第伍話
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ズルズルと引き摺る音を響かせながら、西を目指して岩場を歩く。
なんでもこの岩場じゃジープでは進めないらしく、ジャンケンで負けた人が1,000歩分皆の荷物を持つ。という事になったわけなんだけど…。
悟空が連戦連敗中で疲労してるのか、ズルズルと荷物を引き摺りながら着いてきていた。
悟空が最初必ずチョキを出すと皆知っているらしく、このゲームをしようと話が出た時にこっそりと八戒が「グーを出せば終わりますよ」と笑顔で教えてくれた。
始めこそ半信半疑だったが、実際に悟空以外の全員がグーを出し悟空だけが延々1人負けしてる所を見ると、悟空自身はそれに気付いていない様だ。
「997…998…999…1000!!よっしゃ終わったー!次行くぞ次!」
1,000歩歩ききった悟空が前を進む私達に次のジャンケンを持ち掛ける。
悟空に「お疲れ様」と声をかけ、自分の鞄を受け取った。
大して重い訳でもないからと最初は断ったモノの、「ジャンケン負けたから!」と押し切られてしまった。
「「「『最初はグー、ジャンケンポン!』」」」
三蔵さん以外の掛け声と共に、本日8回目のジャンケン。
結果は勿論悟空の1人負け。
分かりやすく落胆する悟空を見て、なんか段々可哀想になってきた…。
「なぁ、一体何処まで歩くんだよー!」
「こんな岩場じゃジープは通れませんからねぇ…」
悟空からのクレームに八戒が容赦なく現実を叩きつける。
それを聞いた悟空は今度は白竜に「ジープ以外には変身できねーのかよ!」とクレームを入れてる。
『こらこら、やめなさい』
「先生ー、動物が動物虐待してまーす」
本来ジープになれるだけでも凄いんだから他の物にもなれは酷だよ、悟空。
いつも乗せてもらって有難い限りじゃないか。
初めてジープから白竜になる所を見た時はそれはもうビックリしたけど、それ以上に可愛くてほぼ一目惚れ状態だ。
直ぐに私にも慣れてくれて白竜の社交性にも感心した。
「このままだと山越える前に日が暮れちまうな…」
「でしたら、一晩の宿をお借りしますか」
「げ、ご大層な寺だな、おい」
八戒の言葉に前を向くとそこにはご立派な建物がそびえ立っていた。
岩場の歩きにくさから足元ばっかり見てて気付かなかったや…。
ぼけーーっとしながら見上げてる間に八戒が「すみませーーん」と大声で呼びかける。
すると2階?いやそこ3階??の窓から坊さんが出てくる。
そう!そうだよ、コレだよコレ!
こういうイメージだよ、坊さんって!
「何か用か?」
「我々は旅の者ですが、今夜だけでもこちらに泊めて頂けませんか?」
「フン…ここは神聖なる寺院である故、素性の知れぬ者を招き入れる訳にはいかん!ましてや女人など…」
最後聞こえなかったけど、なんかあまり宜しくない事を言われた気がするんだけど?
気の所為?
「クソッ、これだから俺は坊主って奴が嫌いなんだよ!」
「へー、初耳」
「困りましたねぇ」
『そうなると野宿?』
「なー、腹減ったってば、三蔵!」
「さ、三蔵 だと?!」
三蔵さんの名前を聞いた瞬間あからさまにどよめく坊さん。
挙句「失礼致しました!」とか「今すぐお通しします!」とか、さっきと言ってる事全然違うんだけど…?
手のひらクルックルじゃんか。
きょとんとしてる間に目の前の門がギギギ…と音を立てながらゆっくりと開門される。
すぐさま1人の坊さんが出迎えて案内をしてくれた。
お線香の香りに包まれながら寺院内を進む。
初めての場所が新鮮でキョロキョロしてしまう。
こんな場所は向こうの世界でも行った事ないし、気持ちは社会科見学や修学旅行だ。
そうこうしてる間に目的地へと到着したのか、「こちらでございます」とこれまたご立派な扉を開ける。
奥には3人座っており、そのサイドから道を作るように坊さんが並んでいる。
なんだっけあの…モーセの海割り?みたいになってる。
1番偉いっぽい年配の坊さんが三蔵さんに挨拶してるのを眺めながら、三蔵さんの後ろでコソコソで話し始める私達。
「三蔵 ってそんなお偉い様だったわけ?」
「というより、《三蔵》の称号の力ですね」
『《三蔵》って称号だったんだ』
あれ?て事は称号にさん付けはちょっと違うのかな…?
なら玄奘さん…?いや、今更呼び方変えるのもどうなのよ?
八戒の説明によると、この世界に《天地開元》っていう5つの経典ってのがあるらしく、その経典それぞれの守り人に与えられるのが、《三蔵》の名前だそうで。
その称号が仏教徒の間で最高層の証って事で崇められてると…。
な、なるほど…?
「なんであんな神も仏も無い様な生臭坊主が《三蔵》なんだ?」
「そこまではちょっと…」
悟浄の指摘に苦笑いで返す八戒。
そこまで八戒に聞かれても…ね?
ほらほら、おじいちゃんが「愛弟子であるー」とか言ってるよ。
話半分に聞いてたからよくわかんないけど、三蔵さんの前の《三蔵》が前にここに立ち寄ってうんたらかんたら言ってた。
そのおじいちゃんの昔語り?が面倒になったのかなんなのか、三蔵さんは「そんな事より」と話を遮る。
「この石林を1日で越えるのは難儀ゆえ、一夜の宿を借りたいのだが」
「えぇ!それは勿論喜んで!……ただ…」
おぉ、あっさり宿確保?と眺めているとチラリとこちらに目を向ける坊さん。
八戒もその目線を感じ取ったのか、「何か?」と返す。
「ここは神聖なる寺院内でして、本来ならば部外者をお通しする訳には…こちらの方々は仏道に帰依 する方の様にはとても……。それに女人禁制でして…」
「坊主は良くても一般人 は入れられねーってか?高級レストランかよここは!!」
「ざっけンなよ!」とキレる悟浄を八戒と共に「まぁまぁ」と宥める。
ボソッと「俺は構わんが」と言う三蔵さんの声がしたけど、気にしてられない。
「随分と信仰心の強い方々の様ですね」
「警戒心の間違いじゃねーの?」
「この方々はお弟子さんですか?」
あ、お弟子さんならいいの?
でも女人禁制なら私もお弟子さんっていうのはアウトなのかn「いや、下僕だ」
キッパリ下僕言った!!
悟空も悟浄も「コロスコロス!」ってキレてるじゃんか!
止める八戒の身にもなってあげてください!
私?力で勝てるわけないからボーッと突っ立ってたわ!
「では今回は三蔵様に免じてそちらの方々にも最高のおもてなしを御用意致します」
下僕で納得された…。
嘘でしょ…?
なんでもこの岩場じゃジープでは進めないらしく、ジャンケンで負けた人が1,000歩分皆の荷物を持つ。という事になったわけなんだけど…。
悟空が連戦連敗中で疲労してるのか、ズルズルと荷物を引き摺りながら着いてきていた。
悟空が最初必ずチョキを出すと皆知っているらしく、このゲームをしようと話が出た時にこっそりと八戒が「グーを出せば終わりますよ」と笑顔で教えてくれた。
始めこそ半信半疑だったが、実際に悟空以外の全員がグーを出し悟空だけが延々1人負けしてる所を見ると、悟空自身はそれに気付いていない様だ。
「997…998…999…1000!!よっしゃ終わったー!次行くぞ次!」
1,000歩歩ききった悟空が前を進む私達に次のジャンケンを持ち掛ける。
悟空に「お疲れ様」と声をかけ、自分の鞄を受け取った。
大して重い訳でもないからと最初は断ったモノの、「ジャンケン負けたから!」と押し切られてしまった。
「「「『最初はグー、ジャンケンポン!』」」」
三蔵さん以外の掛け声と共に、本日8回目のジャンケン。
結果は勿論悟空の1人負け。
分かりやすく落胆する悟空を見て、なんか段々可哀想になってきた…。
「なぁ、一体何処まで歩くんだよー!」
「こんな岩場じゃジープは通れませんからねぇ…」
悟空からのクレームに八戒が容赦なく現実を叩きつける。
それを聞いた悟空は今度は白竜に「ジープ以外には変身できねーのかよ!」とクレームを入れてる。
『こらこら、やめなさい』
「先生ー、動物が動物虐待してまーす」
本来ジープになれるだけでも凄いんだから他の物にもなれは酷だよ、悟空。
いつも乗せてもらって有難い限りじゃないか。
初めてジープから白竜になる所を見た時はそれはもうビックリしたけど、それ以上に可愛くてほぼ一目惚れ状態だ。
直ぐに私にも慣れてくれて白竜の社交性にも感心した。
「このままだと山越える前に日が暮れちまうな…」
「でしたら、一晩の宿をお借りしますか」
「げ、ご大層な寺だな、おい」
八戒の言葉に前を向くとそこにはご立派な建物がそびえ立っていた。
岩場の歩きにくさから足元ばっかり見てて気付かなかったや…。
ぼけーーっとしながら見上げてる間に八戒が「すみませーーん」と大声で呼びかける。
すると2階?いやそこ3階??の窓から坊さんが出てくる。
そう!そうだよ、コレだよコレ!
こういうイメージだよ、坊さんって!
「何か用か?」
「我々は旅の者ですが、今夜だけでもこちらに泊めて頂けませんか?」
「フン…ここは神聖なる寺院である故、素性の知れぬ者を招き入れる訳にはいかん!ましてや女人など…」
最後聞こえなかったけど、なんかあまり宜しくない事を言われた気がするんだけど?
気の所為?
「クソッ、これだから俺は坊主って奴が嫌いなんだよ!」
「へー、初耳」
「困りましたねぇ」
『そうなると野宿?』
「なー、腹減ったってば、三蔵!」
「さ、
三蔵さんの名前を聞いた瞬間あからさまにどよめく坊さん。
挙句「失礼致しました!」とか「今すぐお通しします!」とか、さっきと言ってる事全然違うんだけど…?
手のひらクルックルじゃんか。
きょとんとしてる間に目の前の門がギギギ…と音を立てながらゆっくりと開門される。
すぐさま1人の坊さんが出迎えて案内をしてくれた。
お線香の香りに包まれながら寺院内を進む。
初めての場所が新鮮でキョロキョロしてしまう。
こんな場所は向こうの世界でも行った事ないし、気持ちは社会科見学や修学旅行だ。
そうこうしてる間に目的地へと到着したのか、「こちらでございます」とこれまたご立派な扉を開ける。
奥には3人座っており、そのサイドから道を作るように坊さんが並んでいる。
なんだっけあの…モーセの海割り?みたいになってる。
1番偉いっぽい年配の坊さんが三蔵さんに挨拶してるのを眺めながら、三蔵さんの後ろでコソコソで話し始める私達。
「
「というより、《三蔵》の称号の力ですね」
『《三蔵》って称号だったんだ』
あれ?て事は称号にさん付けはちょっと違うのかな…?
なら玄奘さん…?いや、今更呼び方変えるのもどうなのよ?
八戒の説明によると、この世界に《天地開元》っていう5つの経典ってのがあるらしく、その経典それぞれの守り人に与えられるのが、《三蔵》の名前だそうで。
その称号が仏教徒の間で最高層の証って事で崇められてると…。
な、なるほど…?
「なんであんな神も仏も無い様な生臭坊主が《三蔵》なんだ?」
「そこまではちょっと…」
悟浄の指摘に苦笑いで返す八戒。
そこまで八戒に聞かれても…ね?
ほらほら、おじいちゃんが「愛弟子であるー」とか言ってるよ。
話半分に聞いてたからよくわかんないけど、三蔵さんの前の《三蔵》が前にここに立ち寄ってうんたらかんたら言ってた。
そのおじいちゃんの昔語り?が面倒になったのかなんなのか、三蔵さんは「そんな事より」と話を遮る。
「この石林を1日で越えるのは難儀ゆえ、一夜の宿を借りたいのだが」
「えぇ!それは勿論喜んで!……ただ…」
おぉ、あっさり宿確保?と眺めているとチラリとこちらに目を向ける坊さん。
八戒もその目線を感じ取ったのか、「何か?」と返す。
「ここは神聖なる寺院内でして、本来ならば部外者をお通しする訳には…こちらの方々は仏道に
「坊主は良くても
「ざっけンなよ!」とキレる悟浄を八戒と共に「まぁまぁ」と宥める。
ボソッと「俺は構わんが」と言う三蔵さんの声がしたけど、気にしてられない。
「随分と信仰心の強い方々の様ですね」
「警戒心の間違いじゃねーの?」
「この方々はお弟子さんですか?」
あ、お弟子さんならいいの?
でも女人禁制なら私もお弟子さんっていうのはアウトなのかn「いや、下僕だ」
キッパリ下僕言った!!
悟空も悟浄も「コロスコロス!」ってキレてるじゃんか!
止める八戒の身にもなってあげてください!
私?力で勝てるわけないからボーッと突っ立ってたわ!
「では今回は三蔵様に免じてそちらの方々にも最高のおもてなしを御用意致します」
下僕で納得された…。
嘘でしょ…?