黄昏時に
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8月の夕暮れ
まだじめじめと熱を帯びた風が吹き抜ける
暑い 暑過ぎる
HRが終わり放課後になった
私は帰宅部なのですぐに帰ればいいのだが、暑過ぎて動く気にならない
机に突っ伏してグダグダしていると
「冷たっ!!!」
いきなり首元にヒヤッとした感覚がきて驚く
バッと後ろを振り向くとニヤニヤしている奴がいた
「ちょっと何するのよ!」
「ごめんごめん。ついちょっかいかけたくなっちゃってさ。」
謝罪をする割にはこれっぽっちも悪びれてないこの男は猿飛佐助と言って私の幼馴染である
「あれ、今日幸村は?部活に行かなきゃいけないんじゃないの?」
幸村と佐助はサッカー部に入っていて今日は部活のはずだ。大体この2人はセットで行動しているので幸村がいない事を不審に思った私は尋ねる
「あぁ、旦那?今日は暑過ぎて部活休みになっちゃったからお館様の所に行ったよ。俺様は今日は遠慮して帰ろうとしてたワケ。」
流石に強者揃いの婆娑羅学園も、近年の温暖化にはお手上げのようだ
「ふーん、そうなんだ。じゃあ一緒に帰ろうよ」
「いいよ、俺様も桜がまだ教室でダラダラしてるだろうと思って来たし」
佐助に思考が読まれていたことにブツブツ文句を言いながら2人で下校をする
いつもは1人で帰るか、テスト週間の時に幸村を入れた3人で帰るのが常なので佐助と2人きりなのはなんだか変な気持ちになる
「ねぇ、桜。ちょっと寄り道しない?」
「いいけど、どこ行くの?あんまり遠い所は嫌だよ。暑いし。」
8月の終わりとはいえ最高気温35度を超えている現代は異常だ
「もちろん。最近できた駅前のカフェはどう?あそこのケーキが気になってて」
「珍しいね佐助がケーキなんて」
すると佐助は大きなため息をついて
「俺様だってたまにはね。男1人でカフェに行くのもあれだし、旦那と行った日には俺様の財布が空になっちゃうから」
佐助の言う通り幸村は甘党で大食いだ。それも一般人がドン引きするほどの。以前佐助が皿にいっぱい団子を作ってやったらものの数分で「おかわり!」と笑顔で皿を差し出してきたらしい。
「なるほど、そういうことね。いいよ」
そうと決まれば駅前のカフェへと赴く
数分後お目当てのカフェに着き、店に入ると笑顔で店員さんが
「いらっしゃいませ!お2人はカップルですか?本日は金曜日なのでカップルだと特別割引があるのですが…?」
「え、ちが「そうです〜!」……は?」
否定をしようとしたら佐助に割り込まれた
「ありがとうございます!カップルである証拠に恋人繋ぎをしていただきたいんですがよろしいですか?」
「もちろん♪」
何か温かいものが頬を掠めると流れるような動作で佐助に手を取られ恋人繋ぎをされた
「きゃ〜!ラブラブですね!お席にご案内します」
余りのことにフリーズしてしまう
固まってしまった私を佐助はぐいぐい引っ張っていく
ごゆっくりどうぞ〜と席に通され着席した所でようやく意識が戻る
「さ、さ、佐助!!何するのよ!!」
「何って何が?」
キッと睨みつけると佐助はあっけらかんとしている
「私の頬っぺたにキスしたでしょ!」
「まぁ、落ち着いてって。いいじゃん俺様と桜の仲だろ?」
「ただの幼馴染でしょうが!」
あまりの恥ずかしさに顔がどんどん赤くなっていくのがわかる
「はははっ!桜、顔真っ赤だよ?照れちゃって可愛いんだから〜」
「うるさい!今日は佐助の奢りだからね!」
そりゃないぜ〜と言いながらケタケタ笑ってる佐助を横目に高いものを頼んでやろうとメニューに目を落とした
余談
たらふく美味しいものを食べた私達はカフェを後にする
「美味しかったね〜ごちそう様でした」
「桜があんなに食べるなんて俺様予想外だったぜ…」
佐助が肩を落とすのは無理もない。佐助におちょくられた腹いせに私は、店の中で1番高い飲み物、ケーキ、パフェを平らげた。少なく見積もっても恐らく3000円はいったと思う
「私をおちょくった罰だよ。…あ、家着いた。送ってくれてありがとね。今日は楽しかったよ」
そうこう言っているうちに家に着いたので佐助に別れを告げる
「俺様も今日は楽しかったよ。じゃあね」
ドアが閉まった後
「…俺様が今日カップルデーがあるの知ってたら、桜はどんな顔したかな?」
そう佐助が静かに呟き、ゆっくりと帰路に着いた
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