第弍話
夢小説設定
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『え…っと…皆さん私より年上だと思うんですが…って事でしばらくは敬語で通させてもらいたいんですけど…』
第一、初対面の人間に対してタメ口きける様な性格してませんよ。
……多分。
「あーらら」
「でも敬語だと僕とキャラ被っちゃいますよ?」
『キャラ被るとか結構どうでもいi「何か?」すいません、なんでもないです。ごめんなさい』
さっきの素敵な笑顔は何処へ行ってしまわれたんですか、八戒さん。
真っ黒な笑顔が怖くてつい謝ってしまった。
『じ、じゃあ徐々にタメ口にしていきますから慣れるまではこのままでお願いします』
「…しょうがないですね」
『ありがとうございます。いやもうホントすみませんごめんなさい』
少しの間があったものの、お許しを頂けたようで本当に良かった。
若干涙目になっちゃったよ…。
「まずは瑞希さんの座る場所なんですが…後ろになってしまうんですけどいいですか?」
『はい、大丈夫です。えっと八戒さん』
「なんです?」
『呼び捨てで構いませんよ?』
年上の人にさん付けで呼ばれるのはなんだかむず痒くて、名前を呼び捨てで呼んでもらえる様に志願してみる。
「そうですか?なら瑞希、貴女も僕の事を呼び捨てにして下さい」
思いの外あっさり名前を呼ばれ極めつけに爽やかな笑顔を向けられ一瞬ドキッとする。
あの笑顔は反則だと思います。
すると後部座席からヌッと悟空さんが顔を出してきた。
「八戒だけズリィ!なぁ瑞希、俺も!俺も呼び捨てでいいからな!」
「俺も悟浄でいいぜ、瑞希ちゃん」
『えっと…八戒、悟空、悟浄…?』
なんだか気恥ずかしくて顔が熱い。
こんな多種多様なイケメン3人に一気に話掛けられるなんて、数時間前は思いもしなかった。
既にあの惰眠を貪っていた教室の机が懐かしい。
チラリと三蔵さんを見てみるけど我関せずといった感じでこっちを見ようともしない。
上に落ちたのがそんなに気に食わなかったのだろうか…?
それはそうか。
いきなりこんな得体の知らん女が落ちてきたらこの温厚な瑞希ちゃんだってキレちゃうわ。
「おい、お前」
『はいっ』
初っ端から嫌われちゃったなーなんて思って、心なしかしょんぼりしていると三蔵さんがいきなり話し掛けてきた。
基本ずっと黙ってたからちょっとびっくりした。
「乗るならさっさとしろ。日が暮れる」
『あ、はい。すみません』
三蔵さんに促され私はジープへと乗り込んだ。
確かに日暮れが近い。