歩くような速さで
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ぐずぐずと眠いぃ怠いとグズる私に隆は「それならベッドで寝ろ」と言って私の体を持ち上げようと背中と膝に手を入れて来たので彼の首に手を回す。いつまで経っても浮かない体に首を傾げて隆を見つめれば私の事を見つめていた
「……」
「どしたのたかちゃん?重すぎて上がらない?」
「……八戒黙っとれ」
「……かなり熱いな。 雪那 熱あるわ」
後、筋肉が落ちたのか体に力が入らねぇと、ちょっと悔しそうに言った隆にやっぱりちゃんとご飯食べなきゃと言って目の前にある彼の頬を撫でて微笑んだ。直ぐに隣から、たかちゃんに触るなブスと小さく聞こえたが頑なに無視をする事にした
掃除機をかけている時に関節の痛みを感じたが気のせいじゃ無かったのかと荒くなってきた自分の呼吸に少し酷くなりそうだと心配になってきた。クッションを抱きながら今にも寝てしまいそうになり朦朧としていると、いきなり体が宙に浮いて目を開ければ嫌そうな八戒の顔が目の前にあった
「……こっち見んな」
「きぃぃぃ……何か凄い腹立つ」
「悪ぃな、八戒。寝室あっち」
「隆、八戒は良いけど隆は絶対部屋に入らないで」
「はっ?何でだよ」
「……今隆が倒れたらショーに間に合わないでしょ。伝染らないように直ぐに家から出て」
私の言葉を聞いて口を開かなくなった隆は、心配そうな顔で頷くと部屋には入らずに手を振る私を眉を下げて見つめていた。「あ、八戒は薬買ってきて」と言ってバシバシと背中を叩く私に、睨みながら舌打ちした八戒は私の事をベッドに下ろすとくるりと背を向け早足で部屋を出て行った
「女の子に触ったのにまるで女を感じなかった」と隆に話す八戒の声が扉越しに聞こえて来たのでクッションを扉に投げつけ、そのままもぞもぞと布団に入りくるまっていると、少し覚めていた眠気も戻ってきて布団の温かさを感じながらそのまま眠りについた
ゴホゴホと自分の咳で目が覚めると部屋も窓の外も真っ暗だった。リモコンで電気を付けると携帯の横に風邪薬と水、飲むタイプのゼリーが置かれていて何だか少しだけ自然と笑みが溢れる
八戒買って来てくれたのかと、有難みを感じながらゼリーを口に入れ薬も一緒に飲み込んだ。ハッキリと覚えてないけど、隆と付き合って初めて八戒に会ったのはどれくらい経った頃だろうか
初っ端から品定めをして来るように上から下まで見られ、最初は大人の対応を決め込んでいたが会う度に難癖を付けてくる八戒に私は言いたい事を言う様になっていった。初めて、「たかちゃんに触るな」と言われた時急にじわじわとイタズラ心が芽生え、隆の目元にキスをしてニタァと気持ちが悪く笑ってやると、悔しそうな顔をした八戒が面白すぎてそれから毎回それを繰り返している
呆れた様な顔で毎回私達を見ている柚葉と隆の顔ももう見慣れてしまった
結局、仕事も出来ない学校にも行けずで隆にご飯も作ってあげれなかった。熱があるからか、疲れて弱っているのか。堀北君の事もあり、やつれた隆、ドラちゃんの事。割と精神的にグサリとささり心も体も疲れきっている様な気がしてしまう。
こんな時は寝てしまおう。電気を消してそのまま目を瞑り今は何も考えない方が良いと思った。明日はいい事あります様にとか考えているとゆっくりだが寒気が引いてきた様に感じて私は目を閉じた
カチャカチャと何やら音がして目が覚めると、何だか眩しい気がした。直ぐ近くからボソボソと聞こえてくる男の話し声に少しだけ驚いて目を開けると、金色の髪と可愛らしい顔が目の前にあってパチパチと瞬きを繰り返してしまった
「あ、起きました?具合どうですか?」
「……ちーちゃん……」
「三ツ谷君に頼まれて来ました。寄り戻ったって聞いて安心しましたよ」
「 雪那ちゃん、大丈夫??ご飯あるからね」
「……タケミチくんも来てくれたんだね」
「……よぉ、平気か??」
「いぬぴー居るじゃん。珍しくない?」
「お前声ガラガラじゃん」
「……うん、皆ありがと。助かるよ」
寝起きだし、化粧してないからちょっと恥ずかしいな何て3人の顔を見ながら考えていると、湯気が出ているお皿を差し出してきたタケミチ君は「温まりますよ」と言って私をニコニコと見つめていた。ゆっくり上半身を起こして受け取ると何だかお腹が空いた感覚がして、香りがまた食欲を刺激してくる
「三ツ谷くんが、これ食べさせてくれって」
「……隆のおかゆ久しぶりかも」
「……雪那さんと寄り戻って安心したって言ったら、いつの間にかアイツを抱き起こす事も出来なくなってたから。これからちゃんと食って筋トレするって言ってましたよ」
「三ツ谷、……けっこう参ってたよな」
「……隆は言った事はちゃんとやる人だから大丈夫だと思う。……安心したよ」
3人が頷いている姿を見ながら温かいお粥を口に運ぶと優しい味がして、直ぐにペロリと平らげてしまった。「飲んで下さい」とちーちゃんが渡してきた薬を水で流し込むと、体を優しく倒されて布団を胸まで掛けられて少し笑ってしまった。3人と居るとドッグカフェに来たような気分で癒されたが、「所で何でそんな変なTシャツ着てんの?」と私が聞くとちーちゃんは何故か口をきいてくれなくなった
何だかんだ面倒見が良いのか、それから3人は洗い物からゴミ捨てまでしてくれて一通りの家事が終わると何かあったらまた連絡くれと言って鍵を掛けて家を出て行った。3人が帰ってから携帯を見ればLINEに隆から「具合は?」と一言だけメッセージがきていた
体は大丈夫だよって事と今小型のワンコ3人帰ったよって内容で送ると、いぬぴーは中型犬じゃね?と返信が来て一人でケラケラと声に出して笑ってしまう
今日はご飯食べた?
ハンバーグ2個食った
デザインどぉ?
先週より捗ってる気がする
隆と一緒に寝たいなー
治ったらな
んもぉ。俺もって言ってよ
笑わすな
そんな一言LINEをしていると、段々と心が元気になった気がして来て自然と私の顔は笑みが浮かんでいた。隆に会いたいなと思っていると、ふと先程タケミチ君が言っていた言葉を思い出した
「……マイキー君と戦ってきます。三ツ谷君にはうちのチームに入って貰う様に頼みました」
そう言って頭を下げてごめんなさいと呟いたタケミチ君の頭を優しく撫でると、自然と出てきた言葉は隆を巻き込まないで欲しいとか、隆が心配とかそんなんじゃなくて「……戦うなら必ず勝ってね」の一言だった
それを聞いたちーちゃんは「勝利を捧げます女神様」と言って拳を握っていて、ちーちゃんを白い目で見ているいぬぴーにタケミチ君と私は可笑しくなって笑ってしまっていた。暴走族の抗争がどんな感じなのか私には分からないけれど、必ず隆はドラちゃんの気持ちを背負って行くだろうし本当はちょっと心配だけどそれも口に出さない方が良いと思ったのは3人がもう覚悟を決めた顔をしていたからだと思う。
「……危ない事皆してるよなぁ……本当に」
くしゅんと出てきたくしゃみに鼻を啜ると布団を被り直して目を瞑った。かなり寝ていたから寝れないだろうと思っていたけれど薬が効いてきたのか少しづつ意識は遠のいていった
目が覚めてすっかり熱が下がった感じがしたので直ぐに起き上がりシャワーを浴びていたらぐぅとお腹が鳴った。簡単に親子丼と味噌汁を作って口に運ぶと美味しくて1人前をしっかりペロリと平らげてしまう。この体調の感じなら具合はもう大丈夫そうだと思い髪を纏めてから直ぐに仕事に取り掛かった
疲れを感じて来て作業台からキッチンに移動し、朝いれて置いた珈琲を温め直していると外はすっかり夕焼けだった。大きめのタッパに鍋にある残りの親子丼を詰めて糠漬けをガラス容器に入れ保冷バッグパンパンに詰め込んでいく
財布だけポケットに入れてから荷物を持ってサンダルを引っ掛け早足で隆の家に向かった
アパートに到着してチャイムを鳴らすと誰も出て来ないのでドアノブを回せば鍵は開いていた。ドアからひょこっと顔を出すと、シーンとしている廊下だけが見えてそのままサンダルを脱いで上がると隆の部屋のドアをノックした
「隆いる?私だけど、入って良い?」
「…… 雪那?」
扉の中から自分の名前を呼ぶ声がしてから直ぐに扉が開いて、この間よりも大分顔色が良い隆に少しホッとすると「具合大丈夫なのか?」と優しく抱き締めてくる彼の背中に片手を回した
「治ったから親子丼作って来たよ」
「……本当に大丈夫なのか?」
そう言って少し屈んでから私の額に額をくっ付けてくる隆は「……熱下がってんな」と言って少しだけ微笑んだので、そのまま目の前にある唇に軽く口付けてから顔を離すと頭を掴まれて深く口付けされる
何だか久しぶりじゃないのに久しぶりな気がしてその隆の口付けがいつもより嬉しい気がした
「……ご飯食べる?」
「このままお前を食いたい……けど病み上がりだから我慢するわ」
「まだ伝染るかもしれないから私もキスはもう我慢する」
しょんぼりした様な顔を作ると隆は「かわい」と言って少しだけ微笑んだ。ちゅっと音を立てて額に軽く口付けしてから私の荷物を手に取るとリビングに向かったのでその後ろに続いた。ルナとマナが居ないし、テレビも付いていないリビングに入ると隆がキッチンに荷物を置いたのでそこから親子丼を取り出していると紅茶のパックを取り出してお湯を沸かし始めた隆と目が合った
「ねぇ、ルナとマナは?」
「お袋が迎えに行ってるからそろそろ帰ってくるんじゃね?」
「久しぶりにおばさんに逢えるの嬉しいな。じゃあ皆帰って来てからご飯あっためようか」
「 ……なぁ、もう1回キスして」
「……あのね、さっき駄目って言ったでしょ」
めっと言って鼻をつついた私の手を掴んで引き寄せると深く口付けしてくる隆が可愛くてついつい応えるように首に手を回してしまう。口の隙間から入って来た舌が優しく絡みついて「ん」と声を出すとカットソーの中に手を入れた右手がブラジャー越しに胸を触り思わず手でバシバシと背を叩いたが、スっとブラジャーの隙間から入り込んだ手が胸の先端に触れてびくっと体が動いてしまう
「んんん……」
隆はそのまま胸の先端を優しく撫でながら唇を離し、私の首筋に甘噛みしながら舌を這わせてくる。下っ腹の奥がキュンとしてきて「……ん……辛い……」とちょっと口に出してしまうとそれを聞いて嬉しそうにクスクスと笑いだした隆の鼻に噛み付いた
「痛ぇ」
「……何で笑うのよぉ」
「……いや、辛いって何?」
「…………内緒」
「……言わないともっと辛くすんぞ」
「むぅ。意地悪……」
何だかご機嫌な彼の頭に抱き着くと、胸の谷間に顔を埋めて舌を這わせて来た隆の耳元で「……これ以上は駄目」と言えば両手がお尻を掴んで来た所でドアが開く音がしてから「ただいまー」と明るいルナとマナの声が廊下に響き渡り即座に彼から離れて身なりを整えた
「 雪那ちゃん、来てたの」
「おばさん、ご無沙汰です」
「ただいま」
「おかえり」
ニコニコのおばさんと嬉しそうな顔のルナとマナに思わずこちらまで笑顔になってしまう。この間のハンバーグ美味しかったと言われて今日は親子丼ですよと返せば子供みたいにやったと万歳をしたおばさんが可愛くてつい笑ってしまう
私に紅茶をいれてくれている隆をマジマジと見たおばさんがホッとした様な優しい顔をした
「……あんたマシな面になったじゃない」
「……そうか?」
「あんたがゾンビみたいでお母さん心配したのよ」
ゾンビかよと渇いた笑いを零す隆に、私がケラケラと笑う。雪那ちゃん、隆がいつも心配かけてごめんねと言われついついお互い様なのでと返してしまう
「あんた雪那ちゃんに心配かけてばっかりいると結婚して貰えなくなるわよ」
「おばさん大丈夫です、隆は私がしっかりと嫁に頂いて、生活も安定出来るようにするので。任せてください」
「心強いわぁ。やっぱり女の子は強いわね」
「……俺もそれぐらいお前の母ちゃんに言えるようにならないとな」
「良く言った、隆。」
「良く言った!隆」
それを真似して、良く言った!たかしーとルナとマナが笑うと、女4人に言われた隆はやかましいわと言って困った様に笑った
久しぶりに三ツ谷家全員で食事をして、おばさんが夜勤の仕事に行くのを見送り、ルナとマナとお風呂に入ってから3人でリビングでアイスを食べていると時刻はもう20時を過ぎていた。そろそろ帰って残りの仕事片付けないといけないし、明日学校に行く準備もしなきゃなと思いながら帰り支度をしようと隆の部屋に入ると相変わらず集中して机に向かっている彼の背中はもう小さく感じなかった
「そろそろ帰って仕事するね」
「……一緒に寝たいんじゃねーの?」
んもぉ、誘惑しないでと言って首に抱きついた私に
ケラケラと笑った隆は私の腕を引き、自分の上に座らせて優しく口付けしてくる。何分経ったのだろう……テレビの音だけが部屋に響いていて私達の荒い呼吸をかき消してくれていた。「……さっきは出来なかったからな」と言って私のカットソーを脱がし露わになったブラジャーの上から胸に口付けを落とした隆の右手はスカートの中の太腿を這うように撫でてくる
「……ねぇ、帰れなくなっちゃうじゃん」
返事は無い。返事のかわりに私のショーツ侵入して来た中指がゆっくりと中を優しく掻き回すし、親指が肉芽を擦り腰がビクリと反射的に動く
「……今日は帰さねぇ。ごめんな」
色っぽい声で言われ、黙った私の中の良い所を刺激する様に動く指に自然に声が出てしまい慌てて口を塞いだ。鎖骨から首筋を舌が這って、中を刺激される指がもう一本増えると足がガクガクして来てしまい口から我慢していた声が漏れてきて気持ち良さで涙が滲んでくる。私のそんな顔を見て満足そうに微笑む隆に眉を寄せた
「……まだ2人、起きてるのに……」
「もうイきそう?けっこう中びしゃびしゃ」
「……言わなくていいって」
「もうちょい虐めちゃおーかな」
ニッコリと笑顔になった隆は、私の良い所を知り尽くしているのか果てそうになると止めてを繰り返してくる
「も、本当に、勘弁して……」
「……ちょっとやり過ぎたか。悪ぃ」
ガクガクと震えて足に力が入らない私を抱き上げてからベッドに下ろすと、躊躇無く自身をあてがって中に入ってきた瞬間に「んん」と口から漏れた声が部屋に響いてしまう。我慢していたのが長かったからか入っただけで軽く達してしまった私の腰を持ち容赦なく打ち付けて来た隆から逃れようと身を捩る
「あ、ぁぁぁ、いや、んんん」
「……もっと声聞きてーなー。」
「……お願い激しくしないで。あっちに聞こえちゃう……」
わかってると言って深く口付けをしながら奥に入ってくる感覚に膣がビクビクと隆を締め付ける。クッと小さく声を出した彼の頭を撫でようと手を伸ばすがその手を取られて後ろを向かされまた激しく打ち付けてくる彼に全然分かって無いじゃんと思いながら枕を抱きしめ声を我慢しながらまた達してしまった
「……うぅ。」
「悪ぃ、……全然我慢出来なかった」
「……眠くなっちゃったよぉ。帰る気も失せた」
「……寝ちゃおーぜ、今日は。」
何だかさ、空っぽだった胸がいっぱいでお前に触れたくてたまらなかったと小さく呟いて額にキスを落としてきた隆の顔を見て、仕方ないなぁと言いながら嬉しくなり微笑む。明日は忙しくなっちゃうけど、隆が幸せならいいかなと思った。抱き締めて鼻を擦り寄せた来た隆の手を握るとそのまま目を瞑る
なんだか、懐かしい記憶が蘇ってくる感じがした
小学校の時の記憶。お母さんが帰って来なくてお腹が空いて仕方なくて貯金箱から500円を取り出してコンビニに向かった。辺りはもう暗くて猫が鳴くだけでビクビクしてしまっていた気がする
トボトボと小さな足で歩いていた私に声を掛けてきたのは小さな妹を抱っこ紐で抱えた隆だった
「……三ツ谷君」
「お前、こんな時間に何してんの?」
「お腹空いちゃってさ」
「飯食ってねーの?母ちゃん仕事?」
「パパ居ないし、ママは彼氏のとこ」
「……お前も大変だな。コンビニ行くんだろ?付いてってやるよ」
「いいの?恐いから凄い助かる」
「いいよ。行こうぜ」
小さな隆はやんちゃで、この時から既に気は強かった気がする。コンビニでおにぎりを3つ買って隆に1つ渡して帰りたくない。寂しいって言った。
そんな私を家にあげてくれて二人でおにぎりを食べそのまま寄り添って眠ってしまった
「ねぇ、隆」
「ん?」
「小学校の時さ夜中にコンビニ連れてってくれたの覚えてる?」
「あー、何となくな。3年くらいの時か?」
「うん。あの時も私帰らなくて寝ちゃったよね。次の日の朝まで一緒に寝てた」
「まぁ、あん時は子供だったからな。ルナに対するような気持ちでお前を見てたよ」
「懐かしい。……あの時も手握っててくれたよね」
そう言った私に、あぁ。とだけ返した隆は目を瞑ってしまった。色々聞きたい事や話したい事が沢山あったけど何だか今はそれはいいやと思った。そのいいやは上手くいえないけどとても良いものに感じ、彼の腕に抱き着いて横顔を見つめていた
隆のあどけない寝顔を見ていると、私もウトウトしてきてしまう。体も心も満たされているような感じがして幸せな気分で目を瞑った
「……」
「どしたのたかちゃん?重すぎて上がらない?」
「……八戒黙っとれ」
「……かなり熱いな。 雪那 熱あるわ」
後、筋肉が落ちたのか体に力が入らねぇと、ちょっと悔しそうに言った隆にやっぱりちゃんとご飯食べなきゃと言って目の前にある彼の頬を撫でて微笑んだ。直ぐに隣から、たかちゃんに触るなブスと小さく聞こえたが頑なに無視をする事にした
掃除機をかけている時に関節の痛みを感じたが気のせいじゃ無かったのかと荒くなってきた自分の呼吸に少し酷くなりそうだと心配になってきた。クッションを抱きながら今にも寝てしまいそうになり朦朧としていると、いきなり体が宙に浮いて目を開ければ嫌そうな八戒の顔が目の前にあった
「……こっち見んな」
「きぃぃぃ……何か凄い腹立つ」
「悪ぃな、八戒。寝室あっち」
「隆、八戒は良いけど隆は絶対部屋に入らないで」
「はっ?何でだよ」
「……今隆が倒れたらショーに間に合わないでしょ。伝染らないように直ぐに家から出て」
私の言葉を聞いて口を開かなくなった隆は、心配そうな顔で頷くと部屋には入らずに手を振る私を眉を下げて見つめていた。「あ、八戒は薬買ってきて」と言ってバシバシと背中を叩く私に、睨みながら舌打ちした八戒は私の事をベッドに下ろすとくるりと背を向け早足で部屋を出て行った
「女の子に触ったのにまるで女を感じなかった」と隆に話す八戒の声が扉越しに聞こえて来たのでクッションを扉に投げつけ、そのままもぞもぞと布団に入りくるまっていると、少し覚めていた眠気も戻ってきて布団の温かさを感じながらそのまま眠りについた
ゴホゴホと自分の咳で目が覚めると部屋も窓の外も真っ暗だった。リモコンで電気を付けると携帯の横に風邪薬と水、飲むタイプのゼリーが置かれていて何だか少しだけ自然と笑みが溢れる
八戒買って来てくれたのかと、有難みを感じながらゼリーを口に入れ薬も一緒に飲み込んだ。ハッキリと覚えてないけど、隆と付き合って初めて八戒に会ったのはどれくらい経った頃だろうか
初っ端から品定めをして来るように上から下まで見られ、最初は大人の対応を決め込んでいたが会う度に難癖を付けてくる八戒に私は言いたい事を言う様になっていった。初めて、「たかちゃんに触るな」と言われた時急にじわじわとイタズラ心が芽生え、隆の目元にキスをしてニタァと気持ちが悪く笑ってやると、悔しそうな顔をした八戒が面白すぎてそれから毎回それを繰り返している
呆れた様な顔で毎回私達を見ている柚葉と隆の顔ももう見慣れてしまった
結局、仕事も出来ない学校にも行けずで隆にご飯も作ってあげれなかった。熱があるからか、疲れて弱っているのか。堀北君の事もあり、やつれた隆、ドラちゃんの事。割と精神的にグサリとささり心も体も疲れきっている様な気がしてしまう。
こんな時は寝てしまおう。電気を消してそのまま目を瞑り今は何も考えない方が良いと思った。明日はいい事あります様にとか考えているとゆっくりだが寒気が引いてきた様に感じて私は目を閉じた
カチャカチャと何やら音がして目が覚めると、何だか眩しい気がした。直ぐ近くからボソボソと聞こえてくる男の話し声に少しだけ驚いて目を開けると、金色の髪と可愛らしい顔が目の前にあってパチパチと瞬きを繰り返してしまった
「あ、起きました?具合どうですか?」
「……ちーちゃん……」
「三ツ谷君に頼まれて来ました。寄り戻ったって聞いて安心しましたよ」
「 雪那ちゃん、大丈夫??ご飯あるからね」
「……タケミチくんも来てくれたんだね」
「……よぉ、平気か??」
「いぬぴー居るじゃん。珍しくない?」
「お前声ガラガラじゃん」
「……うん、皆ありがと。助かるよ」
寝起きだし、化粧してないからちょっと恥ずかしいな何て3人の顔を見ながら考えていると、湯気が出ているお皿を差し出してきたタケミチ君は「温まりますよ」と言って私をニコニコと見つめていた。ゆっくり上半身を起こして受け取ると何だかお腹が空いた感覚がして、香りがまた食欲を刺激してくる
「三ツ谷くんが、これ食べさせてくれって」
「……隆のおかゆ久しぶりかも」
「……雪那さんと寄り戻って安心したって言ったら、いつの間にかアイツを抱き起こす事も出来なくなってたから。これからちゃんと食って筋トレするって言ってましたよ」
「三ツ谷、……けっこう参ってたよな」
「……隆は言った事はちゃんとやる人だから大丈夫だと思う。……安心したよ」
3人が頷いている姿を見ながら温かいお粥を口に運ぶと優しい味がして、直ぐにペロリと平らげてしまった。「飲んで下さい」とちーちゃんが渡してきた薬を水で流し込むと、体を優しく倒されて布団を胸まで掛けられて少し笑ってしまった。3人と居るとドッグカフェに来たような気分で癒されたが、「所で何でそんな変なTシャツ着てんの?」と私が聞くとちーちゃんは何故か口をきいてくれなくなった
何だかんだ面倒見が良いのか、それから3人は洗い物からゴミ捨てまでしてくれて一通りの家事が終わると何かあったらまた連絡くれと言って鍵を掛けて家を出て行った。3人が帰ってから携帯を見ればLINEに隆から「具合は?」と一言だけメッセージがきていた
体は大丈夫だよって事と今小型のワンコ3人帰ったよって内容で送ると、いぬぴーは中型犬じゃね?と返信が来て一人でケラケラと声に出して笑ってしまう
今日はご飯食べた?
ハンバーグ2個食った
デザインどぉ?
先週より捗ってる気がする
隆と一緒に寝たいなー
治ったらな
んもぉ。俺もって言ってよ
笑わすな
そんな一言LINEをしていると、段々と心が元気になった気がして来て自然と私の顔は笑みが浮かんでいた。隆に会いたいなと思っていると、ふと先程タケミチ君が言っていた言葉を思い出した
「……マイキー君と戦ってきます。三ツ谷君にはうちのチームに入って貰う様に頼みました」
そう言って頭を下げてごめんなさいと呟いたタケミチ君の頭を優しく撫でると、自然と出てきた言葉は隆を巻き込まないで欲しいとか、隆が心配とかそんなんじゃなくて「……戦うなら必ず勝ってね」の一言だった
それを聞いたちーちゃんは「勝利を捧げます女神様」と言って拳を握っていて、ちーちゃんを白い目で見ているいぬぴーにタケミチ君と私は可笑しくなって笑ってしまっていた。暴走族の抗争がどんな感じなのか私には分からないけれど、必ず隆はドラちゃんの気持ちを背負って行くだろうし本当はちょっと心配だけどそれも口に出さない方が良いと思ったのは3人がもう覚悟を決めた顔をしていたからだと思う。
「……危ない事皆してるよなぁ……本当に」
くしゅんと出てきたくしゃみに鼻を啜ると布団を被り直して目を瞑った。かなり寝ていたから寝れないだろうと思っていたけれど薬が効いてきたのか少しづつ意識は遠のいていった
目が覚めてすっかり熱が下がった感じがしたので直ぐに起き上がりシャワーを浴びていたらぐぅとお腹が鳴った。簡単に親子丼と味噌汁を作って口に運ぶと美味しくて1人前をしっかりペロリと平らげてしまう。この体調の感じなら具合はもう大丈夫そうだと思い髪を纏めてから直ぐに仕事に取り掛かった
疲れを感じて来て作業台からキッチンに移動し、朝いれて置いた珈琲を温め直していると外はすっかり夕焼けだった。大きめのタッパに鍋にある残りの親子丼を詰めて糠漬けをガラス容器に入れ保冷バッグパンパンに詰め込んでいく
財布だけポケットに入れてから荷物を持ってサンダルを引っ掛け早足で隆の家に向かった
アパートに到着してチャイムを鳴らすと誰も出て来ないのでドアノブを回せば鍵は開いていた。ドアからひょこっと顔を出すと、シーンとしている廊下だけが見えてそのままサンダルを脱いで上がると隆の部屋のドアをノックした
「隆いる?私だけど、入って良い?」
「…… 雪那?」
扉の中から自分の名前を呼ぶ声がしてから直ぐに扉が開いて、この間よりも大分顔色が良い隆に少しホッとすると「具合大丈夫なのか?」と優しく抱き締めてくる彼の背中に片手を回した
「治ったから親子丼作って来たよ」
「……本当に大丈夫なのか?」
そう言って少し屈んでから私の額に額をくっ付けてくる隆は「……熱下がってんな」と言って少しだけ微笑んだので、そのまま目の前にある唇に軽く口付けてから顔を離すと頭を掴まれて深く口付けされる
何だか久しぶりじゃないのに久しぶりな気がしてその隆の口付けがいつもより嬉しい気がした
「……ご飯食べる?」
「このままお前を食いたい……けど病み上がりだから我慢するわ」
「まだ伝染るかもしれないから私もキスはもう我慢する」
しょんぼりした様な顔を作ると隆は「かわい」と言って少しだけ微笑んだ。ちゅっと音を立てて額に軽く口付けしてから私の荷物を手に取るとリビングに向かったのでその後ろに続いた。ルナとマナが居ないし、テレビも付いていないリビングに入ると隆がキッチンに荷物を置いたのでそこから親子丼を取り出していると紅茶のパックを取り出してお湯を沸かし始めた隆と目が合った
「ねぇ、ルナとマナは?」
「お袋が迎えに行ってるからそろそろ帰ってくるんじゃね?」
「久しぶりにおばさんに逢えるの嬉しいな。じゃあ皆帰って来てからご飯あっためようか」
「 ……なぁ、もう1回キスして」
「……あのね、さっき駄目って言ったでしょ」
めっと言って鼻をつついた私の手を掴んで引き寄せると深く口付けしてくる隆が可愛くてついつい応えるように首に手を回してしまう。口の隙間から入って来た舌が優しく絡みついて「ん」と声を出すとカットソーの中に手を入れた右手がブラジャー越しに胸を触り思わず手でバシバシと背を叩いたが、スっとブラジャーの隙間から入り込んだ手が胸の先端に触れてびくっと体が動いてしまう
「んんん……」
隆はそのまま胸の先端を優しく撫でながら唇を離し、私の首筋に甘噛みしながら舌を這わせてくる。下っ腹の奥がキュンとしてきて「……ん……辛い……」とちょっと口に出してしまうとそれを聞いて嬉しそうにクスクスと笑いだした隆の鼻に噛み付いた
「痛ぇ」
「……何で笑うのよぉ」
「……いや、辛いって何?」
「…………内緒」
「……言わないともっと辛くすんぞ」
「むぅ。意地悪……」
何だかご機嫌な彼の頭に抱き着くと、胸の谷間に顔を埋めて舌を這わせて来た隆の耳元で「……これ以上は駄目」と言えば両手がお尻を掴んで来た所でドアが開く音がしてから「ただいまー」と明るいルナとマナの声が廊下に響き渡り即座に彼から離れて身なりを整えた
「 雪那ちゃん、来てたの」
「おばさん、ご無沙汰です」
「ただいま」
「おかえり」
ニコニコのおばさんと嬉しそうな顔のルナとマナに思わずこちらまで笑顔になってしまう。この間のハンバーグ美味しかったと言われて今日は親子丼ですよと返せば子供みたいにやったと万歳をしたおばさんが可愛くてつい笑ってしまう
私に紅茶をいれてくれている隆をマジマジと見たおばさんがホッとした様な優しい顔をした
「……あんたマシな面になったじゃない」
「……そうか?」
「あんたがゾンビみたいでお母さん心配したのよ」
ゾンビかよと渇いた笑いを零す隆に、私がケラケラと笑う。雪那ちゃん、隆がいつも心配かけてごめんねと言われついついお互い様なのでと返してしまう
「あんた雪那ちゃんに心配かけてばっかりいると結婚して貰えなくなるわよ」
「おばさん大丈夫です、隆は私がしっかりと嫁に頂いて、生活も安定出来るようにするので。任せてください」
「心強いわぁ。やっぱり女の子は強いわね」
「……俺もそれぐらいお前の母ちゃんに言えるようにならないとな」
「良く言った、隆。」
「良く言った!隆」
それを真似して、良く言った!たかしーとルナとマナが笑うと、女4人に言われた隆はやかましいわと言って困った様に笑った
久しぶりに三ツ谷家全員で食事をして、おばさんが夜勤の仕事に行くのを見送り、ルナとマナとお風呂に入ってから3人でリビングでアイスを食べていると時刻はもう20時を過ぎていた。そろそろ帰って残りの仕事片付けないといけないし、明日学校に行く準備もしなきゃなと思いながら帰り支度をしようと隆の部屋に入ると相変わらず集中して机に向かっている彼の背中はもう小さく感じなかった
「そろそろ帰って仕事するね」
「……一緒に寝たいんじゃねーの?」
んもぉ、誘惑しないでと言って首に抱きついた私に
ケラケラと笑った隆は私の腕を引き、自分の上に座らせて優しく口付けしてくる。何分経ったのだろう……テレビの音だけが部屋に響いていて私達の荒い呼吸をかき消してくれていた。「……さっきは出来なかったからな」と言って私のカットソーを脱がし露わになったブラジャーの上から胸に口付けを落とした隆の右手はスカートの中の太腿を這うように撫でてくる
「……ねぇ、帰れなくなっちゃうじゃん」
返事は無い。返事のかわりに私のショーツ侵入して来た中指がゆっくりと中を優しく掻き回すし、親指が肉芽を擦り腰がビクリと反射的に動く
「……今日は帰さねぇ。ごめんな」
色っぽい声で言われ、黙った私の中の良い所を刺激する様に動く指に自然に声が出てしまい慌てて口を塞いだ。鎖骨から首筋を舌が這って、中を刺激される指がもう一本増えると足がガクガクして来てしまい口から我慢していた声が漏れてきて気持ち良さで涙が滲んでくる。私のそんな顔を見て満足そうに微笑む隆に眉を寄せた
「……まだ2人、起きてるのに……」
「もうイきそう?けっこう中びしゃびしゃ」
「……言わなくていいって」
「もうちょい虐めちゃおーかな」
ニッコリと笑顔になった隆は、私の良い所を知り尽くしているのか果てそうになると止めてを繰り返してくる
「も、本当に、勘弁して……」
「……ちょっとやり過ぎたか。悪ぃ」
ガクガクと震えて足に力が入らない私を抱き上げてからベッドに下ろすと、躊躇無く自身をあてがって中に入ってきた瞬間に「んん」と口から漏れた声が部屋に響いてしまう。我慢していたのが長かったからか入っただけで軽く達してしまった私の腰を持ち容赦なく打ち付けて来た隆から逃れようと身を捩る
「あ、ぁぁぁ、いや、んんん」
「……もっと声聞きてーなー。」
「……お願い激しくしないで。あっちに聞こえちゃう……」
わかってると言って深く口付けをしながら奥に入ってくる感覚に膣がビクビクと隆を締め付ける。クッと小さく声を出した彼の頭を撫でようと手を伸ばすがその手を取られて後ろを向かされまた激しく打ち付けてくる彼に全然分かって無いじゃんと思いながら枕を抱きしめ声を我慢しながらまた達してしまった
「……うぅ。」
「悪ぃ、……全然我慢出来なかった」
「……眠くなっちゃったよぉ。帰る気も失せた」
「……寝ちゃおーぜ、今日は。」
何だかさ、空っぽだった胸がいっぱいでお前に触れたくてたまらなかったと小さく呟いて額にキスを落としてきた隆の顔を見て、仕方ないなぁと言いながら嬉しくなり微笑む。明日は忙しくなっちゃうけど、隆が幸せならいいかなと思った。抱き締めて鼻を擦り寄せた来た隆の手を握るとそのまま目を瞑る
なんだか、懐かしい記憶が蘇ってくる感じがした
小学校の時の記憶。お母さんが帰って来なくてお腹が空いて仕方なくて貯金箱から500円を取り出してコンビニに向かった。辺りはもう暗くて猫が鳴くだけでビクビクしてしまっていた気がする
トボトボと小さな足で歩いていた私に声を掛けてきたのは小さな妹を抱っこ紐で抱えた隆だった
「……三ツ谷君」
「お前、こんな時間に何してんの?」
「お腹空いちゃってさ」
「飯食ってねーの?母ちゃん仕事?」
「パパ居ないし、ママは彼氏のとこ」
「……お前も大変だな。コンビニ行くんだろ?付いてってやるよ」
「いいの?恐いから凄い助かる」
「いいよ。行こうぜ」
小さな隆はやんちゃで、この時から既に気は強かった気がする。コンビニでおにぎりを3つ買って隆に1つ渡して帰りたくない。寂しいって言った。
そんな私を家にあげてくれて二人でおにぎりを食べそのまま寄り添って眠ってしまった
「ねぇ、隆」
「ん?」
「小学校の時さ夜中にコンビニ連れてってくれたの覚えてる?」
「あー、何となくな。3年くらいの時か?」
「うん。あの時も私帰らなくて寝ちゃったよね。次の日の朝まで一緒に寝てた」
「まぁ、あん時は子供だったからな。ルナに対するような気持ちでお前を見てたよ」
「懐かしい。……あの時も手握っててくれたよね」
そう言った私に、あぁ。とだけ返した隆は目を瞑ってしまった。色々聞きたい事や話したい事が沢山あったけど何だか今はそれはいいやと思った。そのいいやは上手くいえないけどとても良いものに感じ、彼の腕に抱き着いて横顔を見つめていた
隆のあどけない寝顔を見ていると、私もウトウトしてきてしまう。体も心も満たされているような感じがして幸せな気分で目を瞑った
