House of the Dead
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非戦闘員のパクノダさんだけで、手負いのキャシーやバレアレを守れるのか気になったけれど団長命令だから直ぐ行くよの一言だけ言うとシャルはヒンヤリと冷たい手で私の手を引いて食堂を出た
先に出たフィンクスがやったのか分かりやすく拳の跡が付いた感染者が所々に事切れて廊下に散らばっている横を踏み潰さない様に歩き2階に向かう
「食堂は鍵がかかってないし、タイラント来たらどうするんだろう…」
「まだ言ってんの?あのねぇ、アイツらだってプロハンターの端くれだよ。命掛けてるからここにいるんだよ、本当に危ない時は根性見せるさ」
「まぁ、そうか。皆自分の意思で仕事でここにいるんだもんね」
「レイは連れてこられただけで仕事でも無いし報酬も無いから可哀想だけどね」
「あっ、確かに」
ふふっと笑ったシャルに頬を膨らませると、抱き締められてから頬に手を添えられ唇に口付けされる
何秒か経ち、唇が離されると君がいて良かったとシャルは笑った
「…なんで?」
「俺はあまり恐怖とかは無いけど、色々考えるタイプだから疲れるには疲れるんだよね。フィンクスより全然体力も無いしさ。…レイがいると疲れが和らぐ気がするし居てくれるだけで何か…うん、まぁ恥ずかしくなって来たから後は察して」
「…ふふふ。なら来て良かったかなー」
無言で頭を撫でて来たシャルに私のニヤニヤは止まらず、腕に抱き付いてご機嫌で足を進める。今なら何か出て来ても怖く無いと思ったが完全にフラグなので口に出すのは辞めておいた
2階に到着すると、奥の廊下から赤い光が何個か見える。ハンターと感染者が何体かいるね、と言うと先に廊下の奴は片付けてくるから近くの部屋から探索を開始してと言ってシャルは消えるように闇に溶け込んでしまう
見えるだけで4つくらいある扉にゲンナリしながら1つ1つ適当に開けて中を見る。自分でもビックリするが意外に慣れて来たのか慎重になる事も忘れ高速で中を見て特に目星いものが無いと次に移り。との行動を繰り返していると、後ろからゴッちんと頭に何かが当たり目の前に星が飛んだ
「いっ、てぇぇ」
「お前のは探索とは言わない」
「ビックリしたなぁ、3階にいるんじゃないのぉ。しかも凄い気配消して嫌がらせじゃん」
渋い顔をしたクロロは私をジトリと睨むと、先程特に何も無かった部屋に私の首を掴んで入り直した
「レイ、そこの絵を見てみろ」
「首チョンパだね」
「…そうゆう事じゃない…有名な絵画だ。知らないのか?隣の小さな金色の置物。あれは何か分かるか?」
クロロの目線を追うと絵画の斜め下辺りに小さな金色の動物の様な置物が置いてある
「…タヌキかな?」
「…そうゆう事では無い。純金だバカもの」
「これがっ!純金??少し色が鈍く無い?」
置物を触ろうとした私より少し速くクロロはその置物を手に取り間近で眺め始める。純金何てしらんがなと思いながら1人部屋を出て適当な部屋に入ると、何やら濃い血の匂いがしてシャルに貰ったライターで火を付けた
暗闇の中にぼんやりと灯りがついたが、血の匂いがどこから来ているか分からずにライターを前に出しながらゆっくりと歩く
何歩か歩くと木の椅子が見えて、その前にテーブルが見えた。テーブルの上には何故か本や絵画が重ねて置いてあり、小さな金属や宝石も散らばっている
何かおかしいなと思って、クロローシャルーフィンクスーと名前をその場で大声で呼び椅子に腰掛けようと椅子を引くと何かに引っ掛かり下を見る
そこには血塗れのシズクちゃんが倒れていて、何秒か固まってしまった
直ぐにシズクちゃんを抱き寄せると脈を確認するが、やっぱり旅団だなと思うくらいピンピンしていて血も返り血が多く傷はかすり傷程度だった
「はぁ、ビックリした。しかも起きないし」
ライターで顔を確認すれば、死んだ様に寝息をかいて寝ている。髪や口の周りに黄色と茶色の粉の様な物が付着している事が気になったが、今は呼んだ3人を待つ事にした
シズクちゃんの頭を膝に乗せ彼女を見ているといつもの眼鏡が無い事に気付いて辺りをライターで照らす。眼鏡がテーブルの下に落ちている事を確認し、それを取ろうと手を伸ばした所でううっととても小さい声が扉の方から聞こえて直ぐに振り返る
ゆっくりと唸りながら部屋に入って来たのは3人では無く小柄な女性の様なシルエットをしている
「…もしかして…バレアレやキャシーの仲間のハンターさん?」
そう問いかけると、その影は一度停止した。ユラユラと揺れるライターの灯りでそちらを照らし顔を確認しようと腕を移動させる
燃え上がる小さな火がそのシルエットの主の顔を照らした
顔?なのか?焼け爛れた様な顔に長く見える髪、鎖が巻き付いた上半身がボンヤリと見えて、私は全身の毛が逆立った様にそのまま発狂した
きゃああああああああ
その叫び声に自分自身がビックリする、目の前に居た焼けただれた女性は体を一度硬直させると私に鎖の一部を叩きこむ様にふりあげた
シズクちゃんを守らないと、その瞬間に考えついたのはそれだけで。彼女を抱き締めながら目を瞑るが…何秒たっても想像していた痛みは無く目をゆっくり開けた
私の横に座って居たのはシャルで、女性の鎖を掴んでいるのはフィンクスだった
「すげー顔の怖い女だな」
フィンクスが一言そう言ってニヤリと笑い鎖を引くと女は奇妙な声をあげながらフィンクスに反対の腕を振り上げる
その瞬間に女の腹に膝蹴りが入り、私の痛そうとゆう呟きのみが部屋にこだました。一度動かなくなった様に見えた女は急に奇声を発すると凄いスピードで扉に向かって走り出した
「ゴラァ、待て」
その後を追う様に走ったフィンクスに、いつの間にいたのかシャルの隣に居たクロロが追うなと言うとその場でピタリと止まりこちらに戻ってきた
「レイ、シズクは?」
「大爆睡してるだけ。凄い根性あるよこの人」
「この血は?」
「殆ど返り血だね」
「はぁーやっと居たね、疲れた」
シャルの嬉しそうな声に私が、でもこの粉が気になるんだよね。と言ってシズクの口元を指差すと3人が顔を覗き込んでくる
むさ苦しいなぁと思いながら粉を手に取りクロロの頬になすりつけると、シャルとフィンクスは笑ったがクロロは無表情でげんこつをかましてきてまた目の前に星が飛んだ
「ちょっと団長あんまり叩かないでよ」
「分かった分かった、それよりこれは花粉だな…」
頬に付いた粉を手に取ると、シャルの言葉を軽く流しながら付着した指を凝視している。プラント系にやられたか?と小さな声で呟いたクロロはフィンクスにシズクを背負わせると薬を取りに行くとだけ言って扉に向かった
「俺達は後30分探索して、宝を持っていくよ」
「分かった頼んだ、フィンクス行くぞ」
2人が闇に消えて、私達はシズクちゃんが集めたのであろうテーブルに置いてある品を適当にそこら辺にあった袋につめて次の部屋に向かった
「ねー、シャル。あのさっきの子居たら怖いんだけど」
「さっきの女の傷、あれは火傷の跡かな?あの巻きつけていた鎖も何なんだろう」
「あの子も感染者なのかな?」
「まぁ、実験体の1人だろうね」
そんな話をしながら別行動はとらずに少し怖かったのでシャルにくっつきながら目星いものを袋に詰めていると、廊下の先から叫び声が聞こえて私達は目を合わせる
「人間だね、どーする?」
「俺は放っておいても良いけど、レイは?」
「私は行く」
「しょーがないな、付き合うよ」
高速で走り出した私に嫌な顔もせずに横を走ってくれるシャルに嬉しくなったが、人間の姿を確認すると少しだけ来た事を後悔した
鎖を巻きつけられ今にも窒息しそうな若い男と、弾切れなのか銃で女の頭を殴ろうとしている中年の男は私達に気付いてこちらを見る
女は私達の事を気にする事も無く、そのまま目の前で私達に気を取られてる中年の男に掴み掛かろうとする
それを見たシャルがその場を蹴り飛び上がると女の頭に回し蹴りを叩き込んだ。グキリと何かが折れたような嫌な音をさせながら左の壁にめり込み奇声を発した女にゾッとしたが
絡みついて居た鎖が緩んだのか若い男は青白い顔をしながら咽せ、咳き込んでその場に座り込んだ
私が男に駆け寄ったのをチラリと確認したシャルは、中年男の腰からナイフを抜くと壁で唸っている女の首を容赦なく切り捨ててから頭を蹴っ飛ばした
「…ジーザス…」
「うっ、」
それを間近で見ていた中年男はその場で嘔吐し、シャルはそんな事はおかまいなしに笑顔で彼の腰にナイフを戻した
若い男に大丈夫かと声を掛けると、呼吸が安定したのかブンブンと首を縦に振った
「…助かりました、ありがとう。貴方達もハンターですか?」
「ううん、此処には別の用事で来たの」
「そうですか…、ユギトさん大丈夫ですか?」
嘔吐がおさまり、はぁはぁと息を切らす中年男に若い男性は心配そうに声をかけると男はシャルを見て眉間に皺を寄せた
「あんた…、一般人かい?」
「何でそんな事聞くのさ」
「強すぎる、どこかに所属しているか??」
「俺は蜘蛛って所に所属してるけど」
そう言った瞬間に2人はシャルから距離をとって顔を青くする。腰のナイフに手を置こうとした男を見てシャルはいつもの軽い感じで口を開いた
「化け物だらけの建物で蜘蛛もいてとか最悪だって思ってる感じ?」
「……君達の目的は?」
「バレアレとキャシー、リヒャルダって名前の3人から仲間を見たら食堂に案内してと言われてたし、彼女が助けるって言ったから助けたまでだ。特に君達に害を為す気は無いよ」
「まぁ、警戒するのは当たり前だけど…私は蜘蛛じゃないんで。そんなに心配なさらずに」
そう言って私がヘラヘラすると、2人は顔を見合わせて息を吐くと少し安心したのか素直に助かったよありがとうとシャルに頭を下げてから立ち上がった
「仲間達は食堂に?」
「リヒャルダ以外は怪我をしていて毒にもやられてたけど、血清を与えてからそこの彼女が治した。今はピンピンしてるよ。俺の仲間が1人付いてるから安全だとは思うよ」
「…A級犯罪者が血清まで与えてくれて、私達を助けてくれただと…」
「まー、たまに慈善活動も蜘蛛の仕事の1つなんだ」
「とりあえず、シャル2人を連れて食堂に戻ろう。そろそろ30分経つよ」
「だね、行こうか」
「私達も案内して欲しい」
「じゃ、付いて来て」
シャルが先頭を歩き、私がしんがりを歩いていると2人が小声で話しかけてくる
「君、蜘蛛じゃないのに何で彼といるの?」
「彼氏だからだよ」
「えっ?大丈夫なの?怖く無いの?」
「ふふ、怖かったら付き合わないでしょ」
私が笑うと若い男はそれもそうかと少し笑った。中年の男は何であんな強いんだ?と聞いてくるが、シャルは蜘蛛の中で弱い方だよと言うと白目になったので
それが面白くて大笑いしていると、シャルが不機嫌そうな顔で舌打ちしたので2人が縮こまって下を向いてしまった
「あんまり大きな声で笑わない方が…」
そう若い男が呟くと高い声の私の大笑いが廊下中に響いたのだろう。10匹を超えるであろう感染者とハンターがこちらに唸りながら向かって来る。バレアレの仲間の2人は足を止めて自分の武器に手を置いて私をジトリとした目で見つめてくるのでヘラヘラと笑いごめーんと頬をかいた
一度溜息を吐いたシャルはその場を蹴ると全ての感染者を足蹴りのみで瞬殺していく
すげーと素直に歓喜している2人に便乗して、シャル凄ーいと気まずそうに拍手をした私に彼は一度キョトンとしてからあっはっはと愉快そうに笑ってくれた
先に出たフィンクスがやったのか分かりやすく拳の跡が付いた感染者が所々に事切れて廊下に散らばっている横を踏み潰さない様に歩き2階に向かう
「食堂は鍵がかかってないし、タイラント来たらどうするんだろう…」
「まだ言ってんの?あのねぇ、アイツらだってプロハンターの端くれだよ。命掛けてるからここにいるんだよ、本当に危ない時は根性見せるさ」
「まぁ、そうか。皆自分の意思で仕事でここにいるんだもんね」
「レイは連れてこられただけで仕事でも無いし報酬も無いから可哀想だけどね」
「あっ、確かに」
ふふっと笑ったシャルに頬を膨らませると、抱き締められてから頬に手を添えられ唇に口付けされる
何秒か経ち、唇が離されると君がいて良かったとシャルは笑った
「…なんで?」
「俺はあまり恐怖とかは無いけど、色々考えるタイプだから疲れるには疲れるんだよね。フィンクスより全然体力も無いしさ。…レイがいると疲れが和らぐ気がするし居てくれるだけで何か…うん、まぁ恥ずかしくなって来たから後は察して」
「…ふふふ。なら来て良かったかなー」
無言で頭を撫でて来たシャルに私のニヤニヤは止まらず、腕に抱き付いてご機嫌で足を進める。今なら何か出て来ても怖く無いと思ったが完全にフラグなので口に出すのは辞めておいた
2階に到着すると、奥の廊下から赤い光が何個か見える。ハンターと感染者が何体かいるね、と言うと先に廊下の奴は片付けてくるから近くの部屋から探索を開始してと言ってシャルは消えるように闇に溶け込んでしまう
見えるだけで4つくらいある扉にゲンナリしながら1つ1つ適当に開けて中を見る。自分でもビックリするが意外に慣れて来たのか慎重になる事も忘れ高速で中を見て特に目星いものが無いと次に移り。との行動を繰り返していると、後ろからゴッちんと頭に何かが当たり目の前に星が飛んだ
「いっ、てぇぇ」
「お前のは探索とは言わない」
「ビックリしたなぁ、3階にいるんじゃないのぉ。しかも凄い気配消して嫌がらせじゃん」
渋い顔をしたクロロは私をジトリと睨むと、先程特に何も無かった部屋に私の首を掴んで入り直した
「レイ、そこの絵を見てみろ」
「首チョンパだね」
「…そうゆう事じゃない…有名な絵画だ。知らないのか?隣の小さな金色の置物。あれは何か分かるか?」
クロロの目線を追うと絵画の斜め下辺りに小さな金色の動物の様な置物が置いてある
「…タヌキかな?」
「…そうゆう事では無い。純金だバカもの」
「これがっ!純金??少し色が鈍く無い?」
置物を触ろうとした私より少し速くクロロはその置物を手に取り間近で眺め始める。純金何てしらんがなと思いながら1人部屋を出て適当な部屋に入ると、何やら濃い血の匂いがしてシャルに貰ったライターで火を付けた
暗闇の中にぼんやりと灯りがついたが、血の匂いがどこから来ているか分からずにライターを前に出しながらゆっくりと歩く
何歩か歩くと木の椅子が見えて、その前にテーブルが見えた。テーブルの上には何故か本や絵画が重ねて置いてあり、小さな金属や宝石も散らばっている
何かおかしいなと思って、クロローシャルーフィンクスーと名前をその場で大声で呼び椅子に腰掛けようと椅子を引くと何かに引っ掛かり下を見る
そこには血塗れのシズクちゃんが倒れていて、何秒か固まってしまった
直ぐにシズクちゃんを抱き寄せると脈を確認するが、やっぱり旅団だなと思うくらいピンピンしていて血も返り血が多く傷はかすり傷程度だった
「はぁ、ビックリした。しかも起きないし」
ライターで顔を確認すれば、死んだ様に寝息をかいて寝ている。髪や口の周りに黄色と茶色の粉の様な物が付着している事が気になったが、今は呼んだ3人を待つ事にした
シズクちゃんの頭を膝に乗せ彼女を見ているといつもの眼鏡が無い事に気付いて辺りをライターで照らす。眼鏡がテーブルの下に落ちている事を確認し、それを取ろうと手を伸ばした所でううっととても小さい声が扉の方から聞こえて直ぐに振り返る
ゆっくりと唸りながら部屋に入って来たのは3人では無く小柄な女性の様なシルエットをしている
「…もしかして…バレアレやキャシーの仲間のハンターさん?」
そう問いかけると、その影は一度停止した。ユラユラと揺れるライターの灯りでそちらを照らし顔を確認しようと腕を移動させる
燃え上がる小さな火がそのシルエットの主の顔を照らした
顔?なのか?焼け爛れた様な顔に長く見える髪、鎖が巻き付いた上半身がボンヤリと見えて、私は全身の毛が逆立った様にそのまま発狂した
きゃああああああああ
その叫び声に自分自身がビックリする、目の前に居た焼けただれた女性は体を一度硬直させると私に鎖の一部を叩きこむ様にふりあげた
シズクちゃんを守らないと、その瞬間に考えついたのはそれだけで。彼女を抱き締めながら目を瞑るが…何秒たっても想像していた痛みは無く目をゆっくり開けた
私の横に座って居たのはシャルで、女性の鎖を掴んでいるのはフィンクスだった
「すげー顔の怖い女だな」
フィンクスが一言そう言ってニヤリと笑い鎖を引くと女は奇妙な声をあげながらフィンクスに反対の腕を振り上げる
その瞬間に女の腹に膝蹴りが入り、私の痛そうとゆう呟きのみが部屋にこだました。一度動かなくなった様に見えた女は急に奇声を発すると凄いスピードで扉に向かって走り出した
「ゴラァ、待て」
その後を追う様に走ったフィンクスに、いつの間にいたのかシャルの隣に居たクロロが追うなと言うとその場でピタリと止まりこちらに戻ってきた
「レイ、シズクは?」
「大爆睡してるだけ。凄い根性あるよこの人」
「この血は?」
「殆ど返り血だね」
「はぁーやっと居たね、疲れた」
シャルの嬉しそうな声に私が、でもこの粉が気になるんだよね。と言ってシズクの口元を指差すと3人が顔を覗き込んでくる
むさ苦しいなぁと思いながら粉を手に取りクロロの頬になすりつけると、シャルとフィンクスは笑ったがクロロは無表情でげんこつをかましてきてまた目の前に星が飛んだ
「ちょっと団長あんまり叩かないでよ」
「分かった分かった、それよりこれは花粉だな…」
頬に付いた粉を手に取ると、シャルの言葉を軽く流しながら付着した指を凝視している。プラント系にやられたか?と小さな声で呟いたクロロはフィンクスにシズクを背負わせると薬を取りに行くとだけ言って扉に向かった
「俺達は後30分探索して、宝を持っていくよ」
「分かった頼んだ、フィンクス行くぞ」
2人が闇に消えて、私達はシズクちゃんが集めたのであろうテーブルに置いてある品を適当にそこら辺にあった袋につめて次の部屋に向かった
「ねー、シャル。あのさっきの子居たら怖いんだけど」
「さっきの女の傷、あれは火傷の跡かな?あの巻きつけていた鎖も何なんだろう」
「あの子も感染者なのかな?」
「まぁ、実験体の1人だろうね」
そんな話をしながら別行動はとらずに少し怖かったのでシャルにくっつきながら目星いものを袋に詰めていると、廊下の先から叫び声が聞こえて私達は目を合わせる
「人間だね、どーする?」
「俺は放っておいても良いけど、レイは?」
「私は行く」
「しょーがないな、付き合うよ」
高速で走り出した私に嫌な顔もせずに横を走ってくれるシャルに嬉しくなったが、人間の姿を確認すると少しだけ来た事を後悔した
鎖を巻きつけられ今にも窒息しそうな若い男と、弾切れなのか銃で女の頭を殴ろうとしている中年の男は私達に気付いてこちらを見る
女は私達の事を気にする事も無く、そのまま目の前で私達に気を取られてる中年の男に掴み掛かろうとする
それを見たシャルがその場を蹴り飛び上がると女の頭に回し蹴りを叩き込んだ。グキリと何かが折れたような嫌な音をさせながら左の壁にめり込み奇声を発した女にゾッとしたが
絡みついて居た鎖が緩んだのか若い男は青白い顔をしながら咽せ、咳き込んでその場に座り込んだ
私が男に駆け寄ったのをチラリと確認したシャルは、中年男の腰からナイフを抜くと壁で唸っている女の首を容赦なく切り捨ててから頭を蹴っ飛ばした
「…ジーザス…」
「うっ、」
それを間近で見ていた中年男はその場で嘔吐し、シャルはそんな事はおかまいなしに笑顔で彼の腰にナイフを戻した
若い男に大丈夫かと声を掛けると、呼吸が安定したのかブンブンと首を縦に振った
「…助かりました、ありがとう。貴方達もハンターですか?」
「ううん、此処には別の用事で来たの」
「そうですか…、ユギトさん大丈夫ですか?」
嘔吐がおさまり、はぁはぁと息を切らす中年男に若い男性は心配そうに声をかけると男はシャルを見て眉間に皺を寄せた
「あんた…、一般人かい?」
「何でそんな事聞くのさ」
「強すぎる、どこかに所属しているか??」
「俺は蜘蛛って所に所属してるけど」
そう言った瞬間に2人はシャルから距離をとって顔を青くする。腰のナイフに手を置こうとした男を見てシャルはいつもの軽い感じで口を開いた
「化け物だらけの建物で蜘蛛もいてとか最悪だって思ってる感じ?」
「……君達の目的は?」
「バレアレとキャシー、リヒャルダって名前の3人から仲間を見たら食堂に案内してと言われてたし、彼女が助けるって言ったから助けたまでだ。特に君達に害を為す気は無いよ」
「まぁ、警戒するのは当たり前だけど…私は蜘蛛じゃないんで。そんなに心配なさらずに」
そう言って私がヘラヘラすると、2人は顔を見合わせて息を吐くと少し安心したのか素直に助かったよありがとうとシャルに頭を下げてから立ち上がった
「仲間達は食堂に?」
「リヒャルダ以外は怪我をしていて毒にもやられてたけど、血清を与えてからそこの彼女が治した。今はピンピンしてるよ。俺の仲間が1人付いてるから安全だとは思うよ」
「…A級犯罪者が血清まで与えてくれて、私達を助けてくれただと…」
「まー、たまに慈善活動も蜘蛛の仕事の1つなんだ」
「とりあえず、シャル2人を連れて食堂に戻ろう。そろそろ30分経つよ」
「だね、行こうか」
「私達も案内して欲しい」
「じゃ、付いて来て」
シャルが先頭を歩き、私がしんがりを歩いていると2人が小声で話しかけてくる
「君、蜘蛛じゃないのに何で彼といるの?」
「彼氏だからだよ」
「えっ?大丈夫なの?怖く無いの?」
「ふふ、怖かったら付き合わないでしょ」
私が笑うと若い男はそれもそうかと少し笑った。中年の男は何であんな強いんだ?と聞いてくるが、シャルは蜘蛛の中で弱い方だよと言うと白目になったので
それが面白くて大笑いしていると、シャルが不機嫌そうな顔で舌打ちしたので2人が縮こまって下を向いてしまった
「あんまり大きな声で笑わない方が…」
そう若い男が呟くと高い声の私の大笑いが廊下中に響いたのだろう。10匹を超えるであろう感染者とハンターがこちらに唸りながら向かって来る。バレアレの仲間の2人は足を止めて自分の武器に手を置いて私をジトリとした目で見つめてくるのでヘラヘラと笑いごめーんと頬をかいた
一度溜息を吐いたシャルはその場を蹴ると全ての感染者を足蹴りのみで瞬殺していく
すげーと素直に歓喜している2人に便乗して、シャル凄ーいと気まずそうに拍手をした私に彼は一度キョトンとしてからあっはっはと愉快そうに笑ってくれた