Journey
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本来の目的、本物の禁書がある部屋の中に入ったクロロは他の宝には目もくれずに、1つだけある本棚の前に立ち尽くし何冊かある本を順番に手に取りパラパラと中身を真剣な眼差しで見つめていた
部屋の壁際に置かれている何だかよく分からない、ガラクタを不思議そうに手にとるコルトピに
クロロの横で興味有りげに本を見つめるシズク
特に何もやる事が無かったので、ガラクタの隣の棚に置かれた宝石類が入った小さな箱を開けて昔を懐かしむ事にした
部屋の掃除当番だった時によくこの箱を開けて中身を見ていた
小さかったから昔は名前まで分からなかったけれど、今ならダイヤにルビー、エメラルドだと分かる。何カラットだかわからないけれどこの輝きは相当な額だろうとも検討がついた
「レイは宝石好きなの?」
ひょっこりと顔を出して来た笑顔のシャルに、まだ少し気まずいような気恥ずかしいような気持ちのまま頷いた
「へぇ。何の石が好きなの?」
「どうだろ、赤い宝石か青い宝石がいいな。ルビーとかサファイアとか。色が綺麗な物なら特に何でもいいんだけどね」
「石ってよりも色?」
「うん、特に色が濃くて身に付けると見栄えするものがいいな」
やっぱり女の子なんだねえと言ったシャルに、私は女以外に見えませんーとちょっと意地悪気に言うと
知ってるよ、と薄く笑って私の髪を撫でた
そして、さっきはごめん。気に入らないからってやり過ぎたと私の耳元で口を開いた彼の素直さに、上手い言葉が出て来ずに一度だけ頷く
シャルがまた何かを言おうとした時に、クロロがレイ、ちょっと来いと言った声が聞こえて私はその場から素早く立ち去った
「何?」
「この二冊だけ貰う。」
クロロは隣に来た私に二冊の本を見せる
「中身、私分からないよ。好きにすればいいんじゃない?」
そう答えた私の問いを華麗にスルーしたクロロはまたさっきと同じ発言をする
「この二冊をもらう」
それから、お前はすぐに了承しましたと言えと続ける
「…了承しました。」
逆らう事も無く、そのまま言われた通りに口を開くと
右手を掴まれて指先を本当に1ミリくらいナイフで切られる
またもや、ものすごい速さで切られたので、もはやヒイと叫ぶ時間すら無くて呆然としていた
長と会って来たと言っていたから、きっとこの方法で本は持ち帰れるんだなと何となく思った
ほんの少ししか一緒にいないけれど、クロロとシャル、仲間たちの無駄の無い動きに頭のキレ具合には脱帽ものであった
この人の言う事なら聞いても大丈夫とゆうカリスマ性がある。ただし味方に限る
私からとった血をその禁書二冊に付けると、クロロは終わったな
と言って息を吐いてからその二冊を丁寧に袋に入れた
「コルトピ、シズク。付き合わせて悪かったな」
クロロの労いにシズクちゃんは首をふる
出番無なかったな言ったコルトピにシャルも伸びをしてから全員で部屋を出て階段をあがった
建物の外に出た私が切られた指を口に入れて血を舐めている姿を見て、クロロが顔を覗きこんでくる
「痛かったか?」
平気ですーと言いながらクロロの頬っぺたをつねってやると
避ける事もせずに引っ張られたままになっているクロロに私はちょっとだけ笑ってしまった
頬から手を離すと、クロロは私を見て口を開く
「色々想定外が多すぎて予定が大幅に狂ったが。手に入れられたのはお前のおかげだな」
「感謝してるって事?」
「まあ、そうだな。」
そう言ってクロロはフッと笑った
朝日がもうすぐ昇るのか一部だけオレンジ色をした空は何だかいつもより不気味だった
村の扉方面に歩いていく4人の背中を見ながら私は後ろを振り返る
何十人いるかは分からなかったけれど、村人全員が遠くから私達を見ていた
その姿に、私は一度立ち止まってから家族や兄弟がその中にいるかも分からないけれどその姿を焼き付けるようにじっと佇む。そして大きく一度だけ手を振った
何人かが私を見て手を振りかえしてくれたのを見て、何故かとても満足した気持ちになった
皆は行ってしまっていて、1人で鉄扉を開けて村を出ると、木の下で座っていたシャルは私を見て腰をあげた
「残らなかったんだ」
「何で残るのよ、自分の家が恋しいわ」
「3人は?」
「残りを掃除しつつ帰るから、レイと先に帰れってさ」
「そう。」
じゃあ、帰ろうか。と笑顔を向けて来たシャルは手を差し出して来た
「えっ?何?」
「手繋いで帰ろ」
「何で?」
「嫌ならいいけど」
「嫌じゃ無いけど」
「何その顔。赤くなってて可愛い。もしかして処女だったりする?」
ケラケラと笑いながら私の手を取ったシャルにうるさいなと言いながら蹴りをいれる
その蹴りはサッと避けられて一瞬で足に手を回されて横抱きにされた
「何ですぐお姫様抱っこすんのよ」
「趣味なんだ」
「変な趣味…」
「嘘だよ、それより早く帰ろ。このまま走るから口閉じててね」
されるがまま、こくこくと頷いた私に彼は満足そうに笑うと飛行機を森の中をキーリーに向かって走り出した
着いてから直ぐに飛行機に乗り込んだ私達は、すぐに自分の街に向けて出発した
飛んでから15分も経たない内に朝日が昇る
「綺麗」
「だね。でもめっちゃ眠い」
「怖いから寝ないでよ」
でも本当に色々怖かったと様々な場面を思い出しながら言った私に、シャルがまさかここまで予定とズレるなんて本当想定外だったと笑う
クロロも来る予定無かったんだよ、予定にあったのはコルトピだけだし。長に会う事も予定に無かった。原本は諦めてたしねと続けた
「そう言えば、団長が報酬の件で話があるから後日電話するってさ」
「そーいえば忘れてた。」
「何欲しいの?」
「考えて無かった。」
飛行機が欲しいと思ったけど、置く場所が無いし
お金は特に困ってないし。その時頭にチラリとさっきダイアやルビーを見た事を思い出す
「サファイアかルビー欲しいな」
「…それなら俺があげるよ」
「何で?シャルがくれるの?報酬にもらうんだよ」
「宝石って指輪とかネックレスだろ?俺が指輪あげるよ」
少し、びっくりしてシャルの横顔を見る
真っ直ぐと前を見ながら操縦する彼を無言で見つめてしまう
「俺があげたらおかしい?」
「う、ううん。でも私何もおかえし出来ないよ」
そう言った私にシャルは少し黙りこんでから
「じゃあ、おかえしに今日この後レイのベッドで寝てもいい?」
ちなみに、一緒に寝るって事だからとシャルは顔を近づけて意地悪っぽく私に囁いた。
じとーとした瞳で睨むと彼はぷっと笑う
「…なーんて、嘘だよ。おかえしはいらない」
「いいよ」
「えっ?」
「…いいよ、一緒に寝ても」
その返事に、そう来るとは思わなかったなぁと言ってちょっと半笑いなシャル
「俺は寝るだけじゃ物足りなくなっちゃうかもよ」
さっきの続きもしたいし。とまたもや私を可愛らしい意地の悪い笑顔で見つめてくる
「上等だよ。でも処女じゃないよ」
そう言って笑った私に、彼は一度口をポカンと開けて間をおいてから大笑いした
そして、飛行機の操縦席でキスをする私達を美しい羽を広げて飛ぶ鳥達だけがみていた
fin
部屋の壁際に置かれている何だかよく分からない、ガラクタを不思議そうに手にとるコルトピに
クロロの横で興味有りげに本を見つめるシズク
特に何もやる事が無かったので、ガラクタの隣の棚に置かれた宝石類が入った小さな箱を開けて昔を懐かしむ事にした
部屋の掃除当番だった時によくこの箱を開けて中身を見ていた
小さかったから昔は名前まで分からなかったけれど、今ならダイヤにルビー、エメラルドだと分かる。何カラットだかわからないけれどこの輝きは相当な額だろうとも検討がついた
「レイは宝石好きなの?」
ひょっこりと顔を出して来た笑顔のシャルに、まだ少し気まずいような気恥ずかしいような気持ちのまま頷いた
「へぇ。何の石が好きなの?」
「どうだろ、赤い宝石か青い宝石がいいな。ルビーとかサファイアとか。色が綺麗な物なら特に何でもいいんだけどね」
「石ってよりも色?」
「うん、特に色が濃くて身に付けると見栄えするものがいいな」
やっぱり女の子なんだねえと言ったシャルに、私は女以外に見えませんーとちょっと意地悪気に言うと
知ってるよ、と薄く笑って私の髪を撫でた
そして、さっきはごめん。気に入らないからってやり過ぎたと私の耳元で口を開いた彼の素直さに、上手い言葉が出て来ずに一度だけ頷く
シャルがまた何かを言おうとした時に、クロロがレイ、ちょっと来いと言った声が聞こえて私はその場から素早く立ち去った
「何?」
「この二冊だけ貰う。」
クロロは隣に来た私に二冊の本を見せる
「中身、私分からないよ。好きにすればいいんじゃない?」
そう答えた私の問いを華麗にスルーしたクロロはまたさっきと同じ発言をする
「この二冊をもらう」
それから、お前はすぐに了承しましたと言えと続ける
「…了承しました。」
逆らう事も無く、そのまま言われた通りに口を開くと
右手を掴まれて指先を本当に1ミリくらいナイフで切られる
またもや、ものすごい速さで切られたので、もはやヒイと叫ぶ時間すら無くて呆然としていた
長と会って来たと言っていたから、きっとこの方法で本は持ち帰れるんだなと何となく思った
ほんの少ししか一緒にいないけれど、クロロとシャル、仲間たちの無駄の無い動きに頭のキレ具合には脱帽ものであった
この人の言う事なら聞いても大丈夫とゆうカリスマ性がある。ただし味方に限る
私からとった血をその禁書二冊に付けると、クロロは終わったな
と言って息を吐いてからその二冊を丁寧に袋に入れた
「コルトピ、シズク。付き合わせて悪かったな」
クロロの労いにシズクちゃんは首をふる
出番無なかったな言ったコルトピにシャルも伸びをしてから全員で部屋を出て階段をあがった
建物の外に出た私が切られた指を口に入れて血を舐めている姿を見て、クロロが顔を覗きこんでくる
「痛かったか?」
平気ですーと言いながらクロロの頬っぺたをつねってやると
避ける事もせずに引っ張られたままになっているクロロに私はちょっとだけ笑ってしまった
頬から手を離すと、クロロは私を見て口を開く
「色々想定外が多すぎて予定が大幅に狂ったが。手に入れられたのはお前のおかげだな」
「感謝してるって事?」
「まあ、そうだな。」
そう言ってクロロはフッと笑った
朝日がもうすぐ昇るのか一部だけオレンジ色をした空は何だかいつもより不気味だった
村の扉方面に歩いていく4人の背中を見ながら私は後ろを振り返る
何十人いるかは分からなかったけれど、村人全員が遠くから私達を見ていた
その姿に、私は一度立ち止まってから家族や兄弟がその中にいるかも分からないけれどその姿を焼き付けるようにじっと佇む。そして大きく一度だけ手を振った
何人かが私を見て手を振りかえしてくれたのを見て、何故かとても満足した気持ちになった
皆は行ってしまっていて、1人で鉄扉を開けて村を出ると、木の下で座っていたシャルは私を見て腰をあげた
「残らなかったんだ」
「何で残るのよ、自分の家が恋しいわ」
「3人は?」
「残りを掃除しつつ帰るから、レイと先に帰れってさ」
「そう。」
じゃあ、帰ろうか。と笑顔を向けて来たシャルは手を差し出して来た
「えっ?何?」
「手繋いで帰ろ」
「何で?」
「嫌ならいいけど」
「嫌じゃ無いけど」
「何その顔。赤くなってて可愛い。もしかして処女だったりする?」
ケラケラと笑いながら私の手を取ったシャルにうるさいなと言いながら蹴りをいれる
その蹴りはサッと避けられて一瞬で足に手を回されて横抱きにされた
「何ですぐお姫様抱っこすんのよ」
「趣味なんだ」
「変な趣味…」
「嘘だよ、それより早く帰ろ。このまま走るから口閉じててね」
されるがまま、こくこくと頷いた私に彼は満足そうに笑うと飛行機を森の中をキーリーに向かって走り出した
着いてから直ぐに飛行機に乗り込んだ私達は、すぐに自分の街に向けて出発した
飛んでから15分も経たない内に朝日が昇る
「綺麗」
「だね。でもめっちゃ眠い」
「怖いから寝ないでよ」
でも本当に色々怖かったと様々な場面を思い出しながら言った私に、シャルがまさかここまで予定とズレるなんて本当想定外だったと笑う
クロロも来る予定無かったんだよ、予定にあったのはコルトピだけだし。長に会う事も予定に無かった。原本は諦めてたしねと続けた
「そう言えば、団長が報酬の件で話があるから後日電話するってさ」
「そーいえば忘れてた。」
「何欲しいの?」
「考えて無かった。」
飛行機が欲しいと思ったけど、置く場所が無いし
お金は特に困ってないし。その時頭にチラリとさっきダイアやルビーを見た事を思い出す
「サファイアかルビー欲しいな」
「…それなら俺があげるよ」
「何で?シャルがくれるの?報酬にもらうんだよ」
「宝石って指輪とかネックレスだろ?俺が指輪あげるよ」
少し、びっくりしてシャルの横顔を見る
真っ直ぐと前を見ながら操縦する彼を無言で見つめてしまう
「俺があげたらおかしい?」
「う、ううん。でも私何もおかえし出来ないよ」
そう言った私にシャルは少し黙りこんでから
「じゃあ、おかえしに今日この後レイのベッドで寝てもいい?」
ちなみに、一緒に寝るって事だからとシャルは顔を近づけて意地悪っぽく私に囁いた。
じとーとした瞳で睨むと彼はぷっと笑う
「…なーんて、嘘だよ。おかえしはいらない」
「いいよ」
「えっ?」
「…いいよ、一緒に寝ても」
その返事に、そう来るとは思わなかったなぁと言ってちょっと半笑いなシャル
「俺は寝るだけじゃ物足りなくなっちゃうかもよ」
さっきの続きもしたいし。とまたもや私を可愛らしい意地の悪い笑顔で見つめてくる
「上等だよ。でも処女じゃないよ」
そう言って笑った私に、彼は一度口をポカンと開けて間をおいてから大笑いした
そして、飛行機の操縦席でキスをする私達を美しい羽を広げて飛ぶ鳥達だけがみていた
fin