the gift
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ゆっくりと目を開ける
何だか嫌な夢を見た気がするが思い出せない。何だか鬼の夢だった気がする
ボンヤリとまだ夢の境にいるような感じで右手を動かせば少し痛いがしっかりと包帯が巻いてある事が分かってあの人に感謝した
「…起きたか」
声がするのに、気配がしなかった。ヒヤリと冷や汗をかくのが分かって、瞳だけを声のした方に動かせば視界の端にいたのはあぐらをかいてこちらを見つめる冨岡さんだった
その瞬間にとても安堵した
こんな身体の時にもしも鬼だったら何て嫌な想像をしていたからだ
「…冨岡さん、どうしてここに?」
「宿を借りに来たら、鬼殺隊の1人が怪我をして上の部屋で寝ているとこの家の者が言っていた。」
怪我は痛むか?と相変わらず小さな声で優しく話しかけてくれる。
今はだいぶと言えば、右手に支障をきたしていたら剣はもう上手くは握れないぞと静かに言われた
もしも右手に少しでも後遺症が出たらと考えて下を向いた
ずっとやっていこうと決めていたけれど、私じゃあ難しいのかな
今回の相手の鬼も全然強くなかったのにこんな怪我までしてと、今はネガティブな考えしか出てこなくて目を閉じる
何も言わない私に珍しく冨岡さんが側に座り直した
「お前は、女だ。もしも辞めても嫁に行けば良い。それも1つの幸せだ」
ポツリポツリと呟く冨岡さんに少しだけ涙が出てきた
嫁にいけと言われているような寂しい感覚と慰めようとしてくれている優しさに出てきた涙は止まらずに頬を伝う
泣くなと少しだけ焦ったような冨岡さんは私の頬の涙を手拭いで拭う
すまんな、慰め方が分からない
そう言われた時に何かが吹っ切れてしまった
ガラガラと今まで積んできたものをポーンと放り出してもいい。結婚するなら彼が良いと
自分でもビックリするようなひらめきに少しだけ笑ってしまう
そんな私に首を傾げる冨岡さんを見ていたら口を開きたくなった
「あの、冨岡さんお願いがあるんですけど」
「…なんだ急に」
「断らないでくれると嬉しいのですが聞いてもらえます?」
「怪我人だからな、善処する。何でも言え」
「…わ、わたしと結婚してください…」
「……」
結婚して下さいと目を見つめて言った時の顔
初めて彼がビックリして目を見開いたのを見た
沈黙が続く中、彼の返事を待つ
あの、冨岡さん??と勇気を出して羽織を少しだけ引っ張った
「あ、ああ…」
ピクリとは反応したものの、また無言が続く
すぐに断られるかと思った自分。まさかこんなに考えてくれるなんて。それだけで嬉しい
困っているような、どうしたら良いか分からないような顔を見ながら私は言って良かったと何だか感じるのだった
何だか嫌な夢を見た気がするが思い出せない。何だか鬼の夢だった気がする
ボンヤリとまだ夢の境にいるような感じで右手を動かせば少し痛いがしっかりと包帯が巻いてある事が分かってあの人に感謝した
「…起きたか」
声がするのに、気配がしなかった。ヒヤリと冷や汗をかくのが分かって、瞳だけを声のした方に動かせば視界の端にいたのはあぐらをかいてこちらを見つめる冨岡さんだった
その瞬間にとても安堵した
こんな身体の時にもしも鬼だったら何て嫌な想像をしていたからだ
「…冨岡さん、どうしてここに?」
「宿を借りに来たら、鬼殺隊の1人が怪我をして上の部屋で寝ているとこの家の者が言っていた。」
怪我は痛むか?と相変わらず小さな声で優しく話しかけてくれる。
今はだいぶと言えば、右手に支障をきたしていたら剣はもう上手くは握れないぞと静かに言われた
もしも右手に少しでも後遺症が出たらと考えて下を向いた
ずっとやっていこうと決めていたけれど、私じゃあ難しいのかな
今回の相手の鬼も全然強くなかったのにこんな怪我までしてと、今はネガティブな考えしか出てこなくて目を閉じる
何も言わない私に珍しく冨岡さんが側に座り直した
「お前は、女だ。もしも辞めても嫁に行けば良い。それも1つの幸せだ」
ポツリポツリと呟く冨岡さんに少しだけ涙が出てきた
嫁にいけと言われているような寂しい感覚と慰めようとしてくれている優しさに出てきた涙は止まらずに頬を伝う
泣くなと少しだけ焦ったような冨岡さんは私の頬の涙を手拭いで拭う
すまんな、慰め方が分からない
そう言われた時に何かが吹っ切れてしまった
ガラガラと今まで積んできたものをポーンと放り出してもいい。結婚するなら彼が良いと
自分でもビックリするようなひらめきに少しだけ笑ってしまう
そんな私に首を傾げる冨岡さんを見ていたら口を開きたくなった
「あの、冨岡さんお願いがあるんですけど」
「…なんだ急に」
「断らないでくれると嬉しいのですが聞いてもらえます?」
「怪我人だからな、善処する。何でも言え」
「…わ、わたしと結婚してください…」
「……」
結婚して下さいと目を見つめて言った時の顔
初めて彼がビックリして目を見開いたのを見た
沈黙が続く中、彼の返事を待つ
あの、冨岡さん??と勇気を出して羽織を少しだけ引っ張った
「あ、ああ…」
ピクリとは反応したものの、また無言が続く
すぐに断られるかと思った自分。まさかこんなに考えてくれるなんて。それだけで嬉しい
困っているような、どうしたら良いか分からないような顔を見ながら私は言って良かったと何だか感じるのだった