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キスガス

「ん………キース……」
「おーおー。酔いが回ってきたか?寄りかかっていいぞ」
 間接照明に照らされたキース宅のリビング。ソファに腰掛けてビールを呷るキースの隣に腰掛けたガストは、ほんのりと赤く染まった頬をキースの胸元に擦り寄せた。キースはそんなガストの肩をそっと引き寄せて、指先でキャラメル色の髪を優しく梳く。ガストは心地良さそうに微笑んで、酔いで潤んだ翠の瞳をキースへと向けた。
「すきだぞ、キース」
 酔いのせいか、舌ったらずな調子で伝えられる愛の言葉。キースはくく、と喉奥で笑って、ガストの額にキスをする。
「甘えたでかわいいなあ、まあ、でも………」
 酔ったフリなんかしなくても、甘えていいんだぜ?
 意地悪な笑顔と共に囁かれた言葉。ガストの目は見開かれ、頬が先程とは違った意味で朱に染まる。
「………いつから気がついてたんだ?」
「最初からだな」
「マジかよー……」
 照れで震える声で呟きながら、ガストが顔をキースの胸元に埋める。ぐりぐりと顔を押し付けながら小さく唸り声を上げるガストの背に腕を回して、キースは酷く楽しそうに笑った。
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