第肆話
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妖怪という見た目人間とほとんど差がない生き物がいるというのを実際目の当たりにした翌日。
なんで私はここにいる…?
普段は隣に居るはずの悟浄が今日は助手席に居る。
なんでも毎度言い合いをするから、離してみるキャンペーンだとか…。
という事は、本来助手席に座っていらっしゃる三蔵さんが後部座席に居るのは当たり前な訳で…。
そして初対面にやらかしてから少し萎縮してしまっている訳で…。
あ、いや、少し…少しね?ほんのちょこっとだけ。
ちょっと緊張しながら三蔵さんと悟空の間に座っていると、ずいっと悟空が前に乗り出す。
「悟浄!!席替われよっ!お前が前にいると煙たくてしょーがねーだろッ?!」
「あぁ、悪ィな。後ろにお子様乗ってんの忘れてたぜ」
「ンだとッ?!!」
どうやら悟浄が助手席で煙草を吸って、その煙が煙たいって事らしい。
煙たいって言ってるけど、それは三蔵さんが前でも一緒では?
三蔵さんも助手席で煙草吸ってるし。
後部座席が煙たくならない為には私か悟空が助手席に行く他ない。
「瑞希も煙たいよな?!」
『私は別に…煙草の匂いも苦手ではないので…』
「瑞希ちゃんが良いってんなら構わねぇな」
私基準…だと?嘘だろ…?
あー、やめて、せめて私を言い合いに巻き込まないで…。
「…いい加減にしろよ、貴様ら。なんなら降りて走るか?」
「まぁまぁ、もうすぐ町が見えてくるハズです。久々に屋根のある所で眠れそうですねぇ」
屋根のある所?!
って事はお布団で眠れて、お風呂にも入れると?!
そういう事ですよね?!ねぇ?!
こっちに来る時にびしょ濡れになってからまともにお風呂に入れてなかったから嬉しい。
まぁその後のパラシュートなしのスカイダイビングで粗方乾いたんですけどね…。
嬉しさが全面に出てたのだろう、バックミラー越しに八戒と目が合い、少し笑われた。
「瑞希はこっちに来てから初めての町ですね」
『はい!お風呂とお布団!』
「美味い物もいっぱいあるからな!」
さっきの怒りは何処へやら、にっこにこで食べ物の話をしてくれる悟空。
楽しみー!なんて悟空とキャッキャしてる間に、この世界に来て初めての町へ到着した。
町に着いて車に乗ったまま少し進む。
ジープが珍しいのか、はたまたこのイケメン集団が珍しいのか、チラチラとこちらを見てくる通行人。
視線が痛い。
視線に俯いていると、前方から男の怒鳴り声が…。
目線を向けると、よく見えないけど女の子1人に男3人で絡んでいる様だ。
それに見かねたのか、悟空と悟浄が車から降り、踏んだり殴ったりで蹴散らしていく。
容赦がない。
「おい、悟空!悟浄!あんまり派手な行動をとるなっつっただろ?!」
「僕らも充分目立ってますよ、三蔵」
『なんなら町に入ってからずっと目立ってます、三蔵さん』
2人に目立つな!って怒ってるけど、さっきも言った通り、町に入ってからずっとチラチラと見られてる。
まさか自覚がない…?
後部座席から事の成り行きを見守っていると、どうやら彼女の家が宿屋らしく、今日はそちらにお世話になるらしい。
宿に着いてご飯を頂く。
こっちに来て初めてのお宿ご飯!
中華料理三昧だー!
春巻きに小龍包、焼売、青椒肉絲!
どれも美味しくて幸せ。
ニコニコしながら食べてると、隣に座る八戒からお茶を差し出される。
「美味しそうに食べますね、お茶どうぞ」
『ありがとうございます!どれも美味しいです』
「ここまで缶詰ばかりでしたもんねぇ」
そう、ここまで来るのに数日、事前に買ってあったであろう缶詰を消費しながら野宿で進み続けていて、まともなご飯は今日が初めて。
勿論、八戒がアレンジしてくれたりして、それもとても美味しかった。
こちらの和やかな雰囲気とは裏腹に、隣では言い争いが始まっている。
飽きないなぁ。
あーぁ、ハリセンで叩かれた…。
何度見てもフルスイングで痛そう。
八戒なんて我関せずで新しいお茶頼んでるし…。
ほら、朋茗さんに笑われてますよー。
-ガチャッ-
ドアの音に振り向くと、奥から出てきたのは朋茗さんのお父さん。
おじさんは何処からか私達が東から来た事を聞いたらしい。
「お客さん達、東から来たんだってネ」
「あぁ…そうだが」
「へぇ、珍しいなぁ、東の砂漠は物騒であまり人間は通らないのに、皆さんよく無事でしたね!」
へぇ、私が来る前は砂漠もあったんだ。
砂漠抜けてからの合流で良かったぁ、暑いの苦手なんだよね。
しかも最近すっごい狂暴な妖怪の4人組が出没する、なんて噂もあるとか…。
妖怪ではないけど、それってもしかして…。
「今は5人だけど、それって俺らの事みた -がごっ-」
「あぁ、スマン。今お前の頭にハエがいたんだ」
「惜しいな、逃げられたか」
『痛そう…』
「気にしないで下さいね」
多分俺らの事みたいだな!って言おうとした悟空の頭を悟浄が勢い良くテーブルに叩きつける。
あれは絶対に痛い。
正直同じ事を思ってたから、口に出さなくて良かったと本気で安堵する。
でも、そんなに言っちゃいけない事なのかな?
『悟空、大丈夫ですか?』
「ん?あぁ、こんくらいへーきへーき!」
ある意味身代わりに悟空の頭をさする。
あ、でも痛いのって頭より顔か。
おでこ赤くなってるし…。
本当に大丈夫?
そうこうしてる間に話が進んでたらしく、朋茗さんの悲痛な叫びが響く。
「私、妖怪なんて嫌い!だって人間を喰べるのよ?!ただの化け物じゃない!」
え、妖怪って人間喰べるの?マジ?
でももし悟空が妖怪だったら喰べそう。
いっぱい食べるし…。
テーブルの上いっぱいに乗ってた料理もいつの間にか空だし…。
「人間と妖怪が一緒に暮らすなんて無理よッ、町の皆だってそう言ってる!「朋茗!!」」
「すまんね、妖怪に喰われた被害者の中にこの娘の友達がいたもんだから…」
なるほどね。
でもそれまでは普通に一緒に暮らしてたんだよね?
確かに友達が被害にあったなら辛いとは思うけど…。
妖怪皆を憎むのはまたちょっと違うんじゃないかなー、なんて思ったり…。
人間だって人を殺す事だってある。
「…さてと、ごちそうさまでした。この料理全部朋茗さんが作ってくださったんですね」
「あ…はい」
「え、マジで?すげーじゃん!!こんな美味い物久々に食ったよ、俺。さんきゅなッ」
『ホント、とっても美味しかったです!ごちそうさまでした!』
「あ…ありがとう…」
朋茗さん、料理上手なんだなぁ。
すっごい美味しかった…。
私も料理作れた方がいいのかな?
八戒だけに頼るのも申し訳ないし…。
あっちに居た時は一人暮らしだったけど、大して自炊なんてしてなかったしなぁ。
バイト先の賄いあったし…あ、やべ、バイトサボっちゃったや…いつ帰れるかもわかんないし、こりゃクビだな。
なんで私はここにいる…?
普段は隣に居るはずの悟浄が今日は助手席に居る。
なんでも毎度言い合いをするから、離してみるキャンペーンだとか…。
という事は、本来助手席に座っていらっしゃる三蔵さんが後部座席に居るのは当たり前な訳で…。
そして初対面にやらかしてから少し萎縮してしまっている訳で…。
あ、いや、少し…少しね?ほんのちょこっとだけ。
ちょっと緊張しながら三蔵さんと悟空の間に座っていると、ずいっと悟空が前に乗り出す。
「悟浄!!席替われよっ!お前が前にいると煙たくてしょーがねーだろッ?!」
「あぁ、悪ィな。後ろにお子様乗ってんの忘れてたぜ」
「ンだとッ?!!」
どうやら悟浄が助手席で煙草を吸って、その煙が煙たいって事らしい。
煙たいって言ってるけど、それは三蔵さんが前でも一緒では?
三蔵さんも助手席で煙草吸ってるし。
後部座席が煙たくならない為には私か悟空が助手席に行く他ない。
「瑞希も煙たいよな?!」
『私は別に…煙草の匂いも苦手ではないので…』
「瑞希ちゃんが良いってんなら構わねぇな」
私基準…だと?嘘だろ…?
あー、やめて、せめて私を言い合いに巻き込まないで…。
「…いい加減にしろよ、貴様ら。なんなら降りて走るか?」
「まぁまぁ、もうすぐ町が見えてくるハズです。久々に屋根のある所で眠れそうですねぇ」
屋根のある所?!
って事はお布団で眠れて、お風呂にも入れると?!
そういう事ですよね?!ねぇ?!
こっちに来る時にびしょ濡れになってからまともにお風呂に入れてなかったから嬉しい。
まぁその後のパラシュートなしのスカイダイビングで粗方乾いたんですけどね…。
嬉しさが全面に出てたのだろう、バックミラー越しに八戒と目が合い、少し笑われた。
「瑞希はこっちに来てから初めての町ですね」
『はい!お風呂とお布団!』
「美味い物もいっぱいあるからな!」
さっきの怒りは何処へやら、にっこにこで食べ物の話をしてくれる悟空。
楽しみー!なんて悟空とキャッキャしてる間に、この世界に来て初めての町へ到着した。
町に着いて車に乗ったまま少し進む。
ジープが珍しいのか、はたまたこのイケメン集団が珍しいのか、チラチラとこちらを見てくる通行人。
視線が痛い。
視線に俯いていると、前方から男の怒鳴り声が…。
目線を向けると、よく見えないけど女の子1人に男3人で絡んでいる様だ。
それに見かねたのか、悟空と悟浄が車から降り、踏んだり殴ったりで蹴散らしていく。
容赦がない。
「おい、悟空!悟浄!あんまり派手な行動をとるなっつっただろ?!」
「僕らも充分目立ってますよ、三蔵」
『なんなら町に入ってからずっと目立ってます、三蔵さん』
2人に目立つな!って怒ってるけど、さっきも言った通り、町に入ってからずっとチラチラと見られてる。
まさか自覚がない…?
後部座席から事の成り行きを見守っていると、どうやら彼女の家が宿屋らしく、今日はそちらにお世話になるらしい。
宿に着いてご飯を頂く。
こっちに来て初めてのお宿ご飯!
中華料理三昧だー!
春巻きに小龍包、焼売、青椒肉絲!
どれも美味しくて幸せ。
ニコニコしながら食べてると、隣に座る八戒からお茶を差し出される。
「美味しそうに食べますね、お茶どうぞ」
『ありがとうございます!どれも美味しいです』
「ここまで缶詰ばかりでしたもんねぇ」
そう、ここまで来るのに数日、事前に買ってあったであろう缶詰を消費しながら野宿で進み続けていて、まともなご飯は今日が初めて。
勿論、八戒がアレンジしてくれたりして、それもとても美味しかった。
こちらの和やかな雰囲気とは裏腹に、隣では言い争いが始まっている。
飽きないなぁ。
あーぁ、ハリセンで叩かれた…。
何度見てもフルスイングで痛そう。
八戒なんて我関せずで新しいお茶頼んでるし…。
ほら、朋茗さんに笑われてますよー。
-ガチャッ-
ドアの音に振り向くと、奥から出てきたのは朋茗さんのお父さん。
おじさんは何処からか私達が東から来た事を聞いたらしい。
「お客さん達、東から来たんだってネ」
「あぁ…そうだが」
「へぇ、珍しいなぁ、東の砂漠は物騒であまり人間は通らないのに、皆さんよく無事でしたね!」
へぇ、私が来る前は砂漠もあったんだ。
砂漠抜けてからの合流で良かったぁ、暑いの苦手なんだよね。
しかも最近すっごい狂暴な妖怪の4人組が出没する、なんて噂もあるとか…。
妖怪ではないけど、それってもしかして…。
「今は5人だけど、それって俺らの事みた -がごっ-」
「あぁ、スマン。今お前の頭にハエがいたんだ」
「惜しいな、逃げられたか」
『痛そう…』
「気にしないで下さいね」
多分俺らの事みたいだな!って言おうとした悟空の頭を悟浄が勢い良くテーブルに叩きつける。
あれは絶対に痛い。
正直同じ事を思ってたから、口に出さなくて良かったと本気で安堵する。
でも、そんなに言っちゃいけない事なのかな?
『悟空、大丈夫ですか?』
「ん?あぁ、こんくらいへーきへーき!」
ある意味身代わりに悟空の頭をさする。
あ、でも痛いのって頭より顔か。
おでこ赤くなってるし…。
本当に大丈夫?
そうこうしてる間に話が進んでたらしく、朋茗さんの悲痛な叫びが響く。
「私、妖怪なんて嫌い!だって人間を喰べるのよ?!ただの化け物じゃない!」
え、妖怪って人間喰べるの?マジ?
でももし悟空が妖怪だったら喰べそう。
いっぱい食べるし…。
テーブルの上いっぱいに乗ってた料理もいつの間にか空だし…。
「人間と妖怪が一緒に暮らすなんて無理よッ、町の皆だってそう言ってる!「朋茗!!」」
「すまんね、妖怪に喰われた被害者の中にこの娘の友達がいたもんだから…」
なるほどね。
でもそれまでは普通に一緒に暮らしてたんだよね?
確かに友達が被害にあったなら辛いとは思うけど…。
妖怪皆を憎むのはまたちょっと違うんじゃないかなー、なんて思ったり…。
人間だって人を殺す事だってある。
「…さてと、ごちそうさまでした。この料理全部朋茗さんが作ってくださったんですね」
「あ…はい」
「え、マジで?すげーじゃん!!こんな美味い物久々に食ったよ、俺。さんきゅなッ」
『ホント、とっても美味しかったです!ごちそうさまでした!』
「あ…ありがとう…」
朋茗さん、料理上手なんだなぁ。
すっごい美味しかった…。
私も料理作れた方がいいのかな?
八戒だけに頼るのも申し訳ないし…。
あっちに居た時は一人暮らしだったけど、大して自炊なんてしてなかったしなぁ。
バイト先の賄いあったし…あ、やべ、バイトサボっちゃったや…いつ帰れるかもわかんないし、こりゃクビだな。