短編 シリーズ
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普段お寿司を食べるといえば100円寿司が定番な私にとって三ツ谷さんが連れて行ってくれた寿司屋は美味しすぎた。21時に店に入りヘアメイクをして貰っている間も寿司の余韻が抜けず、給料が入ったら絶対にまた行こうと心に決めていた。小林さんにハーフアップの巻き髪にして貰ってから淡いパープルのドレスを借りて着替えると、メイクを軽く直してから気合いを入れて更衣室を出た
更衣室を出ると私が出勤して来た時よりも店内はザワザワと賑わっていて活気があり、アイスや割り物を運ぶ黒服さんが早足で席と厨房を行ったり来たりと忙しそうにしている。カウンターの近くで少し困った様な顔をした店長が私を手招きしていて、直ぐにそちらに向かうと「雪那ちゃん指名が3つ来てるから順番に回すね」と言われて思わず声を出してしまった
「指名?私?をですか?」
「梨乃ちゃんのお客さんが2組来ていてね、梨乃ちゃん休みだって伝えたら聞いてるから雪那ちゃん呼んでって」
「ああ、そうゆう事ですね。分かりました」
「忙しいかもしれないけど頑張って」
「はい」
ファイトと小さく笑った店長に微笑むと、直ぐに梨乃のお客様の席に案内された。優しそうな年配のおじ様は「梨乃ちゃんから聞いてるよ、シャンパンでも飲もうか」と言って嬉しそうに迎えてくれて内心少し安心した。もう1組のお客様の席でも殆どが梨乃の話になってしまったけれど、盛り上げる事も出来たしお客さんがずっと優しかったから緊張していた私も徐々に肩の力が抜けて気楽に話せる様になっていった
23時半を過ぎた頃に2組のお客さんが帰ると、それを見送ってから1度トイレに行き鏡で口紅を塗り直しているとフラリと足元がぐらついた。あの2組が帰ったら何だか急に酔いが回っている気がする。鏡に写る自分をよく見れば目はトロンとしていて、気を張っていないと瞼が閉じてしまいそうだった
寿司屋で飲みすぎたのもあるか……何て思いながらトイレを出ると直ぐに店長に「お待たせしてるから直ぐに三ツ谷さんの所に行ってくれる?」と言われて頷いた。少しだけフラフラとしながら早足で彼の席に向かうと「お、頑張ったな 」と言われて座る前に優しく手を取ってくれた三ツ谷さんに嬉しくなり思わず満面の笑みを浮かべてしまう
「社長、雪那ちゃんに優しいー。私にも優しくして」
何故か表情が固い八戒さんの隣に座っている女の子がそう言って笑うと、「仕方ねぇな。じゃあドンペリ入れてやる」と言って苦笑いする三ツ谷さんの横顔を見ながらクスクスと笑う。シャンパン続きで少しだけクラクラするけれど、閉店まで後1時間くらいだしもう少し頑張らなきゃと再度気合いを入れた。「やったね、雪那ちゃん」と笑いかけて来た女の子に笑顔で頷くと、横から「 無理すんなよ雪那」と小さな声で声を掛けてくれた三ツ谷さんの優しさが嬉しかった
最後に記憶があるのは車に乗る時に頭をぶつけ、それを見て焦った様に私の名前を呼ぶ三ツ谷さんの顔と車の中でずっと彼に寄りかかっていた事だけだった。
気持ちが悪くて目を覚ますと辺りは暗く自宅の寝室だった。喉の乾きに起き上がるとベッドサイドには新品のミネラルウォーターと胃薬があって、それを手に取り飲み込むと水で流し込んだ。口の中の気持ち悪さに耐えきれずに洗面所に行って歯を磨くと鏡に写る自分は顔色は少し悪いけれどメイクはしっかりと落とされていた
寝室に戻ると布団をかけた三ツ谷さんがベッドに寝ていて1瞬目を見開いたけれど、今は気持ちが悪いしそれ所では無い。寒いし早く寝たいと思いベッドに入り布団を持ち上げると何故か彼は上半身裸で下にスウェットを履いていた。温かそうな彼の腕に抱き着いて目を瞑れば、小さな声で「大丈夫か?」と聞こえてくる。その声に頷くと背中に腕が回って来て、優しく抱き締められてそのまま眠ってしまった
日の光が眩しくて目を開けると隣に彼は居なかったけれど、体調は何だか良くなっている気がした。シャワーを浴びてからリビングに入ればコンロの上に出しっぱなしの鍋が見えて、覗いてみるとすっかり冷えた卵のお粥が入っていた。酔って作ったのか?と自分の記憶を探れば思い当たる節は無く、だとしたら彼しか居ない。戸棚から珈琲の缶を取り出して珈琲メーカーにセットしようとすれば既に温かい珈琲が出来上がっていた
「……三ツ谷さんて……本当にヤクザ?」
首を傾げながら思わず口に出してしまう。お粥を温め直してから口に入れれば優しい味が広がって何だか幸せな気持ちになった。お腹がいっぱいになるまでお粥を食べてから薬を飲み、温かい珈琲を少し薄めて飲むと何だか元気になった気がした。3日くらいしていなかった掃除をして、軽くメイクをして買い物に出掛けてから家に帰って来ると玄関に男物の靴があって驚いたが確かこの靴は三ツ谷さんの靴だった筈だ
早足でリビングに入ると、キッチンに居る三ツ谷さんは「おかえり。てか、携帯持ってけよ」と言って私の額を小突く。「三ツ谷さん、どうやって入ったんですか?」と聞けば溜息を吐いてからポケットから取り出した鍵は家の予備の鍵だった
「昨日渡してくれただろ。……もしかして覚えてねぇの?」
「……す、すみません。あ、後お粥美味しかったです。優しい味でした」
「お、良かった。具合は?」
「もうすっかり大丈夫だと思ってたんですけど、買い物行ったら疲れちゃって」
「二日酔いナメんなよ、雪那」
「ふふふ」
歯を見せて笑う三ツ谷さんは着替えて来たのかラフな黒のシャツとパンツ姿だった。コンロの横に置いてある袋の中を覗けば、野菜や肉などが入っていて量は2人にしてはかなり多い
「三ツ谷さん、こんなに買って来てくれたんですか?」
「昨日雪那が鍋食いてぇって言ってたからな。……って、覚えてねぇか?」
フッと小さく笑うと袋から取り出した野菜を冷蔵庫に入れる後ろ姿を見て、何だか胸が熱くなった。思わず背中に抱き着いて彼の背に顔を埋めてから回した手に力を入れるとやってしまってから胸がドキドキし始めてしまい顔まで熱くなってきた
「…… 雪那」
「……三ツ谷さん、ありがとう」
私の言葉を聞いて少しすると、ゆっくりとこちらに体を向けた三ツ谷さんから離れようとするとサッと手を背に回されて抱き締められてしまう。目線を上に上げると優しい顔で微笑む三ツ谷さんに何だか照れてしまって顔を下げると、右手で顎を持ち上げられて唇に優しく口付けされた
車の中でされた時と同じセブンスターの香りがして、葉タバコは今は苦手になってしまった筈なのに三ツ谷さんからするこの香りは何だか嫌じゃなかった。左手が後頭部に回り角度を変えて深く口付けしてくる三ツ谷さんに応えるように彼の背に腕を回した
少ししてから、ゆっくりと離れた唇。私を見つめる三ツ谷さんの目から何だか愛情を感じて心がきゅんと暖かくなった
「……なぁ、まだ俺に本気になるの怖ぇ?」
「……まだって……まだ会って2日とか3日くらいですよ……。でも……」
「でも?」
「三ツ谷さんの事は……怖く無いです」
「……お前は何が怖いの?」
「…………三ツ谷さんの仕事かな」
「何で?」
「何でって……。1番嫌なのは三ツ谷さんが怪我したりする事かな……」
「怪我?……まぁ、昔は良く指とか刺して怪我もしたけど……。流石に今はしねぇよ。」
「……さ、刺したりするんですね…」
「もしかして……俺がかけ出しだから?プロになるまで収入が不安とか?」
「……かけ出しとかプロとかもあるんだ…」
「まぁ、まだ本職はチラホラしか仕事来ねぇけど、雪那 1人くらいならちゃんと養えるよ」
「……いや、収入の問題じゃなくて。刺すような事してるのは……流石に怖いですよ」
「……刺したり縫ったりするのが仕事何だから仕方ねぇだろ……」
「ぬ、縫うんですか?!……口とか??」
「……お前さっきから何言ってんの?」
目を丸くする三ツ谷さんに、「反社の人と付き合うのは少し不安何です」と正直に言ってから下を向くと急に抱き締められて切なさが込み上げてくる。何も言わない三ツ谷さんに「……大好きだけど……怖くて自信が無いです」と続けてから彼の胸に擦り寄ると少しだけ涙が出てきた
無言の三ツ谷さんが心配になって来て、背けている彼の顔を両手で掴んでこちらに向かせると口を閉じて笑いを我慢している様な顔をしている三ツ谷さんに腹が立ってしまい無言で涙を拭きながら睨み付けた
「プッ、くく。……お前、泣いてんの?」
「こんなに……短い間にこんなに好きになっちゃって。色々心配な事打ち明けたのに笑うなんて酷い」
睨み付けても、いまだに小さく笑っている三ツ谷さんは私の涙に1度口付けをしてから片手で携帯を取り出すと、画面を付けてから私に渡してくる。そこに写っていたのは「デザイン部門 優秀賞三ツ谷隆」と書かれた賞状を持ち、奇抜で美しいデザインのドレスの横に笑顔で立つ三ツ谷さんの姿だった
「……うそ。……デザイナー?刺すってナイフじゃ無いの?」
「……針な」
「…………縫うのは」
「生地な。てか、お前の発想のが怖くね?」
「……な、なんだ……本当に良かった」
「うちの店のドレスは俺が作ったんだよね。まぁ、反社みたいな時期も昔はあったし、あの店もその時からやってるから勘違いされても仕方ねぇけどな」
「……前に聞いた時に話逸らされたから……、本当に反社かと思ってた」
「……ちゃんとした1人前までは少し遠いから。……彼女にしたい子には言いにくくてさ」
「……彼女にしたいって思っててくれて嬉しいです」
何だか気が抜けてしまったのか、そのまま三ツ谷さんに寄りかかるとまだ少し含み笑いをしながら私の手を取りソファに座らせて頭を撫でてくれる。「飯作るから休んでろ」と言われてその優しさに素直に頷くと三ツ谷さんは腕を捲りながらキッチンに向かって行った。テレビを付け、ニュースを見ながらのんびりとしているとキッチンからトントンと野菜を切る音や鍋からグツグツと夕餉の音が聞こえてくる
何だか小さな幸せを感じるなと思いながら、ソファからずっと彼の料理する姿を見て微笑んでいた。それから、三ツ谷さん特製の鍋を食べながら色々聞きたい事を彼に直接聞いてみると、案外すんなりと話してくれた。パーさんは反社の仲間かと思っていたら不動産だったし、あの高そうな高級車は六本木にあるクラブのオーナーの灰谷さんから貰ったと言っていた。店長さんや黒服さん達は昔の後輩でいまだに上下関係が多少あるけど、俺を怖がっては無いと言っていたがその辺はふーんと返しておいた
「……そういえば……」
「まだ何かあるのか?」
「パーさんに、三ツ谷の女?って聞かれたの何でだろ……」
「あー。……アイツは小学校からのダチだしな。俺の好みをモロ知ってるから」
「私、三ツ谷さんの好み何ですか?」
「ああ。後、店の女の子は基本的に俺の隣には座らねぇから」
「そうなんだ……。」
「もう質問終わり?次は俺がして良い?」
「あ、はい」
「……雪那は俺と付き合う気ある?」
「……ふふふ。大好きって言ったじゃないですか」
微笑んだ私を見てフッと柔らかく笑った三ツ谷さんは「俺も」と小さな声で口を開くと隣に居る私の髪を優しく撫でた。食べ終わった食器を片付けてからコタツに入っている三ツ谷さんを後ろから眺めていると何だか抱き締めたくなって来て、ゆっくりと手を伸ばして彼の短めの黒髪に触れてから抱きしめた
「…… 雪那、甘えたいの?」
「何かデザイナーさんて分かったら、セーブしなくて良い気がしちゃって」
「ああ、そうゆう事か。……じゃあ俺もセーブしなくても大丈夫って事?」
「…………三ツ谷さん、セーブ何てしてたんですか?最初からけっこうグイグイな感じが……」
「お前からするとそう思うよな。……雪那、こっち来て」
差し出された手を取ったら、きっと彼を深く愛する選択肢しか無くなるんだろうなって分かったけど私は躊躇せずにその手を取った
膝の上に座らされ、深い口付けをされると三ツ谷さんの髪に手を入れて優しく撫でながら私も彼の唇を求める。服の中に入った来た手はレースのブラジャーを撫でながらゆっくりとホックを外し、柔らかな膨らみを優しく撫でる
「……ここでするんですか?」
「だめ?」
「明るいし……ベッドがいいな」
そう言った私に「……ならベッドにするか」と言った三ツ谷さんは私をそのままお姫様抱っこをすると、何だかご機嫌な顔で立ち上がり寝室に向かった。ベッドに優しく下ろされると、頬にかかった髪を優しく耳にかけられそのまま先程とは違う息が出来なくなる様な口付けが降ってくる。遠慮が無くなった手が激しく胸を掴み食べられる様に首筋を甘噛みされて思わず声を出すと、シャツを脱ぎ捨てた三ツ谷さんの顔はいつもと違う様に見えてドキドキしてしまう
「三ツ谷さん……」
「隆。……名前で呼んで」
「た、かし」
小さく呟いた私に少しだけ微笑むとシャツと下着を脱がされて体中丁寧に口付けされる。胸の先端に口付けされ、腰がビクンと小さく跳ねると秘部に触れた指がぴちゃぴちゃと音を鳴らして私は目を見開いた
「……え?……私こんな早くにそんなに濡れてるの?」
「……そんな驚く事なのか?」
「う、うん。ちょっと初体験だからビックリした」
「初体験?」
「……いつも濡れなくて困ってたくらいだったから」
そう言って少しだけ困った顔をした私に、隆は「へぇ」と言いながら濡れた秘部に指を埋めた。何だか入れられただけで気持ちが良くて思わず「ぁぁぁ」と自然に出てしまった甲高い声に自分の口を手で覆うと
「……最近した?」といつもと様子が違う少し低い声がした。顔を上げて彼の目を見つめると、冷たい目で見つめられて「……何で?」と口を開けば、指は2本に増えて中でバラバラに動かされる。腰が引けてしまう程の強い快楽に「ヒッ」と言いながら達してしまうと、「……したのか聞いてんだけど」と言って指を引き抜いた隆はその指に付いた愛液を舐め取りながら私を見つめていた
「してないよ……1年くらい……」
「… 雪那…絶対他の奴とするなよ」
うんと頷く前に秘部に宛てがわれた熱い物がすんなりと中に入って来て、奥を深く貫いた。頷く事も出来ずに「アァァ」と喘ぐ事しか出来ずにその深い快楽だけを感じていると徐々に激しくなっていく腰の動きに気持ちが良くて頭がどうにかなりそうだ。名前を呼ばれ、唇に口付けされながら最奥を突かれ果ててしまうと何だかお腹の奥が熱くなった気がした
「……悪ぃ。……もう1回していい?」
私を抱きながら耳元で小さく呟いた声に頷くと彼の背中に手を回して力を少しだけ込めた
あのまま声が出なくなるまで抱かれ眠ってしまったらしい。朝方に目を覚ますと私を抱き締めて眠る隆の顔が直ぐ目の前にあって、自然と微笑んでいる自分がいた。下腹部の違和感に気付いて直ぐに起き上がると、お風呂場に駆け込んで温かいシャワーを浴びながら彼の放った熱を掻き出す様に洗った。このままだと妊娠する日は近そうだなと思ったけれど、不思議と不安を感じないのは先程お前一人なら十分養えるからと言ってくれたからだろうか。お金がうんぬんでは無くて、何だか未来に同棲を考えてくれている様な話し方だった事が何より嬉しかった
まだ会って間もないけれど根は真面目な人だし、自分の事を本当に大事にしてくれる人だって信じている自分がいるのかもしれない
沸いているお湯に浸かり体を温めていると、胸やお腹に残る口付けの痕を指で優しく撫でる。明日明後日、お店に出勤したらもうあの店ともお別れかと思うと少し寂しい気がしてしまう。隆に頼んで週に1度だけバイトをさせてもらうのは駄目だろうかと考えながら風呂からあがり、温かな体でベッドに戻ると彼を抱き締めてから眠りについた
「駄目だ」
「えぇ??何で?人手不足なんでしょ?」
「……男と話さなくていい。なんなら今日も行くなと言いたい所だけど、梨乃との約束があるなら今日明日だけは俺は何も言わねぇから。」
「……隆って……そんな感じの人なんだ」
「……何だよ……。」
「ふふふ。かわい」
吹き出した私を見て目を細めた隆はソファでメイクをする私の膝にゆっくり頭を乗せた。「隆動かないでね、マスカラ付いちゃうから」念入りに重ね塗りをして睫毛を上げていると、何故か黙ってしまった隆は私のメイクする姿を静かに見つめていた
「ねぇねぇ、隆。お願いがあるの」
「ん?」
メイクを終えてから膝でウトウトしていた彼の頬を撫でながら猫撫で声を出すと、ゆっくりと目を開けた隆は「お願い?なんだ?」と言いながら手を伸ばし私の唇を軽く撫でた
「……日曜日に私がご馳走するのでまたあのお寿司屋さんに連れてって下さい」
「へぇ。そんなに気に入ったんだ。給料は模様替えに使えよ、寿司は仕事頑張ったご褒美に連れてってやるから」
「いやったぁぁぁ!本当に嬉しい。あ、でも何かして貰ってるばっかりで悪いからお返ししたいな」
「……んじゃ、俺にもご褒美くれる?」
そう言ってからニッと笑った隆に、「た、高い物じゃ無ければ大丈夫」と少し焦りながら頷くと、急に起き上がり顔を近づけてきた彼に私は目をパチパチとしながら口を開くのを待った
「キスして、雪那」
「…………ふふふ。可愛いご褒美」
グロスを塗った唇を彼の唇に軽く押し付けると、右手を取られて徐々に口付けは深いものに変わった。舌を舐められて服に入って来た手を左手で押さえると、その手は1度引っ込んでゆっくりと私の膝下に回る。「えっ?ちょっと隆?」そのまま持ち上げられてしまい、落ちそうになる前に彼の首に手を回すと「出勤まで後1時間あるから」とご機嫌な顔で寝室に歩いていく彼の背中をバシバシと叩いたがそれは全く無意味だった
ベッドに優しく置かれ、「雪那、愛してる」と耳元で囁かれると出勤の事何てどうでも良くなってしまう気がした。ワンピースに入って来た彼の手が太腿を撫で、胸の谷間に顔を埋めた隆の髪を優しく撫でると彼の耳元で「愛してるよ、隆」と小さく呟いた
ゆっくりと顔を上げた隆の顔は今まで見た中で1番嬉しそうな顔をしていて、それを見て私は何だか暖かいものが沢山込み上げてきてしまって彼をギュッとキツく抱き締めた
更衣室を出ると私が出勤して来た時よりも店内はザワザワと賑わっていて活気があり、アイスや割り物を運ぶ黒服さんが早足で席と厨房を行ったり来たりと忙しそうにしている。カウンターの近くで少し困った様な顔をした店長が私を手招きしていて、直ぐにそちらに向かうと「雪那ちゃん指名が3つ来てるから順番に回すね」と言われて思わず声を出してしまった
「指名?私?をですか?」
「梨乃ちゃんのお客さんが2組来ていてね、梨乃ちゃん休みだって伝えたら聞いてるから雪那ちゃん呼んでって」
「ああ、そうゆう事ですね。分かりました」
「忙しいかもしれないけど頑張って」
「はい」
ファイトと小さく笑った店長に微笑むと、直ぐに梨乃のお客様の席に案内された。優しそうな年配のおじ様は「梨乃ちゃんから聞いてるよ、シャンパンでも飲もうか」と言って嬉しそうに迎えてくれて内心少し安心した。もう1組のお客様の席でも殆どが梨乃の話になってしまったけれど、盛り上げる事も出来たしお客さんがずっと優しかったから緊張していた私も徐々に肩の力が抜けて気楽に話せる様になっていった
23時半を過ぎた頃に2組のお客さんが帰ると、それを見送ってから1度トイレに行き鏡で口紅を塗り直しているとフラリと足元がぐらついた。あの2組が帰ったら何だか急に酔いが回っている気がする。鏡に写る自分をよく見れば目はトロンとしていて、気を張っていないと瞼が閉じてしまいそうだった
寿司屋で飲みすぎたのもあるか……何て思いながらトイレを出ると直ぐに店長に「お待たせしてるから直ぐに三ツ谷さんの所に行ってくれる?」と言われて頷いた。少しだけフラフラとしながら早足で彼の席に向かうと「お、頑張ったな 」と言われて座る前に優しく手を取ってくれた三ツ谷さんに嬉しくなり思わず満面の笑みを浮かべてしまう
「社長、雪那ちゃんに優しいー。私にも優しくして」
何故か表情が固い八戒さんの隣に座っている女の子がそう言って笑うと、「仕方ねぇな。じゃあドンペリ入れてやる」と言って苦笑いする三ツ谷さんの横顔を見ながらクスクスと笑う。シャンパン続きで少しだけクラクラするけれど、閉店まで後1時間くらいだしもう少し頑張らなきゃと再度気合いを入れた。「やったね、雪那ちゃん」と笑いかけて来た女の子に笑顔で頷くと、横から「 無理すんなよ雪那」と小さな声で声を掛けてくれた三ツ谷さんの優しさが嬉しかった
最後に記憶があるのは車に乗る時に頭をぶつけ、それを見て焦った様に私の名前を呼ぶ三ツ谷さんの顔と車の中でずっと彼に寄りかかっていた事だけだった。
気持ちが悪くて目を覚ますと辺りは暗く自宅の寝室だった。喉の乾きに起き上がるとベッドサイドには新品のミネラルウォーターと胃薬があって、それを手に取り飲み込むと水で流し込んだ。口の中の気持ち悪さに耐えきれずに洗面所に行って歯を磨くと鏡に写る自分は顔色は少し悪いけれどメイクはしっかりと落とされていた
寝室に戻ると布団をかけた三ツ谷さんがベッドに寝ていて1瞬目を見開いたけれど、今は気持ちが悪いしそれ所では無い。寒いし早く寝たいと思いベッドに入り布団を持ち上げると何故か彼は上半身裸で下にスウェットを履いていた。温かそうな彼の腕に抱き着いて目を瞑れば、小さな声で「大丈夫か?」と聞こえてくる。その声に頷くと背中に腕が回って来て、優しく抱き締められてそのまま眠ってしまった
日の光が眩しくて目を開けると隣に彼は居なかったけれど、体調は何だか良くなっている気がした。シャワーを浴びてからリビングに入ればコンロの上に出しっぱなしの鍋が見えて、覗いてみるとすっかり冷えた卵のお粥が入っていた。酔って作ったのか?と自分の記憶を探れば思い当たる節は無く、だとしたら彼しか居ない。戸棚から珈琲の缶を取り出して珈琲メーカーにセットしようとすれば既に温かい珈琲が出来上がっていた
「……三ツ谷さんて……本当にヤクザ?」
首を傾げながら思わず口に出してしまう。お粥を温め直してから口に入れれば優しい味が広がって何だか幸せな気持ちになった。お腹がいっぱいになるまでお粥を食べてから薬を飲み、温かい珈琲を少し薄めて飲むと何だか元気になった気がした。3日くらいしていなかった掃除をして、軽くメイクをして買い物に出掛けてから家に帰って来ると玄関に男物の靴があって驚いたが確かこの靴は三ツ谷さんの靴だった筈だ
早足でリビングに入ると、キッチンに居る三ツ谷さんは「おかえり。てか、携帯持ってけよ」と言って私の額を小突く。「三ツ谷さん、どうやって入ったんですか?」と聞けば溜息を吐いてからポケットから取り出した鍵は家の予備の鍵だった
「昨日渡してくれただろ。……もしかして覚えてねぇの?」
「……す、すみません。あ、後お粥美味しかったです。優しい味でした」
「お、良かった。具合は?」
「もうすっかり大丈夫だと思ってたんですけど、買い物行ったら疲れちゃって」
「二日酔いナメんなよ、雪那」
「ふふふ」
歯を見せて笑う三ツ谷さんは着替えて来たのかラフな黒のシャツとパンツ姿だった。コンロの横に置いてある袋の中を覗けば、野菜や肉などが入っていて量は2人にしてはかなり多い
「三ツ谷さん、こんなに買って来てくれたんですか?」
「昨日雪那が鍋食いてぇって言ってたからな。……って、覚えてねぇか?」
フッと小さく笑うと袋から取り出した野菜を冷蔵庫に入れる後ろ姿を見て、何だか胸が熱くなった。思わず背中に抱き着いて彼の背に顔を埋めてから回した手に力を入れるとやってしまってから胸がドキドキし始めてしまい顔まで熱くなってきた
「…… 雪那」
「……三ツ谷さん、ありがとう」
私の言葉を聞いて少しすると、ゆっくりとこちらに体を向けた三ツ谷さんから離れようとするとサッと手を背に回されて抱き締められてしまう。目線を上に上げると優しい顔で微笑む三ツ谷さんに何だか照れてしまって顔を下げると、右手で顎を持ち上げられて唇に優しく口付けされた
車の中でされた時と同じセブンスターの香りがして、葉タバコは今は苦手になってしまった筈なのに三ツ谷さんからするこの香りは何だか嫌じゃなかった。左手が後頭部に回り角度を変えて深く口付けしてくる三ツ谷さんに応えるように彼の背に腕を回した
少ししてから、ゆっくりと離れた唇。私を見つめる三ツ谷さんの目から何だか愛情を感じて心がきゅんと暖かくなった
「……なぁ、まだ俺に本気になるの怖ぇ?」
「……まだって……まだ会って2日とか3日くらいですよ……。でも……」
「でも?」
「三ツ谷さんの事は……怖く無いです」
「……お前は何が怖いの?」
「…………三ツ谷さんの仕事かな」
「何で?」
「何でって……。1番嫌なのは三ツ谷さんが怪我したりする事かな……」
「怪我?……まぁ、昔は良く指とか刺して怪我もしたけど……。流石に今はしねぇよ。」
「……さ、刺したりするんですね…」
「もしかして……俺がかけ出しだから?プロになるまで収入が不安とか?」
「……かけ出しとかプロとかもあるんだ…」
「まぁ、まだ本職はチラホラしか仕事来ねぇけど、雪那 1人くらいならちゃんと養えるよ」
「……いや、収入の問題じゃなくて。刺すような事してるのは……流石に怖いですよ」
「……刺したり縫ったりするのが仕事何だから仕方ねぇだろ……」
「ぬ、縫うんですか?!……口とか??」
「……お前さっきから何言ってんの?」
目を丸くする三ツ谷さんに、「反社の人と付き合うのは少し不安何です」と正直に言ってから下を向くと急に抱き締められて切なさが込み上げてくる。何も言わない三ツ谷さんに「……大好きだけど……怖くて自信が無いです」と続けてから彼の胸に擦り寄ると少しだけ涙が出てきた
無言の三ツ谷さんが心配になって来て、背けている彼の顔を両手で掴んでこちらに向かせると口を閉じて笑いを我慢している様な顔をしている三ツ谷さんに腹が立ってしまい無言で涙を拭きながら睨み付けた
「プッ、くく。……お前、泣いてんの?」
「こんなに……短い間にこんなに好きになっちゃって。色々心配な事打ち明けたのに笑うなんて酷い」
睨み付けても、いまだに小さく笑っている三ツ谷さんは私の涙に1度口付けをしてから片手で携帯を取り出すと、画面を付けてから私に渡してくる。そこに写っていたのは「デザイン部門 優秀賞三ツ谷隆」と書かれた賞状を持ち、奇抜で美しいデザインのドレスの横に笑顔で立つ三ツ谷さんの姿だった
「……うそ。……デザイナー?刺すってナイフじゃ無いの?」
「……針な」
「…………縫うのは」
「生地な。てか、お前の発想のが怖くね?」
「……な、なんだ……本当に良かった」
「うちの店のドレスは俺が作ったんだよね。まぁ、反社みたいな時期も昔はあったし、あの店もその時からやってるから勘違いされても仕方ねぇけどな」
「……前に聞いた時に話逸らされたから……、本当に反社かと思ってた」
「……ちゃんとした1人前までは少し遠いから。……彼女にしたい子には言いにくくてさ」
「……彼女にしたいって思っててくれて嬉しいです」
何だか気が抜けてしまったのか、そのまま三ツ谷さんに寄りかかるとまだ少し含み笑いをしながら私の手を取りソファに座らせて頭を撫でてくれる。「飯作るから休んでろ」と言われてその優しさに素直に頷くと三ツ谷さんは腕を捲りながらキッチンに向かって行った。テレビを付け、ニュースを見ながらのんびりとしているとキッチンからトントンと野菜を切る音や鍋からグツグツと夕餉の音が聞こえてくる
何だか小さな幸せを感じるなと思いながら、ソファからずっと彼の料理する姿を見て微笑んでいた。それから、三ツ谷さん特製の鍋を食べながら色々聞きたい事を彼に直接聞いてみると、案外すんなりと話してくれた。パーさんは反社の仲間かと思っていたら不動産だったし、あの高そうな高級車は六本木にあるクラブのオーナーの灰谷さんから貰ったと言っていた。店長さんや黒服さん達は昔の後輩でいまだに上下関係が多少あるけど、俺を怖がっては無いと言っていたがその辺はふーんと返しておいた
「……そういえば……」
「まだ何かあるのか?」
「パーさんに、三ツ谷の女?って聞かれたの何でだろ……」
「あー。……アイツは小学校からのダチだしな。俺の好みをモロ知ってるから」
「私、三ツ谷さんの好み何ですか?」
「ああ。後、店の女の子は基本的に俺の隣には座らねぇから」
「そうなんだ……。」
「もう質問終わり?次は俺がして良い?」
「あ、はい」
「……雪那は俺と付き合う気ある?」
「……ふふふ。大好きって言ったじゃないですか」
微笑んだ私を見てフッと柔らかく笑った三ツ谷さんは「俺も」と小さな声で口を開くと隣に居る私の髪を優しく撫でた。食べ終わった食器を片付けてからコタツに入っている三ツ谷さんを後ろから眺めていると何だか抱き締めたくなって来て、ゆっくりと手を伸ばして彼の短めの黒髪に触れてから抱きしめた
「…… 雪那、甘えたいの?」
「何かデザイナーさんて分かったら、セーブしなくて良い気がしちゃって」
「ああ、そうゆう事か。……じゃあ俺もセーブしなくても大丈夫って事?」
「…………三ツ谷さん、セーブ何てしてたんですか?最初からけっこうグイグイな感じが……」
「お前からするとそう思うよな。……雪那、こっち来て」
差し出された手を取ったら、きっと彼を深く愛する選択肢しか無くなるんだろうなって分かったけど私は躊躇せずにその手を取った
膝の上に座らされ、深い口付けをされると三ツ谷さんの髪に手を入れて優しく撫でながら私も彼の唇を求める。服の中に入った来た手はレースのブラジャーを撫でながらゆっくりとホックを外し、柔らかな膨らみを優しく撫でる
「……ここでするんですか?」
「だめ?」
「明るいし……ベッドがいいな」
そう言った私に「……ならベッドにするか」と言った三ツ谷さんは私をそのままお姫様抱っこをすると、何だかご機嫌な顔で立ち上がり寝室に向かった。ベッドに優しく下ろされると、頬にかかった髪を優しく耳にかけられそのまま先程とは違う息が出来なくなる様な口付けが降ってくる。遠慮が無くなった手が激しく胸を掴み食べられる様に首筋を甘噛みされて思わず声を出すと、シャツを脱ぎ捨てた三ツ谷さんの顔はいつもと違う様に見えてドキドキしてしまう
「三ツ谷さん……」
「隆。……名前で呼んで」
「た、かし」
小さく呟いた私に少しだけ微笑むとシャツと下着を脱がされて体中丁寧に口付けされる。胸の先端に口付けされ、腰がビクンと小さく跳ねると秘部に触れた指がぴちゃぴちゃと音を鳴らして私は目を見開いた
「……え?……私こんな早くにそんなに濡れてるの?」
「……そんな驚く事なのか?」
「う、うん。ちょっと初体験だからビックリした」
「初体験?」
「……いつも濡れなくて困ってたくらいだったから」
そう言って少しだけ困った顔をした私に、隆は「へぇ」と言いながら濡れた秘部に指を埋めた。何だか入れられただけで気持ちが良くて思わず「ぁぁぁ」と自然に出てしまった甲高い声に自分の口を手で覆うと
「……最近した?」といつもと様子が違う少し低い声がした。顔を上げて彼の目を見つめると、冷たい目で見つめられて「……何で?」と口を開けば、指は2本に増えて中でバラバラに動かされる。腰が引けてしまう程の強い快楽に「ヒッ」と言いながら達してしまうと、「……したのか聞いてんだけど」と言って指を引き抜いた隆はその指に付いた愛液を舐め取りながら私を見つめていた
「してないよ……1年くらい……」
「… 雪那…絶対他の奴とするなよ」
うんと頷く前に秘部に宛てがわれた熱い物がすんなりと中に入って来て、奥を深く貫いた。頷く事も出来ずに「アァァ」と喘ぐ事しか出来ずにその深い快楽だけを感じていると徐々に激しくなっていく腰の動きに気持ちが良くて頭がどうにかなりそうだ。名前を呼ばれ、唇に口付けされながら最奥を突かれ果ててしまうと何だかお腹の奥が熱くなった気がした
「……悪ぃ。……もう1回していい?」
私を抱きながら耳元で小さく呟いた声に頷くと彼の背中に手を回して力を少しだけ込めた
あのまま声が出なくなるまで抱かれ眠ってしまったらしい。朝方に目を覚ますと私を抱き締めて眠る隆の顔が直ぐ目の前にあって、自然と微笑んでいる自分がいた。下腹部の違和感に気付いて直ぐに起き上がると、お風呂場に駆け込んで温かいシャワーを浴びながら彼の放った熱を掻き出す様に洗った。このままだと妊娠する日は近そうだなと思ったけれど、不思議と不安を感じないのは先程お前一人なら十分養えるからと言ってくれたからだろうか。お金がうんぬんでは無くて、何だか未来に同棲を考えてくれている様な話し方だった事が何より嬉しかった
まだ会って間もないけれど根は真面目な人だし、自分の事を本当に大事にしてくれる人だって信じている自分がいるのかもしれない
沸いているお湯に浸かり体を温めていると、胸やお腹に残る口付けの痕を指で優しく撫でる。明日明後日、お店に出勤したらもうあの店ともお別れかと思うと少し寂しい気がしてしまう。隆に頼んで週に1度だけバイトをさせてもらうのは駄目だろうかと考えながら風呂からあがり、温かな体でベッドに戻ると彼を抱き締めてから眠りについた
「駄目だ」
「えぇ??何で?人手不足なんでしょ?」
「……男と話さなくていい。なんなら今日も行くなと言いたい所だけど、梨乃との約束があるなら今日明日だけは俺は何も言わねぇから。」
「……隆って……そんな感じの人なんだ」
「……何だよ……。」
「ふふふ。かわい」
吹き出した私を見て目を細めた隆はソファでメイクをする私の膝にゆっくり頭を乗せた。「隆動かないでね、マスカラ付いちゃうから」念入りに重ね塗りをして睫毛を上げていると、何故か黙ってしまった隆は私のメイクする姿を静かに見つめていた
「ねぇねぇ、隆。お願いがあるの」
「ん?」
メイクを終えてから膝でウトウトしていた彼の頬を撫でながら猫撫で声を出すと、ゆっくりと目を開けた隆は「お願い?なんだ?」と言いながら手を伸ばし私の唇を軽く撫でた
「……日曜日に私がご馳走するのでまたあのお寿司屋さんに連れてって下さい」
「へぇ。そんなに気に入ったんだ。給料は模様替えに使えよ、寿司は仕事頑張ったご褒美に連れてってやるから」
「いやったぁぁぁ!本当に嬉しい。あ、でも何かして貰ってるばっかりで悪いからお返ししたいな」
「……んじゃ、俺にもご褒美くれる?」
そう言ってからニッと笑った隆に、「た、高い物じゃ無ければ大丈夫」と少し焦りながら頷くと、急に起き上がり顔を近づけてきた彼に私は目をパチパチとしながら口を開くのを待った
「キスして、雪那」
「…………ふふふ。可愛いご褒美」
グロスを塗った唇を彼の唇に軽く押し付けると、右手を取られて徐々に口付けは深いものに変わった。舌を舐められて服に入って来た手を左手で押さえると、その手は1度引っ込んでゆっくりと私の膝下に回る。「えっ?ちょっと隆?」そのまま持ち上げられてしまい、落ちそうになる前に彼の首に手を回すと「出勤まで後1時間あるから」とご機嫌な顔で寝室に歩いていく彼の背中をバシバシと叩いたがそれは全く無意味だった
ベッドに優しく置かれ、「雪那、愛してる」と耳元で囁かれると出勤の事何てどうでも良くなってしまう気がした。ワンピースに入って来た彼の手が太腿を撫で、胸の谷間に顔を埋めた隆の髪を優しく撫でると彼の耳元で「愛してるよ、隆」と小さく呟いた
ゆっくりと顔を上げた隆の顔は今まで見た中で1番嬉しそうな顔をしていて、それを見て私は何だか暖かいものが沢山込み上げてきてしまって彼をギュッとキツく抱き締めた
