三角形 赤と紫、ときどき黄
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*まだまだ寒い季節だったころの話(拍手文の後日談)
「あのさ、炬燵ってもう…」
『もう出したし、みかんも届いてるからいつき来てもいいよ』
「ごめんねぇ~~」
『いや別にそんなに謝らなくても…』
たしかにみかんあげる代わりに炬燵の組み立てを頼んだけどそんな絶対のお願いのつもりでもなかったからこんなに申し訳なさそうに謝られるとは思わなかった。
むしろれにが来なかった間に詩織が来て炬燵を組み立ててくれて、みかんを一箱食べきっちゃったなんて口が裂けても言えなくなった
そのあと急いでお母さんに頼んで第二弾を送ってもらった。
「今日行っていい?」
『いいよ、私の方が遅いけど待ってる?先行ってる?』
「待ってる」
『オッケー』
『「ただいまー」』
一日の仕事を終えて今からご飯を作るのもめんどくさいねーってなったから適当に外で済ませてマンションに帰ってきた。
『うぅ~寒っ』
「思ったより大きいね」
『そうそうちょっと贅沢にね。3人で入るならちょうど良いしょ?』
「3人」
『まぁまぁ、ほらスイッチ入れて』
「はーい」
ちょっとした失言を耳ざとく聞きつけてジト目で見られてるけどそれを無視してみかんを取りに行く。
『はい、みかん』
「やったぁーめっちゃあるじゃん!」
「最近また送ってもらってさ」
『え、先に1箱空けたの!?すごいね!』
「あ、あぁ…まぁね」
ちょっと本当気を付けよう、私
じんわり炬燵の中が温かくなってきた
テーブルの上に無造作に積み上げられたみかん
お茶も用意したし準備万端
やっぱ炬燵にみかんの王道は何回やってもいいね。
手前にあるみかんに手を伸ばす
『ちょっと待って』
「なに」
『やりたいことあるからまだ食べないで』
「なに、やりたことって」
『出来てからのお楽しみ~』
そう言うとれには炬燵から出て鞄の中を物色する
何がしたいのか分からなかったけど、とりあえず手にしたみかんを元の場所に返した。
戻ってきたれにの手にはマジックペンが一本
『絵描くから待ってて』
「みかんに?」
『うん』
楽しそうに一つみかんを手にするともくもくと絵を描きだした。
ちなみに私には描かせてくれないらしい
やることもなからテレビを見るしかないけど炬燵の温もりのおかげで瞼が早々に重くなる。
『夏菜子、出来たよ』
「―ん」
名前を呼ばれてほぼ寝ていた意識を起こす
「こわ…」
テーブルの上にはメンバーやスタッフさんの悪意満載の似顔絵からよくわからないキャラクターの絵が描かれたみかんがずらりと並べられていた。
『食べていいよ』
「う、うん」
目の前には私の似顔絵みかん
相変わらずでこの広いそれを眺めながら一応絵破ってしまわないように気を付けて剥いていくと底に文字が書いてあった。
【好き】
他のみかんの底も見てみると、かまってとかさみしいとかちゃんと休むんだよとか夏菜子のお菓子食べてごめんとか…。
「れに」
名前を呼んでもテレビの方を見るれにの表情は分からない。
「こっち向いて」と腕を掴むとゆっくりこっちを向いてくれて目が合う。
「寂しかった?ごめん。ちゃんと休んでるよありがと。お菓子は…今度買って。」
みかんの底に書かれた言葉に一つず返事を返してゆく。
「私も好きだよ」
最後に一番大切なことを伝えて終わった。
『なんか照れるね、ごめんね』
顔を少し赤らめながら謝ってくるけど嬉しそうに笑ってくれるから私も自然と笑顔になる
「ううん。自分から言うの恥ずかしいからこういうことしてくれるれにには感謝してるよ、本当ありがと」
少し涙目になったのを誤魔化すように『私も食べよ~』とみかんを一つ手に取ったれにを見つめた。