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―シャボンディ諸島近海―
シャボンディ諸島を出航して翌朝、シャッキーがまとめてくれた服の中から動きやすい黒のタイトワンピースを選び、ブーツを履いて陽の光を浴びようと、刀を握り甲板へと向かった。
まだ誰もいない甲板はとても広く感じて、水面に反射した朝日が眩しくて目を細める。
少し冷たい空気が気持ちよく両腕を空に伸ばして思いっきり延びをしていると背後からの声に少し驚いた。
「早いな、まだ6時だぞ。寝れなかったか?」
「おはよ!ううん!寝れたよ!そう言うペンギンも早いんだね」
「昨晩は俺が見張り番だったんだ」
スッと人差し指を上に向け、帆の先の見張り台を指していた。
「そうだったんだ!お疲れ様!この船はどこに向かってるのかな?」
「さぁ?後で船長に聞いてみる。朝飯は7時から9時の間の好きな時間に行けば用意してくれる。俺は少し仮眠をとるから、また後でな」
「うん!おやすみ!」
ペンギンは船内に戻り、また甲板で1人になったカリーナは見張り台からの景色が気になって登る事にした。
ロープで出来たハシゴを登り切った場所は人が1人か2人入れるこじんまりとしたスペースに望遠鏡と無線機が置いてあるだけの場所だが、そこから見える景色は絶景だった。
「綺麗…」
見渡す限りの大海原、海に反射した光はキラキラと波に揺れながら輝いていた。
幼い頃、読んだ本の写真の海が見たくて父に相談したが断られた事を思い出した。
身を潜め、何かを隠し、守る。
そんな日々に嫌気をさしていた事
故郷を襲われ、1人で逃げて初めて海に出た時は無我夢中で暗闇の海で孤独に押し潰されそうだった事
レイリーに助けられ、第2の故郷をいつか1人で出ようと思ってた事
「きっと孤独じゃない海ってこうやって見えるんだ…」
段々と太陽が上に登っていき、そろそろ朝食の時間かと見張り台を降りて食堂へと向かう事にした。
船のリビングにあたるフリースペースには何人かのクルーが居た。
「「「おはようございます!!!」」」
「(何で敬語?!)おはよう…ございます!」
「夢じゃねぇー」
「朝から綺麗な女性を毎日見れるんだー」
「最高だー」
「…あはは」
苦笑いしながら逃げるように食堂の扉を開けると早くもベポとシャチがナイフとフォークを握りしめて座っていた。
「ベポ、シャチ!おはよ!」
「あ!カリーナ!おはよー!!よく寝られた?」
「おぅ!カリーナおはよ!」
「うん!寝られたよ!」
「おはよ!カリーナ!朝飯はパンか米か選べるがどうする?」
カウンターの奥からイッカクが山盛りのパンとご飯をそれぞれベポとシャチの前に置いた。
「おはよ!イッカクごめんね。私、朝はコーヒーで充分なの」
「カリーナもか、了解!すぐコーヒー出すよ」
「??他にもコーヒーだけの人がいるの?」
「キャプテンだよ!カリーナもいっぱい食べないとキャプテンみたいに隈できちゃうよ?」
「バカだな!ベポ!隈は食べないからじゃなくて夜更かしで出来るんだよ!!ま、どちらにしろ朝飯はしっかり食わねぇと体力もたねぇぞ!!今日は俺が船の仕事教えてやるからな!!」
「腹減ったらいつでもここにおいで!俺が軽食でも作ってやるから!」
ソッとイッカクがカリーナの前にコーヒーを2つトレーごと置いた。
「2つってことは…また?」
「察しが良いね!またキャプテンのとこに持って行って欲しいんだ!」
「…了解」
「キャプテンは誤解されやすいが、心根は良い人だから2人でコーヒーでも飲んで距離を縮めると良い!」
「カリーナ!食べ終わったら甲板にいるからね!」
「カリーナ!寝起きのキャプテンは機嫌悪ぃから気をつけろよー」
シャチの忠告に頷いてコーヒーが冷めないうちにと食堂を出てローの部屋に向かう。
「優しい人って分かってるけどな…」
昨晩の事を思い出して、少し笑みがこぼれた。
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