✙〜私の願い〜✙

― prologue ―


―カラン―…


乾いた金属音が辺りに響く

人も空気さえも静寂に包まれた


『―まさか―…』


私は目を見開き絶句した。

『…流石ですね。油断しました…』

額から流れる紅い血…
彼は息絶え絶えにそう言うと苦しそうに額を押さえた

彼の言葉は私の耳には届かなかった。

それよりも彼の額から目が離せなかった


きっとどこかで紅丸は生きている。


必ず 見つけ出して共に日本に帰ると信じて疑わなかった…


だが…彼の額には有る筈の無い契約の印が刻印されていた…


頬に冷たい物が伝った…
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