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あの日から数日、雨が降り続いていた。
最近雨降ってなかったし、その反動かな?
その間、度々悟浄さんはうちに来て話をして帰っていく。
そんな生活を続けていた。
-コンコン…コン-
『はーい』
今日もいらっしゃったみたい。
わかりやすいようになのか、いつも2回ノックして1拍置いてまた1回ノックする悟浄さん
玄関を開けると「よっ」と片手を上げそのまま中へと入ってくる。
この数日で知ったが、悟浄さん達は旅をしているらしく、なんでもこの長雨で立ち往生してると。
一緒に旅してる人達と一緒に居なくていいのかと聞いた事もあったが、「毎日代わり映えのない野郎のツラ拝んでても仕方ねぇ」との事だった。
初めこそ警戒していたチェリーも通ってくれてる間に悟浄さんにあまり警戒しなくなった。
でも悟浄さんが私にちょっかいをかけようとするとチェリーがパンチして牽制している。
それを見てつい笑ってしまう。
「瑞希ちゃん、最近よく笑うようになったな」
『そう…ですね。こうしてチェリーと一緒に居られてるからって言うのは勿論ですけど、悟浄さんと話すのも楽しいから…』
本人に直接言ってしまったのが恥ずかしくなった。
顔に熱が集まるのが分かる。
悟浄さんは「可愛い事言ってくれるじゃない」なんて笑ってくれてるけど、余計に恥ずかしくなる。
「もうこんな時間か…。じゃ、瑞希ちゃん、俺そろそろ行くわ。チェリーもまたな」
時計を見た悟浄さんは立ち上がりついでにチェリーを一撫でして帰って行った。
あぁ、もう帰ってしまう時間か…。
私もそろそろ買い物行かなくては…と準備をし、チェリーに「買い物に行こう」と言えば、1度鳴いて肩に乗っる。
-------
雨の中買い物を済ませ、さて帰ろうかと歩いているとチェリーがぴょんと私から飛び降りた。
どうしたの?と声を掛けてもにゃーと鳴くばかりで、挙句にトコトコと家ではない方向に向かって歩いていってしまう。
少し歩いてはこちらを振り返り、着いてきているのを確認するとまた進むを繰り返すチェリー。
一体どうしたというのだろうか。
「チェリーー、このままだと風邪ひいちゃうよー?ね、帰ろう?」
「にゃー」
どうやら帰る気は無いらしい。
どこに向かって居るんだろう?
角を曲がって大通りに出ると今では見慣れた赤。
チェリーを見れば向かっていたのは悟浄さんの足元で、チェリーに気付いた悟浄さんがしゃがみこんでいた。
『悟浄さん?』
「よっ、チェリーちゃん、さっきぶり」
私にも気付いた悟浄さんはいつもの笑顔で手を振ってくれた。
「どうした?こんな所で」
『買い物終わって帰ろうとしたらチェリーが歩き出してここに…』
「買い物行くんなら言ってくれりゃ荷物持ち手伝ったのに」
『いえ、そんなご迷惑は』
かけられません。と言い終わる前に悟浄さんに持っていた荷物を取られてしまった。
私持ちますと言っても良いからと言って返してもらえなかった…。
お言葉に甘えて持って頂こうと諦め、チェリーを先頭に悟浄さんと共に帰路に着く事にする。
この時はまさかあんな事になるなんて思ってなかった。
悟浄さんと並んで歩く帰り道、雨も本降りになって視界が悪い。
そんな事も気にならないのかスルスルと人を避けて先頭を行くチェリー。
『チェリー、もうちょっとゆっくり…』
チェリーを追いかける形になりながらあまり前を見ていなかったせいで人にぶつかってしまった。
ぶつかった拍子に少しよろけて悟浄さんにもぶつかってしまう。
『すみません。悟浄さんも…』
「いーっていーって。役得だしな」
ニッとイタズラな笑顔を向ける悟浄さんにもう一度謝ってチェリーに視線を戻すと、そこにいたはずのチェリーが居ない。
『チェリー…?悟浄さん、チェリーが…!』
「落ち着け、家までそんなに距離はねぇし、先帰ってるかもしんねぇ。急ぐぞ」
『っ…はい』
悟浄さんは1歩先を歩き道を作りながら足早に家まで向かってくれた。
チェリーが玄関を開けられるわけもない、きっと家の前で待っててくれる。
そう願いながらチェリーを探しつつ悟浄さんの背中を追いかけた。
家の前まで戻ってきても、そこにチェリーの姿はなかった。
まさか何かあったんじゃ…と焦り、走り出そうとする私を悟浄さんが引き止める。
「俺が行く。瑞希ちゃんは中でチェリーの帰り待ってろ」
『でも!』
「探してる間に帰ってくるかもしれねぇだろ?その時に瑞希ちゃんが居ねぇとチェリーが寂しがる。だから瑞希ちゃんは大人しく中で待機。な?」
「わかり…ました…。チェリーをお願いします』
安心させる様に微笑み、頭を撫でる悟浄さん
お陰で少し落ち着く事が出来た。
悟浄さんから荷物を受け取り、見送る。
どうか無事であります様に…。
----------
あれからしばらく経ったが、チェリーはおろか、悟浄さんも帰ってこない。
ただ時間だけが過ぎ、静かな部屋に雨音だけが響いている。
-コンコン…コン-
悟浄さんのノックだ!
ガタッと立ち上がり、玄関へ駆け寄る。
立ち上がった拍子に倒れた椅子など、今の私に気にする余裕なんてなかった。
勢い良くドアを開けると、俯く悟浄さんが目に入る。
『悟浄さん、チェリーは…?!』
「……………」
何も答えず、ただ俯くだけの悟浄さん。
そっと視線を下に移すと、布に被われた【何か】。
嫌な予感がする。
聞いちゃいけない気がする。
『悟浄…さん……それ……』
ダメ、聞いちゃダメ。
まるで耳元で鳴ってるかの様にドクドクと心臓の音が聞こえる。
「すまねぇ…」
いつの間にか雨は止んでいた。
最近雨降ってなかったし、その反動かな?
その間、度々悟浄さんはうちに来て話をして帰っていく。
そんな生活を続けていた。
-コンコン…コン-
『はーい』
今日もいらっしゃったみたい。
わかりやすいようになのか、いつも2回ノックして1拍置いてまた1回ノックする悟浄さん
玄関を開けると「よっ」と片手を上げそのまま中へと入ってくる。
この数日で知ったが、悟浄さん達は旅をしているらしく、なんでもこの長雨で立ち往生してると。
一緒に旅してる人達と一緒に居なくていいのかと聞いた事もあったが、「毎日代わり映えのない野郎のツラ拝んでても仕方ねぇ」との事だった。
初めこそ警戒していたチェリーも通ってくれてる間に悟浄さんにあまり警戒しなくなった。
でも悟浄さんが私にちょっかいをかけようとするとチェリーがパンチして牽制している。
それを見てつい笑ってしまう。
「瑞希ちゃん、最近よく笑うようになったな」
『そう…ですね。こうしてチェリーと一緒に居られてるからって言うのは勿論ですけど、悟浄さんと話すのも楽しいから…』
本人に直接言ってしまったのが恥ずかしくなった。
顔に熱が集まるのが分かる。
悟浄さんは「可愛い事言ってくれるじゃない」なんて笑ってくれてるけど、余計に恥ずかしくなる。
「もうこんな時間か…。じゃ、瑞希ちゃん、俺そろそろ行くわ。チェリーもまたな」
時計を見た悟浄さんは立ち上がりついでにチェリーを一撫でして帰って行った。
あぁ、もう帰ってしまう時間か…。
私もそろそろ買い物行かなくては…と準備をし、チェリーに「買い物に行こう」と言えば、1度鳴いて肩に乗っる。
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雨の中買い物を済ませ、さて帰ろうかと歩いているとチェリーがぴょんと私から飛び降りた。
どうしたの?と声を掛けてもにゃーと鳴くばかりで、挙句にトコトコと家ではない方向に向かって歩いていってしまう。
少し歩いてはこちらを振り返り、着いてきているのを確認するとまた進むを繰り返すチェリー。
一体どうしたというのだろうか。
「チェリーー、このままだと風邪ひいちゃうよー?ね、帰ろう?」
「にゃー」
どうやら帰る気は無いらしい。
どこに向かって居るんだろう?
角を曲がって大通りに出ると今では見慣れた赤。
チェリーを見れば向かっていたのは悟浄さんの足元で、チェリーに気付いた悟浄さんがしゃがみこんでいた。
『悟浄さん?』
「よっ、チェリーちゃん、さっきぶり」
私にも気付いた悟浄さんはいつもの笑顔で手を振ってくれた。
「どうした?こんな所で」
『買い物終わって帰ろうとしたらチェリーが歩き出してここに…』
「買い物行くんなら言ってくれりゃ荷物持ち手伝ったのに」
『いえ、そんなご迷惑は』
かけられません。と言い終わる前に悟浄さんに持っていた荷物を取られてしまった。
私持ちますと言っても良いからと言って返してもらえなかった…。
お言葉に甘えて持って頂こうと諦め、チェリーを先頭に悟浄さんと共に帰路に着く事にする。
この時はまさかあんな事になるなんて思ってなかった。
悟浄さんと並んで歩く帰り道、雨も本降りになって視界が悪い。
そんな事も気にならないのかスルスルと人を避けて先頭を行くチェリー。
『チェリー、もうちょっとゆっくり…』
チェリーを追いかける形になりながらあまり前を見ていなかったせいで人にぶつかってしまった。
ぶつかった拍子に少しよろけて悟浄さんにもぶつかってしまう。
『すみません。悟浄さんも…』
「いーっていーって。役得だしな」
ニッとイタズラな笑顔を向ける悟浄さんにもう一度謝ってチェリーに視線を戻すと、そこにいたはずのチェリーが居ない。
『チェリー…?悟浄さん、チェリーが…!』
「落ち着け、家までそんなに距離はねぇし、先帰ってるかもしんねぇ。急ぐぞ」
『っ…はい』
悟浄さんは1歩先を歩き道を作りながら足早に家まで向かってくれた。
チェリーが玄関を開けられるわけもない、きっと家の前で待っててくれる。
そう願いながらチェリーを探しつつ悟浄さんの背中を追いかけた。
家の前まで戻ってきても、そこにチェリーの姿はなかった。
まさか何かあったんじゃ…と焦り、走り出そうとする私を悟浄さんが引き止める。
「俺が行く。瑞希ちゃんは中でチェリーの帰り待ってろ」
『でも!』
「探してる間に帰ってくるかもしれねぇだろ?その時に瑞希ちゃんが居ねぇとチェリーが寂しがる。だから瑞希ちゃんは大人しく中で待機。な?」
「わかり…ました…。チェリーをお願いします』
安心させる様に微笑み、頭を撫でる悟浄さん
お陰で少し落ち着く事が出来た。
悟浄さんから荷物を受け取り、見送る。
どうか無事であります様に…。
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あれからしばらく経ったが、チェリーはおろか、悟浄さんも帰ってこない。
ただ時間だけが過ぎ、静かな部屋に雨音だけが響いている。
-コンコン…コン-
悟浄さんのノックだ!
ガタッと立ち上がり、玄関へ駆け寄る。
立ち上がった拍子に倒れた椅子など、今の私に気にする余裕なんてなかった。
勢い良くドアを開けると、俯く悟浄さんが目に入る。
『悟浄さん、チェリーは…?!』
「……………」
何も答えず、ただ俯くだけの悟浄さん。
そっと視線を下に移すと、布に被われた【何か】。
嫌な予感がする。
聞いちゃいけない気がする。
『悟浄…さん……それ……』
ダメ、聞いちゃダメ。
まるで耳元で鳴ってるかの様にドクドクと心臓の音が聞こえる。
「すまねぇ…」
いつの間にか雨は止んでいた。