第参.伍話
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こんばんは!瑞希です!
今日も今日とて野宿です!
日中は車に揺られ、日が沈みはじめる頃を見計らってその日寝る場所を探して野宿の準備をする。そんな毎日が続いております。
ちょっとそろそろこの世界に村や町はあるのかと心配になってきましたが、八戒曰く、明日には次の町に着くとの事なので、今日を耐えれば明日はゆっくり横になれそうで一安心です。
今日は初の妖怪襲撃もあって、直ぐに寝れそうな気がします。
この世界に来てからの食事は毎回缶詰等の常温である程度保存がきく物。
それも八戒が飽きがこない様にと色々と工夫してやってくれている。
いっぱい食べる悟空に合わせて量を作るのも大変そうで、悟空や悟浄が薪を拾い集めてる間に八戒のお手伝いをするのが私の役目になりつつある。
三蔵さんはといえば、大体近くで座って煙草吸ってたり何か読んでたりする。
皆何も突っ込まないって事はこれが4人のデフォなんだろうから口出しする気もない。
さて、夕食も済ませ、三蔵さんと八戒がジープの方で翌日の経路等を相談してる間に私達は3人でカードゲームしたり雑談したり…かと思えばそれぞれ別行動だったりでまちまちなのだが、今日は雑談の日らしい。
今日の悟空の興味は私に向いている様で、色んな事を聞かれている。
こっちでは珍しい私の服装だったり、普段どんな事してたのかとか、期待を裏切らずご飯の事とか…。
それにひとつひとつ答えてる間に三蔵さん達の話し合いも終了したらしく、こちらへと集まってくる。
「そういえば瑞希、今更なんですけど親御さんとか心配されてるんじゃ…」
『それは大丈夫です。元々両親も親戚も居ませんし、一人暮らしでしたから』
強いて言うなら無断欠席で担任から連絡が来てる位だろう。ちょいちょいサボったりしてたけど単位は大丈夫だったかなぁと最早懐かしさすら覚える学校を思い出す。
そういえばバイトも無断欠勤だわ。連絡も取れないし、クビだなぁ…。
でもまぁいつこの旅が終わるかもわかんないし、そもそも旅が終わったとして帰れるのかすらわからないので、今は考えなくてもいいか、と頭の隅に追いやった。
「ぁ…すみません…」
『謝らないでください。両親が亡くなったのももう随分前ですし』
にこにこと答えれば八戒から安堵の色が見て取れた。
両親やおばあちゃんが亡くなって、悲しくないと言えば嘘になるけど、施設を出て1人で生活する様になってからは寂しいより学校やバイトで生きるので精一杯で、毎日バタバタしてて1人の寂しさすら忘れていた位だ。
それに今は1人じゃないしね。
「1人で寂しくなかったか…?」
『んー、寂しいって言うのを忘れる位毎日アレやってコレやってってバタバタしてて、そこまでは…。あ、でも…夜寝る時だけは少し寂しくなる事はありましたね』
どれだけ日中忙しなく動いても夜になって布団に入るとフと1人でいる寂しさが襲ってくる。
始めはどうしようも無い喪失感に眠れない日もあったりして…。
それでも朝は来るモノで、空が明るくなってくる頃にやっと意識を手放す。なんて事も多々あった。
最近は眠れなくなってしまう程ではないものの、どれだけ1人で居る事に慣れても不意に襲ってくる寂しさには未だ慣れる事はなかった。
こっちに来てからは寂しいとかそんな事を考える余裕が無い位毎日賑やかだけど…。
なんて事を考えているとそっと肩を抱かれる感覚。
見なくてもこんな事するのは1人しか居ない。
『悟浄…?』
「今度から寂しくなった時は俺の所に入ってきて良いんだぜ?」
付け足す様に耳元で「何時でも慰めてやるからさ♡」なんて言い始める始末。
無駄に良い声で耳元で囁かれれば必然的に顔に熱が集まるのが分かる。
『だ、だだだ、大丈夫です!』
近くにいたらヤバい!と急いで立ち上がって距離を取る。
なんでこの人達は顔も良ければ声も良いの?!
神色々与え過ぎでしょ!!自重して!!!
もしかしてこの世界ではこのレベルの顔が平均なの?!いやそんなわけない、さっきの妖怪達とは比べ物にならない!(失礼)
こっちの情緒を知ってか知らずか、「あーらら逃げられちまった」なんて笑ってる悟浄を睨めばにこにこと手を振られた。
余裕か、ちくしょー!!
----------
夜も深けてきた頃、あれから早々に寝落ちてしまった私はいつもより近くに聞こえるイビキで目が覚めた。
目を開くと目の前に誰かの手があって、誰…?と思い手の主を見ると、気持ちよさそうにイビキをかいて眠る悟空の姿。
このままではいずれ顔面にパンチが来るのでは…?と思い、少し距離を取ろうと背後を見るとそこに居たのは悟浄。
え、近…。2人とも近くない…?
何?どういう状況?
起き上がって辺りを見回すと、見張りで起きていた八戒を見つけた。
のそのそと2人の間から抜け出し、八戒の方へと近付く。
『八戒、見張りありがとうございます』
「起きちゃいました?温かいココアでも入れましょうか」
変わらぬ笑顔でココアを用意してくれる八戒。
あっという間に出来たココアを受け取って八戒の隣に腰掛ける。
温かいココア嬉しい…。
『ありがとうございます。……ところで八戒。あれは…』
どういう事だと言う目線を未だ眠る悟空達に向けるとちゃんと察してくれたらしく、あぁ…とクスクス笑い始めた。
え、笑う事あったの…?
「瑞希が寂しくないように。だそうです」
『寂しくないように…?』
「さっき言ってたでしょう?"夜寝る時だけは少し寂しくなる事があった"って。だから、目が覚めた時瑞希が寂しくない様に…って悟空が」
『なるほど、それであんなに近くに…』
優しいなぁ…。
胸の辺りがぽかぽかと温かく感じるのは、きっとココアのおかげだけじゃない。
またいらぬ心配をかけてしまったなぁと思う申し訳ない気持ちと、身に余る程の優しさで満たされる心が同居する。
なんだか少し照れ臭くて、俯き気味にココアを口に運ぶとコソコソと内緒話する様に八戒が耳に寄せてくる。
「ちなみに三蔵もいつもより大分近めなんですよ」
『え…』
目線を向けるとさっきは2人の近さに驚いて気付かなかったけど、確かに悟空と悟浄が寝てる割と近めの木に寄りかかって寝てる三蔵さんを発見した。
いつもならまだ警戒されてるのか嫌われてるのか、めっちゃ距離取られてるのに…。
あ、いや、初対面で上に落ちたんで警戒されたり嫌われても仕方ないなとは思ってる。不可抗力だけどね!!!私を落とした観世が悪いんだけどね!!!でも悪いとは思ってる!!!
『嫌われては無い…んですかね?』
「えっ…と、三蔵ですか?」
『はい…』
正直、今日までの数日他の3人と比べてまともに話してなかったし(話しかける勇気もなかったんだけど…)、名前聞いても本当に名前だけだったし、元々口数の多い方では無いっていうのは分かったけど、未だ名前を呼ばれた事もない。
「おい」とか「お前」って呼ばれるのは最早名前すら覚えられてないんじゃないかと思うくらいで…。
「嫌ってる人間を傍におくような人じゃありせんよ」
『でもそれは観世に言われたからじゃ…』
「だとしても、今日の襲撃で瑞希の隣を離れずに居た。それが答えなんじゃないですか?」
確かに…嫌ってる人を文句も言わずに守る人なんて居ない…のかな?
そう思うと、ちょっとだけ心が軽くなるような気がした。
「さて、明日も早いですよ。もう一眠りしてきては?」
『そうですね。ありがとうございます』
お言葉に甘えてまだ残ってる冷めかけのココアを流し込んで寝る事にする。
先程までくるまっていた毛布は既に私が居た時の熱を失って冷たくなってたけど、寂しさとは真逆なぽかぽかとした気持ちでいっぱいのまま眠りについた。
to be continued…
今日も今日とて野宿です!
日中は車に揺られ、日が沈みはじめる頃を見計らってその日寝る場所を探して野宿の準備をする。そんな毎日が続いております。
ちょっとそろそろこの世界に村や町はあるのかと心配になってきましたが、八戒曰く、明日には次の町に着くとの事なので、今日を耐えれば明日はゆっくり横になれそうで一安心です。
今日は初の妖怪襲撃もあって、直ぐに寝れそうな気がします。
この世界に来てからの食事は毎回缶詰等の常温である程度保存がきく物。
それも八戒が飽きがこない様にと色々と工夫してやってくれている。
いっぱい食べる悟空に合わせて量を作るのも大変そうで、悟空や悟浄が薪を拾い集めてる間に八戒のお手伝いをするのが私の役目になりつつある。
三蔵さんはといえば、大体近くで座って煙草吸ってたり何か読んでたりする。
皆何も突っ込まないって事はこれが4人のデフォなんだろうから口出しする気もない。
さて、夕食も済ませ、三蔵さんと八戒がジープの方で翌日の経路等を相談してる間に私達は3人でカードゲームしたり雑談したり…かと思えばそれぞれ別行動だったりでまちまちなのだが、今日は雑談の日らしい。
今日の悟空の興味は私に向いている様で、色んな事を聞かれている。
こっちでは珍しい私の服装だったり、普段どんな事してたのかとか、期待を裏切らずご飯の事とか…。
それにひとつひとつ答えてる間に三蔵さん達の話し合いも終了したらしく、こちらへと集まってくる。
「そういえば瑞希、今更なんですけど親御さんとか心配されてるんじゃ…」
『それは大丈夫です。元々両親も親戚も居ませんし、一人暮らしでしたから』
強いて言うなら無断欠席で担任から連絡が来てる位だろう。ちょいちょいサボったりしてたけど単位は大丈夫だったかなぁと最早懐かしさすら覚える学校を思い出す。
そういえばバイトも無断欠勤だわ。連絡も取れないし、クビだなぁ…。
でもまぁいつこの旅が終わるかもわかんないし、そもそも旅が終わったとして帰れるのかすらわからないので、今は考えなくてもいいか、と頭の隅に追いやった。
「ぁ…すみません…」
『謝らないでください。両親が亡くなったのももう随分前ですし』
にこにこと答えれば八戒から安堵の色が見て取れた。
両親やおばあちゃんが亡くなって、悲しくないと言えば嘘になるけど、施設を出て1人で生活する様になってからは寂しいより学校やバイトで生きるので精一杯で、毎日バタバタしてて1人の寂しさすら忘れていた位だ。
それに今は1人じゃないしね。
「1人で寂しくなかったか…?」
『んー、寂しいって言うのを忘れる位毎日アレやってコレやってってバタバタしてて、そこまでは…。あ、でも…夜寝る時だけは少し寂しくなる事はありましたね』
どれだけ日中忙しなく動いても夜になって布団に入るとフと1人でいる寂しさが襲ってくる。
始めはどうしようも無い喪失感に眠れない日もあったりして…。
それでも朝は来るモノで、空が明るくなってくる頃にやっと意識を手放す。なんて事も多々あった。
最近は眠れなくなってしまう程ではないものの、どれだけ1人で居る事に慣れても不意に襲ってくる寂しさには未だ慣れる事はなかった。
こっちに来てからは寂しいとかそんな事を考える余裕が無い位毎日賑やかだけど…。
なんて事を考えているとそっと肩を抱かれる感覚。
見なくてもこんな事するのは1人しか居ない。
『悟浄…?』
「今度から寂しくなった時は俺の所に入ってきて良いんだぜ?」
付け足す様に耳元で「何時でも慰めてやるからさ♡」なんて言い始める始末。
無駄に良い声で耳元で囁かれれば必然的に顔に熱が集まるのが分かる。
『だ、だだだ、大丈夫です!』
近くにいたらヤバい!と急いで立ち上がって距離を取る。
なんでこの人達は顔も良ければ声も良いの?!
神色々与え過ぎでしょ!!自重して!!!
もしかしてこの世界ではこのレベルの顔が平均なの?!いやそんなわけない、さっきの妖怪達とは比べ物にならない!(失礼)
こっちの情緒を知ってか知らずか、「あーらら逃げられちまった」なんて笑ってる悟浄を睨めばにこにこと手を振られた。
余裕か、ちくしょー!!
----------
夜も深けてきた頃、あれから早々に寝落ちてしまった私はいつもより近くに聞こえるイビキで目が覚めた。
目を開くと目の前に誰かの手があって、誰…?と思い手の主を見ると、気持ちよさそうにイビキをかいて眠る悟空の姿。
このままではいずれ顔面にパンチが来るのでは…?と思い、少し距離を取ろうと背後を見るとそこに居たのは悟浄。
え、近…。2人とも近くない…?
何?どういう状況?
起き上がって辺りを見回すと、見張りで起きていた八戒を見つけた。
のそのそと2人の間から抜け出し、八戒の方へと近付く。
『八戒、見張りありがとうございます』
「起きちゃいました?温かいココアでも入れましょうか」
変わらぬ笑顔でココアを用意してくれる八戒。
あっという間に出来たココアを受け取って八戒の隣に腰掛ける。
温かいココア嬉しい…。
『ありがとうございます。……ところで八戒。あれは…』
どういう事だと言う目線を未だ眠る悟空達に向けるとちゃんと察してくれたらしく、あぁ…とクスクス笑い始めた。
え、笑う事あったの…?
「瑞希が寂しくないように。だそうです」
『寂しくないように…?』
「さっき言ってたでしょう?"夜寝る時だけは少し寂しくなる事があった"って。だから、目が覚めた時瑞希が寂しくない様に…って悟空が」
『なるほど、それであんなに近くに…』
優しいなぁ…。
胸の辺りがぽかぽかと温かく感じるのは、きっとココアのおかげだけじゃない。
またいらぬ心配をかけてしまったなぁと思う申し訳ない気持ちと、身に余る程の優しさで満たされる心が同居する。
なんだか少し照れ臭くて、俯き気味にココアを口に運ぶとコソコソと内緒話する様に八戒が耳に寄せてくる。
「ちなみに三蔵もいつもより大分近めなんですよ」
『え…』
目線を向けるとさっきは2人の近さに驚いて気付かなかったけど、確かに悟空と悟浄が寝てる割と近めの木に寄りかかって寝てる三蔵さんを発見した。
いつもならまだ警戒されてるのか嫌われてるのか、めっちゃ距離取られてるのに…。
あ、いや、初対面で上に落ちたんで警戒されたり嫌われても仕方ないなとは思ってる。不可抗力だけどね!!!私を落とした観世が悪いんだけどね!!!でも悪いとは思ってる!!!
『嫌われては無い…んですかね?』
「えっ…と、三蔵ですか?」
『はい…』
正直、今日までの数日他の3人と比べてまともに話してなかったし(話しかける勇気もなかったんだけど…)、名前聞いても本当に名前だけだったし、元々口数の多い方では無いっていうのは分かったけど、未だ名前を呼ばれた事もない。
「おい」とか「お前」って呼ばれるのは最早名前すら覚えられてないんじゃないかと思うくらいで…。
「嫌ってる人間を傍におくような人じゃありせんよ」
『でもそれは観世に言われたからじゃ…』
「だとしても、今日の襲撃で瑞希の隣を離れずに居た。それが答えなんじゃないですか?」
確かに…嫌ってる人を文句も言わずに守る人なんて居ない…のかな?
そう思うと、ちょっとだけ心が軽くなるような気がした。
「さて、明日も早いですよ。もう一眠りしてきては?」
『そうですね。ありがとうございます』
お言葉に甘えてまだ残ってる冷めかけのココアを流し込んで寝る事にする。
先程までくるまっていた毛布は既に私が居た時の熱を失って冷たくなってたけど、寂しさとは真逆なぽかぽかとした気持ちでいっぱいのまま眠りについた。
to be continued…
