HH シャルナーク 中編
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デパートを出て、裏路地を通って人気の無い所を目指して黙々と歩く。途中から視線よりも近くに居るような気配を感じたけれど出て来て貰わないと困るので、ひたすら知らないフリをして歩いた。
次の角を曲がれば空き家が並ぶ通りだと早足で駆けると、シュッと風を切るような音がして私の首には男性の腕が絡みついていた。
「あの野郎の女だよな?」
「あの野郎って誰の事?」
「茶金頭の若い男だよ。」
「だったら何?」
「女にこんな真似してダセェと思ってるけどよ。こっちも命かかってんだ。大人しく全部話せ」
「彼の居場所なら知らないよ。そうゆう関係じゃないし」
そこまで言うと男が嘘を言ってる感じはしねぇな。と言って巻き付けていた腕の力を弱めて来た。返り討ちにしてやろうと思っていたけれど何となく話が通じるのならこのまま穏便にさよならが出来ればいいと思う。
「彼に何か恨みでも?」
「…あの優男は幻影旅団だ。仲間が殆ど殺された」
その男の言葉に私は少しビックリしてしまい、そのまま固まってしまった。シャルやクロロが幻影旅団?確かに言われてみれば当てはまる事ばかりだけれども。
何だかやけに危険な感じがするな、とは思っていたのだ。実際、いつもの私ならあんなに弱音は吐いていなかったと思う。たぶんだけど。昨日クロロやフィンクス、フェイタンに会ってオーラ的にヤバいって感じていたのは分かるけど、あまりにも皆んなが普通に話が出来てシャルが普通の人のように優しかったから。
本当は本能が幻影旅団のヤバさを敏感にキャッチしていて。だからあんなに一時でも離れたがってしまったのかもしれない。そんな事を考えていると、男の言葉で現実に引き戻される。
「幻影旅団て事も知らないで一緒にいたのかい?」
「生憎、男の仕事には口を挟まないタイプなもので」
「この状態で憎まれ口叩けるとは大した気の強さだ」
「あんまり甘く見ないでよ」
「旅団と一緒にいた女だ。俺がしっかり面倒見てやるよ」
そう言って笑った男は私の服を引きちぎる
まるでナイフで切り裂かれたようにコートは破れワンピースはズタズタになった。下着が見え隠れしていて随分とまあ。趣味が悪い事。
もう奥の手を使い瞬殺してしまおうかと思ったけれど少しまだシャルの事を聞きたかった私は様子をみる事にした。
それにしてもこの街はどんだけ物騒なんだろう。こいつの仲間なのか絶が上手すぎて全く感知出来ない気配がうろうろしてる。近いのか、遠いのかさえも分からない。
男は急に、キョロキョロとしている私に腹が立ったのか私の太ももから見えるナイフを奪ってから強引に草むらに押し倒してくると、汚らしい歯を剥き出しにして私の頬を舐めてくる
「珍しい髪色と瞳だな。気に入ったぜ」
「……幻影旅団を追ってるって言ってたけど、仲間の報復だけ?」
「いいや、目をつけた物全部横から掻っ攫われてるからな。それの回収も仕事のうちだ。」
「あんた達じゃ勝てないのに?」
「…実力で勝てないから、こんな人質とったり汚いやり方してるんだろうよ」
「クズだね」
「分かってるよ。だがなぁ。お前は人質として捕らえる事はしない。」
太ももを撫で始めた手に身体から悪寒がする。男が私の口に汚い唇を押し付けてこようとした時に太ももを撫でる手が止まり、何かがゴロンと私の足の間に挟まった。
それは、撫でていた男の腕だった。
えっ?と私が口に出すと男は自分の失った手を見て一度目を見開くと凄いスピードで立ち上がりオーラで止血しながら戦闘体勢になった。
直ぐに起き上がった私の目の前にいたのは、怖い顔をしたシャルで。絶の気配はシャルだったのかと納得した。歪んだようなオーラをして男を睨みつけていたが、私の服の原形を留めていない格好を見た瞬間に凄い殺気を放った。
「…お嬢さん。彼とは何も関係は無いんじゃ無かったのかい?あれを見てもそう言えるのか?」
手無しになった男は私をチラリと見ながらそう言うとある方の手をポケットに手を入れた。その時に何かボタンを押したような小さな音がしたが男は何も無かったようにまたシャルの方に向き直った。
「盗賊にしては随分と一般人を装う格好をしてるんだな。街ですれ違っても普通の色男に見えるぜ」
「…何でそんなに煽るのよ。アンタ馬鹿なんじゃないの?…。」
黒いタートルネックのセーターに黒いパンツ、白いスニーカーを履いたシャルは確かに普通の青年に見えるだろう。よく煽り喋る男だなとは思っていたけれど、今の状態の彼に良く言えるな、と私はある意味でこの馬鹿な男を称賛した。
「レイ。まさか、その馬鹿が新しい男だなんて冗談言わないよね?」
少しだけ薄く笑ったシャルに、私はやめてよと目を細める。放たれている殺気は全て隣の男に向いていて、男は、馬鹿呼ばわりかよ。と冷や汗を浮かべながらヘラヘラしている。
「…お前誰だ?」
シャルが男に静かな口調で口を開くと、男はお前らに仲間を殺された組織の1人だよ。と呟いた
「…俺の女だって知っててやったのか?」
「まあな。人質が欲しかったからな。だが彼女を見て人質はやめた、俺の女にしようと思ってな」
この男はどうしてビク付きながらも、こうシャルを煽るのか。怒りで一部では無く、全身のオーラが酷く歪みシャルの持っていた携帯が自身の手で握り潰された瞬間に私の身体は宙に浮いて、一瞬で目の前は真っ黒になった。
「シャル落ち着け。」
頭上からクロロの声がして、抱き抱えてくれているのはクロロだと確信した。
この角度からだとシャルの事も男も見えないけれど、クロロにそう言われた瞬間にシャルの殺気は少しづつおさまっていったのが分かった。
「中々セクシーだなレイ」
「この服気に入ってたんだよ。ちょっとショック」
「シャルに新しい物を買ってもらえ。」
コクリと頷いた私に、クロロはお前は見ない方がいいと言ってからその場から私を抱えたまま飛んだ。
屋根から屋根へ軽々と飛んで、どうしてクロロが知っているのか分からないけれど。私の自宅のマンションのベランダに着くとゆっくりと優しく降ろしてくれた
「ありがと。助かった」
「いいや。巻き込んだのはこっちだ。」
首を振ったクロロに、でも本当に助かったから。と口にだしてから靴を脱ごうと目線を下に向ければ、下着が丸見えの自分の姿に、そういえばこんなだったと思い出して早足でベッドルームに向かった。
その時にトイレのドアが開き、私がビックリして後ずさりすると出て来たのは逆にビックリしているフィンクスで。
私の姿を見てから、凄いセンスの服だな。あ、トイレ借りたぜ。とリビングに続く廊下を歩いて行った。
こんな奇抜なデザインの服があるか!とフィンクスの背中に叫んでから直ぐにベッドルームにあるクローゼットを開けてカットソーとジーンズを身に付けた。着替えながら、どうしてフィンクスがうちのトイレに居たのかと考えたけど。本人に聞いてみれば良いと思い考えるのを辞めた。
ズタズタのワンピースをゴミ箱に投げれたから、何とも言えないような気持ちで私はリビングに向かった。
リビングにはソファに腰掛けて電話をするクロロと窓辺で缶ビール片手に外を見ているフィンクスがいた。
冷蔵庫にある食材で簡単にチーズやら肉巻き何かを作っていると、フィンクスがレイ、お前休んでろよと言ってくれる。
「何か落ち着かなくて」
「クロロから聞いたぜ。大変だったな」
労いの言葉が聞けて何だか嬉しかった私は、全然平気だよ。と少し笑った。
本当はあんな顔でもシャルの顔が見れて、愛想が尽かされたんじゃなかったんだってシャルの怒りで確信したから。私は少し嬉しかったのかもしれない。
そんな中、電話を切ったクロロが、クククっと少し笑ってから私を見てきたので
私は首を傾げると、もう帰ってくるようだから俺達は行く。なるべく近いうちにこのマンションから離れろよと言って椅子から立ち上がった。
「クロロとフィンクスはこれからどこ行くの?」
「俺達は残りを始末しにいく。シャルがアジトの場所を吐かせたからな。」
「クロロ、フィンクスもありがとね。毎回足引っ張ってごめん」
「お前の実力なら1人でも何とかなっただろう。今度手合わせ願いたいよ」
「旅団のリーダーに言われると、何かなぁ。」
私何てシロウトみたいなもんだよ。っと言った私に
バレてたか。と笑ったクロロはベランダから外に飛び出して行った。
私をチラリと見て、ちゃんと話し合えよと一言言ってからフィンクスもその後に続いた。
何だかんだ、私はあの2人に感謝をしていた。
2人がこんなに早く帰ると思って無かったので、7個程作った肉巻きをハジに寄せて余った材料を冷蔵庫にしまった。シャルが帰ってくると言っていたので、ミートソースを作りながらパスタを茹でて、サラダ用のレタスを千切っていると
さっき会ったのに。懐かしく感じる気配が近くなってきて、玄関の扉が開く音がした。
「おかえり」
そう言って笑顔でシャルを見た私に、シャルは何とも言えない表情で私を見てから、ゆっくりと優しく抱きしめて来た。
「また巻き込んだ、ごめん。これじゃあさ、レイにやっぱりああ言われても仕方ないのかもしれない。」
少し、悲痛な声でそう言ったシャルに私は胸が痛くなった。
「あの時さ、私ちょっと臆病になってた。こう言えば良かったのかも。…ずっと一緒にいて私を守ってどこにも行かないでって」
そう素直に口にしてからシャルの血生臭い、黒のタートルネックに顔を擦り付けた。そう言った私に、シャルは少し驚いた顔をして私を見ると、すぐにいつもの笑顔になりギュウっとキツく抱きしめてくれた。
「そうゆう事ならいくらでも頑張れそうだけど。ちょっとレイ、鍋吹いてる」
「わあ、全然忘れてた」
パスタを茹でていた鍋からお湯が噴き出していて、火が止まってしまったのを見て2人で笑う。
コンロを拭いてくれるシャルの姿を見ながら今だけでも、この時間を大切にしたいなと思った。
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次の角を曲がれば空き家が並ぶ通りだと早足で駆けると、シュッと風を切るような音がして私の首には男性の腕が絡みついていた。
「あの野郎の女だよな?」
「あの野郎って誰の事?」
「茶金頭の若い男だよ。」
「だったら何?」
「女にこんな真似してダセェと思ってるけどよ。こっちも命かかってんだ。大人しく全部話せ」
「彼の居場所なら知らないよ。そうゆう関係じゃないし」
そこまで言うと男が嘘を言ってる感じはしねぇな。と言って巻き付けていた腕の力を弱めて来た。返り討ちにしてやろうと思っていたけれど何となく話が通じるのならこのまま穏便にさよならが出来ればいいと思う。
「彼に何か恨みでも?」
「…あの優男は幻影旅団だ。仲間が殆ど殺された」
その男の言葉に私は少しビックリしてしまい、そのまま固まってしまった。シャルやクロロが幻影旅団?確かに言われてみれば当てはまる事ばかりだけれども。
何だかやけに危険な感じがするな、とは思っていたのだ。実際、いつもの私ならあんなに弱音は吐いていなかったと思う。たぶんだけど。昨日クロロやフィンクス、フェイタンに会ってオーラ的にヤバいって感じていたのは分かるけど、あまりにも皆んなが普通に話が出来てシャルが普通の人のように優しかったから。
本当は本能が幻影旅団のヤバさを敏感にキャッチしていて。だからあんなに一時でも離れたがってしまったのかもしれない。そんな事を考えていると、男の言葉で現実に引き戻される。
「幻影旅団て事も知らないで一緒にいたのかい?」
「生憎、男の仕事には口を挟まないタイプなもので」
「この状態で憎まれ口叩けるとは大した気の強さだ」
「あんまり甘く見ないでよ」
「旅団と一緒にいた女だ。俺がしっかり面倒見てやるよ」
そう言って笑った男は私の服を引きちぎる
まるでナイフで切り裂かれたようにコートは破れワンピースはズタズタになった。下着が見え隠れしていて随分とまあ。趣味が悪い事。
もう奥の手を使い瞬殺してしまおうかと思ったけれど少しまだシャルの事を聞きたかった私は様子をみる事にした。
それにしてもこの街はどんだけ物騒なんだろう。こいつの仲間なのか絶が上手すぎて全く感知出来ない気配がうろうろしてる。近いのか、遠いのかさえも分からない。
男は急に、キョロキョロとしている私に腹が立ったのか私の太ももから見えるナイフを奪ってから強引に草むらに押し倒してくると、汚らしい歯を剥き出しにして私の頬を舐めてくる
「珍しい髪色と瞳だな。気に入ったぜ」
「……幻影旅団を追ってるって言ってたけど、仲間の報復だけ?」
「いいや、目をつけた物全部横から掻っ攫われてるからな。それの回収も仕事のうちだ。」
「あんた達じゃ勝てないのに?」
「…実力で勝てないから、こんな人質とったり汚いやり方してるんだろうよ」
「クズだね」
「分かってるよ。だがなぁ。お前は人質として捕らえる事はしない。」
太ももを撫で始めた手に身体から悪寒がする。男が私の口に汚い唇を押し付けてこようとした時に太ももを撫でる手が止まり、何かがゴロンと私の足の間に挟まった。
それは、撫でていた男の腕だった。
えっ?と私が口に出すと男は自分の失った手を見て一度目を見開くと凄いスピードで立ち上がりオーラで止血しながら戦闘体勢になった。
直ぐに起き上がった私の目の前にいたのは、怖い顔をしたシャルで。絶の気配はシャルだったのかと納得した。歪んだようなオーラをして男を睨みつけていたが、私の服の原形を留めていない格好を見た瞬間に凄い殺気を放った。
「…お嬢さん。彼とは何も関係は無いんじゃ無かったのかい?あれを見てもそう言えるのか?」
手無しになった男は私をチラリと見ながらそう言うとある方の手をポケットに手を入れた。その時に何かボタンを押したような小さな音がしたが男は何も無かったようにまたシャルの方に向き直った。
「盗賊にしては随分と一般人を装う格好をしてるんだな。街ですれ違っても普通の色男に見えるぜ」
「…何でそんなに煽るのよ。アンタ馬鹿なんじゃないの?…。」
黒いタートルネックのセーターに黒いパンツ、白いスニーカーを履いたシャルは確かに普通の青年に見えるだろう。よく煽り喋る男だなとは思っていたけれど、今の状態の彼に良く言えるな、と私はある意味でこの馬鹿な男を称賛した。
「レイ。まさか、その馬鹿が新しい男だなんて冗談言わないよね?」
少しだけ薄く笑ったシャルに、私はやめてよと目を細める。放たれている殺気は全て隣の男に向いていて、男は、馬鹿呼ばわりかよ。と冷や汗を浮かべながらヘラヘラしている。
「…お前誰だ?」
シャルが男に静かな口調で口を開くと、男はお前らに仲間を殺された組織の1人だよ。と呟いた
「…俺の女だって知っててやったのか?」
「まあな。人質が欲しかったからな。だが彼女を見て人質はやめた、俺の女にしようと思ってな」
この男はどうしてビク付きながらも、こうシャルを煽るのか。怒りで一部では無く、全身のオーラが酷く歪みシャルの持っていた携帯が自身の手で握り潰された瞬間に私の身体は宙に浮いて、一瞬で目の前は真っ黒になった。
「シャル落ち着け。」
頭上からクロロの声がして、抱き抱えてくれているのはクロロだと確信した。
この角度からだとシャルの事も男も見えないけれど、クロロにそう言われた瞬間にシャルの殺気は少しづつおさまっていったのが分かった。
「中々セクシーだなレイ」
「この服気に入ってたんだよ。ちょっとショック」
「シャルに新しい物を買ってもらえ。」
コクリと頷いた私に、クロロはお前は見ない方がいいと言ってからその場から私を抱えたまま飛んだ。
屋根から屋根へ軽々と飛んで、どうしてクロロが知っているのか分からないけれど。私の自宅のマンションのベランダに着くとゆっくりと優しく降ろしてくれた
「ありがと。助かった」
「いいや。巻き込んだのはこっちだ。」
首を振ったクロロに、でも本当に助かったから。と口にだしてから靴を脱ごうと目線を下に向ければ、下着が丸見えの自分の姿に、そういえばこんなだったと思い出して早足でベッドルームに向かった。
その時にトイレのドアが開き、私がビックリして後ずさりすると出て来たのは逆にビックリしているフィンクスで。
私の姿を見てから、凄いセンスの服だな。あ、トイレ借りたぜ。とリビングに続く廊下を歩いて行った。
こんな奇抜なデザインの服があるか!とフィンクスの背中に叫んでから直ぐにベッドルームにあるクローゼットを開けてカットソーとジーンズを身に付けた。着替えながら、どうしてフィンクスがうちのトイレに居たのかと考えたけど。本人に聞いてみれば良いと思い考えるのを辞めた。
ズタズタのワンピースをゴミ箱に投げれたから、何とも言えないような気持ちで私はリビングに向かった。
リビングにはソファに腰掛けて電話をするクロロと窓辺で缶ビール片手に外を見ているフィンクスがいた。
冷蔵庫にある食材で簡単にチーズやら肉巻き何かを作っていると、フィンクスがレイ、お前休んでろよと言ってくれる。
「何か落ち着かなくて」
「クロロから聞いたぜ。大変だったな」
労いの言葉が聞けて何だか嬉しかった私は、全然平気だよ。と少し笑った。
本当はあんな顔でもシャルの顔が見れて、愛想が尽かされたんじゃなかったんだってシャルの怒りで確信したから。私は少し嬉しかったのかもしれない。
そんな中、電話を切ったクロロが、クククっと少し笑ってから私を見てきたので
私は首を傾げると、もう帰ってくるようだから俺達は行く。なるべく近いうちにこのマンションから離れろよと言って椅子から立ち上がった。
「クロロとフィンクスはこれからどこ行くの?」
「俺達は残りを始末しにいく。シャルがアジトの場所を吐かせたからな。」
「クロロ、フィンクスもありがとね。毎回足引っ張ってごめん」
「お前の実力なら1人でも何とかなっただろう。今度手合わせ願いたいよ」
「旅団のリーダーに言われると、何かなぁ。」
私何てシロウトみたいなもんだよ。っと言った私に
バレてたか。と笑ったクロロはベランダから外に飛び出して行った。
私をチラリと見て、ちゃんと話し合えよと一言言ってからフィンクスもその後に続いた。
何だかんだ、私はあの2人に感謝をしていた。
2人がこんなに早く帰ると思って無かったので、7個程作った肉巻きをハジに寄せて余った材料を冷蔵庫にしまった。シャルが帰ってくると言っていたので、ミートソースを作りながらパスタを茹でて、サラダ用のレタスを千切っていると
さっき会ったのに。懐かしく感じる気配が近くなってきて、玄関の扉が開く音がした。
「おかえり」
そう言って笑顔でシャルを見た私に、シャルは何とも言えない表情で私を見てから、ゆっくりと優しく抱きしめて来た。
「また巻き込んだ、ごめん。これじゃあさ、レイにやっぱりああ言われても仕方ないのかもしれない。」
少し、悲痛な声でそう言ったシャルに私は胸が痛くなった。
「あの時さ、私ちょっと臆病になってた。こう言えば良かったのかも。…ずっと一緒にいて私を守ってどこにも行かないでって」
そう素直に口にしてからシャルの血生臭い、黒のタートルネックに顔を擦り付けた。そう言った私に、シャルは少し驚いた顔をして私を見ると、すぐにいつもの笑顔になりギュウっとキツく抱きしめてくれた。
「そうゆう事ならいくらでも頑張れそうだけど。ちょっとレイ、鍋吹いてる」
「わあ、全然忘れてた」
パスタを茹でていた鍋からお湯が噴き出していて、火が止まってしまったのを見て2人で笑う。
コンロを拭いてくれるシャルの姿を見ながら今だけでも、この時間を大切にしたいなと思った。
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