HH シャルナーク 中編
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シャルの自宅に帰ってきた後、ぞろぞろと大きい図体が玄関を通る姿を私は後ろから見ていた。比較的クロロさんはスマートだけど皆何てデカイんだろうとジロジロと見てしまっている自分がいた。
玄関で靴を脱いでいると、リビングからシャルが戻って来て直ぐ脇の部屋に入っていく。
ドアが開けっ放しだったので覗いてみると、数千冊の本が並ぶ棚とパソコンデスクのみのシンプルな部屋だった。デスクの前に座ったシャルに入っていい?と尋ねるといいよと返事が返ってきたので、遠慮無く入らせてもらう。
気になっていた本棚の前に行き目を凝らして題名を1つづつ見ていく。歴史から化学。料理から宇宙様々なジャンルの本が並んでいた
料理は少し以外だなと思って適当に歴史の本を取り開くと赤い丸と黒い丸で印がついている。
赤い印が付いていたのは古代の純金で出来た判子のような物だった。
「シャル、この赤い丸何??」
「盗んだやつー」
「…黒い方は?」
「これから盗むやつー」
右から左に聞いて簡単に返事をしている彼を見ると、パソコンが出来ない私からすると凄いなと思わせる程ブラインドタッチでパソコンと睨めっこをしていた。
その姿を見ていると、シャルが怪我をして拾ってきた時を思い出して懐かしくなる。何故だか人間なのに犬より手がかかったし心配した気がするのだ。
仕事の邪魔はしないようにしようと、私は料理の本を手に取るとその場に座り1ページ目をめくった。
何分たったのか分からないが多分30分くらいだろうと思う。相変わらずパソコンのキーボードの音が鳴り止まない部屋に向かって廊下を歩いてくる音が聞こえると、開けっ放しのドアからクロロさんが顔を出した
「レイ、お腹が空いたんだが」
ついでに喉も渇いた。とおいでおいでの手のジェスチャーをされる。この盗賊団の中でこのジェスチャーは流行っているのか?シャルに会ってからこの仕草を何回も見かけた私は笑ってしまった。
「今行きます、ワインもありますけどパンも焼きますか?」
「ちょっとクロロ、人の女働かせないでよ」
「シャル、俺は料理が出来ないんだから仕方ないだろ。」
シャルがパソコンに向かいながら、盛大にまた溜息をついたのを見て、私は笑いながらキッチンに向かった。
リビングに入ればテーブルに腰かけてビールを飲むフィンクスがいた。
「フィンクスお腹空いた?」
「つまみが欲しいな」
「今肉と野菜焼くよ」
使った事の無いキッチンだから、何処に何があるか分からない私はフライパンと包丁を探すのに時間がかかったけれど、何とかボウルも見つけ出して料理に取り掛かった。
肉に胡椒を散りばめて擦り込んでいると、あれ?塩を買ったっけ?と冷蔵庫の下に放ってあるビニールを開けた。
「フィンクス塩が無いー忘れた」
「そういや、ステーキソースも買ってねぇじゃん」
そう言われて、胡椒しか入れてない事を思い出してハッとした。あの時シャルの事をフィンクスと話していて、つい他の調味料の事を忘れて酒売り場に行ってしまったのだ。
その時シャルの部屋から戻ってきたクロロさんが、何か困り事か?と言って椅子に座った。
「ちょっと調味料を忘れてしまって。今買ってきますね」
「いや、俺が行こう。何が欲しい?」
「いいんですか?助かります」
塩とステーキソース、醤油でお願いします。と言うとクロロさんはフィンクスに行くぞと声をかけた。
「俺もかよ。」
「フィンクスごめんね、2回も行かせちゃって」
「レイ、俺にもさんはいらないよ」
「じゃあ、クロロって呼ばせて頂きますね」
「敬語もいらない。すぐに買ってくる」
「え?ああ。ありがとう」
そんなやりとりをしてから、2人は行ってくると言って廊下に消えて行った。私は私で野菜を切りパンを焼く事にする。
野菜を切っている途中でシャルに呼ばれてパソコンの部屋に行くと、今日は俺がご馳走様するって言ったのに4人分作らせてごめんと謝られた。
その気遣いに嬉しくなって思わず私はシャルの口にキスをすると、彼は何も言わずにキツく抱きしめてくれた。
チンと鳴った音に思わず背筋が凍った。トースターにパンを入れっぱなしだったじゃないか。
その様子を見たシャルがケラケラと笑いながら、行ってきなと背中を軽く押してくる
キッチンに戻ると表面が黒く焦げている可哀想なクロワッサンがトースターに並んでいた。
トホホと肩を落とす私に帰ってきたクロロとフィンクスが気にするなと言ってくれたので、見なかった事にして今度は新しい米粉のパンを焼くのだった。
クロロから渡されたビニールには頼んだ調味料が入っていただけでは無くプリンやカップのアイスなども入っていた。
「クロロは甘いの好きなの?しかも、レシートまで入ってるけど2人共買ったの?」
何だか当たり前の事を聞いている自分に笑ってしまうけれど、2人なら買わないような気がしていたからレシートが入ってる事にビックリしてしまったのだ。
「買うに決まってるだろう。レイは買わないのか??」
「クロロに言われると何かなぁ。お肉と野菜焼けたから出すね、クロロは冷蔵庫からワインだしてくれるかな?」
「ああ。」
テーブルに大皿で出した肉は5キロもあり、色とりどりの付け合わせの野菜は1キロ近くあると思う
パプリカにナス、ブロッコリーに人参や南瓜。どれも新鮮で美しい。ちょっと可哀想なクロワッサンと米粉パンを並べると虎が食べるんじゃ無いかみたいな食卓が出来た。
男3人がどれくらい食べるのかが分からなかったからつい5キロも買ってしまった。
ワインを注いでくれるクロロに、シャルを呼んでくると言って席を立つと
さっきまで明るかった空が暗くなっている事に気付いた。廊下までブラインドタッチの音が響く部屋は暗く青白い光が漏れている
シャル、ご飯出来たよと言ってたんまり冷えたビールを差し出せば、伸びをしてから肩を鳴らして嬉しそうに受け取った。
2人でリビングに行けば、クロロもフィンクスも肉を口に頬張っていた。シャルが大皿に入った肉の量を見て動物園の肉食獣の餌みたいと笑って席に座る
最近は大勢で食事をする機会が無かったから、何だか久しぶりだなとちょっと楽しくなってワインを口に含んだ。重めのフルーティーな味が広がって、これなら肉と合うんじゃないかと自分のワイン選びに自信を持つ事にした。
3人との会話は中々面白かった。特に小さい頃のシャルの話を聞かせてもらってシャルは微妙な表情をしていたけれど、私は色々知れた事に満足だった。
クロロがワインのつまみにプリンを食べ出した所で私は立ち上がりリビングからベランダに出た。
シャルの冷えるよって声にハーイとだけ返事をすると
カラカラと窓を閉める。ガーデニングとバーベキューが両方出来るくらい広いベランダに可愛らしい木の作りのベンチが置いてある
ポケットから煙草を出して口に咥えてからベンチに腰かけた。火を付けて吸い込み吐き出すと息の白さと煙が混じって空高く上がっていく。
ここから約50メートルはあるだろうホテルの屋上に先程から現れた絶の達人が見たくてベランダに出て来たのだが。全く姿も形も見えない。
が。ほんの少し視線をそらした瞬間に暗闇の中で何かが動いて瞬時にこちらに向かってきた。
その棒のようなものを煙草を持っていない左手でキャッチすると、鉄の矢尻がついた弓矢だった。
原始人かよ。今時弓矢?と思い真っ二つに折ってやるとカラカラと窓が開いた
「何が飛んできた?」
「弓矢だったよ、シャル自宅バレてるじゃん」
「困ったな。また引っ越さないと」
丁度煙草も終わった所なので、吸殻を灰皿に入れてから2人で部屋に戻った。
「何人いた?」
フィンクスの言葉に、分かんなかったけど多分2人かなと言うと、クロロが3人だと言った。
折った弓矢をクロロに渡すと、狙撃するならライフルにしろよと笑っていてその言葉に心底同意した。
冷蔵庫に楽しみにしていたアイスを取りに行くと、いつの間にかマンションの下に気配が3つ。全員が素晴らしい程の使い手なのだろう。1分も経たないうちにベランダに上がってきた3人の男達は上がってきてもそのまま中に入らずに動かない。
ワインを飲むクロロも、ベランダの前でその姿を腕を組んで見ているシャルとフィンクスも全員が動かなかった。
その中で、私のアイスを頬張る音だけがやけに部屋に響いていた。
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玄関で靴を脱いでいると、リビングからシャルが戻って来て直ぐ脇の部屋に入っていく。
ドアが開けっ放しだったので覗いてみると、数千冊の本が並ぶ棚とパソコンデスクのみのシンプルな部屋だった。デスクの前に座ったシャルに入っていい?と尋ねるといいよと返事が返ってきたので、遠慮無く入らせてもらう。
気になっていた本棚の前に行き目を凝らして題名を1つづつ見ていく。歴史から化学。料理から宇宙様々なジャンルの本が並んでいた
料理は少し以外だなと思って適当に歴史の本を取り開くと赤い丸と黒い丸で印がついている。
赤い印が付いていたのは古代の純金で出来た判子のような物だった。
「シャル、この赤い丸何??」
「盗んだやつー」
「…黒い方は?」
「これから盗むやつー」
右から左に聞いて簡単に返事をしている彼を見ると、パソコンが出来ない私からすると凄いなと思わせる程ブラインドタッチでパソコンと睨めっこをしていた。
その姿を見ていると、シャルが怪我をして拾ってきた時を思い出して懐かしくなる。何故だか人間なのに犬より手がかかったし心配した気がするのだ。
仕事の邪魔はしないようにしようと、私は料理の本を手に取るとその場に座り1ページ目をめくった。
何分たったのか分からないが多分30分くらいだろうと思う。相変わらずパソコンのキーボードの音が鳴り止まない部屋に向かって廊下を歩いてくる音が聞こえると、開けっ放しのドアからクロロさんが顔を出した
「レイ、お腹が空いたんだが」
ついでに喉も渇いた。とおいでおいでの手のジェスチャーをされる。この盗賊団の中でこのジェスチャーは流行っているのか?シャルに会ってからこの仕草を何回も見かけた私は笑ってしまった。
「今行きます、ワインもありますけどパンも焼きますか?」
「ちょっとクロロ、人の女働かせないでよ」
「シャル、俺は料理が出来ないんだから仕方ないだろ。」
シャルがパソコンに向かいながら、盛大にまた溜息をついたのを見て、私は笑いながらキッチンに向かった。
リビングに入ればテーブルに腰かけてビールを飲むフィンクスがいた。
「フィンクスお腹空いた?」
「つまみが欲しいな」
「今肉と野菜焼くよ」
使った事の無いキッチンだから、何処に何があるか分からない私はフライパンと包丁を探すのに時間がかかったけれど、何とかボウルも見つけ出して料理に取り掛かった。
肉に胡椒を散りばめて擦り込んでいると、あれ?塩を買ったっけ?と冷蔵庫の下に放ってあるビニールを開けた。
「フィンクス塩が無いー忘れた」
「そういや、ステーキソースも買ってねぇじゃん」
そう言われて、胡椒しか入れてない事を思い出してハッとした。あの時シャルの事をフィンクスと話していて、つい他の調味料の事を忘れて酒売り場に行ってしまったのだ。
その時シャルの部屋から戻ってきたクロロさんが、何か困り事か?と言って椅子に座った。
「ちょっと調味料を忘れてしまって。今買ってきますね」
「いや、俺が行こう。何が欲しい?」
「いいんですか?助かります」
塩とステーキソース、醤油でお願いします。と言うとクロロさんはフィンクスに行くぞと声をかけた。
「俺もかよ。」
「フィンクスごめんね、2回も行かせちゃって」
「レイ、俺にもさんはいらないよ」
「じゃあ、クロロって呼ばせて頂きますね」
「敬語もいらない。すぐに買ってくる」
「え?ああ。ありがとう」
そんなやりとりをしてから、2人は行ってくると言って廊下に消えて行った。私は私で野菜を切りパンを焼く事にする。
野菜を切っている途中でシャルに呼ばれてパソコンの部屋に行くと、今日は俺がご馳走様するって言ったのに4人分作らせてごめんと謝られた。
その気遣いに嬉しくなって思わず私はシャルの口にキスをすると、彼は何も言わずにキツく抱きしめてくれた。
チンと鳴った音に思わず背筋が凍った。トースターにパンを入れっぱなしだったじゃないか。
その様子を見たシャルがケラケラと笑いながら、行ってきなと背中を軽く押してくる
キッチンに戻ると表面が黒く焦げている可哀想なクロワッサンがトースターに並んでいた。
トホホと肩を落とす私に帰ってきたクロロとフィンクスが気にするなと言ってくれたので、見なかった事にして今度は新しい米粉のパンを焼くのだった。
クロロから渡されたビニールには頼んだ調味料が入っていただけでは無くプリンやカップのアイスなども入っていた。
「クロロは甘いの好きなの?しかも、レシートまで入ってるけど2人共買ったの?」
何だか当たり前の事を聞いている自分に笑ってしまうけれど、2人なら買わないような気がしていたからレシートが入ってる事にビックリしてしまったのだ。
「買うに決まってるだろう。レイは買わないのか??」
「クロロに言われると何かなぁ。お肉と野菜焼けたから出すね、クロロは冷蔵庫からワインだしてくれるかな?」
「ああ。」
テーブルに大皿で出した肉は5キロもあり、色とりどりの付け合わせの野菜は1キロ近くあると思う
パプリカにナス、ブロッコリーに人参や南瓜。どれも新鮮で美しい。ちょっと可哀想なクロワッサンと米粉パンを並べると虎が食べるんじゃ無いかみたいな食卓が出来た。
男3人がどれくらい食べるのかが分からなかったからつい5キロも買ってしまった。
ワインを注いでくれるクロロに、シャルを呼んでくると言って席を立つと
さっきまで明るかった空が暗くなっている事に気付いた。廊下までブラインドタッチの音が響く部屋は暗く青白い光が漏れている
シャル、ご飯出来たよと言ってたんまり冷えたビールを差し出せば、伸びをしてから肩を鳴らして嬉しそうに受け取った。
2人でリビングに行けば、クロロもフィンクスも肉を口に頬張っていた。シャルが大皿に入った肉の量を見て動物園の肉食獣の餌みたいと笑って席に座る
最近は大勢で食事をする機会が無かったから、何だか久しぶりだなとちょっと楽しくなってワインを口に含んだ。重めのフルーティーな味が広がって、これなら肉と合うんじゃないかと自分のワイン選びに自信を持つ事にした。
3人との会話は中々面白かった。特に小さい頃のシャルの話を聞かせてもらってシャルは微妙な表情をしていたけれど、私は色々知れた事に満足だった。
クロロがワインのつまみにプリンを食べ出した所で私は立ち上がりリビングからベランダに出た。
シャルの冷えるよって声にハーイとだけ返事をすると
カラカラと窓を閉める。ガーデニングとバーベキューが両方出来るくらい広いベランダに可愛らしい木の作りのベンチが置いてある
ポケットから煙草を出して口に咥えてからベンチに腰かけた。火を付けて吸い込み吐き出すと息の白さと煙が混じって空高く上がっていく。
ここから約50メートルはあるだろうホテルの屋上に先程から現れた絶の達人が見たくてベランダに出て来たのだが。全く姿も形も見えない。
が。ほんの少し視線をそらした瞬間に暗闇の中で何かが動いて瞬時にこちらに向かってきた。
その棒のようなものを煙草を持っていない左手でキャッチすると、鉄の矢尻がついた弓矢だった。
原始人かよ。今時弓矢?と思い真っ二つに折ってやるとカラカラと窓が開いた
「何が飛んできた?」
「弓矢だったよ、シャル自宅バレてるじゃん」
「困ったな。また引っ越さないと」
丁度煙草も終わった所なので、吸殻を灰皿に入れてから2人で部屋に戻った。
「何人いた?」
フィンクスの言葉に、分かんなかったけど多分2人かなと言うと、クロロが3人だと言った。
折った弓矢をクロロに渡すと、狙撃するならライフルにしろよと笑っていてその言葉に心底同意した。
冷蔵庫に楽しみにしていたアイスを取りに行くと、いつの間にかマンションの下に気配が3つ。全員が素晴らしい程の使い手なのだろう。1分も経たないうちにベランダに上がってきた3人の男達は上がってきてもそのまま中に入らずに動かない。
ワインを飲むクロロも、ベランダの前でその姿を腕を組んで見ているシャルとフィンクスも全員が動かなかった。
その中で、私のアイスを頬張る音だけがやけに部屋に響いていた。
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