第参話
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-瑞希 side-
つい先日私を加えた一行は西へとひた走る。
運転席には八戒。
助手席には三蔵さん。
後部座席には私を挟んで悟空と悟浄の3人。
と、早くも定位置が確定し始めている。
真ん中に陣取ってはいるものの、両サイドで喧嘩されれば巻き込まれるのは必然というもので…。
「あーーー!悟浄テメェ今イカサマしやがったな!」
「なんの事だかなー」
今は後部座席組でトランプの最中。
どうやったのか、悟浄のイカサマを悟空が暴いた様だ。
私?私は全然わからなかったさ!
あーでもないこーでもないと、言い合いをする悟空と悟浄。
その間に居る私。
いや、うるさい。そして両サイド近い。
イケメン慣れない。
初めのうちこそ「まぁまぁ落ち着いて…」なんて間に入ってはみたものの、時には悟浄が悟空をからかったり、また時にはヒートアップしたりと全く無意味に終わったので諦めた。
ズルズルと間から這い出て、前席の方へと避難する。
「すみませんねぇ、うるさくて」
『もうなんか慣れてきました…』
苦笑い気味に八戒に謝られ、それに遠い目をしながら返す。
「それにそろそろ…」と言いかけた時には立ち上がった三蔵さんが、後部座席で言い合っている2人を何処からか取り出したハリセンで叩いていた。
「うるせぇ!お前ら少しは静かに出来ねぇのか!!!」
「「すみません…」」
ハリセンをまた何処かにしまって座り直す三蔵さんをボーッと見つめる。
「なんだ」
『なんか気持ち良さそうだなぁと思って…』
「………叩かれてぇのか…?」
「何、瑞希ちゃんそういうシュミ?」
やめて、そんななんかうわぁ…みたいな目で見ないで。
違うから引かないで。
『いや、そういうんじゃないです。誤解しないで下さい。いつも思いっきり叩いてるので、ストレス発散になりそうだなぁって…思って…』
言いながら自分で何言ってんだ?となってどんどん語尾が小さくなってしまう。
そんな私を尻目にガサゴソと三蔵さんが取り出したのはハリセン。
「…やるか?」
『やるか…って何を…』
何をフルスイングでぶっ叩けと?!
困惑する私を無視して「的ならそこに居るだろ」と、ポイッとハリセン投げて渡す三蔵さん
的…?後ろを振り返ると「え?」と言う顔でこちらを見ているさっきまで喧嘩していた2人
『あーーーーー………すみません、またの機会にお願いします』
丁重にお断りさせて頂いて渡されたハリセンを返すと、何だか悪い顔して笑う三蔵さん。
わぁ、こんな悪い顔して笑うお坊さん初めてー…。
スーーっと席に戻って軽く脱力する。
「ビックリしたー。俺、瑞希にまでやられるかと思った」
『え、やると思ったんですか…?』
「俺はそういうシュミがあんのかと…」
『よーし、やっぱりお借りしますー』
再度前に乗り出そうとすれば両腕を掴まれ、ワタワタと謝る2人に笑えてくる。
その後も談笑していると、突然真剣な顔になる2人。
それと同時に急ブレーキをかけ止まるジープ。
「お客さんみたいですね」
「チッ」
「えー、俺腹減ってきたのにー」
「お前のそれはいつもの事だろうが」
一体何事なのか。
こんな何も無い所でお客さん?
何処からともなくゾロゾロと集まってくる人達。
あれ、耳尖ってる…?
皆ジープから降りる物だから、つられて私も降りる。
困惑していると悟浄にクシャッと頭を撫でられ、「ここで大人しく待ってろよ」と言われた。
「三蔵、瑞希の事頼みますよ。白竜も、お願いしますね」
「キュー」
待って待って待って。
どういう状況?
この人達何?