歩くような速さで
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結局、マイキーもおぶなきゃいけねぇし寒くて帰るのダリィと言ったドラちゃんは、お腹いっぱいになるとコタツに丸まりそのままクッションを枕に寝てしまった。「歯ブラシあげるからしなよ」と肩を揺すっても全く起きず、そして周りで騒いでいるにも関わらずマイキーは涎まで垂らして深く眠っていた。ドラちゃんとマイキーのお皿やお椀を流し場で洗ってくれている隆に流石だなと思いながらもう中身がほぼ空っぽになった軽い重箱を両手で持上げキッチンに向かった
「2人来てくれたから全部空になって良かった、悪いけどこれも洗ってくれる?」
「ああ。でもおばさんの分平気か?」
「新しい彼氏出来た時は帰ってきても下に車待たせてて、着替えとか取りにくるだけだから平気だと思う」
「……そっか。前の彼氏はどれくらい続いてたんだ?」
「……うーんと、4ヶ月くらいかな?」
「………………」
その私の言葉に口を開かなくなった隆の手は止まる事無く重箱を洗っていた。冷凍庫から取り出したアイスを2つに割って片方を口の前に差し出すと、1度何か確認してから咥えた隆はモゴモゴしながらサンキュと言った
リビングは夜冷えるだろしコタツだけじゃ心配だったので今のうちからエアコンを付けておくと、ふとマイキーから涎が出ているのを思い出してティッシュで彼の口元を吹いていると、洗い物が終わったのか隆はその様子を見て笑いながら写真に収めていた
「12時過ぎたな、あけましておめでとうな」
「おめでとうございます。今年から沢山よろしくね」
「ああ。アイス食ったらそろそろ寝るか?」
「うん、隆の歯ブラシ出すからちょっと待ってて」
「 雪那 悪ぃけど1枚毛布貸してくんね?」
「ここの部屋はエアコン消さないから2人は大丈夫だと思うよ」
「いや、俺ソファで寝るから。コタツはドラケンがでけぇから入る隙間無いし」
「ん?……何でソファで寝るの?」
「……何でって。何だよ」
「一緒に寝ないの?ベッドセミダブルだから広いよ」
「……」
見つめ合って何秒か経ってから「ああ」と短く真顔で頷いた隆に「洗面所に新しい歯ブラシ出しとくね」と言って脱衣場に向かうと棚から出した新品の歯ブラシを洗面台の上に置いた。自室にエアコンを付けて部屋を温めてから歯ブラシを咥えて軽く掃除をしていると外からパンパンと響く様な小さな音が鳴っていて、もしかして花火かもと思いベランダに出るとかなり遠いけど小さく色とりどりの花火が見える
「へぇ、あれどの辺?」
「…全然分かんない」
開けっ放しだったガラス戸から覗いていた隆は「風邪引くから中から見ろよ」と言ってニット1枚の私の手を引いてくる。花火は一目見ただけで満足だったので、はいはいと言いながら部屋に入りふとコタツを見ればテーブルを枕にして眠っていたマイキーはいつの間にか横になって眠っていた
「マイキー君もドラちゃんも下硬いから体痛くなっちゃうかな?」
「……丈夫だから平気じゃね?」
「うーん、やっぱり明日起きたら痛いの可哀想だし、敷布団出すかな。隆2人を布団に乗せるの手伝って」
「いいけど、多分ドラケンマジ重いぞ」
リビングの収納棚にある客用の布団セットを出して、コタツの横に敷いてからドラちゃんを乗せようとするがやはり全く持ち上がらないので、ゴロゴロ転がしているとマイキーを引っ張っていた隆がそれを見てケラケラと笑う。結局ドラちゃんがその声で目を薄く開けてくれたので「布団敷いたからこっちで寝て」と肩を揺すりながら言えばこくりと頷いてから布団に横になり直ぐに寝てしまった
「マイキー君も完了だね」
「この2人が寄り添って寝てるとか何か嫌だな」
「1つしか無いからしょうがない。毛布と布団掛けて私達も寝よ」
「そうだな、何か疲れたしな」
「隆も2人の間で寝る?」
「遠慮するわ。スゲェむさ苦しそう」
ベッドに入って麗奈から来ていたHappyNewYearのメッセージに返信をしていると、お母さんからもメッセージが来ていて珍しく明日の夜に1回帰るからご飯買っていくと入っていた。歯ブラシが終わったのか部屋に入って来た隆に「これ着てね」と言って部屋着のスウェットの上下を渡すと、もそもそと着替える隆のお腹が見えて思わず2度見した
「えっ?どしたのそのお腹……」
「……はっ?どしたのって何だよ」
「割れてて凄い。……もしかしてあの二人も割れてんの?」
「割れてんじゃね?皆筋トレしてるからな」
着替え終わってベッドに入って来た隆の服を捲りお腹をペタペタ触って感動していると、呆れた様に私を見た隆はペチリとおデコを1度叩いて来て凄く良い音がなった
「……ベッドであんまり俺に触るな」
「えぇ。……それは無理だよ」
「無理ってなんだよ。普通に襲うぞ」
「今日は2人がいるから明日以降だと嬉しいです」
ニッコリと微笑んだ私から瞳を逸らし「……いいのかよ」と呟いてから小さく溜息を吐いた隆に「駄目のが良かった?」と聞くともう1度額をペチリと叩かれた
「俺は嬉しいけど……体大事にしなきゃ駄目だろ」
「体より隆のが大事だもん」
「……お前絶対天然タラシだよな。おばさんもお前もモテるのが良く分かるぜ」
「私はお母さんと違って隆だけにしかしないもん」
何だかちょっと一緒にされて腹が立ったのでプイっとそっぽを向くと、小さく笑った隆は私の手を引いてそのままベッドに倒れ込むと優しく私の体を包んでくれる
「……ずっと俺にだけな。約束」
「当たり前でしょ。隆も私だけだからね」
「わーってるよ」
何だか若くて私達可愛いなぁと自分の事なのに可笑しくて目を閉じてクスクス笑っていると、唇に柔らかい物が触れて下唇を優しく舐められる。舌先で歯をなぞってくる隆のワックスを付けていない髪に手を入れると柔らかい髪を優しく撫でた。ゆっくりと唇を離した隆は最後に1度だけ触れるだけの口付けを落とし、ぎゅっと腰に手を回して抱き締めてくれる
「……おやすみ」
「うん、おやすみ」
「……大丈夫かと思ってたけど隣でお前が寝てるとけっこうキツイな……」
「…ふふ…かーわいい」
「おい、真面目に言ってんだからな」
「我慢してる隆が可愛いから眠るまでずっとちゅーしちゃおうかなぁ」
「にゃろう」
鼻に甘噛みして来た隆の脇腹をくすぐって、二人でじゃれ合ってると疲れてきていつの間にか2人共何も話さなくなって抱き締めあって眠ってしまった
何かがもぞもぞと動く感覚に目が覚めると、私の腕に擦り寄り眠る隆に自然と微笑んでしまう。カーテンから入って来る光は明るくて今日は晴天になりそうだなと思いながら1度伸びをして気合いを入れた。彼の肩まで毛布を掛けてから朝ごはんの支度をしようとリビングに行けばコタツはもぬけの殻になっていて、畳んである客用布団とテーブルの上にあったのは「ご飯ご馳走様でした、またよろしく」と書かれた書き置きだった
「……何だ2人帰っちゃったんだ」
2人が居ないならお正月だし、また2度寝しようと自室に戻りベッドに入ると私の振動でゆっくりと瞼を開けた隆は「あの2人は?起きた?」と眠そうな声を出した
「2人共帰っちゃってた。全然気づかなかったよ」
欠伸をしながら隆の腕に額を擦り付けてお腹に手を置くと、その手の上に乗ってきた手は優しく絡まった
「……今何時?」
「9時くらいかな?」
「まだ寝みぃ……」
「私ももうちょい寝る」
瞼を閉じると直ぐに聞こえてきた規則正しい寝息を聞きながら私も心地よく眠りについた。1度ぐっすり寝ていたので2時間くらいしてスッキリと起きると珍しく隆はまだ眠っていた。疲れてるかなと思い隆の事はそのままにしてシャワーを浴びてから支度をしているとインターホンが鳴ったので1日から一体誰だよと思い玄関を開ければ、隆のおばさんとルナちゃんとマナちゃんが笑顔で立っていた
「えぇ??おばさんにルナちゃん、マナちゃん!どうしたんですか?」
「 雪那ちゃんあけましておめでとう」
「おめでとうございます、良かったら上がって下さい」
手を伸ばして来たマナちゃんを抱き上げて、足に抱き着いてきたルナちゃんの頭を優しく撫でるとおばさんは廊下の奥を見つめて「あれ?隆は?」と首を傾げた
その言葉に少し微笑んでから自室のドアの前に立ち、おばさんを手招きすると靴を脱いだおばさんは「お邪魔します」と言ってこちらに歩いてくる。私が静かにドアを開けるといまだにスヤスヤと眠る隆はベッドで大の字で眠っていた
「……呆れた。もうお昼なのに」
「隆は昨日夜中まで家事手伝ってくれてて、あ!そういえばバッグありがとうございました。凄い気に入りました」
「本当に?良かった。こっちも女の子のバッグとか服とか選ぶの楽しかった。いつも美味しい物ありがとうね」
そんな話をおばさんとしていると、私の腕から滑り落ちる様に地に足を着いたマナとルナが勢い良く隆の体目掛けてベッドにダイブする。「ぐはっ」と聞こえた声からはお腹に直撃したんだなと分かるくらいの唸り方だった
「お兄ちゃんずるーい」
「マナもここに泊まりたかったぁ」
「お前達か……つーか、めちゃくちゃ痛ェんだけど」
「隆、あんたまだ寝てんの?」
「母ちゃんまでいんのかよ……」
げんなりとした顔の隆に思わず吹き出すと、渋々起き上がった隆は頭を掻きながら私達の横を通り過ぎて脱衣場に入って行った。「良かったら珈琲いれます」と言った私にベッドをトランポリンにして遊んでいる二人に注意したおばさんは「ありがとう、頂きます」と言ってキッチンに向かう私の後ろに続いた
珈琲とオレンジジュースを3人に出してから自分と隆の分の珈琲をいれていると、ルナちゃんとマナちゃんはソファに座りお正月のアニメ番組に釘付けだった
珈琲を啜ったおばさんは「凄い美味しいこの珈琲」と言って銘柄を聞いてきたので、その話で盛りがっているとシャワーを浴びていたのかタオルを首に下げた隆がリビングに入って来る。珈琲を注いだマグカップを渡すと「サンキュ」と言っておばさんの向かいに座ったので私もその隣にマグカップを持ち腰掛けた
「てか何でいんだよ」
「隆と雪那ちゃんが付き合ってるって聞いたから新年の挨拶よ。お節とお雑煮まで頂いちゃって」
本当にありがとうねと言ったおばさんは「そういえばお母さんは?怪我は大丈夫なの?」と心配そうな顔を向けて来たので思わず苦笑いしてしまった
「……お母さんは事故おこした時の相手とデートです」
「あらあら……昔から雪那ちゃんも大変ね。でもデート出来るなら怪我は大丈夫そうで安心した」
お母さんがそうゆう人なのは小学校の時、隆の家に泊まった時にバレている。だけど、昔から隆のおばさんはお母さんを悪く言わずに私をいつも褒めて頭を撫でてくれた記憶がある
あんなお母さんだけど他人から悪く言われるのは嫌なので、悪く言わずに私を労ってくれるおばさんにはいつも正直に話をしてしまう自分が居た。……ふと昔別れた時にもしかしておばさんを悲しませたのかなと何となく今思った
「事故って車同士の事故だったの?」
「事故って言っても、スリップして驚いたお母さんが隣の車に激突しただけなんですよ。無傷だったのに車の外に出て雪で滑って転んだだけだし……」
「そうだったのね。でも入院する様な怪我して無くて良かった」
「心配かけてすみません」
「…… 雪那 、腹減ったんだけど俺何か作る?勝手に冷蔵庫の中身使っていい?」
「卵ペースト作ってあるよ、パンは冷凍庫」
「おー」
先程からチラチラと珈琲を啜る隆の手を見ていたおばさんは隆が立ち上がりキッチンに向かうと、小さな声のつもりなんだろうけど割と大きい声で「指輪お揃い??」と興味津々な顔で口元に手を当てて聞いてくる。その台詞を聞いて「ブフッ」と吹き出した隆の声に私が笑ってしまうと「もしかして隆があげたの!?」と驚愕の表情をするおばさんが面白くて、指輪を抜いておばさんに差し出せば、後ろから「おい、見せんなよ」と声が聞こえた
いまだに隆がペアリングを渡した事が不思議なのか、おばさんは感心した様な顔で念入りに私のリングを穴が開きそうな位見つめている
「…… 雪那ちゃん、裏に日付と隆の名前が刻印されてるけど……日付って付き合った日?」
「あ、はい。隆のには日付と私の名前があるんです。凄い素敵なプレゼントで驚いちゃいました」
「……隆がこれをねぇ……お母さんもビックリよ。でも何だか仲良しで良かった。隆はしっかりしてるけど女の子と付き合った事無いからね。雪那ちゃんと上手くやれてるかちょっと心配だったのよ」
「おばさん、隆は学校で女性の扱いも上手いから凄いモテるんですよ」
「へぇ。初耳だわ……。でも雪那ちゃんは落ち着いてるから余裕も器量もありそうだし、その点は安心ね」
「雪那はこう見えて俺が幼稚園の時に先生の事好きだったとか言うとマジで怒るから」
「ぎゃあああ、言わないでよ」
私が叫ぶとその焦った声にニッと笑った隆の顔を見ておばさんはゲラゲラと笑い出した。目から出てきた涙を拭う様に指で拭き取り「あんた達の惚気が面白過ぎるわ」そう言っていまだにクスクスと笑っている
「あ、そういえばおばさん達は初詣は行かないんですか?」
「ルナとマナがファミレスのお子様ランチ食べたいって言うから先にそっちに行って時間あったら寄る感じかしら」
「お母さんお腹空いた」
「マナも」
お子様ランチの言葉に反応した2人はアニメを放り出しておばさんの元に来ると催促する様にカーディガンの裾を引っ張っり出した。「ハイハイ、じゃあそろそろ行こうか」そう言って立ち上がったおばさんに私も立ち上がり3人を見送る為に玄関へ向かう事にした
「本当に色々ありがとうね。ご馳走様でした、隆の事末永くよろしくね」
「はい、こちらの方がいつもお世話になっているので」
「もし、お母さん帰って来なくて雪那ちゃんが寂しかったりしたら隆に言いなね」
「…ふふっ…ありがとうございます」
頭を下げた私にルナちゃんとマナちゃんは「今度泊まりに来て良い?」と聞いてきたので「お兄ちゃんとおいで」と言えば嬉しそうに微笑んでくれた。3人に手を振って見送りをしてからリビングに戻るとソファに移動して座っていた隆の横に座り彼の肩に頭を置いた
「……おばさん優しい。やっぱり大好き」
「ん?何か言われた?」
「一人で寂しい時は隆を呼びなって言ってくれた」
「ああ。……俺もなるべく傍に居てあげなってこの間言われた」
「でも、隆もマナちゃんとルナちゃんの食事の事もあるしチームの事とか部活とか色々忙しいからね。隆が会いたいと思ってくれた時に来てくれたら嬉しいよ」
「ああ。雪那も遠慮しないで言えよ」
「うん」
耳下まで伸びて来た隆の柔らかい髪をくしゅくしゅっと撫でてお礼を言うと「俺も出来ればお前とずっと居たいし」と小さな声で言って来た隆に嬉しい様な恥ずかしい様な気持ちになり胸がいっぱいで言葉が出なかった。顔を上げると目の前にあった首筋と喉仏に口付けをして優しく舌を這わせると「……おい」と低い声で言われてしまったけど「今のは隆が悪いもーん」と言って痕が付かない様に何度もキスを落とした
「ちゃんと痕つけなかったよ」
「…………お前なぁ」
「お返ししてくれてもいいよ」
「……欲しいならしてやる」
「隆君がどうしてもしたいなら受けてたつ」
「阿呆か」と言って笑い出した隆は私の手を握ると体を押し付けそのまま組み敷いてくる。ドキドキを通り越してやっと彼と深く繋がれるのかなと何だか安心している自分が不思議だった。菫色のやる気の無さそうな瞳が私を真っ直ぐに見つめ直ぐに唇に柔らかい唇が触れた
いつもみたいな優しい口付けでは無くて、口の中全てが彼に掻き回されている様な激しい口付けだった。舌が絡み合い唾液が口に入って来ると自然にその唾液がゴクリと喉の奥を通過した。それが合図の様に温かい手がカットソーの中に入りブラジャー越しに私の胸を触ると、離れた唇は首筋に吸い付いてくる
「はぁ、ん……」
「……かわい」
自然に出てしまった声に嬉しそうな隆の声。何かを話そうとしたけれど胸の突起を指で優しく撫でられて、服が捲られると直ぐに反対の胸の突起を舌が這い吸われる感覚に腰がビクリと揺れて思わず自分の手を口に当て声が出ない様にしてしまう
「……誰もいねぇから可愛い声聞かせて」
「……13歳の台詞じゃないよそれ……」
「何だよそれ」と言って1度小さな声で笑った隆は胸の谷間に顔を埋めてぎゅっと背中に腕を回してキツく抱き締めてくる。柔らかな髪が顎を擽って、隆のスウェットの中に手をいれて吸い付く様な肌を優しく撫でると何回かぎゅうっと抱き締められて珍しく少し痛いなって感じた
「……隆、ちょっと痛い」
「あ……悪ぃ。大丈夫か?」
「力強過ぎ、腕折れちゃうよ」
ふふふっと軽く笑うと「…ああ」と申し訳なさそうにした隆の眉の下がった顔が可愛くて愛しくなった。自身の熱を覚まそうと1度深呼吸をした唇が塞がれる様に口付けを落とされスカートの中に入って来た手は太腿を上下に優しい手つきで撫でられて少しだけ擽ったくて身を捩る
口付けしていた唇は離れ、胸の突起をついばむように刺激されると太腿を撫でていた手は優しく敏感な部分に触れて思わず背中が小さく跳ねた。何回か指でなぞりショーツに入って来た指が突起を優しく撫でながら濡れていない入口も刺激されて「うぅ」と小さく出た声に指はピタリと止まった
「……やっぱり痛ぇ?」
「……ううん、痛くないよ。大丈夫」
心配そうに顔を覗かれてクスクスと小さく笑った私に安心した様な顔をした隆はショーツから手を抜くと自分の口の中に指を入れた
「……何してんの?」
「濡れてねぇと痛いだろ」
「……何か恥ずかしい……」
「こんなんで恥ずかしがってたら出来ねぇよ」
フッと薄く笑った隆は唾液を付けていた指を私の口の中に入れて来ると谷間に顔を埋め舌を這わせてくる。15歳の付き合っていた時に体の関係が無かった分、隆の行動がやけに厭らしくて13歳に見えないなと思いながら口の中を掻き回してくる指に舌を這わせた
顔を抱き締められると、ショーツの脇から入って来た唾液まみれの指が私の中に入って来て思わずビクリと腰が跳ね、自然と出た声を消す様に目の前にある彼の首筋に口を押し付けた。クチュっと自分でも分かるくらいの水音と優しく掻き回されている中の不思議な感覚がもどかしくて手に力が入ってしまう
記憶や知識だけは沢山あるけれど体が初めてって感じが慣れていない。何度もした事があるセックスも隆とは2回目だけど体が初めてって事がいまだに不思議。はぁと小さく溜息を吐いた隆は手を止めてから私の瞳を見つめてくると、その瞳は少しだけ潤んでいる様な切ない瞳だった
「……すげぇお前の中気持ち良さそ」
「……ん、何か普段触らない所触られてるから不思議な感じ」
「……痛くねぇ?平気?」
「…濡れすぎてて恥ずかしくて死にそう」
「濡れなかったら俺が悲しくて死ぬわ」
「…ん…なら良かったのかな……。隆の、触っても良い?」
「…………」
少し間が空いてから「無理しなくていいから」と言われ何を無理しているのか良く分からなくて。隆に返事をせずにスウェットの中に手を入れてボクサーパンツの上から優しく撫でると硬くなったそれはピクっと反応して「ん」と声を出した隆に微笑むと「しなくていいから」と手を押さえられた
「……何で?」
「…………内緒」
「……?」
ショーツから手を抜き、その場に寝かされるとテーブルにあった財布から何かを取り出した。その手には避妊具があり、財布に入れてる所が学生っぽいな何てぼんやりとその背中を見ているとこちらを向いた隆は私の上に優しく被さり少しだけ真面目な顔をした
「……痛かったら言えよ」
何回聞かれたか分からないこの言葉にこくりと頷くとショーツを下ろしそこにあてがったものが熱く感じて何だか少しドキドキしてくる。ゆっくりと入ってくる感覚に力をなるべく抜いて目を瞑っていると唇に軽く触れた唇は「好きだよ、大好きだ雪那」と小さく切なげに呟いた
その大好きな声と言葉を受け入れる様に背中に手を回すと、グッと奥まで入り込んできた押される様な感覚に「…うっ」と自分の吐息混じりの声が漏れた。思っていたよりは痛くなくて少しドキドキしていた胸が落ち着いてくると「……平気か?」と言って心配な顔で見てくる隆に「思っていたよりも痛くないから大丈夫」と微笑んだ。その返事にホッとした様な柔らかい顔をした隆は額や頬に何度も口付けをしてくれる
「……あ、やべぇ」
「……ん?」
そのまま動かないのは私に配慮してくれているからと勝手に勘違いしていたけれど、ゆっくりと腰が引いてティッシュを取った彼にそうゆう事かと納得して内心少しだけ笑ってしまう
「……悪ぃ」
「全然。何も悪く無いよ」
優しくしてくれてありがとねと言って背中に顔を寄せると、財布を手に取って何かを取り出した隆の手にはもう1つ避妊具があった。それをピリピリと破き何やらまた着け始めた隆に口がポカンと空いてしまった
「……もう1回しよ。お前体平気?」
「……う、うん」
着ける前に聞きなよと思ったけれど、何だかさっきよりも隆がリラックスしている様に見えた。口にも態度にも出さないけれど凄くしたいんだなって分かって何だかまた可愛く見えて自然と微笑んでしまった
先程よりもすんなりと入り痛みも無く安心していると、私と違い随分と気持ちよさそうな顔をしている隆をじっくりと見つめた。吐息に悩ましい声が混じり時折「くっ…」と眉を顰める隆が可愛くて何だか口元がにやけてしまう
「……お前、随分と余裕あんな」
「ん、まだあんまり気持ち良いとかちょっと分からなくて。でも……隆の余裕の無い顔見れて幸せ」
「…………何か複雑だな、それ。」
「ふふふ」
奥を圧迫される様な感覚が少し苦しいくらいで気持ち良さは余りないけれど、汗を滲ませ気持ちが良さそうな隆を見ているだけで何だか十分だった
終わってから何だか急に恥じらいが少し消えた私は服も着ずに隆の手を取って浴室に入ると、そのまま温かいシャワーを出して脱衣場でこちらを訝しげに見ている隆に手招きをした。「……お前良く恥ずかしくねぇな」「隆も隠してないじゃん」間髪入れずにそう言った私にやれやれみたいな顔をした隆に「あったかいよ」と言ってシャワーを手に取りもう1度手招きすると観念した様にこちらにやってくる
2人共1度シャワーを浴びていたので簡単に体を洗ってから少し熱めの浴槽に浸かった。温かいお湯の中で隆の膝に座り首に腕を回すと1度軽く口付けられてそれに応えるように頬に擦り寄った。先程肌を重ねてる時には考え無かったけれど、何だか体を触りたくなって来て胸やお腹をペタペタと触っていると13歳でも鍛えれば体もこんなになるんだなと何か感動した
「……おい、あんま触るともう1回するぞ」
「お腹硬くて羨ましいな、私も鍛えたいなぁ」
「…ん?…… お前お腹ぷにぷにだな」
やわやわとお腹の肉を触る隆をジロっと睨むと目を逸らした隆はもう片方の手でお尻を掴んでくる
「……女の子だからこれくらいで良いんじゃね?」
「んもぉ、お尻掴まないでよ」
ふざけてじゃれ合っていたらお湯が熱かったのか2人共汗だくになってしまい、結局髪の毛も洗う羽目になり風呂から出た時にはクタクタでそのままソファに倒れ込むと私の横に寝っ転がった隆を抱き締め目を閉じた
「…… 雪那ちゃん、んもぉ!起きてよ」
「…………お母さん?」
目を開ければ私の肩を揺するお母さんが居て体を起こすと、隣で寝ていた隆が飛び起きてお母さんに何故かすみませんと言って頭を下げている
「隆君どうしたの~?寝ぼけてるの?」
「……あ、いや。此処で寝ちゃってすみません。おばさんおかえりなさい」
「ただいまね、隆君にお土産あるから起きて。雪那ちゃんお菓子あるから珈琲入れてよぉ」
「……はいはい」
甘えた様な声で隆の頭を撫でるお母さんを見つめながら起き上がりキッチンに向かうと、キッチンテーブルの上に小さな可愛らしい袋が2つ置いてある
「お母さん何これ?」
「隆君と雪那ちゃんに一ノ瀬さんからお年玉よ」
「一ノ瀬さんて誰?」
「病院から送ってくれたじゃない、嫌ね~」
「ふーん。一ノ瀬さんて名前何だ。お母さんお礼伝えといてね」
隆を手招きするとこちらに歩いてきた隆に1つ渡してから中を覗くと、諭吉の枚数に固まってしまい思わず隣に居た隆の見た。中を覗いた隆は私と同じ様に固まってから私の方に向いて来て、真顔で二人で目を合わせてしまう
「……お母さんいくら何でも多すぎて貰いにくいよ」
「俺もこんなに頂けません」
「子供は遠慮しちゃダメよ~。どうせ1年に1回何だから好きな物買いなさいよ」
「……うーん。じゃあ有難く。隆も貰っておきな」
そう言った私に少しだけ苦笑いをしてから「ありがとうございます」と言ってお母さんに頭を下げた隆はリビングの小さなテーブルの上に置いてある自身の財布にしまった。コルク半にマフラーの布代で出費が激しかったのでこちらとしては助かったなと内心かなり一ノ瀬さんに感謝していた
今帰って来たばかりなのか、フルメイクに少し若作りをした格好のお母さんは隆にベッタリで隆のおばさんとルナとマナにお土産だとか言って紙袋を渡して嬉しそうに微笑んでいる。男の子が欲しいわと昔から言って居たお母さんからすると隆の存在は可愛くて仕方ないんだろうなと思った
「……お母さん、あんまり隆にベタベタすると隆が困っちゃうでしょ」
「お母さんは隆君が可愛くて仕方ないんです。雪那ちゃんは口出ししないで」
「……ははは」
「そんなに息子が欲しいなら一ノ瀬さんと作ってきなよ」
「…………」
「……おい、雪那 」
私の言葉に口をポカンと開けたお母さんを見てギョッとした隆は少し焦った様に私の名前を呼んだ
「……えっ? 雪那ちゃん良いの?嫌じゃないの?」
「前はちょっと嫌だったけど、今は嫌じゃないかな……。てか年の離れた弟欲しい」
「……えっ?そうゆう展開なのかよ……」
やったーと万歳したお母さんは隣に居た隆の手を握りブンブンと振り回すと「よ、良かったですね」と困った様に微笑む隆は何と言って良いか分からない様子で苦笑いをしている
「でも、ちゃんと面倒見なきゃ駄目だよ」
「たまに雪那ちゃん預かってね~」
「可愛い弟なら仕方ないけど、シッター代金や食費やオムツ代は払ってね」
「はーい」
「あ、そういえば全然忘れてたけど初詣行かなきゃ」
「……ん、ああ。じゃあ少しだけ行くか」
「お母さん、ちょっとお参りだけして直ぐ帰ってくるよ。暗くなってきたし」
「はいはい、気を付けてね」
お母さんの買って来たお菓子を何個か隆のポケットに詰めると財布と携帯をポケットに入れた隆はお母さんに挨拶をしていたので自室でコートを着てからマフラーを巻いて玄関に出ると、既に靴を履いて待っててくれていた隆と一緒に行ってきますと言って外に出た
少しだけ雪が振る夕焼けの美しさに感動していると、エレベーターに乗ろうとしている隆は「行くぞ」と言って中に入ってしまうのが見えたので足早にエレベーターに乗り込んだ。エントランスを出ていつものコンビニまで歩いていると「傘なくて大丈夫か?」と聞いてくる隆の腕に抱き着いて手を握った。「これくらいの雪なら大丈夫でしょ」と言えば手を握り返して来た隆は「お前、体平気?」といつも通り気遣ってくれる
「大丈夫だよ、痛くも無かったし」
「痛くなったら言えよ」
「うん」
「神社混んでるかな?」
「もう流石に誰も居ねぇよ」
そんな話をしているとまだ遠いが立派な鳥居が見えて来て、人もちらほらとだが中に入って行く様子が見える。「ん?」と言った隆に「何?」と返しながら彼を見ると目を細めて何かを見つめていた
「どしたの?」
「場地か?……ほら、あの駐車場のロン毛」
「……ああ。似てるかも」
階段の横にある駐車場にしゃがみこんでいる黒髪は確かに圭ちゃんに似ている。夏に会ってから見ていないけれど髪は随分と伸びた様に見えた
「……場地がさ、最近凄ぇ暴走気味でさ。けっけうドラケンが手やいてんだよね」
「暴走?」
「…一虎も真一郎君の事件から窃盗とか強盗まがいの事はしなくなったんだけどよ。場地と一虎が一緒になって喧嘩売りまくってチーム拡大するって張り切ってんだよ」
「……あ、圭介君気づいた」
こちらを見て手を振ってきた圭ちゃんは「三ツ谷!雪那ちゃん」と名前を呼びながらこちらに向かってくる。相変わらず目付きは悪いけど笑うと犬歯が可愛いのは昔からだなと思い私も彼に手を振った
「2人来てくれたから全部空になって良かった、悪いけどこれも洗ってくれる?」
「ああ。でもおばさんの分平気か?」
「新しい彼氏出来た時は帰ってきても下に車待たせてて、着替えとか取りにくるだけだから平気だと思う」
「……そっか。前の彼氏はどれくらい続いてたんだ?」
「……うーんと、4ヶ月くらいかな?」
「………………」
その私の言葉に口を開かなくなった隆の手は止まる事無く重箱を洗っていた。冷凍庫から取り出したアイスを2つに割って片方を口の前に差し出すと、1度何か確認してから咥えた隆はモゴモゴしながらサンキュと言った
リビングは夜冷えるだろしコタツだけじゃ心配だったので今のうちからエアコンを付けておくと、ふとマイキーから涎が出ているのを思い出してティッシュで彼の口元を吹いていると、洗い物が終わったのか隆はその様子を見て笑いながら写真に収めていた
「12時過ぎたな、あけましておめでとうな」
「おめでとうございます。今年から沢山よろしくね」
「ああ。アイス食ったらそろそろ寝るか?」
「うん、隆の歯ブラシ出すからちょっと待ってて」
「 雪那 悪ぃけど1枚毛布貸してくんね?」
「ここの部屋はエアコン消さないから2人は大丈夫だと思うよ」
「いや、俺ソファで寝るから。コタツはドラケンがでけぇから入る隙間無いし」
「ん?……何でソファで寝るの?」
「……何でって。何だよ」
「一緒に寝ないの?ベッドセミダブルだから広いよ」
「……」
見つめ合って何秒か経ってから「ああ」と短く真顔で頷いた隆に「洗面所に新しい歯ブラシ出しとくね」と言って脱衣場に向かうと棚から出した新品の歯ブラシを洗面台の上に置いた。自室にエアコンを付けて部屋を温めてから歯ブラシを咥えて軽く掃除をしていると外からパンパンと響く様な小さな音が鳴っていて、もしかして花火かもと思いベランダに出るとかなり遠いけど小さく色とりどりの花火が見える
「へぇ、あれどの辺?」
「…全然分かんない」
開けっ放しだったガラス戸から覗いていた隆は「風邪引くから中から見ろよ」と言ってニット1枚の私の手を引いてくる。花火は一目見ただけで満足だったので、はいはいと言いながら部屋に入りふとコタツを見ればテーブルを枕にして眠っていたマイキーはいつの間にか横になって眠っていた
「マイキー君もドラちゃんも下硬いから体痛くなっちゃうかな?」
「……丈夫だから平気じゃね?」
「うーん、やっぱり明日起きたら痛いの可哀想だし、敷布団出すかな。隆2人を布団に乗せるの手伝って」
「いいけど、多分ドラケンマジ重いぞ」
リビングの収納棚にある客用の布団セットを出して、コタツの横に敷いてからドラちゃんを乗せようとするがやはり全く持ち上がらないので、ゴロゴロ転がしているとマイキーを引っ張っていた隆がそれを見てケラケラと笑う。結局ドラちゃんがその声で目を薄く開けてくれたので「布団敷いたからこっちで寝て」と肩を揺すりながら言えばこくりと頷いてから布団に横になり直ぐに寝てしまった
「マイキー君も完了だね」
「この2人が寄り添って寝てるとか何か嫌だな」
「1つしか無いからしょうがない。毛布と布団掛けて私達も寝よ」
「そうだな、何か疲れたしな」
「隆も2人の間で寝る?」
「遠慮するわ。スゲェむさ苦しそう」
ベッドに入って麗奈から来ていたHappyNewYearのメッセージに返信をしていると、お母さんからもメッセージが来ていて珍しく明日の夜に1回帰るからご飯買っていくと入っていた。歯ブラシが終わったのか部屋に入って来た隆に「これ着てね」と言って部屋着のスウェットの上下を渡すと、もそもそと着替える隆のお腹が見えて思わず2度見した
「えっ?どしたのそのお腹……」
「……はっ?どしたのって何だよ」
「割れてて凄い。……もしかしてあの二人も割れてんの?」
「割れてんじゃね?皆筋トレしてるからな」
着替え終わってベッドに入って来た隆の服を捲りお腹をペタペタ触って感動していると、呆れた様に私を見た隆はペチリとおデコを1度叩いて来て凄く良い音がなった
「……ベッドであんまり俺に触るな」
「えぇ。……それは無理だよ」
「無理ってなんだよ。普通に襲うぞ」
「今日は2人がいるから明日以降だと嬉しいです」
ニッコリと微笑んだ私から瞳を逸らし「……いいのかよ」と呟いてから小さく溜息を吐いた隆に「駄目のが良かった?」と聞くともう1度額をペチリと叩かれた
「俺は嬉しいけど……体大事にしなきゃ駄目だろ」
「体より隆のが大事だもん」
「……お前絶対天然タラシだよな。おばさんもお前もモテるのが良く分かるぜ」
「私はお母さんと違って隆だけにしかしないもん」
何だかちょっと一緒にされて腹が立ったのでプイっとそっぽを向くと、小さく笑った隆は私の手を引いてそのままベッドに倒れ込むと優しく私の体を包んでくれる
「……ずっと俺にだけな。約束」
「当たり前でしょ。隆も私だけだからね」
「わーってるよ」
何だか若くて私達可愛いなぁと自分の事なのに可笑しくて目を閉じてクスクス笑っていると、唇に柔らかい物が触れて下唇を優しく舐められる。舌先で歯をなぞってくる隆のワックスを付けていない髪に手を入れると柔らかい髪を優しく撫でた。ゆっくりと唇を離した隆は最後に1度だけ触れるだけの口付けを落とし、ぎゅっと腰に手を回して抱き締めてくれる
「……おやすみ」
「うん、おやすみ」
「……大丈夫かと思ってたけど隣でお前が寝てるとけっこうキツイな……」
「…ふふ…かーわいい」
「おい、真面目に言ってんだからな」
「我慢してる隆が可愛いから眠るまでずっとちゅーしちゃおうかなぁ」
「にゃろう」
鼻に甘噛みして来た隆の脇腹をくすぐって、二人でじゃれ合ってると疲れてきていつの間にか2人共何も話さなくなって抱き締めあって眠ってしまった
何かがもぞもぞと動く感覚に目が覚めると、私の腕に擦り寄り眠る隆に自然と微笑んでしまう。カーテンから入って来る光は明るくて今日は晴天になりそうだなと思いながら1度伸びをして気合いを入れた。彼の肩まで毛布を掛けてから朝ごはんの支度をしようとリビングに行けばコタツはもぬけの殻になっていて、畳んである客用布団とテーブルの上にあったのは「ご飯ご馳走様でした、またよろしく」と書かれた書き置きだった
「……何だ2人帰っちゃったんだ」
2人が居ないならお正月だし、また2度寝しようと自室に戻りベッドに入ると私の振動でゆっくりと瞼を開けた隆は「あの2人は?起きた?」と眠そうな声を出した
「2人共帰っちゃってた。全然気づかなかったよ」
欠伸をしながら隆の腕に額を擦り付けてお腹に手を置くと、その手の上に乗ってきた手は優しく絡まった
「……今何時?」
「9時くらいかな?」
「まだ寝みぃ……」
「私ももうちょい寝る」
瞼を閉じると直ぐに聞こえてきた規則正しい寝息を聞きながら私も心地よく眠りについた。1度ぐっすり寝ていたので2時間くらいしてスッキリと起きると珍しく隆はまだ眠っていた。疲れてるかなと思い隆の事はそのままにしてシャワーを浴びてから支度をしているとインターホンが鳴ったので1日から一体誰だよと思い玄関を開ければ、隆のおばさんとルナちゃんとマナちゃんが笑顔で立っていた
「えぇ??おばさんにルナちゃん、マナちゃん!どうしたんですか?」
「 雪那ちゃんあけましておめでとう」
「おめでとうございます、良かったら上がって下さい」
手を伸ばして来たマナちゃんを抱き上げて、足に抱き着いてきたルナちゃんの頭を優しく撫でるとおばさんは廊下の奥を見つめて「あれ?隆は?」と首を傾げた
その言葉に少し微笑んでから自室のドアの前に立ち、おばさんを手招きすると靴を脱いだおばさんは「お邪魔します」と言ってこちらに歩いてくる。私が静かにドアを開けるといまだにスヤスヤと眠る隆はベッドで大の字で眠っていた
「……呆れた。もうお昼なのに」
「隆は昨日夜中まで家事手伝ってくれてて、あ!そういえばバッグありがとうございました。凄い気に入りました」
「本当に?良かった。こっちも女の子のバッグとか服とか選ぶの楽しかった。いつも美味しい物ありがとうね」
そんな話をおばさんとしていると、私の腕から滑り落ちる様に地に足を着いたマナとルナが勢い良く隆の体目掛けてベッドにダイブする。「ぐはっ」と聞こえた声からはお腹に直撃したんだなと分かるくらいの唸り方だった
「お兄ちゃんずるーい」
「マナもここに泊まりたかったぁ」
「お前達か……つーか、めちゃくちゃ痛ェんだけど」
「隆、あんたまだ寝てんの?」
「母ちゃんまでいんのかよ……」
げんなりとした顔の隆に思わず吹き出すと、渋々起き上がった隆は頭を掻きながら私達の横を通り過ぎて脱衣場に入って行った。「良かったら珈琲いれます」と言った私にベッドをトランポリンにして遊んでいる二人に注意したおばさんは「ありがとう、頂きます」と言ってキッチンに向かう私の後ろに続いた
珈琲とオレンジジュースを3人に出してから自分と隆の分の珈琲をいれていると、ルナちゃんとマナちゃんはソファに座りお正月のアニメ番組に釘付けだった
珈琲を啜ったおばさんは「凄い美味しいこの珈琲」と言って銘柄を聞いてきたので、その話で盛りがっているとシャワーを浴びていたのかタオルを首に下げた隆がリビングに入って来る。珈琲を注いだマグカップを渡すと「サンキュ」と言っておばさんの向かいに座ったので私もその隣にマグカップを持ち腰掛けた
「てか何でいんだよ」
「隆と雪那ちゃんが付き合ってるって聞いたから新年の挨拶よ。お節とお雑煮まで頂いちゃって」
本当にありがとうねと言ったおばさんは「そういえばお母さんは?怪我は大丈夫なの?」と心配そうな顔を向けて来たので思わず苦笑いしてしまった
「……お母さんは事故おこした時の相手とデートです」
「あらあら……昔から雪那ちゃんも大変ね。でもデート出来るなら怪我は大丈夫そうで安心した」
お母さんがそうゆう人なのは小学校の時、隆の家に泊まった時にバレている。だけど、昔から隆のおばさんはお母さんを悪く言わずに私をいつも褒めて頭を撫でてくれた記憶がある
あんなお母さんだけど他人から悪く言われるのは嫌なので、悪く言わずに私を労ってくれるおばさんにはいつも正直に話をしてしまう自分が居た。……ふと昔別れた時にもしかしておばさんを悲しませたのかなと何となく今思った
「事故って車同士の事故だったの?」
「事故って言っても、スリップして驚いたお母さんが隣の車に激突しただけなんですよ。無傷だったのに車の外に出て雪で滑って転んだだけだし……」
「そうだったのね。でも入院する様な怪我して無くて良かった」
「心配かけてすみません」
「…… 雪那 、腹減ったんだけど俺何か作る?勝手に冷蔵庫の中身使っていい?」
「卵ペースト作ってあるよ、パンは冷凍庫」
「おー」
先程からチラチラと珈琲を啜る隆の手を見ていたおばさんは隆が立ち上がりキッチンに向かうと、小さな声のつもりなんだろうけど割と大きい声で「指輪お揃い??」と興味津々な顔で口元に手を当てて聞いてくる。その台詞を聞いて「ブフッ」と吹き出した隆の声に私が笑ってしまうと「もしかして隆があげたの!?」と驚愕の表情をするおばさんが面白くて、指輪を抜いておばさんに差し出せば、後ろから「おい、見せんなよ」と声が聞こえた
いまだに隆がペアリングを渡した事が不思議なのか、おばさんは感心した様な顔で念入りに私のリングを穴が開きそうな位見つめている
「…… 雪那ちゃん、裏に日付と隆の名前が刻印されてるけど……日付って付き合った日?」
「あ、はい。隆のには日付と私の名前があるんです。凄い素敵なプレゼントで驚いちゃいました」
「……隆がこれをねぇ……お母さんもビックリよ。でも何だか仲良しで良かった。隆はしっかりしてるけど女の子と付き合った事無いからね。雪那ちゃんと上手くやれてるかちょっと心配だったのよ」
「おばさん、隆は学校で女性の扱いも上手いから凄いモテるんですよ」
「へぇ。初耳だわ……。でも雪那ちゃんは落ち着いてるから余裕も器量もありそうだし、その点は安心ね」
「雪那はこう見えて俺が幼稚園の時に先生の事好きだったとか言うとマジで怒るから」
「ぎゃあああ、言わないでよ」
私が叫ぶとその焦った声にニッと笑った隆の顔を見ておばさんはゲラゲラと笑い出した。目から出てきた涙を拭う様に指で拭き取り「あんた達の惚気が面白過ぎるわ」そう言っていまだにクスクスと笑っている
「あ、そういえばおばさん達は初詣は行かないんですか?」
「ルナとマナがファミレスのお子様ランチ食べたいって言うから先にそっちに行って時間あったら寄る感じかしら」
「お母さんお腹空いた」
「マナも」
お子様ランチの言葉に反応した2人はアニメを放り出しておばさんの元に来ると催促する様にカーディガンの裾を引っ張っり出した。「ハイハイ、じゃあそろそろ行こうか」そう言って立ち上がったおばさんに私も立ち上がり3人を見送る為に玄関へ向かう事にした
「本当に色々ありがとうね。ご馳走様でした、隆の事末永くよろしくね」
「はい、こちらの方がいつもお世話になっているので」
「もし、お母さん帰って来なくて雪那ちゃんが寂しかったりしたら隆に言いなね」
「…ふふっ…ありがとうございます」
頭を下げた私にルナちゃんとマナちゃんは「今度泊まりに来て良い?」と聞いてきたので「お兄ちゃんとおいで」と言えば嬉しそうに微笑んでくれた。3人に手を振って見送りをしてからリビングに戻るとソファに移動して座っていた隆の横に座り彼の肩に頭を置いた
「……おばさん優しい。やっぱり大好き」
「ん?何か言われた?」
「一人で寂しい時は隆を呼びなって言ってくれた」
「ああ。……俺もなるべく傍に居てあげなってこの間言われた」
「でも、隆もマナちゃんとルナちゃんの食事の事もあるしチームの事とか部活とか色々忙しいからね。隆が会いたいと思ってくれた時に来てくれたら嬉しいよ」
「ああ。雪那も遠慮しないで言えよ」
「うん」
耳下まで伸びて来た隆の柔らかい髪をくしゅくしゅっと撫でてお礼を言うと「俺も出来ればお前とずっと居たいし」と小さな声で言って来た隆に嬉しい様な恥ずかしい様な気持ちになり胸がいっぱいで言葉が出なかった。顔を上げると目の前にあった首筋と喉仏に口付けをして優しく舌を這わせると「……おい」と低い声で言われてしまったけど「今のは隆が悪いもーん」と言って痕が付かない様に何度もキスを落とした
「ちゃんと痕つけなかったよ」
「…………お前なぁ」
「お返ししてくれてもいいよ」
「……欲しいならしてやる」
「隆君がどうしてもしたいなら受けてたつ」
「阿呆か」と言って笑い出した隆は私の手を握ると体を押し付けそのまま組み敷いてくる。ドキドキを通り越してやっと彼と深く繋がれるのかなと何だか安心している自分が不思議だった。菫色のやる気の無さそうな瞳が私を真っ直ぐに見つめ直ぐに唇に柔らかい唇が触れた
いつもみたいな優しい口付けでは無くて、口の中全てが彼に掻き回されている様な激しい口付けだった。舌が絡み合い唾液が口に入って来ると自然にその唾液がゴクリと喉の奥を通過した。それが合図の様に温かい手がカットソーの中に入りブラジャー越しに私の胸を触ると、離れた唇は首筋に吸い付いてくる
「はぁ、ん……」
「……かわい」
自然に出てしまった声に嬉しそうな隆の声。何かを話そうとしたけれど胸の突起を指で優しく撫でられて、服が捲られると直ぐに反対の胸の突起を舌が這い吸われる感覚に腰がビクリと揺れて思わず自分の手を口に当て声が出ない様にしてしまう
「……誰もいねぇから可愛い声聞かせて」
「……13歳の台詞じゃないよそれ……」
「何だよそれ」と言って1度小さな声で笑った隆は胸の谷間に顔を埋めてぎゅっと背中に腕を回してキツく抱き締めてくる。柔らかな髪が顎を擽って、隆のスウェットの中に手をいれて吸い付く様な肌を優しく撫でると何回かぎゅうっと抱き締められて珍しく少し痛いなって感じた
「……隆、ちょっと痛い」
「あ……悪ぃ。大丈夫か?」
「力強過ぎ、腕折れちゃうよ」
ふふふっと軽く笑うと「…ああ」と申し訳なさそうにした隆の眉の下がった顔が可愛くて愛しくなった。自身の熱を覚まそうと1度深呼吸をした唇が塞がれる様に口付けを落とされスカートの中に入って来た手は太腿を上下に優しい手つきで撫でられて少しだけ擽ったくて身を捩る
口付けしていた唇は離れ、胸の突起をついばむように刺激されると太腿を撫でていた手は優しく敏感な部分に触れて思わず背中が小さく跳ねた。何回か指でなぞりショーツに入って来た指が突起を優しく撫でながら濡れていない入口も刺激されて「うぅ」と小さく出た声に指はピタリと止まった
「……やっぱり痛ぇ?」
「……ううん、痛くないよ。大丈夫」
心配そうに顔を覗かれてクスクスと小さく笑った私に安心した様な顔をした隆はショーツから手を抜くと自分の口の中に指を入れた
「……何してんの?」
「濡れてねぇと痛いだろ」
「……何か恥ずかしい……」
「こんなんで恥ずかしがってたら出来ねぇよ」
フッと薄く笑った隆は唾液を付けていた指を私の口の中に入れて来ると谷間に顔を埋め舌を這わせてくる。15歳の付き合っていた時に体の関係が無かった分、隆の行動がやけに厭らしくて13歳に見えないなと思いながら口の中を掻き回してくる指に舌を這わせた
顔を抱き締められると、ショーツの脇から入って来た唾液まみれの指が私の中に入って来て思わずビクリと腰が跳ね、自然と出た声を消す様に目の前にある彼の首筋に口を押し付けた。クチュっと自分でも分かるくらいの水音と優しく掻き回されている中の不思議な感覚がもどかしくて手に力が入ってしまう
記憶や知識だけは沢山あるけれど体が初めてって感じが慣れていない。何度もした事があるセックスも隆とは2回目だけど体が初めてって事がいまだに不思議。はぁと小さく溜息を吐いた隆は手を止めてから私の瞳を見つめてくると、その瞳は少しだけ潤んでいる様な切ない瞳だった
「……すげぇお前の中気持ち良さそ」
「……ん、何か普段触らない所触られてるから不思議な感じ」
「……痛くねぇ?平気?」
「…濡れすぎてて恥ずかしくて死にそう」
「濡れなかったら俺が悲しくて死ぬわ」
「…ん…なら良かったのかな……。隆の、触っても良い?」
「…………」
少し間が空いてから「無理しなくていいから」と言われ何を無理しているのか良く分からなくて。隆に返事をせずにスウェットの中に手を入れてボクサーパンツの上から優しく撫でると硬くなったそれはピクっと反応して「ん」と声を出した隆に微笑むと「しなくていいから」と手を押さえられた
「……何で?」
「…………内緒」
「……?」
ショーツから手を抜き、その場に寝かされるとテーブルにあった財布から何かを取り出した。その手には避妊具があり、財布に入れてる所が学生っぽいな何てぼんやりとその背中を見ているとこちらを向いた隆は私の上に優しく被さり少しだけ真面目な顔をした
「……痛かったら言えよ」
何回聞かれたか分からないこの言葉にこくりと頷くとショーツを下ろしそこにあてがったものが熱く感じて何だか少しドキドキしてくる。ゆっくりと入ってくる感覚に力をなるべく抜いて目を瞑っていると唇に軽く触れた唇は「好きだよ、大好きだ雪那」と小さく切なげに呟いた
その大好きな声と言葉を受け入れる様に背中に手を回すと、グッと奥まで入り込んできた押される様な感覚に「…うっ」と自分の吐息混じりの声が漏れた。思っていたよりは痛くなくて少しドキドキしていた胸が落ち着いてくると「……平気か?」と言って心配な顔で見てくる隆に「思っていたよりも痛くないから大丈夫」と微笑んだ。その返事にホッとした様な柔らかい顔をした隆は額や頬に何度も口付けをしてくれる
「……あ、やべぇ」
「……ん?」
そのまま動かないのは私に配慮してくれているからと勝手に勘違いしていたけれど、ゆっくりと腰が引いてティッシュを取った彼にそうゆう事かと納得して内心少しだけ笑ってしまう
「……悪ぃ」
「全然。何も悪く無いよ」
優しくしてくれてありがとねと言って背中に顔を寄せると、財布を手に取って何かを取り出した隆の手にはもう1つ避妊具があった。それをピリピリと破き何やらまた着け始めた隆に口がポカンと空いてしまった
「……もう1回しよ。お前体平気?」
「……う、うん」
着ける前に聞きなよと思ったけれど、何だかさっきよりも隆がリラックスしている様に見えた。口にも態度にも出さないけれど凄くしたいんだなって分かって何だかまた可愛く見えて自然と微笑んでしまった
先程よりもすんなりと入り痛みも無く安心していると、私と違い随分と気持ちよさそうな顔をしている隆をじっくりと見つめた。吐息に悩ましい声が混じり時折「くっ…」と眉を顰める隆が可愛くて何だか口元がにやけてしまう
「……お前、随分と余裕あんな」
「ん、まだあんまり気持ち良いとかちょっと分からなくて。でも……隆の余裕の無い顔見れて幸せ」
「…………何か複雑だな、それ。」
「ふふふ」
奥を圧迫される様な感覚が少し苦しいくらいで気持ち良さは余りないけれど、汗を滲ませ気持ちが良さそうな隆を見ているだけで何だか十分だった
終わってから何だか急に恥じらいが少し消えた私は服も着ずに隆の手を取って浴室に入ると、そのまま温かいシャワーを出して脱衣場でこちらを訝しげに見ている隆に手招きをした。「……お前良く恥ずかしくねぇな」「隆も隠してないじゃん」間髪入れずにそう言った私にやれやれみたいな顔をした隆に「あったかいよ」と言ってシャワーを手に取りもう1度手招きすると観念した様にこちらにやってくる
2人共1度シャワーを浴びていたので簡単に体を洗ってから少し熱めの浴槽に浸かった。温かいお湯の中で隆の膝に座り首に腕を回すと1度軽く口付けられてそれに応えるように頬に擦り寄った。先程肌を重ねてる時には考え無かったけれど、何だか体を触りたくなって来て胸やお腹をペタペタと触っていると13歳でも鍛えれば体もこんなになるんだなと何か感動した
「……おい、あんま触るともう1回するぞ」
「お腹硬くて羨ましいな、私も鍛えたいなぁ」
「…ん?…… お前お腹ぷにぷにだな」
やわやわとお腹の肉を触る隆をジロっと睨むと目を逸らした隆はもう片方の手でお尻を掴んでくる
「……女の子だからこれくらいで良いんじゃね?」
「んもぉ、お尻掴まないでよ」
ふざけてじゃれ合っていたらお湯が熱かったのか2人共汗だくになってしまい、結局髪の毛も洗う羽目になり風呂から出た時にはクタクタでそのままソファに倒れ込むと私の横に寝っ転がった隆を抱き締め目を閉じた
「…… 雪那ちゃん、んもぉ!起きてよ」
「…………お母さん?」
目を開ければ私の肩を揺するお母さんが居て体を起こすと、隣で寝ていた隆が飛び起きてお母さんに何故かすみませんと言って頭を下げている
「隆君どうしたの~?寝ぼけてるの?」
「……あ、いや。此処で寝ちゃってすみません。おばさんおかえりなさい」
「ただいまね、隆君にお土産あるから起きて。雪那ちゃんお菓子あるから珈琲入れてよぉ」
「……はいはい」
甘えた様な声で隆の頭を撫でるお母さんを見つめながら起き上がりキッチンに向かうと、キッチンテーブルの上に小さな可愛らしい袋が2つ置いてある
「お母さん何これ?」
「隆君と雪那ちゃんに一ノ瀬さんからお年玉よ」
「一ノ瀬さんて誰?」
「病院から送ってくれたじゃない、嫌ね~」
「ふーん。一ノ瀬さんて名前何だ。お母さんお礼伝えといてね」
隆を手招きするとこちらに歩いてきた隆に1つ渡してから中を覗くと、諭吉の枚数に固まってしまい思わず隣に居た隆の見た。中を覗いた隆は私と同じ様に固まってから私の方に向いて来て、真顔で二人で目を合わせてしまう
「……お母さんいくら何でも多すぎて貰いにくいよ」
「俺もこんなに頂けません」
「子供は遠慮しちゃダメよ~。どうせ1年に1回何だから好きな物買いなさいよ」
「……うーん。じゃあ有難く。隆も貰っておきな」
そう言った私に少しだけ苦笑いをしてから「ありがとうございます」と言ってお母さんに頭を下げた隆はリビングの小さなテーブルの上に置いてある自身の財布にしまった。コルク半にマフラーの布代で出費が激しかったのでこちらとしては助かったなと内心かなり一ノ瀬さんに感謝していた
今帰って来たばかりなのか、フルメイクに少し若作りをした格好のお母さんは隆にベッタリで隆のおばさんとルナとマナにお土産だとか言って紙袋を渡して嬉しそうに微笑んでいる。男の子が欲しいわと昔から言って居たお母さんからすると隆の存在は可愛くて仕方ないんだろうなと思った
「……お母さん、あんまり隆にベタベタすると隆が困っちゃうでしょ」
「お母さんは隆君が可愛くて仕方ないんです。雪那ちゃんは口出ししないで」
「……ははは」
「そんなに息子が欲しいなら一ノ瀬さんと作ってきなよ」
「…………」
「……おい、雪那 」
私の言葉に口をポカンと開けたお母さんを見てギョッとした隆は少し焦った様に私の名前を呼んだ
「……えっ? 雪那ちゃん良いの?嫌じゃないの?」
「前はちょっと嫌だったけど、今は嫌じゃないかな……。てか年の離れた弟欲しい」
「……えっ?そうゆう展開なのかよ……」
やったーと万歳したお母さんは隣に居た隆の手を握りブンブンと振り回すと「よ、良かったですね」と困った様に微笑む隆は何と言って良いか分からない様子で苦笑いをしている
「でも、ちゃんと面倒見なきゃ駄目だよ」
「たまに雪那ちゃん預かってね~」
「可愛い弟なら仕方ないけど、シッター代金や食費やオムツ代は払ってね」
「はーい」
「あ、そういえば全然忘れてたけど初詣行かなきゃ」
「……ん、ああ。じゃあ少しだけ行くか」
「お母さん、ちょっとお参りだけして直ぐ帰ってくるよ。暗くなってきたし」
「はいはい、気を付けてね」
お母さんの買って来たお菓子を何個か隆のポケットに詰めると財布と携帯をポケットに入れた隆はお母さんに挨拶をしていたので自室でコートを着てからマフラーを巻いて玄関に出ると、既に靴を履いて待っててくれていた隆と一緒に行ってきますと言って外に出た
少しだけ雪が振る夕焼けの美しさに感動していると、エレベーターに乗ろうとしている隆は「行くぞ」と言って中に入ってしまうのが見えたので足早にエレベーターに乗り込んだ。エントランスを出ていつものコンビニまで歩いていると「傘なくて大丈夫か?」と聞いてくる隆の腕に抱き着いて手を握った。「これくらいの雪なら大丈夫でしょ」と言えば手を握り返して来た隆は「お前、体平気?」といつも通り気遣ってくれる
「大丈夫だよ、痛くも無かったし」
「痛くなったら言えよ」
「うん」
「神社混んでるかな?」
「もう流石に誰も居ねぇよ」
そんな話をしているとまだ遠いが立派な鳥居が見えて来て、人もちらほらとだが中に入って行く様子が見える。「ん?」と言った隆に「何?」と返しながら彼を見ると目を細めて何かを見つめていた
「どしたの?」
「場地か?……ほら、あの駐車場のロン毛」
「……ああ。似てるかも」
階段の横にある駐車場にしゃがみこんでいる黒髪は確かに圭ちゃんに似ている。夏に会ってから見ていないけれど髪は随分と伸びた様に見えた
「……場地がさ、最近凄ぇ暴走気味でさ。けっけうドラケンが手やいてんだよね」
「暴走?」
「…一虎も真一郎君の事件から窃盗とか強盗まがいの事はしなくなったんだけどよ。場地と一虎が一緒になって喧嘩売りまくってチーム拡大するって張り切ってんだよ」
「……あ、圭介君気づいた」
こちらを見て手を振ってきた圭ちゃんは「三ツ谷!雪那ちゃん」と名前を呼びながらこちらに向かってくる。相変わらず目付きは悪いけど笑うと犬歯が可愛いのは昔からだなと思い私も彼に手を振った
