-瑞希 side-

沈んでた意識が浮上して目が覚める。
いつの間にか寝ちゃってたんだ…。
寝っ転がりながら軽く伸びをしてまだボーっとする頭で目を開けるとめっちゃアップの悟空の顔。


『ヒョ…』


びっくりして変な声出た。
思わず口塞いだけど恥ずかし…。
しかも何よ、ヒョって…もっと可愛い事言えなかったの？


「ん"〜〜」

『あ、ごめん悟空起こしちゃった？』


あの変な声で起こしちゃったんならホント申し訳ないわ。


「あ…瑞希……っ！ご、ごごご、ごめん！！！」


目を開けて私の顔を見るなりびっくりした様子で飛び退いた悟空。
寝起きでその動きって身体能力どうなってんの…？


『いや、何謝ってんの。むしろ起こしてごめんて』

「それは全然！」

『部屋来たなら起こしてくれればよかったのに。2人共寝ちゃったんだねぇ』

「幸せそうに寝てたから起こせなかった」


ヘラりと笑って言う悟空。
優しさーー！！
それにしてもどんだけ寝てたんだろう？と、時計を見ると時刻は午後3時。
確か宿に着いたのが午後1時とかで……。


『あーーーーーー！！！！』

「な、何？！どうした？！」

『八戒にちょっと休んだら悟空と部屋に来てって言われてたのに…寝過ごした…』


しょんぼりする私の頭をポンポンと撫でる悟空。


「大丈夫だって！怒られたら一緒に謝りゃいーじゃん」


ニッと笑う太陽みたいな笑顔が眩しい。
悟空はいつも元気をくれるね。
ありがとう！とお礼を言い、どうせ遅くなるならとガサゴソと自分の鞄を漁り、プレゼントを出す。


『はいこれ！誕生日おめでとう、悟空！』

「これ俺にくれんの？！なぁなぁ、開けていい？！」

『大したものじゃないけどね、開けてどーぞー』


綺麗にラッピングされた袋を意外にも丁寧に開けて中を見る。
みるみるうちに満開の笑顔だ。
この笑顔だけで喜んでる事がわかる。


「飴とチョコだ！サンキュな！」

『いえいえ、悟浄に取られない様にね』


ストレートな感情表現に照れてしまう。
照れ隠しに茶化して言うと、ぜってぇやらねぇ！なんて言って大事そうに抱えた。
それが可笑しくて、こっちまで笑ってしまう。


『喜んでくれたみたいで良かったよ。さ、皆の所行こ！』

「おう！」


手を差し出せば握り返してくれる暖かい手。
私達は足早に皆の部屋へ向かった。


Happy Birthday！ 悟空！




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