ごめん、
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「ほんとに来たんだ」
インターホンが鳴り、ドアを開ければ会いたかった人が目の前にいた
『うん…呼ばれたから』
「―ふふ」
状況は良いはずないのに嬉しくて思わず笑みが漏れてしまう
『ふふじゃないよー。とりあえず入れて?』
「あ、うん」
れにを中に促しコーヒーでも入れようと先に進む
「―っ」
『あーほんとに来ちゃった』
後ろから抱きすくめられて動けなくなる
「熱い」
『うん、結構急いで来たつもり』
慌てて家を出たのか汗ばんでるのが分かった
先の不安だったり今必死に来てくれたことが嬉しかったりいろんな感情に押しつぶされそうになるのを感じる
とにかく安心したくてれにと向かいあって抱きつく
小さな子供が大好きなぬいぐるみを誰にも取られないように必死に抱きついて守るように―
どのくらい時間が経ったんだろう
外の車が通り過ぎる音とどこからか聞こえる時計の針の音
『中入ろう、汗冷えて風邪引きたくないw』
「うん」
離れたらこの時間が終わってしまうんじゃないかって恐怖を感じながらおずおずと身体を離す
どんだけ弱ってるんだろうって自嘲したくなる
風邪を引くといけないからセーターを着せてココアを入れてあげる
「はい」
『ん、ありがと』
汗で身体が冷えて寒かったのか両手でマグカップを包んで暖を取っている
「鼻赤いw」
『うそ』
「お風呂入れてあげるからはいんなよ」
『え、いいよぉ』
「風邪引かれたらやなの」
『…ありがと』
「ちょっと待ってて」
話したいこと、話さなきゃいけないことはたくさんあるはずなのに口は勝手にそれとは関係のないことを言う
「準備出来たよ」
『うん』
れにをバスルームに連れて行ってから、ソファーで一人ココアを啜る
リラックス出来るようにと入浴剤を入れてくれた湯船にゆっくりと浸かる
じわじわと冷めた身体と心がほどけていく
『はぁぁぁぁ』
冷静になってくると自分がしでかした事の重大性をやっと理解してくる
『少女マンガみたい』
気持をリセットしたくて思いっきり息を吸って頭まで潜りこむ
『――っぷはぁぁ』
目を開けようと手で顔を拭う
別に考えてたつもりはなかった。
なかったのに杏果の顔が浮かんできた
拭いながら涙がじわじわと込みあげてくるのを感じた
『ふーー』
夏菜子のことはもちろん好きだけど
杏果のことも同じくらい大切に思ってる
最初はネタ要因のようなユニットだったかもしれないけど二人で過ごした時間は愛も育っていて
いつも隣にいるのが当たり前で―
安心できて、いつだって穏やかな時間が私たちには流れていた
なのにある日いきなり夏菜子が告白してきて私の心に波が立ち出した
その波は私の感情も簡単に揺さぶってきて
杏果とは違う刺激的な時間が流れだした
自分の感情だけで素直に動けるほど子どもじゃないことはわかってる
どっちに転んでもどちらかが傷つく
私は二人になんて酷いことをしたんだろう
私が泣く資格なんてない
涙を拭いながら顔を上げると扉の向こう側に夏菜子の影が見えた
いつからいたんだろ―
『ごめんね』
聞こえたかどうか分からない声で囁く
*
音のない部屋にはバスルームからの音が微かに聞こえてくる
れにが今ここにいる
現実的なことを考えればれには杏果より私を選んでくれたってことになるのかな?
れにと杏果の絆がどれだけ固いかってことが分かるから余計今の状況が分からない
一人で待ってるのがなんか嫌でバスルームへと向かう
そっと扉を開けて中の様子を伺う
『―――っぷはぁ』
いやに静かだったから寝ちゃったのかと思ったらいきなり勢いよく水から出てくる音がした
「遊んでんの?w」
ここに来たことを後悔してるんじゃないか?とか無駄な心配かと拍子抜け
でもその後聞こえてきたのは鼻を啜る音
そうだよね
れにが一番つらいよね
私たちにはそれぞれ大切な子がいて
でも私の気持ちはれにに向いてて
自分の感情を抑えることをしなかった私
詩織を、杏果を裏切って―
れににまで同じ罪を背負わせようとしてる
さっき暢気なことを考えてた自分が馬鹿みたい
『ごめんね』
扉の向こう側から聞こえた一言
私がいるって分かってて言ったのか
その言葉は誰に向けてなの?
杏果?
詩織?
それとも―私?
涙が溢れるのをぐっと堪えてバスルームをあとにする
『ありがと~あったまった~』
「うん。髪ちゃんと乾かしてよ」
『なんかお母さんみたいw』
「れにがそんなんだからお母さんみたいになっちゃうんだよ」
『髪はちゃんと乾かしてるじゃん。乾かさないの詩織でしょー?』
無意識に言っちゃったんだろうね
『あ、ごめん』
「なんで謝んの?」
家族よりも長く過ごしてるんだもん
メンバーが会話に出てくるのは当然
―なんだけど毎回こうやって気にしていかなくちゃいけないの?
いつかは慣れるのかな?
お互い話さなきゃいけないことは分かってるんだけど後には戻れない不安が二人を包んでいた
「コーヒー入れるけど飲む?」
『あ、うん。ありがと』
「ちょっと待ってて。その間にちゃんと髪乾かしてよ」
『はーい』
夏菜子からドライヤーを渡される
さっそく点ければ外の音を遮断して自分ひとりの気分になる
なんて切り出そう
そして杏果にはなんて言えばいいんだろう
詩織にはなんて言うんだろう
私たちはうまくいくの?
周りを傷つけて幸せになんてなれるのかな?
私たちはいけないことをしようとしてる
周りの皆には言えるはずもないことを
夏菜子は私といて幸せになれる?
目の前のテーブルにコーヒーを置いてくれたから一旦ドライヤーを止める
『ありがと』
「そんな真剣に乾かさなくてもw」
『え?私怖い顔してた?』
「うんw一点見つめてチョー真剣だったw」
『あはは、夏菜子がしつこいくらい髪乾かせって言うから』
「私のせいかよーwあー今飲んだら寝れなくなるかもー」
『確かにー、ってもう飲んでるけど』
「ま、こんな状況じゃあ寝れないけどね」
『…』
「ちょっと無言はやめてよw」
一言一言が地雷のように感じる
『あぁごめんw』
「別に謝ることじゃないって」
『そっか』
「―そろそろ本題に入る?」
『あ、うん』
きた
「今ここにれにがいる」
『うん』
「それは私が来て欲しいって言ったから。今までなら絶対こんなことしなかったよね?」
『…』
「聞き飽きたかもしれないけど、私はれにが好きなの。もちろん詩織とのことはあるけど―それ以上にれにと一緒にいたいって思っちゃったんだ」
ちゃんと目を見て伝えてくれる夏菜子
「れにの気持ちを教えて欲しい」
私はといえばこんなに素直に伝えてくれる言葉から逃げてばかりだった
『杏果といるとすごい安心するんだ。ダメな自分をさらけ出せて、それごと包み込んでくれるみたいに』
「うん」
『ほんといつも日向ぼっこしてるみたいにポカポカしてた。でもある日、夏菜子が私のこと好きって言ってくれてから、いろんなところ行ったり話したりして毎日が刺激的で。夏菜子といるとワクワクするなって――。好きだなって…』
話しながら結局自分がどうしたいのか分からなくなっちゃってついには黙りこくってしまう
誰も傷つけたくない
ただそれだけだった
「ありがと」
『え?』
「初めてれにの気持ち知れた」
『あぁ』
「ありがと、嬉しい」
そろそろと手を差し伸べられて直前で手が止まった
「…触っても、いい?」
そう聞かれて私は宙で躊躇っているその手を取って私の頬に当てた
その途端涙が視界を遮っていく
初めて自分の気持ちを伝えてくれたれに。
しかもそれは私が欲しかった言葉
触れたくなって思わず手が伸びるけど直前で不安そうな眸とぶつかって躊躇う
「触っても、いい?」
そうい言えばれには空中で止まっている私の手を取って頬に当てた
その途端涙が私の手を濡らしていく
『ほんとごめん』
「なんで?」
『もっと私が早く自分の気持ちに素直になってれば夏菜子がこんなに苦しむことなかったのに』
気づけば私の頬にも涙が伝っていた
「私たちってほんとバカだよねw」
『だねw』
「どうしよう、少し寝る?」
もう朝と言っていい時間だったけど一睡もしないのはこの後の仕事に支障がきたしそうだから横になることにした
一つベットの中
「寒くない?」
『うん』
「手握っていい?」
『うん』
私たちはどうなるのか?どうすればいいのか?まるで分からない。けど繋いだこの手をずっと離したくないことだけはたしかだった。
この道を選んだのは私たちだからこれからどんなことが起こっても受け入れる。
そしてそんな道に引きづり込んだれにを守ろうと眠るこの子を見て思った。
そして私たちの歯車は思わぬ出来事で動き出す。
インターホンが鳴り、ドアを開ければ会いたかった人が目の前にいた
『うん…呼ばれたから』
「―ふふ」
状況は良いはずないのに嬉しくて思わず笑みが漏れてしまう
『ふふじゃないよー。とりあえず入れて?』
「あ、うん」
れにを中に促しコーヒーでも入れようと先に進む
「―っ」
『あーほんとに来ちゃった』
後ろから抱きすくめられて動けなくなる
「熱い」
『うん、結構急いで来たつもり』
慌てて家を出たのか汗ばんでるのが分かった
先の不安だったり今必死に来てくれたことが嬉しかったりいろんな感情に押しつぶされそうになるのを感じる
とにかく安心したくてれにと向かいあって抱きつく
小さな子供が大好きなぬいぐるみを誰にも取られないように必死に抱きついて守るように―
どのくらい時間が経ったんだろう
外の車が通り過ぎる音とどこからか聞こえる時計の針の音
『中入ろう、汗冷えて風邪引きたくないw』
「うん」
離れたらこの時間が終わってしまうんじゃないかって恐怖を感じながらおずおずと身体を離す
どんだけ弱ってるんだろうって自嘲したくなる
風邪を引くといけないからセーターを着せてココアを入れてあげる
「はい」
『ん、ありがと』
汗で身体が冷えて寒かったのか両手でマグカップを包んで暖を取っている
「鼻赤いw」
『うそ』
「お風呂入れてあげるからはいんなよ」
『え、いいよぉ』
「風邪引かれたらやなの」
『…ありがと』
「ちょっと待ってて」
話したいこと、話さなきゃいけないことはたくさんあるはずなのに口は勝手にそれとは関係のないことを言う
「準備出来たよ」
『うん』
れにをバスルームに連れて行ってから、ソファーで一人ココアを啜る
リラックス出来るようにと入浴剤を入れてくれた湯船にゆっくりと浸かる
じわじわと冷めた身体と心がほどけていく
『はぁぁぁぁ』
冷静になってくると自分がしでかした事の重大性をやっと理解してくる
『少女マンガみたい』
気持をリセットしたくて思いっきり息を吸って頭まで潜りこむ
『――っぷはぁぁ』
目を開けようと手で顔を拭う
別に考えてたつもりはなかった。
なかったのに杏果の顔が浮かんできた
拭いながら涙がじわじわと込みあげてくるのを感じた
『ふーー』
夏菜子のことはもちろん好きだけど
杏果のことも同じくらい大切に思ってる
最初はネタ要因のようなユニットだったかもしれないけど二人で過ごした時間は愛も育っていて
いつも隣にいるのが当たり前で―
安心できて、いつだって穏やかな時間が私たちには流れていた
なのにある日いきなり夏菜子が告白してきて私の心に波が立ち出した
その波は私の感情も簡単に揺さぶってきて
杏果とは違う刺激的な時間が流れだした
自分の感情だけで素直に動けるほど子どもじゃないことはわかってる
どっちに転んでもどちらかが傷つく
私は二人になんて酷いことをしたんだろう
私が泣く資格なんてない
涙を拭いながら顔を上げると扉の向こう側に夏菜子の影が見えた
いつからいたんだろ―
『ごめんね』
聞こえたかどうか分からない声で囁く
*
音のない部屋にはバスルームからの音が微かに聞こえてくる
れにが今ここにいる
現実的なことを考えればれには杏果より私を選んでくれたってことになるのかな?
れにと杏果の絆がどれだけ固いかってことが分かるから余計今の状況が分からない
一人で待ってるのがなんか嫌でバスルームへと向かう
そっと扉を開けて中の様子を伺う
『―――っぷはぁ』
いやに静かだったから寝ちゃったのかと思ったらいきなり勢いよく水から出てくる音がした
「遊んでんの?w」
ここに来たことを後悔してるんじゃないか?とか無駄な心配かと拍子抜け
でもその後聞こえてきたのは鼻を啜る音
そうだよね
れにが一番つらいよね
私たちにはそれぞれ大切な子がいて
でも私の気持ちはれにに向いてて
自分の感情を抑えることをしなかった私
詩織を、杏果を裏切って―
れににまで同じ罪を背負わせようとしてる
さっき暢気なことを考えてた自分が馬鹿みたい
『ごめんね』
扉の向こう側から聞こえた一言
私がいるって分かってて言ったのか
その言葉は誰に向けてなの?
杏果?
詩織?
それとも―私?
涙が溢れるのをぐっと堪えてバスルームをあとにする
『ありがと~あったまった~』
「うん。髪ちゃんと乾かしてよ」
『なんかお母さんみたいw』
「れにがそんなんだからお母さんみたいになっちゃうんだよ」
『髪はちゃんと乾かしてるじゃん。乾かさないの詩織でしょー?』
無意識に言っちゃったんだろうね
『あ、ごめん』
「なんで謝んの?」
家族よりも長く過ごしてるんだもん
メンバーが会話に出てくるのは当然
―なんだけど毎回こうやって気にしていかなくちゃいけないの?
いつかは慣れるのかな?
お互い話さなきゃいけないことは分かってるんだけど後には戻れない不安が二人を包んでいた
「コーヒー入れるけど飲む?」
『あ、うん。ありがと』
「ちょっと待ってて。その間にちゃんと髪乾かしてよ」
『はーい』
夏菜子からドライヤーを渡される
さっそく点ければ外の音を遮断して自分ひとりの気分になる
なんて切り出そう
そして杏果にはなんて言えばいいんだろう
詩織にはなんて言うんだろう
私たちはうまくいくの?
周りを傷つけて幸せになんてなれるのかな?
私たちはいけないことをしようとしてる
周りの皆には言えるはずもないことを
夏菜子は私といて幸せになれる?
目の前のテーブルにコーヒーを置いてくれたから一旦ドライヤーを止める
『ありがと』
「そんな真剣に乾かさなくてもw」
『え?私怖い顔してた?』
「うんw一点見つめてチョー真剣だったw」
『あはは、夏菜子がしつこいくらい髪乾かせって言うから』
「私のせいかよーwあー今飲んだら寝れなくなるかもー」
『確かにー、ってもう飲んでるけど』
「ま、こんな状況じゃあ寝れないけどね」
『…』
「ちょっと無言はやめてよw」
一言一言が地雷のように感じる
『あぁごめんw』
「別に謝ることじゃないって」
『そっか』
「―そろそろ本題に入る?」
『あ、うん』
きた
「今ここにれにがいる」
『うん』
「それは私が来て欲しいって言ったから。今までなら絶対こんなことしなかったよね?」
『…』
「聞き飽きたかもしれないけど、私はれにが好きなの。もちろん詩織とのことはあるけど―それ以上にれにと一緒にいたいって思っちゃったんだ」
ちゃんと目を見て伝えてくれる夏菜子
「れにの気持ちを教えて欲しい」
私はといえばこんなに素直に伝えてくれる言葉から逃げてばかりだった
『杏果といるとすごい安心するんだ。ダメな自分をさらけ出せて、それごと包み込んでくれるみたいに』
「うん」
『ほんといつも日向ぼっこしてるみたいにポカポカしてた。でもある日、夏菜子が私のこと好きって言ってくれてから、いろんなところ行ったり話したりして毎日が刺激的で。夏菜子といるとワクワクするなって――。好きだなって…』
話しながら結局自分がどうしたいのか分からなくなっちゃってついには黙りこくってしまう
誰も傷つけたくない
ただそれだけだった
「ありがと」
『え?』
「初めてれにの気持ち知れた」
『あぁ』
「ありがと、嬉しい」
そろそろと手を差し伸べられて直前で手が止まった
「…触っても、いい?」
そう聞かれて私は宙で躊躇っているその手を取って私の頬に当てた
その途端涙が視界を遮っていく
初めて自分の気持ちを伝えてくれたれに。
しかもそれは私が欲しかった言葉
触れたくなって思わず手が伸びるけど直前で不安そうな眸とぶつかって躊躇う
「触っても、いい?」
そうい言えばれには空中で止まっている私の手を取って頬に当てた
その途端涙が私の手を濡らしていく
『ほんとごめん』
「なんで?」
『もっと私が早く自分の気持ちに素直になってれば夏菜子がこんなに苦しむことなかったのに』
気づけば私の頬にも涙が伝っていた
「私たちってほんとバカだよねw」
『だねw』
「どうしよう、少し寝る?」
もう朝と言っていい時間だったけど一睡もしないのはこの後の仕事に支障がきたしそうだから横になることにした
一つベットの中
「寒くない?」
『うん』
「手握っていい?」
『うん』
私たちはどうなるのか?どうすればいいのか?まるで分からない。けど繋いだこの手をずっと離したくないことだけはたしかだった。
この道を選んだのは私たちだからこれからどんなことが起こっても受け入れる。
そしてそんな道に引きづり込んだれにを守ろうと眠るこの子を見て思った。
そして私たちの歯車は思わぬ出来事で動き出す。