✙〜閣下と陛下〜✙




額から汗が滴り落ちたと
同時に空が白い咆哮を唸った。






-が…



ザァァー…



『…雨…だと?』


『そんな…雨が?』


『…お前ユーリなのか?』

暫く沈黙が続いた。大粒の雨が勢いよく地面に降り注ぐ-


『…俺…馬鹿だから、本当に何も知らなくて魔王失格だよ…』


『え-?髪の色が真っ黒
…まさか…新王陛下!?』

『うん。俺がそう。』


染めた色が落ち、元の黒髪に戻っていた。


『そんな……私、わたし-!!』


『良いよ。気にしてない。俺こそ魔王なのに不甲斐なくて』
23/26ページ
スキ