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視界の端で不意に近づいてくる影
あっという間に頬に当たるやわらかな感触と可愛いリップ音
「やめてって言ってんじゃん」
『いいじゃん減るもんじゃないんだから』
「そういう問題じゃない」
そう、そういう問題じゃないんだ
れににとってそれはただのじゃれ合いのつもりなのかそれとも―
いつもそうだ。れにはすぐ好きとか言ってきてその度私の心臓がいつもより早くなるのも知らずにニコニコと見つめてくる
分かりやすいのに肝心なところが分からない
ただ分かっているのは、
私がこの子に恋をしているということ
いつからだろう、この子が悪戯に踏み込んでくる距離感に戸惑いと期待で身動きが出来なくなったのは
『でも、好きだからさ。したくなる』
ちょっと待ってよ
いつもと違う声色に違和感を感じて見つめ返せば真剣な表情とぶつかる
期待、してもいいの?
いまいち真意が分からなくて眉間に皺が寄る
『なーんてね』
私の表情を否定的に捉えたのか慌てて訂正しその場を離れようとするから思わず手首を掴んだ
『っ、びっくりしたぁ。なに?』
何じゃないでしょ、そっちだからね。
なにがそっちなのか自分でもよく分かってないけど、とにかく私が守ってきた壁を壊したのはそっちだ。
『睨まれても…怖いよ』
お互い心の声なんて分かるはずもないんだからちゃんと言葉にしないと
「トイレ行こ」
『え?私別に』
「行くでしょ?」
『…じゃあ』
さすがに皆がいるところでする話でもないからトイレを口実に手を掴んだまま部屋を後にする
*
掴んだ手首からスルッと滑らせて手を繋いで行くあてもなくぐいぐい引っ張っていく
最初は力なく繋がれるがままだったのにだんだんと握り返してくる力が強くなった
生憎表情は見えないけれどきっと笑ってるんだろうなぁ
だって私も同じだから。
『トイレ通り過ぎたけど』
「…(察してよ)」
仕掛けてきたのはそっちだよ
しょうがないから乗ってあげる
あっという間に頬に当たるやわらかな感触と可愛いリップ音
「やめてって言ってんじゃん」
『いいじゃん減るもんじゃないんだから』
「そういう問題じゃない」
そう、そういう問題じゃないんだ
れににとってそれはただのじゃれ合いのつもりなのかそれとも―
いつもそうだ。れにはすぐ好きとか言ってきてその度私の心臓がいつもより早くなるのも知らずにニコニコと見つめてくる
分かりやすいのに肝心なところが分からない
ただ分かっているのは、
私がこの子に恋をしているということ
いつからだろう、この子が悪戯に踏み込んでくる距離感に戸惑いと期待で身動きが出来なくなったのは
『でも、好きだからさ。したくなる』
ちょっと待ってよ
いつもと違う声色に違和感を感じて見つめ返せば真剣な表情とぶつかる
期待、してもいいの?
いまいち真意が分からなくて眉間に皺が寄る
『なーんてね』
私の表情を否定的に捉えたのか慌てて訂正しその場を離れようとするから思わず手首を掴んだ
『っ、びっくりしたぁ。なに?』
何じゃないでしょ、そっちだからね。
なにがそっちなのか自分でもよく分かってないけど、とにかく私が守ってきた壁を壊したのはそっちだ。
『睨まれても…怖いよ』
お互い心の声なんて分かるはずもないんだからちゃんと言葉にしないと
「トイレ行こ」
『え?私別に』
「行くでしょ?」
『…じゃあ』
さすがに皆がいるところでする話でもないからトイレを口実に手を掴んだまま部屋を後にする
*
掴んだ手首からスルッと滑らせて手を繋いで行くあてもなくぐいぐい引っ張っていく
最初は力なく繋がれるがままだったのにだんだんと握り返してくる力が強くなった
生憎表情は見えないけれどきっと笑ってるんだろうなぁ
だって私も同じだから。
『トイレ通り過ぎたけど』
「…(察してよ)」
仕掛けてきたのはそっちだよ
しょうがないから乗ってあげる