短編
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並んだブラの大きさに泣きたくなった、ナミの下着に紛れていた布切れのようなブラ。その布切れはエッチでも面積が狭いわけでもない、ただ、持ち主の胸が酷く小さいだけだ。私はナミやロビンみたいに発育が良いわけではない、年齢を考えた所でもう成長は見込めないだろう。胸は下から数えて二番目の小ぶりなサイズ、お尻はぺったんこで後ろから見たらまるで子供のようだ。ナミみたいな大胆な格好もロビンみたいな大人な格好も私には向いていない、だから、出来るだけ年相応に見えたらいいな、とシンプルな服装を心掛けている。
サンジのロッカーに積まれたエッチな本の中身を興味本位で覗いた事がある、そこにはナミやロビンと肩を並べられるくらいのナイスバディなお姉様が下着や水着の役割を担っていない布を申し訳程度に付けて、きわどいポーズで男を誘惑していた。エッチな本を読んでいる事も巨乳が好きな事もサンジの自由だ、それに関しては何も思わない。ただ、実際の恋人がこんなちんちくりんでサンジは満足出来ているのか、そこだけが引っ掛かった。
「ナマエちゃん、何か隠してるでしょ」
確信を持ったような聞き方だ、サンジは何が楽しいのか、私を膝に座らせると、あろうことか私の大した膨らみもない胸に顎を乗せてきた。その胸が悩みのタネだと言ったら、サンジは笑うだろうか。考え過ぎだよ、と宥めてくれるかも。どちらにしても虚しい。
「サンジくんには言えねェ悩み?」
「んー、サンジくんには言いたいけど言いたくない」
これじゃ、聞いてください、と言っているようなものだ。
「……おれじゃ解決してやれねェ悩み?」
「どっちかって言うとサンジの言葉次第」
私の悩みに親身になり過ぎて話を聞く前から、うるうると揺れるサンジの碧眼。私はサンジの両頬に手を添えると、正面からサンジの顔をじっと見つめる。
「ちんちくりんで満足してますか?」
「へ?」
「……ナミやロビンみたいなおっぱいもお尻もないし、サンジが大好きなエッチな本のお姉様みたいにはなれないけど、私、サンジのこと好きなままでいい?」
びーかっぷのおっぱいでもかわいがってくれますか、と恥を承知でサンジに問い掛ける。段々、恥ずかしくなってきて真っ赤な顔で下を向く私。
サンジは私の胸に顔を押し当てる、そしてキャミソールを軽く指で引っ張って、ちゅっちゅ、と触れるだけのキスを降らす。
「サンジ……?」
「ナマエちゃんのおっぱいが小さくて良かったなァ、って思ってるって言ったら君は怒るかい?」
「怒らないけど……えっと、どうして?」
サンジは私の体をぎゅっと抱き締めると、私の耳元に口を寄せる。
「君とゼロ距離でいられるから」
ほら、ぎゅーって、そう言ってサンジは私の想像と違う答えをくれる。
「それに君は十分に魅力的だ」
「……ナミやロビンよりも?」
「あぁ、君は特別だ。おれにとって君のサイズがベストさ」
先程までモヤモヤしていた気持ちはサンジの手によって吹き飛んでしまった、小さくてもちんちくりんでもサンジのベストサイズなら、この子供のような体も愛せる気がした。