1
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
部屋に戻り、ローがなぜDの意思について聞いてきたのかボーッと考えているとコンコンとドアをノックする音が聞こえてハッと我に返った。
扉の前にはベポ、ペンギン、シャチのお決まりの3人が立っていた。
「カリーナ、寝てたか?もうすぐ浮上するってよ!」
シャチの言葉にソファーに立てかけていた愛刀を持ち、甲板に向かった。
一目散にベポが甲板への扉を開けると、気持ち良い風がカリーナ達を包み、空には無数の星が瞬いていた。
「あー!!気持ちいい!!オレ…やっぱり潜水は苦手だ…」
「本当、風が気持ちいいね!」
ベポと一緒に、うーんっと腕を伸ばして外の空気を思いっきり吸うと、いつのまにか隣にローが立っていた。
「そこに船をつける」
42番GR海岸に船を近づけると月の光に照らされ、マングローブの根の上に白い人影が見えた。
「「「?!!」」」
「アソコにいんのは誰だ?!海兵か?!」
「気づかれたか!?」
「いや…違ェ…アレは冥王…」
「レイリー…」
「待ってたぞ!!カリーナ!!」
「「「嘘だろ!!!?冥王レイリー!!伝説が現れた!!!」」」
「カリーナ…仲間を見つけたんだな!!本当に信頼できる仲間を!!」
「レイリー!!私!強くなる!そして答えを探しに行くよ!!この仲間達と!!」
「あぁ…!!私とシャッキー はいつでもカリーナの帰りをここで待っている!!受け取れ!シャッキー からだ!」
レイリーが手から離した物はボンバックにカリーナの着替えなどが詰められていた。
「ありがとう!!あと…シャッキー に、お昼に頼まれたお酒、あの騒動の時に無くしちゃって…ごめん!!って謝っといて!代わりに、世界中のお酒をお土産に持って帰るから!って伝えて!」
「アハハハハ!伝えておく!!――トラファルガー・ロー!!カリーナを宜しく頼んだ!!もし、カリーナを泣かせるような事があったら…私が許さない!!!」
ローはレイリーの言葉に、ニヤッと片方の口角だけを上げ、「出航する」と他のクルーに命じた。
「カリーナ!!強く!強く生きろ!!」
徐々に小さくなるレイリーの姿に「お世話になりました…!!」と深々とお辞儀をした。
「な…なんで…冥王レイリーが!?」
「カリーナと何の関係があるんだ?!」
他のクルー達は、カリーナとレイリーの関係に驚きを隠せずにいたが、ペンギンの「カリーナを1人にしてやろう」と言う言葉に皆で船内へと戻った。
完全にシャボンディ諸島は見えなくなり、沖に出た所でシャッキー が詰めてくれたボンバックがパンッと破裂して中身が甲板に投げ出された。
「シャボンが割れた…島から離れた証拠だ」
12年間過ごした島…自分の故郷より長く過ごした島と自分の本当の親より長く過ごした人達…
離れた事をシャボンが割れた事によって身に沁みて実感した。
落ちた物を拾って行くと服の間に紙が挟まっていた。
〝カリーナへ
あなたが、やっと信頼出来る仲間を見つけられた事…〝声〟が聞こえてきたわ。
12年間あなたの母親代わりをしてきたけど、1番良い〝声〟だったわ。まぁ、モンキーちゃん一味じゃなくて少し残念だけど笑
あなたの航海(人生)が素敵なものになる様に祈ってるわ!最後に…見送りに行かなくてごめんね、あなたの顔見たら寂しくなりそうだったの。許してね。シャッキー より〟
12年間の思い出が走馬灯のように頭を駆け巡り、手紙の上にポタポタと涙が溢れた。
涙が溢れないように空を見上げると眩しいくらいの満月で月に向かって「シャッキー …ありがとう」と呟くと一瞬、突風が吹いて海へと手紙が飛ばされていった…
その様子を影から見ていたローは能力で手に持っていたコインと手紙を入れ替えた。
その手紙の文字は涙でインクが滲んで所々読めなかった。
コツコツと背後からする足音に気づいてカリーナは涙を拭って、残りの洋服をかき集めた。
「ベポ?すぐ片付けてそっちに行くね!」
「ベポじゃねェ…アイツの足音と一緒にするな」
両手に洋服や日用品をたくさん抱えて振り返ると、片手に愛刀を抱え、もう片方の手には先程海に落ちた筈のシャッキー からの手紙を差し出すローの姿が目の前にあった。
「これ…さっき海に落ちた筈なのに…取ってくれたの?」
「今、お前を泣かせたのは俺じゃねェって証拠に取っただけだ」
「ありがとう、ロー」
俯向くカリーナの頭に大きな手のひらの重みを感じる
「お前には、もう家族も仲間もいる。12年前の事は繰り返させねェ。俺を信じろ」
「…うん、、今はローが泣かせた…」
「フッ…じゃあ、その手紙(証拠)を取ったのは意味なかったな」
「本当に素直じゃないんだね」
「…チッ」
―シャッキーside―
店の外に出て、海の方へ目を向ける
カリーナの声が消えた…
もう、島を離れたのね…
この先、海は荒れるわよ
見たことのない大きな波が来る
あなた達は、その波に負けちゃ行けない…
ほら、聞こえる?
時代が少しずつ…うねり始めてる
タバコも吸い終わり店に戻ろうとした時、フワフワとボンバックが近づいてくる…
受け取ると中には、昼にカリーナに頼んだワインとウイスキーが入っていた。
「月明かりが導いてくれたの?」
空を見上げると、いつにも増して満月が輝いていた。
「月は夜の闇に光を届け、航海をそっと見守り、さりげなく人々を導く…行ってらっしゃい、カリーナ…」