彰くんと食事をしてから2日経ったある午後
私は私で、注文を受けていたブレスレットの制作を進めながら沢山の植物に囲まれて生活したい夢を叶える為に色々な花屋や市場をまわっていた
これからネイルの練習もしていかなきゃいけない
マッサージの勉強もしたい。アクセサリーのデザインも素敵な物をイメージしていきたい。今は趣味だけど1年後にはなんらかの形で植物の販売もしたい。

心が元気な時はポジティブに先が見れる気がする
だからこそ逆に心が弱っている時は先をあまり考えない事にした
同じ事を考えても、弱っている時は面倒に思えたり成功を見れない時が多いからだ
勉強がしたいな、と思った時にそれを続ける事で得た知識や技術で沢山の人を笑顔に出来る！
と確信が持てて何だかニヤっと自然に笑みが出てくる時は乗ってきてる証拠だ。そんな気分に浸りながらニヤニヤ買い物をしていると、あっとゆう間に日は暮れかけていた


観葉から多肉植物、色々な種類の植物と鉢植えに雑貨や肥料を抱えながら私はそそくさと帰路についた

ただいま〜
少しへばり気味の声でオムくんに声をかけると
おーそーいーと言わんばかりの鳴き声で返事をしてくれる
荷物は後で整理しよう。と心に決めてまずはカラカラの喉を潤す為に冷蔵庫に向かいキンキンに冷えたビールをこれでもかくらいに口に入れる

うんまぁぁぁと声にならない幸せを感じながら、お行儀悪い事も承知で片手にビールを持ちながらベランダに向かい、干してある衣類を中に放る
その時だった。海からの強い潮風がサーっとふいて
一枚だけ洗濯ものが飛ばされた

「ギャー！ちょ、ちょ、」
思わず変な声が出るが、洗濯物がハラハラと舞い落ちる姿を凝視しておく、どこに落ちたのかがわかる様に。その一方で、こちらにゆっくりと歩いてくる男性が1人
私の変な叫び声に思わずベランダの私に気づいて手を振っているのは学校帰りの彰くんだった


「おかえりー！彰くんごめん！洗濯もの飛んじゃって」
「ただいま！今届けますよ」
と少しこちらに聞こえる声で大きな声で返事をしてくれる。
拾ってくれた事に安堵した瞬間、彰くんの顔が少しだけ真顔になった気がした

気のせいかと思いつつ、残りを全て手早く入れてから玄関に向かうと丁度チャイムが鳴った
「おかえり」
「あ、うん、ただいま」
少し微妙な顔をしてる、学校で何かあったのかな？
とちょっと心配になって顔を覗き込む
「彰くん、平気？学校でなんかあった？」
そう私が言うと、うーんそうじゃないかな。とちょっとだけ笑って私の手に洗濯物を渡して来た

私はありがとうと言って手の中のものを確認する
そこには愛用している黒のTバッグの姿があり、私はピシリと固まってしまう
「………あ」
もう言葉が出てこない。恥ずかしい、いや、みんなこれくらい履いておる？！いや、そうゆう事じゃない。彰に見られた、どうしよう。どうしようもしない。大人ですから、ちょっと照れるわぁー
この間1秒。頭に思考が駆け巡る
は、ははは、と笑顔が引き攣りながらチラリと彰くんを見ると
そこにはニッコリと笑顔を浮かべる彰くん

「凄いの履くんだね」
今度履いてる所見せてねと爽やかな笑顔でそうそうと立ち去っていった

あなどれない。仙道彰　
ちょっと照れ臭くなりながら、買ってきた植物などの整理をしたのであった



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