バレンタインデー
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「おい瑞希。タバコ買ってこい」
自己嫌悪に陥ってると今まで黙ってた三蔵が私にゴールドカードを渡しながら言ってきた。
『え?あ、うん…』
カードを受け取ると、小声だけど確かに三蔵が「チョコでも買ってこい」って言ったのが聞こえた。
いいとこあんじゃん、三蔵。
ただの超鬼畜生臭さ坊主じゃなかったんだね。
恩に着ると口だけ動かし、私は買い出し出掛けた。
‐数分後‐
「ん…チョコの匂いがする!!」
「チョコって…瑞希ちゃんも帰って来てねぇのにあるワキャねぇだろ」
‐ガチャ‐
『ただいまぁ。疲れたぁ』
帰って来た私の手には買い物袋。
そして、10個程のチョコが入った袋。
「お帰りなさい。瑞希」
『ただいま、八戒』
「なぁなぁ、そのチョコどうしたんだ?」
『あぁ、これ?買い物してたら貰ったー。バレンタインだからってお客さんに配ったりしてる所多いみたい。私だけじゃ食べきれないし、悟空食べていいよ』
チョコを置きながらそう言うと私は部屋を後にした。
向うは厨房。
ダメ元で宿のおばちゃんに頼んだ所、難なく厨房を借りれた事に多少の嬉しさを覚えた瑞希。
借りれたと言っても隅の方なのだが、十分なスペースの為良しとしよう。
『料理はさ程自身は無いけど…やるしかないっしょ。ま、まぁチョコ溶かして、生クリームか何か入れて固めれば大丈夫だよね?』
あまり自信は無いが、そんな感じ調理して出来たチョコを小さいなカップ型の型に流し込み、借りておいた冷蔵庫に入れる。
部屋の冷蔵庫に入れて悟空に食べられてしまったら、水の泡だ。
『小さいし、3時間位置いとけば固まるよね?』
「そうですね、それ位の大きさなら固まりますよ」
驚いて咄嗟に後ろを振り返るとそこにいたのは八戒だった。
『は、八戒!?いつからいたの!?』
「チョコを溶かし始めた辺りからでしょうか」
殆ど始めっからですかコノヤロー。
「誰に渡すんですか?」
『教えん』
教えたら意味ないし。
「えっと…何か怒ってます…?」
『怒ってないよ?』
今の会話の何処に私が怒る要素があった?
ただちょっとビックリしたのと恥ずかしくて素っ気なくなってしまったのは事実だった。
私はこれでも温厚な方だ。
『強いて言うなら悟浄に怒ってる。悟浄が悟空にいらん事教えなかったら、作らなくてすんだ』
…私料理苦手だし。
さっきもチョコ包丁で砕いてて指切ったし…。
まぁ、これは自分のせいなんだけど。
後からおばちゃんに「適当に割っても湯煎で溶けるわよ」と言われて、自分の無知を悔いた。
『傷だらけになっちった』
「消毒はしたんですか?」
『こんなん舐めときゃ治るよ』
八戒の問いにそう答えると、八戒は私の手を引いて。
「じゃぁ、消毒しないとですね」
っていつもの笑顔で言われて、その笑顔に吊られるみたいに気付いたら私も笑顔になってた。
なんだか暖かい気持ちになるこの笑顔が大好きだと再度自覚させられた。