優しい嘘 紫×赤
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
好きなのに別れる…そんなことあるわけないと思ってた
ましてや自分の身に降りかかるなんて
夏菜子はももクロのリーダー
たぶん他のメンバーより仕事や責任とか多いんだと思う、というかそうだ
たまの休み、一緒にお出かけをする
たとえば映画
お互い見たい作品を言い合って決めていざ上映がスタート
少し面白いシーンがあり隣を見ると夏菜子は爆睡
こいつwと思いながらも忙しいなかでのせっかくの休みの日、ほんとなら寝たかったのかなーとか誘っちゃって気を使わせたかなーとか…
もちろん一緒に出かけれるのは嬉しいけど…それってお互いにとって良くないんじゃないかなって思うようになっちゃった
好きなのになー
もう別れるしかないかなって極端な答えが出た
だからといって簡単に嫌いにはなれないし別れたくない
ちょっとづつ自分のなかで整理をしていくしかないか、
ほんとにあるんだね、好きなのに別れるって
今なら分かる
好きだからこそ相手には…夏菜子には笑顔でいてほしくて重荷になりたくない
思い返してみれば夏菜子に相談されたことってあまりないなー
少し思い悩んでそうなときも「どうした?」と聞いても「大丈夫」って…
あ~信用されてなかったのかなー
嫌いなところを探すより私は夏菜子と不釣合いだったんだと思うことのほうが早い気がした
夏菜子にとって私ってなんだったんだ?
「もう好きじゃないの?」
うんと頷く
結局嫌いになんてなれなかった
どう頑張ったって無理なんだから強行突破でいくしかないと
「嘘だ!なら、嫌いになったって言ってよ!」
言える分けないよ
「言えないの?やっぱ、嘘だ」
「嘘じゃない」
向かい合って座り、前をむけば夏菜子の視線とぶつかる
真相を探られそうで…それが怖くて、無言で下を向くしかできない
夏菜子からは鼻をすする音が聞こえた
今顔をみたら私だって泣く
「顔みて言って」
顔を両手で包まれて無理矢理目を合わせられた
あーあ、やっぱダメだ
勝手に涙がぼろぼろ落ちる
「ほんとに嫌いなった?どうして?」
理由なんていえない
だって大好きで大好きでたまらない
その涙で濡れた顔でさえ愛おしく思えてしまうくらい
お互い静かにぼろぼろと涙をこぼす
「嫌だったんだよ…一緒に…映画、見に行っても、夏菜子寝てるし…ふとした時…す、ごく疲れてそうな、顔するし…一緒に、いて……楽しく、ない」
泣きながら言った嘘がどのくらい伝わったのか分からない
「ごめん、治すから!」
「無理しないで」
「無理じゃない!」
なんでこんなに頑なんだろう、夏菜子のバカ
「もう疲れた」
「…」
私の顔を包んでた手が離れ夏菜子は私の膝の上で顔を埋めて泣いた
「ごめんね」
夏菜子の頭を撫でる
自分から別れを切り出したくせに、この手から好きという気持ちが伝わればいいと思いながら優しく撫で続けた
まさか別れ話をされるとは思わなかった
話を切り出す前の深刻そうな顔を見たって「何か不味いことやらかしたのかな?」程度に思ってた
私を思ってくれて別れを切り出したんだろうなって話を聞いていくうちに伝わってくる
泣きながらそんなこと言われても信じられない
ましてや頭を撫でてくれた手がなによりも優しくて暖かくて…
別れ話をさせてしまったことに後悔する
結局最後まで「嫌い」とは言われなかった
れにの中ではもう終わらせた恋なのかもしれない
でも私はそんなの受け入れるつもりはない
心配かけたくなくて自分の弱いところは見せたくなかった
どうしても辛くなったとき、いつもれにの背中に顔を押し付けそのくぐもった声を聞くのが何よりも安心できて嘘のように身体が軽くなってたんだ
もっと強くならなくちゃ
れにが安心して戻ってこれるように
でもこれからどうやって私は立ち上がればいいの?