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どれくらい時間が経っただろうか?
いつの間にか外が静かになっていた。
終わったの…?
少しだけドアを開けて外の様子を伺う。
立っていたのは悟浄さんを含めた6人。
彼等の足元で倒れているのは人間なのか妖怪なのか、ここからでは分からなかった。
6人は何か話してる様だけど、やっぱりここからじゃ聞こえない。
意を決して外へと出てみる。
『あの…』
「お、瑞希ちゃん、大丈夫か?」
「悟浄、お知り合いですか?」
「あ?あぁ、昨日ちょっとな…」
「悟浄またナンパしたんだろー」
「ちげぇよ、バカ猿!俺は丁重にエスコートしただけだっつーの!」
「あんさん等ホントに仲がよろしいなぁ」
悟浄さんと男の子が口喧嘩?をしていると、この辺では見ない服の男の人が割って入って来た。
「お嬢はん困っとるやん」
あ、いえ、そんなに困ってはいないんですけど…。
独特な話し方をする人だなぁ。
「ほな、ウチは一仕事させて頂きますわ」
独特な話し方の人がペンダントを手に取り、何かを呟くと倒れていた人達が次々と起き上がっていく。
これ…どういう………?
起き上がった人達は口々にお礼を言いながら、彼を取り囲んでいた。
『この人達…生きてたの?』
「死んだヤツを生き返らすんだとよ」
いつの間にか隣にいた悟浄さんが私の呟きに答えてくれた。
何故か渋い顔をしている。
死んだ人を…生き返らせる…?
それじゃあチェリーの事も…?
「瑞希ちゃん…?変な事考えんなよ?アイツは…っておい!!」
悟浄さんの制止も聞かず、私の体は動き出していた。
後ろで私を呼ぶ声が聞こえる。
でも、止まる事なんて出来なかった。
『あのチェリーも・・・猫も生き返る事は出来ますか?』
「それは勿論。お嬢はんの猫亡くなってしもたん?えぇよ、連れて来」
『はい!すぐ連れてきます!』
チェリーか生き返る!
早く連れて行って、今度こそ死なせない!
チェリー、もう少しだよ、もう少しでまた一緒に・・・!
「っと、ストップ」
『っ!離して下さい』
グッと腕を捕まれて、咄嗟に振り返るとそこに居たのは他でもない悟浄さんだった。
『私は・・・チェリーを生き返らせないと行けないんです』
「変な事考えんなって」
『変な事?私にはチェリーしか居ないんです。いつも一緒だったんです。だから…だから離して下さい!』
私は悟浄さんの腕を振りほどいて再度走った。
目指すのはチェリーの待つ家。
バタバタと部屋に入り、チェリーを抱き上げる。
いつもの温かさは消え、ただただ冷たい。
涙が出そうになるのをグッと堪えて来た道を戻る。
そこにはもう悟浄さんの姿は無かった。
『お待たせしました!』
全力で走って息が上がる。
苦しい。
「そないに急がんでも、ウチは逃げたりせんよ」
そう言うと彼はにこりと笑い、チェリーにペンダントをかざし、何か・・・呪文?を唱えると、さっきと同じ様に光を放つ。
あまりの眩しさに思わず目を瞑る。
それと同時に腕の中でモゾモゾと動く感覚。
「にゃー」
鳴き声に目を向けると、そこには私を見上げるチェリーの姿。
『チェリー!!』
「にゃー」
ギュッとチェリーを抱きしめると、スリスリと私に擦り寄ってくるチェリー。
本当に生き返った!
『ごめんね、チェリー。もう離れたりしないからね』
ハッと気付いてチェリーを生き返らせてくれた恩人に向き直ると、勢い良く頭を下げる。
『ありがとうございます!本当に…なんとお礼を言ったらいいか…』
「お礼なんてえぇよ。困ってる人居ったらほっとかれへんから」
『あの、良かったらお名前を…』
「うち、ヘイゼル言います。よろしゅう」
ヘイゼルさんは帽子を取ると、それを自身の胸元まで持っていき自己紹介をして微笑んだ。
『ヘイゼルさん…私、瑞希です。このご恩は一生忘れません』
もう一度深く頭を下げ、お礼を述べた。