短編2
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普段よりも開放的になった胸元からは汗が流れ、しっとりと汗ばんでいる。汗で濡れたシャツが体に張り付いてサンジの引き締まった体のラインを露わにする。ムチッとした胸元に顔を埋めれば、サンジの腕が私を引き離す。
「?」
「そんな可愛い顔してもだめ!」
今のおれ汚ェから離れて、と言われたって正面には魅力的な餌があるようにしか見えない。官能的に濡れたサンジは香水と煙草、それに濃い汗の匂い。頬を薔薇色にしてサンジの首に伝う汗を指で掬い上げる私の手を取り、めっ、と幼子を怒るように眉を吊り上げるサンジ。
「だって、いい匂いだもの」
サンジの濃い匂いは私をメロメロにさせる、本人は臭いから駄目、風呂に入って来ると私を引き離そうとするが私はサンジの忠告を右から左に受け流す。
「……どこがいい匂いなの、汗臭ェし煙草の臭いだってキツイだろ?」
肘まで腕捲りされたシャツをくんくんと嗅ぎながら眉を顰めるサンジ。私はそんなサンジの腰に抱き着いて、スンスンと鼻を鳴らす。
「サンジに包まれてる的な?」
「っ、くく、疑問形?」
背中にやっと回された腕は緩く私を抱き締める、いつものようにギュッと力一杯抱きしめてくれればいいのにサンジはまだ匂いを気にしているらしい。
「もっと」
「……あとから臭ェは無しだよ、レディ」
サンジの腕に力が入り、ゼロ距離になった二人。サンジの匂いに包まれるこの瞬間が好きだ。頭の中も心もサンジの事しか考えられなくなる、まるで身体中をサンジに占領されているようだ。
「ナマエちゃんは匂いに興奮する変態さんなのかな」
「そうかも、サンジ限定だけど」
「……相性が良い相手の匂いって特別なんだってさ」
私も聞いた事がある、相手の体臭に惹かれるという事は遺伝子レベルで相性が良いと言えるらしい。
「なら、サンジが私を変態にしたんだよ」
「エッ!?おれ!?」
サンジの首に腕を回して自身の方に引き寄せる、サンジの白い首に顔を寄せて胸一杯にサンジの匂いを取り込む。興奮というよりもサンジの匂いは落ち着くのだ、私の気持ちを安らげる効果がある。
「くすぐってェって、ナマエちゃん」
「おりゃ」
遠慮無くサンジの匂いを堪能する私。こんな暑い日に二人で体を密着させていれば汗だってかく筈だ、私は自身の首を伝う汗を手の甲で拭おうとする。だが、先に何かが私の首に触れた。
「ひゃ」
サンジの肉厚な舌が私の汗を掬い取る。突然のサンジの行動に驚く私の首筋に顔を埋めたままサンジはこう口にする。
「君ばっかりズリィ」
おれにも楽しませて、と拗ねたような表情で私を見上げるサンジ。数分後には汗と唾液でベタベタな体を二人シャワーで洗い流し、同じボディソープの香りを身に纏ったままベッドで汗だくになる。そして、また相性の良さに気付くのだ。