-瑞希 side-

今日は夕方には無事村に着き、宿屋も取り、宿屋の下にあったご飯屋で夕食。
今日はしっかりシャワー浴びれるし、暖かいベッドで寝れるとテンションが上がっている。
ガツガツと食べる悟空を相変わらずよく食べるなぁ…と、お茶をすすりながら眺めていた。


「追加のお品物でーす」


元気のいいお姉さんの声と共に次々と料理が運ばれてくる。
本当にどれだけ食べるの…？
チラッと悟浄を盗み見るとお姉さんナンパしていた。
あのー、一応ここにも女の子居ますが？わかってます？ねぇ？
いや、確かにお姉さんみたいに出る所出てる訳じゃないけどさ？
す、スレンダーなんだよ、スレンダー！

そんな事思ってる間にお姉さんは他のお客さんに呼ばれてそそくさと立ち去って行った。
悟空が「フラれてやんのー」とか笑って悟浄と喧嘩してる。
いつもの光景。
私はちょっと間失礼しますよーと、三蔵と八戒の間に移動した。


「大丈夫ですか、瑞希」

『何がー？』

「そんなツラして何がじゃねぇだろ」


八戒が心配そうな顔で尋ねてきて、何がと返せば三蔵が答える。
そんなツラってどんなツラだい。


『あー、いや、ただ…節操ねぇなと、ね』

「いつもの事ですけどね」


こんな会話も悟浄は聞いてない。
というか悟空との言い合いで聞こえちゃいない。
いや、聞こえなくて良いんだけど…。
悟浄はイライラした様に煙草に火をつけようとするが、オイルが切れてるのか火がつかない。


「なぁ、三蔵ライタ「はいライター」あ？」


ニコッと笑顔のさっきとは別の綺麗なお姉さん。
呆然としながら眺めてる間に悟浄はヒラヒラと手を振りながらお姉さんと店を出て行ってしまった。


『あンのクソ赤ゴキブリエロ河童ァ…っ！』


バキッと持ってる箸が折れた。



「な、なぁ八戒…瑞希なんで怒ってんの…？」

「女の子には色々あるんですよ、悟空」