バレンタインデー
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今日はバレンタインデー。
女の子が想いを寄せる異性にその想いを伝える、大切な日。
『…何?その手』
現在悟空は私の前に手を出し、目をキラキラさせ立っている。
「何ってチョコくれんじゃねぇの?」
『なんで私が?』
「だって昨日悟浄が明日は女の子が男にチョコくれる日だって」
『……』
なんか違う気がするとか思ったけど、まぁ間違ってはないからスルーしよう。
『取りあえず…悟浄は何処?』
「悟浄なら隣の部屋だけど?」
『ありがと』
そう言い残して私は悟空を置いて隣の部屋へ向った。
後ろで「チョコはー?」なんて言ってる悟空の声が聞こえた気がするけど無視だ無視!
-コンコン-
「はい」
私が発したノックに反応して、ドアを開けてくれたのは八戒だった。
「瑞希じゃないですか。どうしたんです?」
と言って八戒は微笑んだ。
いつもなら微笑み返すのだが、今はそんな余裕は皆無に等しい。
『悟浄に用事。ゴメン八戒。席外してくれる?』
「えぇ、いいですよ」
「チョコでも渡すんですか?」と笑う八戒に、私は「この世が滅んでもないよ」と爽やかな笑顔で返した。
そして八戒が隣の部屋に入るのを見届けると奥にいるであろう悟浄の元へ足を運んだ。
部屋には悟浄の他に三蔵が居た。
そりゃそうか、今日の部屋割り的に三蔵が居ない方がおかしい。
三蔵はコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。
その姿はまさに休日のお父さん。
悟浄が私に気付いて話し掛けてきた。
「瑞希ちゃんじゃん。どうした?」
『どうしたじゃねぇよ、クソ河童。悟空にいらねぇ事教えやがって。悟空にチョコってどんだけチョコ用意すんだよ。大体私はチョコは貰う派だ!』
最後の方はどうでもいいがホントの事だ。
嘘・偽りは全く無い。
「瑞希ちゃんってチョコあげた事ないの?じゃぁ今までに好きな奴とかは?」
何故そこ?そしてなんだその笑みは…?
アイアンクローしながら壁に後頭部めり込ませてやろうか?
つか好きな人…?
……ん?なんで八戒の顔が浮かぶ?
まさかんなワケないだろ。
八戒は私にとって優しい兄の様なそんな存在であって、決して好きとか嫌いとかそんなんじゃなくて、いやまぁ好きっちゃ好きだけど恋愛感情とかそんなんじゃなくて…。
俯きながら考えてると、そんな私を不振に思ったのだろう。悟浄が私の名前を呼んだ。
「瑞希ちゃん?大丈夫?」
『だ、大丈夫』
どもった…
お願い死んで、私
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