三角形 赤と紫、ときどき黄
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「夏菜」
『ん?』
少し離れたところから聞こえた声に手元の雑誌から視線を上げずに答えた。
「かーなー」
『もう、なに?……ぇ、ほんとに何?』
名前を呼ぶばっかでなかなか要件を話さないから痺れを切らして顔を上げると満面の笑みで両手を広げて立つれにがいた。
「おいで」
『いや、めんどくさい』
なんでぇーと両手をぶらぶらさせて来てぇーなんて駄々をこね出す。
一つ息を吐いて、
『れにちゃん、こっちおいで』
同じように両手を広げて誘うと途端に嬉しそうに駆け寄って私の膝の上に向かい合うように乗ってきた。
自分で呼んでおいてあれだけどまさか膝に来るとは思わなくて、結構…恥ずかしい。
呼んでたくせに特に話すことはないらしく抱きついてくるだけ。
今もそうだけど普段の言動はとても子供のそれなのにふとした表情やいざというときの心強さはやっぱり大人で、いまだにそんなところにドキドキしてしまう。
ずるいよなぁ
「ぁ、ドラマ見たよ」
『ありがと』
「すごい良かった」
『ども』
改めてちゃんと言われると照れくさい。
「たおちゃんがね」
『っ!分かってるし!』
「うそうそー夏菜もすっごい良かったよ」
『はいはい。もう重いからどいて』
首に回された腕を引き剥がそうとすればヤダヤダと余計に絞めてきて苦しい。
『く、苦しい』
「なんかさ…ドラマでるたびに遠い存在に感じる。」
『いや、言うほど出てない』
「変わらないでね」
何を勝手に心配してるのか、そんなに寂しい思いさせてる気はなかったんだけど。
どうしたものかと思っているとバッと体を起して「なーんてね」って誤魔化すように笑うからその下手くそな笑顔のほっぺたを抓る。
「痛い」
『―勝手に不安がらない。てか何心配してんの?れにが変わらない限り変わらないよ…てか変われない』
次第にふにゃりといつもの笑顔に戻ったのを見て一安心
相変わらず頬をフニフニしてると再び抱きつかれる。
「ちょっと首に腕回して」
『なんで?』
「いいから、ちゃんと掴まっててね。―よいしょぉ」
『え?―ぅわ!』
言われるがままいつもよりしっかり抱きつけば身体がふわっと持ちあがる。
「ベット行こっか」
『ぇっ、ちょ!』
そんなに力あったっけ!?とかテレビ消してない!とか思う一方で久しぶりだなぁと抱っこされたまま期待している自分がいた。