものかと思っているとじろっと見つめられてたじろぐ
紫「え、ごめん分かんない。何?」
分かんないこともないけどたまには素直に口に出してほしい
けど全然言ってくれる気配がなくて私もだんだんイライラして
紫「っ、差し入れにシュークリームあったから持ってきてあげるね」
そう言ってポケットに入れられた手を掴んで引き抜くと思っていた反応じゃなかったのかはっとしたような顔をされる
今度こそ本当に行っちゃうからね?と見つめたら口を真一文字に結び物凄い念を発してきた
紫「ものすごく分かりやすいw」
赤「何もいらない。ここにいて」
ぎこちない独占欲が嬉しいやら面白いやら
紫「はーい。玉さぁーんごめんやっぱ行かなぁーい」
ずっと扉の前で待っていてくれた詩織には申し訳ないけど頑張って言葉にしてくれた夏菜子には勝てない
黄「はぁ!?―バカ!!」
紫「ばっ!?」
赤「バカだってw」
さっきまであんなに不機嫌だったのにもう機嫌良くなっちゃったよ
ため息を一つついて掴んでいる手をまたポケットに入れて隣に座り直す
紫「夏菜子のせいで怒られた」
赤「私のせいか分かんないじゃん」
紫「いやいや絶対夏菜子のせい」
ポケットの中で繋がれた手の体温が混ざり合うまでずっとこのままで
バカ、バカ、ばか、
自分の歩みに合わせてれにちゃんへの文句を叫ぶ
もちろん心の中でだけど
一緒に行くって言ったのになんで後から来た夏菜子優先すんの?
別に私を優先しろとは言わないけど誘ったの私が先じゃん!
意味わからん!
結構前のコラムで女性は一か月で性格が4回変わるみたいなのを読んだけどタイミングが悪い、今私はとてもイライラしやすい
ちょーっと夏菜子がかまちょになっただけですぐデレデレしてさ
なんだよ
言葉遣いが悪いが今はどうでもいい
はい、ただの嫉妬です
甘いものでも食べて落ち着こうと差し入れの食べ物を物色すると
黄「ぁ、れにちゃんの好きなやつ」
こうなったらわざとれにちゃんの好きなものだけもらって目の前で食ってやる
絶対食いついてくるであろうお菓子を何個か手に取り楽屋に戻った
紫「玉さんごめんね」
黄「…」
戦利品を机に置くとさっそくれにちゃんが反応した
紫「わぁ高城が好きなのいっぱい!一個ちょうだい?」
黄「はい?あげません」
紫「全部2個づつあるからいいじゃん」
黄「別にあげるつもりで持ってきてないし」
紫「けちぃーーじゃあじゃんけんしよう!」
黄「(こういう時、高城は弱い)―いいよ」
紫「よし!」
じゃんけん、ぽい
紫「うをぉぉぉぉお!勝ったぁぁぁあ!」
赤「喜びすぎじゃない?www」
紫「絶対負けると思ったw」
黄「三回勝負!」
紫「言ってなかったよ!!」
黄「じゃんけんっ」
紫「えっ、ちょっ」
黄「いえぇぇぇい」
紫「ずるっ」
赤「はい2-1で詩織の勝ち」
紫「ヤーダー」
赤「もらってくればいいじゃん」
紫「じゃああっちむいてほい」
黄「もういいよ、あげる」
紫「本当に!?好き!大好き!愛してる!」
赤(ぁ、ニヤニヤしてる。分かりやす)
紫「あーん」
赤(食べさせてあげる必要なくない?デレデレしてるし)
二人のやりとりをつまらなさそうに眺めていると朝から別の仕事をしてきたあーりんが合流
桃「おはー」
赤「おはよ、お疲れさま」
桃「何食べてんの?」
紫「差し入れのチョコ。マジ美味しい」
桃「あーちゃんも食べたい♪」
黄「もうあげないよ、自分で持ってきな」
桃「けちぃ、れにちゃん一緒に行こ♪」
黄「このやりとりさっきもやったから」
赤「やったやった」
桃「夏菜子ちゃんだって食べてるじゃーん」
黄「っあぁ!」
赤「めっちゃ美味しい!」
黄「ダメーーー」
これ以上食べられないように机に広げたお菓子たちをかき集めた
桃「けーちけーち」
黄「けちで結構ですぅ」
桃「―いいし、さっきの現場でお土産にもらったのあるし」
そう言ってカバンの中からバレンタインチョコを取り出し空いている椅子に座るかと思いきやれにちゃんの席を引き、当たり前のように上に座る
紫「っう」
全身をベタっと高城に預け右手に携帯、左手にチョコを持ちくつろぎだす
桃「このチョコのお店他のも美味しそうじゃない?」
紫「ん?ほんとだ」
あっという間に二人の世界
二人は気にしていないように身支度を始める
赤黄(あーりんには勝てない)