HH シャルナーク
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もう知らない。あんたなんかいらない
お前がそう言うならいいよ
その日からシャルからの連絡は全く無くなった
1週間を過ぎた頃、食材の買い出しや日用品の買い出しをしていると意外にお金が掛かる事に気づく
そういえば、いつも何でも全部出してくれていて私にお金は払わせた事が無かった
ジャージ上下で髪をまとめただけの姿で支払いをしてからカゴを取ると買い物バッグに詰めて早々とスーパーを後にした
夏も過ぎて涼しくなって来ているから歩くのも嫌ではなくて、いつもと違う道を通り海沿いを歩きながら自宅に帰った
すぐにキッチンで食事の支度をしていると、ピンポンとインターホンが鳴って
一瞬シャルの顔が浮かんだけれど、それは無いかと思いながら玄関の前まで来るとどちら様ですか?と声を掛けた
「こんにちは、隣に越して来た者です」
若い男性の声がして、私は鍵を開けた
「初めまして、隣に引っ越してきたベルナーです。これ良かったら食べて下さい」
ベルナーの肩には小さな子猫が乗っていて、私を見るとニャアと小さく鳴いた
差し出して来た紙袋をお礼を言って受け取ると
どうして肩に猫なのか聞きたくなってしまう
「あのー、ベルナーさん。猫ちゃんはどうして肩に?
」
「ああ、さっきマンションの前で偶然見つけて。撫でたら肩に乗ってきて降りないんですよ」
あははと笑ったベルナーに好感が持てた私は、ちょっと待ってて下さいと言って飼い猫の缶詰のストックを3つ程持ってきて彼に手渡した
「ありがとうございます、お名前伺っても?」
「ああ、失礼しました。レイです」
「レイさん、缶詰ありがとうございました。あの、猫飼うの初めてなので何かあったら聞いても良いですか?」
「あまり良いアドバイスは出来るか分かりませんが、私で良ければ」
ニッコリと笑った私にベルナーは連絡先を聞いてきたので、今は恋人も居ないしいいかと思いメールと電話番号を交換した
玄関を閉めてからキッチンに戻り、付けっぱなしのテレビから聞こえてくるニュースに耳を傾けながら手早く野菜を切っていると
ここから数キロ先の美術館が幻影旅団に襲われたと耳に入ってくる
思わずシャルの顔を思い出してしまったけれど、もう私には関係無いんだと思い切ったキュウリを口に入れた
それから、隣に越して来たベルナーとは良く会う様になった
大体は子猫を連れて家に遊びに来る事が殆どで、回数を重ねるうちに子猫とうちの猫が仲良くなってくると食事に出かける様にもなった
話をすればする程彼は穏やかそうに見えて中々のやり手だった
会社をいくつも持っていて、仕事の話をする彼は情熱に溢れていた。綺麗なブロンドの髪に茶色の瞳はシャルとは違って澄んでいるように見えた
そういえば、シャルの瞳の奥は歪んだ闇が見える事がよくあった
でも惜しみないくらいの愛情を初めてくれたのは紛れもなくシャルで、今も少しだけ別れた事を後悔していた
食事の帰りに初めて手を繋いでマンションに向かう
恋人繋ぎしたのは半年ぶりくらいだな何て浮かれていると、うちの玄関の前に携帯をいじりながら扉にもたれかかるシャルを見つけて心臓が高鳴った
私が硬直していると、ベルナーはレイ?と手を繋いでいる反対の手で私の顔を撫でる
その声に反応したシャルが顔を上げて私と目が合った
「…何してんの?」
シャルの低い声に私は唇を噛む
「何してんのってどうゆう意味?」
ジトリとシャルを睨むと、ベルナーは私達を見て知り合いかい?と優しく声をかけてくる
「お前は?」
シャルの鋭い眼光に彼は怖気付かず、ベルナーです。レイさんの隣に住んでますとご丁寧に自己紹介をし出した
そこで、シャルの殺気がダバっと広がったのが分かり
慌ててベルナーの前に庇う様に出れば、それより早く一瞬でベルナーはシャルに胸ぐらを掴まれて壁に叩きつけられていた
壁のコンクリがへこむ様な衝撃が彼の身体に加わり、ベルナーの口から内臓が傷ついたのか血が噴き出てシャルの白いシャツと金色の髪に零れ落ちる
「やめてよシャルナーク」
思い切り彼に体当たりをして胸ぐらを掴む手に絡み付く。逃げてとベルナーに泣きながら叫ぶと彼は一度躊躇したけれど走り出した
シャルが彼を追わない様に渾身の力を振り絞り彼の胴体を抱きしめる
急にシャルから力が抜けたのが分かり、ホッとしてこちらも力を緩めると彼の手が私の顎を掴んだ
ぐいと上を向かされてグリーンの瞳には闇が浮かんでいた
「…綺麗な顔…アイツの為にメイクしたの?髪も巻いて?」
「…お前何て知らないって言ったじゃない…」
「このワンピース、俺が買ったやつだよね?」
「…何が言いたいの?」
腕を掴まれて合鍵で部屋を開けたシャルは乱暴に私をベッドに放る
猫達がその音にビックリしてハウスに入っていったのが横目で見えた
私のスカートに手を入れながら片手で自分のシャツのボタンを外すシャルは強引に口付けをしてくる
嫌じゃ無い自分が居て、彼の舌が自分の舌を舐める度にピクリと感じてしまう
いつもと違い優しく無い手付きにも、声を出して反応してしまう自分がいた
まだ充分に濡れていない秘部にぬちりと太い指が入って来て、苦しくて少し唸る様に声をあげた
胸の先端をしつこいくらい舐められて感じる度に秘部の奥に指が入っていき弱い場所を責められる
「ひゃ、いや、シャル」
「…あいつにその顔見せたの?」
暗闇の中で目が合ったシャルの顔は無表情だったけれど怒りが彼の身体を覆っている様に感じて私は口を閉じて彼から目を逸らす
聞いてんの?と小さく耳元で呟いた声には狂気が入り混じっている様に感じて何故か涙が止まらない
グチュグチュとそれでも止まらない指の動きに軽く達してしまうと、何も言わずにシャルはそのまま自身を埋めてきた
充分に濡れていて痛く無い筈なのに、何故か心も身体も苦しく感じてしまう
「…で?その顔見せたか聞いてるんだけど」
グリグリと私の弱い部分を責め立てながら、私が涙を溢す度に舌でそっと拭ってくる
「…手しか…繋いでないよ…」
「嘘だったら向こう殺すからね」
「嘘は言ってない…まだ知り合って間もないし」
そう、と言った彼は少し満足そうにした後に私の髪に手を入れて噛み付く様にキスをするとそのまま激しく奥を突いてくる
思わず出た声はキスでかき消されていき
何の躊躇も無くシャルは私の中で果てた
ザァーザァーとシャワーを浴びる音が聞こえて目を覚ます
お腹の中がまだ熱いような感じがする
シャワーから出て来た彼を見ずに入れ違いで風呂に入り鏡を見つめた。胸と首に大きなキスマークがあり泣いた目は腫れていた
ブスだなぁ何て思いながら必死でシャワーを浴びて膣内の液体をかき出した
バスローブを羽織り風呂を出れば、ベルナーの子猫がシャルの膝の上で遊んでいた
「この小さいの買って来たの?」
「…その子はさっきの彼の猫よ」
「…ふーん。隣に住んでるって言ってたね」
「どうすんの?」
「…どうすんのって何?」
「また会うのかって事を聞いてるんだよ」
「もう会わない。彼も私には会いたくないと思うし」
「懸命な判断だね。アイツの死体を見たくなかったら会わない事だ」
「…シャル…そんな人なのね…」
目に溜まった涙は溢れて、思わず滑らせた口を片手で覆うとシャルは衝撃を受けた様な顔をしてから苛立った様にテーブルを殴った
2つにわれたテーブルに驚いた子猫は逃げてしまう
「どうせ…そんな奴だよ」
吐き捨てる様に言ったシャルは、そのまま寝室へと入っていった
出て行くと思ったのにと自分の勘は珍しく外れてしまった。でも、出ていかなくて嬉しい様な悲しい様な気持ちに面倒になって何も考えるのをやめた
髪を乾かしてから寝室に入り横になっているシャルの後ろに横になると、彼の背中が小さく思えた
後ろから抱き締めて顔を撫でれば泣いた後があって、私の心臓は破裂するかの様にバクバクと音をたてる
普通の人間だったんだなと初めて感じたのだ
初めてハンター試験で会ってからずっと甘くて優しくて強かった
守ってくれて、頭が良くて憧れていた
幻影旅団だって聞いても2人の時のシャルだけ見ていた
でも、一度も私は好きだって彼に言えなかった。何で言えなかったんだろう…
そこまで考えてからシャルの手を握りしめた
少しだけ握り返して来たシャルに愛しさを感じて耳元で口を開く
「…シャル、そんな人でも…貴方は出会った時から私の誇りで今まで会った中で1番愛してるから。さっきは殺すって言葉に反応して傷付けてごめんね。戻ってきてくれて本当は嬉しいんだと思う…」
そう言って彼の首に顔を埋めた
何だか彼が普通の人間だって事と、愛していると言えた事に意味があったんだと感じた
「…変な奴だね…」
「なんでよ」
「さっきまで泣いて俺を否定してたのに…愛してるだなんてさ」
「不満?」
「いや、満足かな…。俺は…こうゆう人間だから。これからお前の事また泣かせるかもしれない。いつ死ぬか分からないし」
「…じゃあさ、赤ちゃん作ろうよ」
「…何でそうなるかな…」
ガバリとこちらを向いたシャルは、呆れた様に私を見つめて来た
「可愛い子供でも居たら、シャルは危ない事しなくなるよ」
「そしたら仕事にならないよ」
「うーん。じゃあシャルが死んでも私が寂しくない様に」
「俺は死ぬ前提なんだ」
「あんたが言ったんでしょ」
「まぁ、確かにね。子供か…。考えた事無かったかもな…」
命を作る事が出来る事を知っているし、実際に行為もしているけど奪う側の経験が多かった自分が子供が欲しい何て考えた事は無かった
口元に笑みを浮かべ俺を見るレイの顔を見ていると何だか安心してきて眠くなってしまう
「寝るの?」
「そろそろ寝ようかな。明日は闘技場に行くんだよね。団長に貸すものがあってさ」
「団長さんか…また仕事なのね。分かった」
「夜には帰ってくるからご飯…作ってくれない?」
「いいよ。沢山作るから」
おやすみと言ったシャルの口付けが甘く感じて私はそのまま彼を抱き締めて眠りについた
昼過ぎまで寝ていて、起きるとシャルは居なかった
書き置きに夕飯はパスタが良いって事と、初めて愛してると書いてあった
その字を指でなぞってから私は買い物に出掛けた
夕方を過ぎても連絡が無く、あまりにも遅いのでシャルに電話を掛けた
プルルルルとコールが何回か鳴ると、知らない男性の声がした
「…シャルは死んだよ。レイちゃん」
プツリと思わず切った電話。信じたく無くて投げ捨てて横になった
携帯から聞こえた声はまるで機械の様で震えが止まらなくてベッドに横になりながら外を見ていた
カーテンの隙間から黒いコートを着た男性が金色の髪の男を横抱きにしながらこちらにゆっくり歩いてくるのが見えた
ゆっくりと歩き静かに玄関を開けるとターバンをした黒づくめの男が顔が血だらけのシャルを抱えて立ち尽くしていた
何も言わずに彼は私にシャルを渡した
キツくキツく抱き締めて、シャルにキスをしてから
黒い男に願いを言った
その瞬間に自分の首筋から血が吹き出して
私は笑って彼に礼を言った
最後に感じたのはシャルの冷たい温度で、目に写ったのは黒づくめの男の綺麗な涙だった
end
お前がそう言うならいいよ
その日からシャルからの連絡は全く無くなった
1週間を過ぎた頃、食材の買い出しや日用品の買い出しをしていると意外にお金が掛かる事に気づく
そういえば、いつも何でも全部出してくれていて私にお金は払わせた事が無かった
ジャージ上下で髪をまとめただけの姿で支払いをしてからカゴを取ると買い物バッグに詰めて早々とスーパーを後にした
夏も過ぎて涼しくなって来ているから歩くのも嫌ではなくて、いつもと違う道を通り海沿いを歩きながら自宅に帰った
すぐにキッチンで食事の支度をしていると、ピンポンとインターホンが鳴って
一瞬シャルの顔が浮かんだけれど、それは無いかと思いながら玄関の前まで来るとどちら様ですか?と声を掛けた
「こんにちは、隣に越して来た者です」
若い男性の声がして、私は鍵を開けた
「初めまして、隣に引っ越してきたベルナーです。これ良かったら食べて下さい」
ベルナーの肩には小さな子猫が乗っていて、私を見るとニャアと小さく鳴いた
差し出して来た紙袋をお礼を言って受け取ると
どうして肩に猫なのか聞きたくなってしまう
「あのー、ベルナーさん。猫ちゃんはどうして肩に?
」
「ああ、さっきマンションの前で偶然見つけて。撫でたら肩に乗ってきて降りないんですよ」
あははと笑ったベルナーに好感が持てた私は、ちょっと待ってて下さいと言って飼い猫の缶詰のストックを3つ程持ってきて彼に手渡した
「ありがとうございます、お名前伺っても?」
「ああ、失礼しました。レイです」
「レイさん、缶詰ありがとうございました。あの、猫飼うの初めてなので何かあったら聞いても良いですか?」
「あまり良いアドバイスは出来るか分かりませんが、私で良ければ」
ニッコリと笑った私にベルナーは連絡先を聞いてきたので、今は恋人も居ないしいいかと思いメールと電話番号を交換した
玄関を閉めてからキッチンに戻り、付けっぱなしのテレビから聞こえてくるニュースに耳を傾けながら手早く野菜を切っていると
ここから数キロ先の美術館が幻影旅団に襲われたと耳に入ってくる
思わずシャルの顔を思い出してしまったけれど、もう私には関係無いんだと思い切ったキュウリを口に入れた
それから、隣に越して来たベルナーとは良く会う様になった
大体は子猫を連れて家に遊びに来る事が殆どで、回数を重ねるうちに子猫とうちの猫が仲良くなってくると食事に出かける様にもなった
話をすればする程彼は穏やかそうに見えて中々のやり手だった
会社をいくつも持っていて、仕事の話をする彼は情熱に溢れていた。綺麗なブロンドの髪に茶色の瞳はシャルとは違って澄んでいるように見えた
そういえば、シャルの瞳の奥は歪んだ闇が見える事がよくあった
でも惜しみないくらいの愛情を初めてくれたのは紛れもなくシャルで、今も少しだけ別れた事を後悔していた
食事の帰りに初めて手を繋いでマンションに向かう
恋人繋ぎしたのは半年ぶりくらいだな何て浮かれていると、うちの玄関の前に携帯をいじりながら扉にもたれかかるシャルを見つけて心臓が高鳴った
私が硬直していると、ベルナーはレイ?と手を繋いでいる反対の手で私の顔を撫でる
その声に反応したシャルが顔を上げて私と目が合った
「…何してんの?」
シャルの低い声に私は唇を噛む
「何してんのってどうゆう意味?」
ジトリとシャルを睨むと、ベルナーは私達を見て知り合いかい?と優しく声をかけてくる
「お前は?」
シャルの鋭い眼光に彼は怖気付かず、ベルナーです。レイさんの隣に住んでますとご丁寧に自己紹介をし出した
そこで、シャルの殺気がダバっと広がったのが分かり
慌ててベルナーの前に庇う様に出れば、それより早く一瞬でベルナーはシャルに胸ぐらを掴まれて壁に叩きつけられていた
壁のコンクリがへこむ様な衝撃が彼の身体に加わり、ベルナーの口から内臓が傷ついたのか血が噴き出てシャルの白いシャツと金色の髪に零れ落ちる
「やめてよシャルナーク」
思い切り彼に体当たりをして胸ぐらを掴む手に絡み付く。逃げてとベルナーに泣きながら叫ぶと彼は一度躊躇したけれど走り出した
シャルが彼を追わない様に渾身の力を振り絞り彼の胴体を抱きしめる
急にシャルから力が抜けたのが分かり、ホッとしてこちらも力を緩めると彼の手が私の顎を掴んだ
ぐいと上を向かされてグリーンの瞳には闇が浮かんでいた
「…綺麗な顔…アイツの為にメイクしたの?髪も巻いて?」
「…お前何て知らないって言ったじゃない…」
「このワンピース、俺が買ったやつだよね?」
「…何が言いたいの?」
腕を掴まれて合鍵で部屋を開けたシャルは乱暴に私をベッドに放る
猫達がその音にビックリしてハウスに入っていったのが横目で見えた
私のスカートに手を入れながら片手で自分のシャツのボタンを外すシャルは強引に口付けをしてくる
嫌じゃ無い自分が居て、彼の舌が自分の舌を舐める度にピクリと感じてしまう
いつもと違い優しく無い手付きにも、声を出して反応してしまう自分がいた
まだ充分に濡れていない秘部にぬちりと太い指が入って来て、苦しくて少し唸る様に声をあげた
胸の先端をしつこいくらい舐められて感じる度に秘部の奥に指が入っていき弱い場所を責められる
「ひゃ、いや、シャル」
「…あいつにその顔見せたの?」
暗闇の中で目が合ったシャルの顔は無表情だったけれど怒りが彼の身体を覆っている様に感じて私は口を閉じて彼から目を逸らす
聞いてんの?と小さく耳元で呟いた声には狂気が入り混じっている様に感じて何故か涙が止まらない
グチュグチュとそれでも止まらない指の動きに軽く達してしまうと、何も言わずにシャルはそのまま自身を埋めてきた
充分に濡れていて痛く無い筈なのに、何故か心も身体も苦しく感じてしまう
「…で?その顔見せたか聞いてるんだけど」
グリグリと私の弱い部分を責め立てながら、私が涙を溢す度に舌でそっと拭ってくる
「…手しか…繋いでないよ…」
「嘘だったら向こう殺すからね」
「嘘は言ってない…まだ知り合って間もないし」
そう、と言った彼は少し満足そうにした後に私の髪に手を入れて噛み付く様にキスをするとそのまま激しく奥を突いてくる
思わず出た声はキスでかき消されていき
何の躊躇も無くシャルは私の中で果てた
ザァーザァーとシャワーを浴びる音が聞こえて目を覚ます
お腹の中がまだ熱いような感じがする
シャワーから出て来た彼を見ずに入れ違いで風呂に入り鏡を見つめた。胸と首に大きなキスマークがあり泣いた目は腫れていた
ブスだなぁ何て思いながら必死でシャワーを浴びて膣内の液体をかき出した
バスローブを羽織り風呂を出れば、ベルナーの子猫がシャルの膝の上で遊んでいた
「この小さいの買って来たの?」
「…その子はさっきの彼の猫よ」
「…ふーん。隣に住んでるって言ってたね」
「どうすんの?」
「…どうすんのって何?」
「また会うのかって事を聞いてるんだよ」
「もう会わない。彼も私には会いたくないと思うし」
「懸命な判断だね。アイツの死体を見たくなかったら会わない事だ」
「…シャル…そんな人なのね…」
目に溜まった涙は溢れて、思わず滑らせた口を片手で覆うとシャルは衝撃を受けた様な顔をしてから苛立った様にテーブルを殴った
2つにわれたテーブルに驚いた子猫は逃げてしまう
「どうせ…そんな奴だよ」
吐き捨てる様に言ったシャルは、そのまま寝室へと入っていった
出て行くと思ったのにと自分の勘は珍しく外れてしまった。でも、出ていかなくて嬉しい様な悲しい様な気持ちに面倒になって何も考えるのをやめた
髪を乾かしてから寝室に入り横になっているシャルの後ろに横になると、彼の背中が小さく思えた
後ろから抱き締めて顔を撫でれば泣いた後があって、私の心臓は破裂するかの様にバクバクと音をたてる
普通の人間だったんだなと初めて感じたのだ
初めてハンター試験で会ってからずっと甘くて優しくて強かった
守ってくれて、頭が良くて憧れていた
幻影旅団だって聞いても2人の時のシャルだけ見ていた
でも、一度も私は好きだって彼に言えなかった。何で言えなかったんだろう…
そこまで考えてからシャルの手を握りしめた
少しだけ握り返して来たシャルに愛しさを感じて耳元で口を開く
「…シャル、そんな人でも…貴方は出会った時から私の誇りで今まで会った中で1番愛してるから。さっきは殺すって言葉に反応して傷付けてごめんね。戻ってきてくれて本当は嬉しいんだと思う…」
そう言って彼の首に顔を埋めた
何だか彼が普通の人間だって事と、愛していると言えた事に意味があったんだと感じた
「…変な奴だね…」
「なんでよ」
「さっきまで泣いて俺を否定してたのに…愛してるだなんてさ」
「不満?」
「いや、満足かな…。俺は…こうゆう人間だから。これからお前の事また泣かせるかもしれない。いつ死ぬか分からないし」
「…じゃあさ、赤ちゃん作ろうよ」
「…何でそうなるかな…」
ガバリとこちらを向いたシャルは、呆れた様に私を見つめて来た
「可愛い子供でも居たら、シャルは危ない事しなくなるよ」
「そしたら仕事にならないよ」
「うーん。じゃあシャルが死んでも私が寂しくない様に」
「俺は死ぬ前提なんだ」
「あんたが言ったんでしょ」
「まぁ、確かにね。子供か…。考えた事無かったかもな…」
命を作る事が出来る事を知っているし、実際に行為もしているけど奪う側の経験が多かった自分が子供が欲しい何て考えた事は無かった
口元に笑みを浮かべ俺を見るレイの顔を見ていると何だか安心してきて眠くなってしまう
「寝るの?」
「そろそろ寝ようかな。明日は闘技場に行くんだよね。団長に貸すものがあってさ」
「団長さんか…また仕事なのね。分かった」
「夜には帰ってくるからご飯…作ってくれない?」
「いいよ。沢山作るから」
おやすみと言ったシャルの口付けが甘く感じて私はそのまま彼を抱き締めて眠りについた
昼過ぎまで寝ていて、起きるとシャルは居なかった
書き置きに夕飯はパスタが良いって事と、初めて愛してると書いてあった
その字を指でなぞってから私は買い物に出掛けた
夕方を過ぎても連絡が無く、あまりにも遅いのでシャルに電話を掛けた
プルルルルとコールが何回か鳴ると、知らない男性の声がした
「…シャルは死んだよ。レイちゃん」
プツリと思わず切った電話。信じたく無くて投げ捨てて横になった
携帯から聞こえた声はまるで機械の様で震えが止まらなくてベッドに横になりながら外を見ていた
カーテンの隙間から黒いコートを着た男性が金色の髪の男を横抱きにしながらこちらにゆっくり歩いてくるのが見えた
ゆっくりと歩き静かに玄関を開けるとターバンをした黒づくめの男が顔が血だらけのシャルを抱えて立ち尽くしていた
何も言わずに彼は私にシャルを渡した
キツくキツく抱き締めて、シャルにキスをしてから
黒い男に願いを言った
その瞬間に自分の首筋から血が吹き出して
私は笑って彼に礼を言った
最後に感じたのはシャルの冷たい温度で、目に写ったのは黒づくめの男の綺麗な涙だった
end