その他 短編 シリーズ リヴァイ 五条悟
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夜中の書類仕事は本当にキツイものだと作業していて久しぶりに心から思った。項垂れながら12枚程の報告書を書き終えた手はペンがもう握れない程だ
重苦しくなった肩甲骨をほぐす為に立ち上がって両肩を回すとコキコキと骨が鳴って肩が軽くなった気がした
蝋燭の火を消してから暗い部屋を出て、自室に戻ろうと月明かりしかない寒い廊下を歩いていると。誰かが屋上に上がっていくのが見えて少し気になった
あの髪型とシルエットは兵長かもしれないからだ
こっそりと後をつける様に階段を上がっていけば、屋上の扉は閉まっていて兵長も居なかった。
あれ?どこ行った?そう思った瞬間にグイッと肩を掴まれて、思わずわぁッと声を出すと口を手で覆われた。
「うるせぇな」
「……」
何だレイか。と顔を覗き込まれてから、おまけに舌打ちまでされる始末
口から手を離してもらうと、私はお疲れ様ですと口を開いてから兵長の片手に三分の一しか残っていない酒瓶にジトっとした視線を向ける
「…なんだ?飲むか?」
「一週間禁酒するって言ってたじゃないですか」
「今日は付き合いがあったからな」
「それ、理由になるんですか?」
「…お前も飲め。オルオに貰った酒だ。」
そう言って私に酒瓶を渡してきたリヴァイに、オルオの名前が出て来て少し硬直した私は何も言えずに瓶を受けとる。
ペトラとオルオとグンタとエルド。今聞きたくない名前だ。目から涙が流れてしまわないように酒瓶に口をつける。流し込んだ酒と少し出てしまった涙でしょっぱいような辛いような何とも言い難い味わいがした
「なぁ。俺は良い上司か?」
暗い闇夜の中で月明かりだけがリヴァイの横顔照らす
その顔は暗く深い悲しみが浮かんでいた。その表情を見てまた泣きそうになってしまう
リヴァイのこんな顔は見た事が無くて、見た瞬間から心が打ちのめされてしまうような感覚とリヴァイを抱き締めたい衝動に駆られて、また歯を食いしばった
「…良い上司ですよ。ちょっと怖いですけど」
「…そうか。」
そう言って黙ってしまったリヴァイに私も何も言わずに瓶にまた口を付けた。喉が熱くて、ふとオルオの笑った顔を思い出してしまうとつられて他の3人の笑顔も思い出してしまう
頬に涙が伝って来てしまったのが分かったけど、拭うとリヴァイにバレてしまうんじゃないかと思って
髪で顔が隠れるように下を向いた
ゆっくりと近づいた手が私の顎を優しく包み、顔を上げられた。抵抗は何となく出来なくて、涙が止まらなくてもしっかりとリヴァイの瞳をそのまま見つめた
「泣くな」
「…はい」
「俺も、泣きたくなるだろ…」
そう呟いたリヴァイに私は我慢出来ずに胸に縋りついた。アルコールの匂いに包まれながら彼の胸に顔を擦り寄せて泣いた
背に回された腕の力がギュっと強くなっていく度に私の心は癒えていったような気がした
この人は調査兵団に入団して来てから、口が悪く粗野なイメージも最初はあったけれど仕事を共にする度に様々な魅力的な部分を見せてくれる。私にとっては昔からそんな人だった。今だってぶっきらぼうな口ぶりだが、背を撫でてくれる手はとても優しい。
「リヴァイ兵長…」
「…何だ?」
「…あの、恥ずかしくなってきました」
「…そうか、なら上向け」
「何でですか。今顔見せたく無いです」
「只俺が見たいだけだ」
「嫌です」
じゃあこうしてやると言って兵長は少し笑いながら腕に力を込めてくる
押し潰されるように顔が胸にくっついて頬が痛いが嫌な気がしない。兵長の胸からドキドキと鼓動が聞こえて来て私はちょっと嬉しくて微笑んでしまった
「何笑ってやがる」
「兵長、胸がドキドキしてますよ。私も女子扱いされてるんだなーって嬉しくなっちゃっいました」
そう言って少しからかい気味に笑うと、兵長からの返事は無くて、怒らせたのかなと不安になってくる
「…す、すみません。調子に乗りました」
「…レイ」
「はい」
「…いや。何でもねぇ。部屋まで送るから今日はもう休め」
「あっ、はい」
少しだけ何か聞きたかったのかなと思ったが、身体を離されてスタスタと歩いて行ってしまう兵長の後ろを小走りに追った
次の日、食堂で食事をしていると端のテーブルでハンジさん達と食事をする兵長を見つけた。つい昨日の事をボンヤリと思い出していると隣に座って食事をしているサリエリの声で我に返った
「うわぁ。分隊長がまた興奮してるよ。エル、止めて来てあげたら?ねえレイ」
「何で俺が行くんだよ」
「エルは分隊長と仲良しじゃん」
「…サリエリ、エルは仲良しってゆうか実験手伝わされてるだけでしょ」
「分かってんじゃんレイ」
そう言ってサリエリと反対に私の隣に座っていたエルが私の肩に手を回してくる
ニコニコと愛想が良く女好きなエルに、私はため息まじりに、はいはいどうもとだけ返した。
「全くさ、今日も朝からずっと書類仕事で参っちゃうよ。おまけにエルとも一緒だし」
「サリエリ、俺と一緒で何で嫌なん、わっ」
とエルの声が途中で聞こえなくなった瞬間に、ガタンと隣から大きな音がして私の肩からエルの腕の重みが消えた。隣には椅子から落ちたのだろう。床に転がって頭を抑えるエルと、その横にはエルを見つめる兵長が立っていた。
「うわぁ。痛そう。今兵長エルの椅子の足蹴っ飛ばしたよ」
サリエリが小さな声で私に囁いてくる
「リヴァイ兵長、どうしたんですか?」
「いや、つまづいただけだ。悪かったな」
そう言ってエルに手を貸さずにスタスタと去っていった兵長と、いてぇと言いながらゆっくり起き上がって何だったんだと言うエルに私も首をかしげた。
端のテーブルでは、ハンジさんが涙を流しながら大笑いをしていて。私達3人はそれを見てまた首を傾げた
食事も終わり、個室で上から頼まれていた書類仕事に戻る。書類の内容がこの間の壁外調査の物なだけに余り書いていて気分が良いとは思えない。
仕事なんだから仕方が無いと思いつつ、いつになったら巨人はいなくなるのか。自分はこの先生き残れるのかとか。手だけは動かし、頭はそんな事ばかり考えていた
何とか書き上げた書類を分隊長の部屋まで提出しに行くと、モブリットさんが迎えてくれた
相変わらずの部屋の汚さに早々と撤収したかったが、お茶を出してくれたモブリットさんに微笑えまれるとすぐに部屋を出るのは失礼かなと思いソファに座らせてもらった。
「レイさんお疲れ様だったね。多かったよね」
「けっこう量ありましたけど2日で終わったので大丈夫です。私の方よりもモブリットさんのが大変だったんじゃないですか?」
「こっちもさっき終わりましたよ。分隊長も今戻りますから少し休んでって、あれ?もう帰ってきました」
ただいまーと明るい声がして、ハンジさんが顔を覗かせる。目が合ってお邪魔していますと頭を下げると、何だか目をキラキラさせてくるハンジさんに私は首を傾げた
「どうしたんですか?」
「いやー昼は楽しかったねぇ!レイちゃん」
「何か面白い事ありましたか?」
「あったよね?モブリット」
「自分からは何も言えません」
苦い顔のモブリットさんは私をみるとそれだけ言って黙ってしまう。
「リヴァイがヤキモチ妬いてたじゃないかー!あんなレアなもの見れる何て最高だよ」
今日は良い日だと何とも晴れやかな顔で私の隣に座ったハンジさんは私の肩をバシバシと叩く
「えっ?あれ妬いてるんですか?」
「そうとしか思えないじゃないか!レイはどうなんだい?リヴァイが好きじゃないのかい?」
「いや、分隊長。妬いてたんじゃなくてエルが気に入らなかったとか。何か理由があったんじゃないですか?」
「好きな子にベタベタするエルが気に入らなかったんだよ。リヴァイも可愛い所あるよな〜モブリットもそう思うだろ?」
「兵長に可愛いとゆう言葉は似合いませんが、実はエルが肩に手を回した時に兵長が少しイライラしていたのが分かったので。笑ってしまいました。」
ニコッと笑ったモブリットさんに、私は何だかどんどん胸や顔が熱くなって来たのを感じた。
その顔を見てまた笑い出したハンジさんに、失礼しましたと言って気付けば部屋を出ていた。
グルグルと回るさっきの2人の言葉。嬉しいような、何だか息苦しい様な感じに私の歩く速度は自然と早くなって。気付けば自室の前まで来ていた
ドアを開ければ、隙間から一枚の紙切れが落ちてそれを見た瞬間に衝撃が走った。
兵長に近寄るなと一言だけ書かれていた。私はその紙を拾い部屋に入ると複雑な心境になり紙をそのまま投げ捨ててしまった。いつも一緒に食事をとっている仲間が書いていたらどうしようとか、誰なんだろうとかそんな事を考えていたら泣きたくなってきて。
ベッドにうつ伏すと、その感情のまま泣いてしまった
枕が涙でビチャビチャで気持ちが悪い
ムカムカする。悲しい。目が重い
そんな気持ちのまま意識が無くなっていった。
ふと、髪を触らせているような感覚に目を覚ます。
目が重くて瞼が開かない。眠い、まだ寝てしまいたい。
それでも目を開けると、私の目の前には兵長が座っていて。私の髪を撫でてくれている。
「…兵長」
「起きたか」
「すみません、寝てました。何かご用でしたか?」
「何で泣いてる」
「…何でも無いです」
「この紙は関係無いのか?」
兵長が手にしているのは、私が投げ捨てた紙。
黙っている私を見つめる兵長はこんなクソみてぇな奴の事は気にすんなと言って私の腫れている目を優しく撫でた
「悪かったな」
「兵長が謝る事じゃありません」
「こんな思いさせるつもりは無かったんだけどな」
そう言うと兵長は私の上に覆い被さり、目が合うとゆっくりと私の唇を舐め、そのまま激しく口付けをしてきた。私が思わず声を出すと優しく頭を撫でてくる。唇が離されて目と目がまた合った
「兵長」
「何だ?」
「…私は…貴方にずっと憧れていました。リヴァイ兵長…だから…もしもど、同情なら辛いのでこうゆう事はやめて下さい」
「…鈍感もいい加減にしろよ」
「えっ?」
俺が好きでも無い奴を抱きしめる訳が無いだろ
そう言って、また口付けて来た兵長に応える様にキスをする。兵長の口から好きと聞いて胸がいっぱいになったような感覚と喜びで思わずリヴァイの背に手を回してキツく抱きしめてしまった
「…もし何かあったら今度から俺に言えよ…」
「……大丈夫です、兵士ですから」
「甘えたって良いんだからな…なるべく俺はお前の願いは叶えてやりてぇと思ってる」
「…じゃあ、1つだけ。リヴァイ兵長、生きてずっと側にいて下さいね」
ああ。必ずと言って強く抱き締めてくれた兵長の胸で私は必ず生き延びようと誓った
いつか、貴方の子供が産みたいですと言うと珍しく兵長は目を見開いて少し黙って
ガキは嫌いだがお前との子なら悪く無いかもなと小さく笑った
重苦しくなった肩甲骨をほぐす為に立ち上がって両肩を回すとコキコキと骨が鳴って肩が軽くなった気がした
蝋燭の火を消してから暗い部屋を出て、自室に戻ろうと月明かりしかない寒い廊下を歩いていると。誰かが屋上に上がっていくのが見えて少し気になった
あの髪型とシルエットは兵長かもしれないからだ
こっそりと後をつける様に階段を上がっていけば、屋上の扉は閉まっていて兵長も居なかった。
あれ?どこ行った?そう思った瞬間にグイッと肩を掴まれて、思わずわぁッと声を出すと口を手で覆われた。
「うるせぇな」
「……」
何だレイか。と顔を覗き込まれてから、おまけに舌打ちまでされる始末
口から手を離してもらうと、私はお疲れ様ですと口を開いてから兵長の片手に三分の一しか残っていない酒瓶にジトっとした視線を向ける
「…なんだ?飲むか?」
「一週間禁酒するって言ってたじゃないですか」
「今日は付き合いがあったからな」
「それ、理由になるんですか?」
「…お前も飲め。オルオに貰った酒だ。」
そう言って私に酒瓶を渡してきたリヴァイに、オルオの名前が出て来て少し硬直した私は何も言えずに瓶を受けとる。
ペトラとオルオとグンタとエルド。今聞きたくない名前だ。目から涙が流れてしまわないように酒瓶に口をつける。流し込んだ酒と少し出てしまった涙でしょっぱいような辛いような何とも言い難い味わいがした
「なぁ。俺は良い上司か?」
暗い闇夜の中で月明かりだけがリヴァイの横顔照らす
その顔は暗く深い悲しみが浮かんでいた。その表情を見てまた泣きそうになってしまう
リヴァイのこんな顔は見た事が無くて、見た瞬間から心が打ちのめされてしまうような感覚とリヴァイを抱き締めたい衝動に駆られて、また歯を食いしばった
「…良い上司ですよ。ちょっと怖いですけど」
「…そうか。」
そう言って黙ってしまったリヴァイに私も何も言わずに瓶にまた口を付けた。喉が熱くて、ふとオルオの笑った顔を思い出してしまうとつられて他の3人の笑顔も思い出してしまう
頬に涙が伝って来てしまったのが分かったけど、拭うとリヴァイにバレてしまうんじゃないかと思って
髪で顔が隠れるように下を向いた
ゆっくりと近づいた手が私の顎を優しく包み、顔を上げられた。抵抗は何となく出来なくて、涙が止まらなくてもしっかりとリヴァイの瞳をそのまま見つめた
「泣くな」
「…はい」
「俺も、泣きたくなるだろ…」
そう呟いたリヴァイに私は我慢出来ずに胸に縋りついた。アルコールの匂いに包まれながら彼の胸に顔を擦り寄せて泣いた
背に回された腕の力がギュっと強くなっていく度に私の心は癒えていったような気がした
この人は調査兵団に入団して来てから、口が悪く粗野なイメージも最初はあったけれど仕事を共にする度に様々な魅力的な部分を見せてくれる。私にとっては昔からそんな人だった。今だってぶっきらぼうな口ぶりだが、背を撫でてくれる手はとても優しい。
「リヴァイ兵長…」
「…何だ?」
「…あの、恥ずかしくなってきました」
「…そうか、なら上向け」
「何でですか。今顔見せたく無いです」
「只俺が見たいだけだ」
「嫌です」
じゃあこうしてやると言って兵長は少し笑いながら腕に力を込めてくる
押し潰されるように顔が胸にくっついて頬が痛いが嫌な気がしない。兵長の胸からドキドキと鼓動が聞こえて来て私はちょっと嬉しくて微笑んでしまった
「何笑ってやがる」
「兵長、胸がドキドキしてますよ。私も女子扱いされてるんだなーって嬉しくなっちゃっいました」
そう言って少しからかい気味に笑うと、兵長からの返事は無くて、怒らせたのかなと不安になってくる
「…す、すみません。調子に乗りました」
「…レイ」
「はい」
「…いや。何でもねぇ。部屋まで送るから今日はもう休め」
「あっ、はい」
少しだけ何か聞きたかったのかなと思ったが、身体を離されてスタスタと歩いて行ってしまう兵長の後ろを小走りに追った
次の日、食堂で食事をしていると端のテーブルでハンジさん達と食事をする兵長を見つけた。つい昨日の事をボンヤリと思い出していると隣に座って食事をしているサリエリの声で我に返った
「うわぁ。分隊長がまた興奮してるよ。エル、止めて来てあげたら?ねえレイ」
「何で俺が行くんだよ」
「エルは分隊長と仲良しじゃん」
「…サリエリ、エルは仲良しってゆうか実験手伝わされてるだけでしょ」
「分かってんじゃんレイ」
そう言ってサリエリと反対に私の隣に座っていたエルが私の肩に手を回してくる
ニコニコと愛想が良く女好きなエルに、私はため息まじりに、はいはいどうもとだけ返した。
「全くさ、今日も朝からずっと書類仕事で参っちゃうよ。おまけにエルとも一緒だし」
「サリエリ、俺と一緒で何で嫌なん、わっ」
とエルの声が途中で聞こえなくなった瞬間に、ガタンと隣から大きな音がして私の肩からエルの腕の重みが消えた。隣には椅子から落ちたのだろう。床に転がって頭を抑えるエルと、その横にはエルを見つめる兵長が立っていた。
「うわぁ。痛そう。今兵長エルの椅子の足蹴っ飛ばしたよ」
サリエリが小さな声で私に囁いてくる
「リヴァイ兵長、どうしたんですか?」
「いや、つまづいただけだ。悪かったな」
そう言ってエルに手を貸さずにスタスタと去っていった兵長と、いてぇと言いながらゆっくり起き上がって何だったんだと言うエルに私も首をかしげた。
端のテーブルでは、ハンジさんが涙を流しながら大笑いをしていて。私達3人はそれを見てまた首を傾げた
食事も終わり、個室で上から頼まれていた書類仕事に戻る。書類の内容がこの間の壁外調査の物なだけに余り書いていて気分が良いとは思えない。
仕事なんだから仕方が無いと思いつつ、いつになったら巨人はいなくなるのか。自分はこの先生き残れるのかとか。手だけは動かし、頭はそんな事ばかり考えていた
何とか書き上げた書類を分隊長の部屋まで提出しに行くと、モブリットさんが迎えてくれた
相変わらずの部屋の汚さに早々と撤収したかったが、お茶を出してくれたモブリットさんに微笑えまれるとすぐに部屋を出るのは失礼かなと思いソファに座らせてもらった。
「レイさんお疲れ様だったね。多かったよね」
「けっこう量ありましたけど2日で終わったので大丈夫です。私の方よりもモブリットさんのが大変だったんじゃないですか?」
「こっちもさっき終わりましたよ。分隊長も今戻りますから少し休んでって、あれ?もう帰ってきました」
ただいまーと明るい声がして、ハンジさんが顔を覗かせる。目が合ってお邪魔していますと頭を下げると、何だか目をキラキラさせてくるハンジさんに私は首を傾げた
「どうしたんですか?」
「いやー昼は楽しかったねぇ!レイちゃん」
「何か面白い事ありましたか?」
「あったよね?モブリット」
「自分からは何も言えません」
苦い顔のモブリットさんは私をみるとそれだけ言って黙ってしまう。
「リヴァイがヤキモチ妬いてたじゃないかー!あんなレアなもの見れる何て最高だよ」
今日は良い日だと何とも晴れやかな顔で私の隣に座ったハンジさんは私の肩をバシバシと叩く
「えっ?あれ妬いてるんですか?」
「そうとしか思えないじゃないか!レイはどうなんだい?リヴァイが好きじゃないのかい?」
「いや、分隊長。妬いてたんじゃなくてエルが気に入らなかったとか。何か理由があったんじゃないですか?」
「好きな子にベタベタするエルが気に入らなかったんだよ。リヴァイも可愛い所あるよな〜モブリットもそう思うだろ?」
「兵長に可愛いとゆう言葉は似合いませんが、実はエルが肩に手を回した時に兵長が少しイライラしていたのが分かったので。笑ってしまいました。」
ニコッと笑ったモブリットさんに、私は何だかどんどん胸や顔が熱くなって来たのを感じた。
その顔を見てまた笑い出したハンジさんに、失礼しましたと言って気付けば部屋を出ていた。
グルグルと回るさっきの2人の言葉。嬉しいような、何だか息苦しい様な感じに私の歩く速度は自然と早くなって。気付けば自室の前まで来ていた
ドアを開ければ、隙間から一枚の紙切れが落ちてそれを見た瞬間に衝撃が走った。
兵長に近寄るなと一言だけ書かれていた。私はその紙を拾い部屋に入ると複雑な心境になり紙をそのまま投げ捨ててしまった。いつも一緒に食事をとっている仲間が書いていたらどうしようとか、誰なんだろうとかそんな事を考えていたら泣きたくなってきて。
ベッドにうつ伏すと、その感情のまま泣いてしまった
枕が涙でビチャビチャで気持ちが悪い
ムカムカする。悲しい。目が重い
そんな気持ちのまま意識が無くなっていった。
ふと、髪を触らせているような感覚に目を覚ます。
目が重くて瞼が開かない。眠い、まだ寝てしまいたい。
それでも目を開けると、私の目の前には兵長が座っていて。私の髪を撫でてくれている。
「…兵長」
「起きたか」
「すみません、寝てました。何かご用でしたか?」
「何で泣いてる」
「…何でも無いです」
「この紙は関係無いのか?」
兵長が手にしているのは、私が投げ捨てた紙。
黙っている私を見つめる兵長はこんなクソみてぇな奴の事は気にすんなと言って私の腫れている目を優しく撫でた
「悪かったな」
「兵長が謝る事じゃありません」
「こんな思いさせるつもりは無かったんだけどな」
そう言うと兵長は私の上に覆い被さり、目が合うとゆっくりと私の唇を舐め、そのまま激しく口付けをしてきた。私が思わず声を出すと優しく頭を撫でてくる。唇が離されて目と目がまた合った
「兵長」
「何だ?」
「…私は…貴方にずっと憧れていました。リヴァイ兵長…だから…もしもど、同情なら辛いのでこうゆう事はやめて下さい」
「…鈍感もいい加減にしろよ」
「えっ?」
俺が好きでも無い奴を抱きしめる訳が無いだろ
そう言って、また口付けて来た兵長に応える様にキスをする。兵長の口から好きと聞いて胸がいっぱいになったような感覚と喜びで思わずリヴァイの背に手を回してキツく抱きしめてしまった
「…もし何かあったら今度から俺に言えよ…」
「……大丈夫です、兵士ですから」
「甘えたって良いんだからな…なるべく俺はお前の願いは叶えてやりてぇと思ってる」
「…じゃあ、1つだけ。リヴァイ兵長、生きてずっと側にいて下さいね」
ああ。必ずと言って強く抱き締めてくれた兵長の胸で私は必ず生き延びようと誓った
いつか、貴方の子供が産みたいですと言うと珍しく兵長は目を見開いて少し黙って
ガキは嫌いだがお前との子なら悪く無いかもなと小さく笑った