第壱話
夢小説設定
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‐瑞希 side‐
周囲の眩しさがなくなって目を開けると、目の前には大きな池。
蓮の花が浮いてるのが綺麗だ。
日常感の全くない光景についキョロキョロしてしまう。
「キョロキョロしてんじゃねぇよ」
観世音菩薩はそう言って池を見てる私を小突いた。
さっきから頭へのダメージがえげつないんだけど…?
馬鹿力か???
「悪かったな、馬鹿力で」
あ、バレた。
どういう事だ。
考えてる事顔に出るタイプだっけ?
いや、もしかして口に出てた?
「お前には旅をしてもらう」
『また唐突な…』
「安心しろ。誰もお前1人で旅しろなんて言ってねぇ」
観世音菩薩は「俺もそこまで鬼じゃないさ」とか言ってるけど、ただの女子高生を見ず知らずの所に連れて来て突然旅に出す辺り十分鬼じゃないかと思うのは私だけなのだろうか。
大体話の展開に私のお粗末な頭はあまり着いていってない。
『一応聞いておくけど1人じゃないなら何人?』
「お前を含めた5人だ。あー、後1匹居たな」
『1匹が気になるけど…』
「気にすんな」
『で、その5人と1匹どこに向かうの?』
「お前にはこれからアイツらと合流して西域、天竺を目指してもらう」
西域、天竺…なんか聞いた事ある気がするのは気のせいかな?
いや、でもそうだとしても1匹っていうのは一体…?
馬?馬なの???
「じゃ、逝って…来い!」
『え?…って、ぅわッ』
ザッパーーン!
考え事をしてたら勢い良く背中を蹴られ、そのままの勢いで先程まで眺めていた池に突き落とされた。
いや、ありえないでしょ、いきなりこんな事するの!
てか、沈み続けてる!
池深い!
何これ底ないの?!
どうなってるの?!
まともに息吸ってなかったからもう既に苦しい…!
泳いで上がろうにも体が言う事をきいてくれない。
このままじゃ本当に死ぬ…!
と、思ったら今度は凄い浮遊感で気持ち悪い…!
今度は何?!
沈んだ後は落下?!
普通落下後に沈むもんじゃないの?
体を捻って下を見ると結構な高さに死を覚悟した。
あぁ、天国のお父さん、お母さん、そしておばあちゃん…少し早いかも知れませんが、今から私もそちらに逝きます…。
って、ちょっと待って?
下なんか走ってる…もしかして車?
ヤバい、こんな突然空から人が降ってきて死んだらトラウマモンだよ!!
大迷惑じゃん!
死ぬ時は誰にも迷惑かけずにって決めてるの!
だからそこどいて!!
『内蔵ぶちまけるの見たくなかったらそこ退けーーー!!!』