第壱話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
-瑞希 side-
落下中、最早諦めムードな私。
17年か…意外と短い人生だったな…。
迷惑かけないように叫んだものの、聞こえてるかも分からないし…。
ぶつかる瞬間が怖くて早めに目を瞑る。
きっと後少しでぶつかる…。という所で、一瞬無重力状態になった気がした瞬間、急に腰辺りを掴まれた。
掴まれたと言うかむしろ荷物の様に担がれたと言った方が正しいかもしれない。
私は慌てて自分を担いでいる張本人に顔を向ける。
そこにいたのはウェーブのかかったサラサラの黒髪。
極めつけに露出度の高い服を纏った観世音菩薩その人だった。
『観世音菩薩…』
「よっ♪」
『人を池に落とした挙げ句、紐なしバンジーさせてギリギリで助けるってどんな飴と鞭?!死ぬかと思ったんだけど!』
「良かったじゃねえか。生きてて」
『そういう問題じゃない!てか降ろして!!観世音s…あー、長い!観世がお腹押さえてるから色んな物が口から出そうなんだよっ』
「しゃあねぇなぁ」
その言葉と共に観世はパッと手を離した。
勿論私は重力に抵抗する事なく落下。
真下にいた車に突っ込んだ。
金髪の人上に…。
『いったぁ~!ちょっと観‥世……』
顔を上げてすぐ見たのは金髪の美人さん。
その美人さんは紫の瞳で眉間に皺を寄せながら私をこれでもかって位睨み付けてる。
き、綺麗な顔してんのに台無しだぞ…?
いや、寧ろ眉間に皺寄せてんのに全然崩れてない。
いいねぇ、美人さんはよぉ!
じゃなくて、兎に角謝んないと…。
不可抗力だとしても上から落ちて来ちゃったんだし。
『えっと…すみません』
「退け」
『はいっ』
凄みのある声に思わず声が裏返ってしまた。
恥ずかしいのを我慢してそそくさとその場から退く。
『観世!もう落とさないで!私今日2回落ちて2回目腰打った!地味に痛い!』
そして恥ずかしさを紛らわせるが如く、観世に突っかかる私。
「いいじゃねぇか、生きてんだし」
『ねぇ、だからそういう問題じゃないって言ったよね?!』
「あのぉ、一体どうなってこんな事になってるんですか?」
一方的な私と観世の言い合いに口を挟んだのは、如何にも温厚そうな笑顔の青年。
『あ、それ私も知りたい』
「お前には説明したろ?」
『あれ説明なの?一種の拉致に思えるのは私の気のs「気のせいだ」…随分キッパリと間髪入れずに言うね』
「まぁついでだ。お前も聞け」
そう言って観世は今まで見せなかった真剣な顔で話始めた。