真夏の恋の夢
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11時過ぎに陵南高校に到着した私はズッシリとしたお弁当箱と買ってきたペットボトルの重みにはぁはぁと息を切らせながら運んでいた
何人かのユニフォームを着たあどけなさ残る生徒達が水飲み場でチラチラとこちらを見ているが手伝ってはくれなさそうだ。彼等のユニフォームのブルーを見ていると、何だか少し懐かしくなって私はフッと高校の頃を思い出した
体育館で派手に転んだ事や、初めて彼氏が出来た事。勉強が難しくて先生によく怒られたり友達と愚痴を言った事
そんな事を考えていると、スッと差し出された手が荷物を掴み
お姉さん、持ちますよと爽やかな声がする
声に振り返れば陽に焼けた肌の逞しい男性と、ニカっと笑顔の可愛らしい男性がジャージで立っていた
「あ、ありがとうございます。助かります」
「君どこいくの?学校の先生?」
「ここが母校なだけで全然先生とかじゃないんですよ。ここ、今バスケットやってますよね?」
「ああ。生徒の試合は今やってるよ」
「え?生徒の試合意外で何かあるんですか?」
「今日はちょっとその後にあるんだよ。まぁ、朝決まったんだけどね」
とりあえず荷物運ぶよと言ってくれたハンサムな男性にお礼を言うともう1人が俺はノブナガ。よろしくと言って電話番号を聞いて来たのでちょっと苦笑いでnoと返せば、牧と名乗ったハンサムな男性に注意されていた
彼等の後ろをくっついて体育館の中に入ると、丁度ホイッスルが鳴り後半戦が始まった様だ
あまり邪魔をしてはいけないので、牧さんに見学はどこに入れば良いですか?と聞くとここに居ればいいんじゃないか?と言って体育館の隅に座ったノブナガさんの横に荷物を置いた
体育館内を見れば彰は陵南側の選手達と一緒にパイプ椅子に座って真剣に試合を見ている。今は声を掛ける訳にはいかないし、まぁ何とかなるだろうと思いノブナガさんと牧さんの言葉に甘えて座らせてもらうと、2人が陵南の4番は良い選手だなとか話しているのを聞きながら、せっかくなので私もバスケットを詳しくは分からないが集中して試合を見る事にした
しばらく静かに試合に熱中していると、肩を叩かれて振り向く
「そーいえば、可愛い子ちゃん。名前は?」
「雪那です。…ノブナガくんのが可愛いよ」
「ははは、一本取られたな。清田」
可愛いと言われて唖然としてるノブナガくんに私と牧さんが笑っていると、ホイッスルが鳴った
どうやら試合は終わった様で、88対62で陵南の勝ちと審判が言ってから両者が頭を下げて挨拶をする
遠目でも分かる程、赤いユニフォームを来た生徒達は悔しそうにしていた。彰の周りに集まった陵南の選手達は皆嬉しそうに笑顔で彰に何かを言っている様だ
彰が嬉しそうに生徒と話しているのを見て、何だか私もちょっと嬉しくなった
昔は生徒側だったのにコーチ側になるんだなと月日の流れの速さもじっくりと感じる
「仙道は穏やかだから生徒から人気がありそうだな。」
「分かりませんよー。意外に腹黒で、彼女とかにドSとかかもしれないっすよ」
「お前はよくそんな事言えるな…」
「ふふふふ。めっちゃ面白い」
思わず吹き出してしまった私に、2人はそれを見て小さく首を傾げる
その時、向こうから私を見つけた様に彰が走ってくるのが見えてまだ可笑しい余韻に浸りながら立ち上がった
「雪那、荷物重かった?大丈夫?」
「牧さん達が手伝ってくれたよ」
「どうして3人で居るのかあっちから見てて不思議だったよ。そうゆう事か。すみません牧さん、ノブナガくんもありがとね」
「いや、仙道の知り合いだったのか。」
「ああ、彼女です」
そう、彰が言った途端にノブナガ君はゲェと嫌そうな顔をして私はまた吹き出してしまう
「えっ?何?」
「すまんな、仙道。コイツが雪那ちゃんに電話番号を聞いたんだが。お前の彼女だと知らなかったんだ。許してやってくれ」
「ははは、何だ。教えなかったと思うから良いよ」
「ほら、雪那ちゃん。仙道ドSだろ」
爽やかに笑った彰に、げんなりとした顔でノブナガくんが私に耳打ちして来てまた私は笑ってしまう
「彰、休憩は出来るの?お弁当作って来たから食べる?」
「1時間くらい昼休憩してからで良いですか?まだ流川達も来てないので」
「ああ。俺達もどっかで食ってくるよ」
「あの牧さん、沢山あるので良かったら食べて下さい。物凄く平凡なお弁当ですけど」
「いいのか?仙道」
「どうぞ、彼女料理上手ですよ」
ニコッっと笑った彰に、ノブナガ君はやったと嬉しそうに目を輝かせた。大した物は入っていないし、こんなに食べそうなデカい男達ばかりで足りるかなと思ったが、言ってしまった手前何も言わずに3人の食べっぷりを黙って見ている事にした
3人共良く食べるのは何となく予想がついたが、何より目が離せなかったのは牧さんの食べ方の上品な事。
ハンサムなのに謙虚で育ちが良いんですね。と思わず口に出すと、牧さんは困った様に笑い、それを見て彰はぷっと麦茶を吹き出していた
うーっすと声がして、全員がそちらの方を振り返るとまたもや背の高い男性達が体育館に入ってきて彰や牧さん、ノブナガくんが手を挙げてこちらだと合図をした
元湘北のバスケ部の奴らだよとこちらに歩いて来た3人を見ながら私に教えてくれた彰は、久しぶりだな言いながら立ち上がる
牧さんもノブナガ君も立ち上がったので、何となく私も立ち上がり頭を下げた
「よぉ、センドーにじい。ノザルも久しぶりだな」
「うす」
「魚住はまだ来てないのか?仙道」
「桜木と流川は相変わらずだな、魚住さんは昼時は仕事が忙しいので少し遅くなると連絡が来ました。まぁ赤木さんが来ている事は知ってるので必ず来ますよ。まず3on3でやってましょ」
桜木と呼ばれた男とノブナガ君がじゃれていると、流川と呼ばれた人がお弁当の中の卵焼きを睨む様に見つめている。
タッパをとり、食べますか?と差し出すと、おにぎりも下さいと敬語で言って来たので思わずどうぞと差し出してしまった
最後のおにぎりを頬張る彼を見て、赤木さんが流川がすみません、えっと、、と少し困った様に声を掛けてきた
「あっ、自己紹介遅れてすみません。元陵南高校の雪那です。美術部です」
そう言って来たばかりの3人に頭を下げると、何故か全員に笑われたので恥ずかしくて下を向いた
しばらく談笑しながら食事をしたり飲み物を飲んでいると、汗を垂らしながらまた男性が2人と女性が1人体育館に入って来た
デカいのが、魚住さんで小さいのが宮城。女性の人は宮城の奥さんの彩子さん。彰がそう教えてくれたのでとりあえず名前だけは覚えようしっかり顔を目にやきつけた
牧さんが手を挙げてその人達を迎え、皆んなで軽く挨拶を交わすと今度は直ぐに全員でウォームアップを初めてからコートの中に入ってく
彩子さんが始めるよーと元気な声を出すと、魚住さんと赤木さんがジャンプボールをする位置に立った
そこからは、もう口を開けて見ているしか無かった
彰、赤木さん、流川くん、ノブナガくんチーム
牧さん、魚住さん、桜木くん、宮城さん人チーム
バスケをやった事、見た事が無い私でも分かるハイレベルな試合にただ、ボールを持った彼等を目で追い
ゴールに入ると手を挙げて1人感動しながら喜んだ
後半に、彰が流川くんに抜かれた時はついつい大声で何抜かれてんのぉぉ!!先輩の意地見せろやぁぁ何て叫んでしまって、皆に笑われてしまい反省した
試合が終わっても、1on1をやったりと中々帰るムードにはならなかったので彩子さんとお喋りをしていると、彰が私の隣に座って会話に混ざってきた
「彰、彩子さんと宮城さんてずっと高校から一緒なんだってね。凄いね」
「ん?ああ。宮城は彩子さんが試合見てると気合の入り方が違うからね。良い奥さんでありマネージャーでもあるよね」
「仙道くんはやっぱり言う事が大人ねぇ。湘北軍団も見習って欲しいわ…特に花道」
「ふふ、桜木くんが彰みたいになったら何か寂しいかも」
「まあ、あれはあれだから良いのかもな」
目線を桜木くんに向けると、流川くんに勝負を挑みシカトされて大激怒している。聞けば湘北では日常的な事らしく、今は誰も止めないらしい
「…お願いしまっす」
桜木くんをシカトして彰の所まで来た流川くんは、そう言って彰にボールを渡した。フッと笑った彰は負けねぇぞと笑うと立ち上がる
流川くんが、彼女の前だからってかっこつけるとまたぬきますよとボソリと呟くと
お前はそーゆー事言うキャラだっけ?!と彰が驚いた様に笑った
日が暮れかけて来て、彩子さんとそろそろ家に帰って夕飯の準備をしないとねと話していると皆も疲れて来たのか段々とお開きのムードになってきた
挨拶を交わし、またやろうなと言いながら帰っていく皆に頭を下げてから彰と簡単に掃除をして忘れ物が無いかチェックをして体育館の鍵をかける
鍵を職員さんに渡しに行って帰ってくると、時刻は6時になっていた
「お疲れ様、疲れたでしょ?」
「慣れてるから平気だよ。それよりありがとうな。色々作って来てくれたり助かったよ」
「いや、全然足りなくてごめん」
最後のおにぎりとおかずを頬張る流川くんを見て、桜木くんの俺の分は無いのか?との問いかけを思い出して小さく笑った私に、彰は俺の分があればいーのさとのんびりとした口調で言って肩を抱いてくる
今日のメンバーは面白かったと、はしゃぐ私にニコニコとしながら頷くと私の乗って来た自転車にまたがり私が後ろに乗ったのを確認してから走り出した
ツンツンとした髪が汗でワックスが落ちたのか、しんなりと垂れ下がり色っぽい。後ろから抱き締めて彼のシャツに顔を寄せて目を瞑ると、何だか少しだけ疲れが飛んでいく様な気がした
私の家に着き、お弁当箱やペットボトルのゴミを洗ってからゆっくりとテレビを見ながら珈琲を飲んでいると彰がニッコリと笑顔を向けてくる
「どしたの?お腹空いた?」
「一緒にお風呂入ろう」
「暑いからシャワーで済ませるから湯船はいーよー」
「疲れがとれるよ、はい行こ行こ」
背中を押され風呂場まで引っ張られると、いつの間にか浴槽に溜まっているお湯に準備が良いなぁと思いつつ恥ずかしがらずに全裸になる彰に私はちょっとだけそっぽを向きながら服に手を掛けた
流れてくるシャワーが頭上から降り注ぎ、全身を濡らし気持ちが良い。暑いのに熱いお湯が気持ちよくて目を瞑って息を吐くと後ろから回ってきた手が体中を優しく撫でる
「私は自分で洗えるよ」
「いや、俺が洗う」
何でよ…と呆れ笑いをすると、彰の手が秘部に触れ少しヌルッとした感触がして恥ずかしくて知らないフリをする
フッと後ろで小さく笑う声が聞こえて、ゆっくりと入ってきた彰のものがぎっちりと蓋をする様に奥まで入ると少し苦しくて身を捩ってしまった
「んー。ちょっと苦しいな…」
「ごめん、ちょっと待てないかも」
後ろから両手で胸を揉まれながら首筋甘噛みされて、思わず下半身に力が入ってしまうと後ろで一瞬だけ唸る声がして愛しくなりそのまま体勢を変えて彼の唇に口付けをすると彰は目を瞑ったまま激しく腰を打ちつけてきた
「はぁ、ヤバい。もうもたない」
「ねぇ…そういえば、ゴムは?」
「するの忘れちゃった。今日ので出来たら結婚しちゃおうか」
ニコッっと笑った彰にボフっと音が鳴るくらい顔が熱くなり、嬉しくて心臓が高鳴って涙が出て来てしまう
まだ付き合って間もないのにそこまで思っていてくれるなんて。嬉しすぎて彰の鎖骨に顔を埋めると、返事は無いの?と色っぽい声で囁かれて思わずコクコクと10回くらい首を縦に振る
少し無言が続き、次に耳に入ってきた声はせっかくだからこのまま続けてするねだった
この後、熱くてのぼせた私が夕方から寝込み次の日まで寝っぱなしになってしまって彰は珍しくしょぼくれた犬の様に反省してこれ以降お風呂でする事はなくなったのであった
何人かのユニフォームを着たあどけなさ残る生徒達が水飲み場でチラチラとこちらを見ているが手伝ってはくれなさそうだ。彼等のユニフォームのブルーを見ていると、何だか少し懐かしくなって私はフッと高校の頃を思い出した
体育館で派手に転んだ事や、初めて彼氏が出来た事。勉強が難しくて先生によく怒られたり友達と愚痴を言った事
そんな事を考えていると、スッと差し出された手が荷物を掴み
お姉さん、持ちますよと爽やかな声がする
声に振り返れば陽に焼けた肌の逞しい男性と、ニカっと笑顔の可愛らしい男性がジャージで立っていた
「あ、ありがとうございます。助かります」
「君どこいくの?学校の先生?」
「ここが母校なだけで全然先生とかじゃないんですよ。ここ、今バスケットやってますよね?」
「ああ。生徒の試合は今やってるよ」
「え?生徒の試合意外で何かあるんですか?」
「今日はちょっとその後にあるんだよ。まぁ、朝決まったんだけどね」
とりあえず荷物運ぶよと言ってくれたハンサムな男性にお礼を言うともう1人が俺はノブナガ。よろしくと言って電話番号を聞いて来たのでちょっと苦笑いでnoと返せば、牧と名乗ったハンサムな男性に注意されていた
彼等の後ろをくっついて体育館の中に入ると、丁度ホイッスルが鳴り後半戦が始まった様だ
あまり邪魔をしてはいけないので、牧さんに見学はどこに入れば良いですか?と聞くとここに居ればいいんじゃないか?と言って体育館の隅に座ったノブナガさんの横に荷物を置いた
体育館内を見れば彰は陵南側の選手達と一緒にパイプ椅子に座って真剣に試合を見ている。今は声を掛ける訳にはいかないし、まぁ何とかなるだろうと思いノブナガさんと牧さんの言葉に甘えて座らせてもらうと、2人が陵南の4番は良い選手だなとか話しているのを聞きながら、せっかくなので私もバスケットを詳しくは分からないが集中して試合を見る事にした
しばらく静かに試合に熱中していると、肩を叩かれて振り向く
「そーいえば、可愛い子ちゃん。名前は?」
「雪那です。…ノブナガくんのが可愛いよ」
「ははは、一本取られたな。清田」
可愛いと言われて唖然としてるノブナガくんに私と牧さんが笑っていると、ホイッスルが鳴った
どうやら試合は終わった様で、88対62で陵南の勝ちと審判が言ってから両者が頭を下げて挨拶をする
遠目でも分かる程、赤いユニフォームを来た生徒達は悔しそうにしていた。彰の周りに集まった陵南の選手達は皆嬉しそうに笑顔で彰に何かを言っている様だ
彰が嬉しそうに生徒と話しているのを見て、何だか私もちょっと嬉しくなった
昔は生徒側だったのにコーチ側になるんだなと月日の流れの速さもじっくりと感じる
「仙道は穏やかだから生徒から人気がありそうだな。」
「分かりませんよー。意外に腹黒で、彼女とかにドSとかかもしれないっすよ」
「お前はよくそんな事言えるな…」
「ふふふふ。めっちゃ面白い」
思わず吹き出してしまった私に、2人はそれを見て小さく首を傾げる
その時、向こうから私を見つけた様に彰が走ってくるのが見えてまだ可笑しい余韻に浸りながら立ち上がった
「雪那、荷物重かった?大丈夫?」
「牧さん達が手伝ってくれたよ」
「どうして3人で居るのかあっちから見てて不思議だったよ。そうゆう事か。すみません牧さん、ノブナガくんもありがとね」
「いや、仙道の知り合いだったのか。」
「ああ、彼女です」
そう、彰が言った途端にノブナガ君はゲェと嫌そうな顔をして私はまた吹き出してしまう
「えっ?何?」
「すまんな、仙道。コイツが雪那ちゃんに電話番号を聞いたんだが。お前の彼女だと知らなかったんだ。許してやってくれ」
「ははは、何だ。教えなかったと思うから良いよ」
「ほら、雪那ちゃん。仙道ドSだろ」
爽やかに笑った彰に、げんなりとした顔でノブナガくんが私に耳打ちして来てまた私は笑ってしまう
「彰、休憩は出来るの?お弁当作って来たから食べる?」
「1時間くらい昼休憩してからで良いですか?まだ流川達も来てないので」
「ああ。俺達もどっかで食ってくるよ」
「あの牧さん、沢山あるので良かったら食べて下さい。物凄く平凡なお弁当ですけど」
「いいのか?仙道」
「どうぞ、彼女料理上手ですよ」
ニコッっと笑った彰に、ノブナガ君はやったと嬉しそうに目を輝かせた。大した物は入っていないし、こんなに食べそうなデカい男達ばかりで足りるかなと思ったが、言ってしまった手前何も言わずに3人の食べっぷりを黙って見ている事にした
3人共良く食べるのは何となく予想がついたが、何より目が離せなかったのは牧さんの食べ方の上品な事。
ハンサムなのに謙虚で育ちが良いんですね。と思わず口に出すと、牧さんは困った様に笑い、それを見て彰はぷっと麦茶を吹き出していた
うーっすと声がして、全員がそちらの方を振り返るとまたもや背の高い男性達が体育館に入ってきて彰や牧さん、ノブナガくんが手を挙げてこちらだと合図をした
元湘北のバスケ部の奴らだよとこちらに歩いて来た3人を見ながら私に教えてくれた彰は、久しぶりだな言いながら立ち上がる
牧さんもノブナガ君も立ち上がったので、何となく私も立ち上がり頭を下げた
「よぉ、センドーにじい。ノザルも久しぶりだな」
「うす」
「魚住はまだ来てないのか?仙道」
「桜木と流川は相変わらずだな、魚住さんは昼時は仕事が忙しいので少し遅くなると連絡が来ました。まぁ赤木さんが来ている事は知ってるので必ず来ますよ。まず3on3でやってましょ」
桜木と呼ばれた男とノブナガ君がじゃれていると、流川と呼ばれた人がお弁当の中の卵焼きを睨む様に見つめている。
タッパをとり、食べますか?と差し出すと、おにぎりも下さいと敬語で言って来たので思わずどうぞと差し出してしまった
最後のおにぎりを頬張る彼を見て、赤木さんが流川がすみません、えっと、、と少し困った様に声を掛けてきた
「あっ、自己紹介遅れてすみません。元陵南高校の雪那です。美術部です」
そう言って来たばかりの3人に頭を下げると、何故か全員に笑われたので恥ずかしくて下を向いた
しばらく談笑しながら食事をしたり飲み物を飲んでいると、汗を垂らしながらまた男性が2人と女性が1人体育館に入って来た
デカいのが、魚住さんで小さいのが宮城。女性の人は宮城の奥さんの彩子さん。彰がそう教えてくれたのでとりあえず名前だけは覚えようしっかり顔を目にやきつけた
牧さんが手を挙げてその人達を迎え、皆んなで軽く挨拶を交わすと今度は直ぐに全員でウォームアップを初めてからコートの中に入ってく
彩子さんが始めるよーと元気な声を出すと、魚住さんと赤木さんがジャンプボールをする位置に立った
そこからは、もう口を開けて見ているしか無かった
彰、赤木さん、流川くん、ノブナガくんチーム
牧さん、魚住さん、桜木くん、宮城さん人チーム
バスケをやった事、見た事が無い私でも分かるハイレベルな試合にただ、ボールを持った彼等を目で追い
ゴールに入ると手を挙げて1人感動しながら喜んだ
後半に、彰が流川くんに抜かれた時はついつい大声で何抜かれてんのぉぉ!!先輩の意地見せろやぁぁ何て叫んでしまって、皆に笑われてしまい反省した
試合が終わっても、1on1をやったりと中々帰るムードにはならなかったので彩子さんとお喋りをしていると、彰が私の隣に座って会話に混ざってきた
「彰、彩子さんと宮城さんてずっと高校から一緒なんだってね。凄いね」
「ん?ああ。宮城は彩子さんが試合見てると気合の入り方が違うからね。良い奥さんでありマネージャーでもあるよね」
「仙道くんはやっぱり言う事が大人ねぇ。湘北軍団も見習って欲しいわ…特に花道」
「ふふ、桜木くんが彰みたいになったら何か寂しいかも」
「まあ、あれはあれだから良いのかもな」
目線を桜木くんに向けると、流川くんに勝負を挑みシカトされて大激怒している。聞けば湘北では日常的な事らしく、今は誰も止めないらしい
「…お願いしまっす」
桜木くんをシカトして彰の所まで来た流川くんは、そう言って彰にボールを渡した。フッと笑った彰は負けねぇぞと笑うと立ち上がる
流川くんが、彼女の前だからってかっこつけるとまたぬきますよとボソリと呟くと
お前はそーゆー事言うキャラだっけ?!と彰が驚いた様に笑った
日が暮れかけて来て、彩子さんとそろそろ家に帰って夕飯の準備をしないとねと話していると皆も疲れて来たのか段々とお開きのムードになってきた
挨拶を交わし、またやろうなと言いながら帰っていく皆に頭を下げてから彰と簡単に掃除をして忘れ物が無いかチェックをして体育館の鍵をかける
鍵を職員さんに渡しに行って帰ってくると、時刻は6時になっていた
「お疲れ様、疲れたでしょ?」
「慣れてるから平気だよ。それよりありがとうな。色々作って来てくれたり助かったよ」
「いや、全然足りなくてごめん」
最後のおにぎりとおかずを頬張る流川くんを見て、桜木くんの俺の分は無いのか?との問いかけを思い出して小さく笑った私に、彰は俺の分があればいーのさとのんびりとした口調で言って肩を抱いてくる
今日のメンバーは面白かったと、はしゃぐ私にニコニコとしながら頷くと私の乗って来た自転車にまたがり私が後ろに乗ったのを確認してから走り出した
ツンツンとした髪が汗でワックスが落ちたのか、しんなりと垂れ下がり色っぽい。後ろから抱き締めて彼のシャツに顔を寄せて目を瞑ると、何だか少しだけ疲れが飛んでいく様な気がした
私の家に着き、お弁当箱やペットボトルのゴミを洗ってからゆっくりとテレビを見ながら珈琲を飲んでいると彰がニッコリと笑顔を向けてくる
「どしたの?お腹空いた?」
「一緒にお風呂入ろう」
「暑いからシャワーで済ませるから湯船はいーよー」
「疲れがとれるよ、はい行こ行こ」
背中を押され風呂場まで引っ張られると、いつの間にか浴槽に溜まっているお湯に準備が良いなぁと思いつつ恥ずかしがらずに全裸になる彰に私はちょっとだけそっぽを向きながら服に手を掛けた
流れてくるシャワーが頭上から降り注ぎ、全身を濡らし気持ちが良い。暑いのに熱いお湯が気持ちよくて目を瞑って息を吐くと後ろから回ってきた手が体中を優しく撫でる
「私は自分で洗えるよ」
「いや、俺が洗う」
何でよ…と呆れ笑いをすると、彰の手が秘部に触れ少しヌルッとした感触がして恥ずかしくて知らないフリをする
フッと後ろで小さく笑う声が聞こえて、ゆっくりと入ってきた彰のものがぎっちりと蓋をする様に奥まで入ると少し苦しくて身を捩ってしまった
「んー。ちょっと苦しいな…」
「ごめん、ちょっと待てないかも」
後ろから両手で胸を揉まれながら首筋甘噛みされて、思わず下半身に力が入ってしまうと後ろで一瞬だけ唸る声がして愛しくなりそのまま体勢を変えて彼の唇に口付けをすると彰は目を瞑ったまま激しく腰を打ちつけてきた
「はぁ、ヤバい。もうもたない」
「ねぇ…そういえば、ゴムは?」
「するの忘れちゃった。今日ので出来たら結婚しちゃおうか」
ニコッっと笑った彰にボフっと音が鳴るくらい顔が熱くなり、嬉しくて心臓が高鳴って涙が出て来てしまう
まだ付き合って間もないのにそこまで思っていてくれるなんて。嬉しすぎて彰の鎖骨に顔を埋めると、返事は無いの?と色っぽい声で囁かれて思わずコクコクと10回くらい首を縦に振る
少し無言が続き、次に耳に入ってきた声はせっかくだからこのまま続けてするねだった
この後、熱くてのぼせた私が夕方から寝込み次の日まで寝っぱなしになってしまって彰は珍しくしょぼくれた犬の様に反省してこれ以降お風呂でする事はなくなったのであった